幼馴染にフラれたので旅に出ることにした   作:イグアナ

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ガラル編
29話


 シバリがこの地方に足を踏み入れる一週間程前、重い足取りでリーグ本部内を歩く少女が居た。

 

(頼み事、かぁ……) 

 

 ()()()()じゃなければいいなと思いつつ、彼女は事前に指定されていた部屋へと入室した。

 

「こんにちは。あの、頼み事があるって聞いてきたんですけど」

「おお、いらしてくださったんですねユウリさん。ご足労いただきありがとうございます。ささ、そちらにお座りください」

 

 ユウリと呼ばれた少女は、リーグスタッフの言葉に軽く会釈すると、促されたようにソファーに座った。

 

「実はですね、最近ワイルドエリアで不審な人物が目撃されているのです」

「不審な人物……ですか?」

「はい。様々な報告が上がっていますが、共通しているのは『"ガラル粒子"に対して並々ならぬ執着を持っている』ということです」

「それって……」

 

 合点がいったようなユウリの表情に、リーグスタッフはこくりと頷いた。

 

「前委員長……彼の求めた理想の共感者。……今となっては、残党と言うべき人物なのかもしれません」

「残党……」

「はい。実はリーグスタッフの中にもその人物を見かけた者が居まして、話を聞こうとしたらしいのですが……」

「……何かあったんですか?」

「有無を言わさずポケモンバトルを仕掛けられたとのことです。しかも負けたリーグスタッフに対してポケモンに攻撃させたようでして、大怪我を負ってしまった……とも。幸い命に別状は無く、後遺症なども残らなかったのですが……」

「……酷い」

 

 ポケモンを使って人を痛めつけるなどあってはならない。

 

 大多数の人間がそのような認識を持っているはずだが、件の不審人物はその常識から外れているようだ。

 

 どうやら思った以上に事態は深刻なのだと、ユウリは現状を受け止めた。

 

「……そこで、ユウリさんにお願いがあるのです。我々リーグスタッフとしても巡回を強化して不審人物の確保に努めますが、犯人のポケモンバトルの実力は本物。ここは強いトレーナーの人にもご協力いただきたいのです」

「もしかして、それで私が……?」

「はい。お察しの通り、ユウリさんにも不審人物の捜索をお手伝いいただきたいのです。ガラル新チャンピオンのユウリさんなら、バトルの腕に心配はありませんから」

 

 『いかがでしょう?』と聞いてくるリーグスタッフに、ユウリは少し自信なさげに口を開く。

 

「……で、でも、そういうことなら私よりも──」

「──おっしゃりたいことはわかります。ダンデさんですね? ですが、ダンデさんは現委員長としての業務がお忙しいようで、こちらの問題に時間が割けないとのことなのです」

「……そう、ですか……」

 

 ダンデならば周囲の安心感も含め自分よりも適任だと考えていたユウリだったが、それが無理だと知って俯くと、膝の上で掌をぎゅっと握った。

 

(……本音を言うと、()()。でも、私がその人を発見出来なかったとしても、(チャンピオン)が捜索に参加するってことに意味があるんだと思う。だから──)

 

 恐怖で身体が震えるのを誤魔化し、ユウリは張り付けた笑顔でリーグスタッフに答えた。

 

「──わかりました。 任せてください!」

「本当ですか!? ありがとうございます! 」

「当たり前ですよ! チャンピオンですから!」

「頼もしいです! スタッフ達には私から伝えておきますが、ユウリさんの方でもし何かあれば、私ことフェイにお伝えください!」

「わかりました。フェイさん」

 

 ユウリはフェイから連絡先を受け取ると、行きよりも更に重い足取りでリーグ本部を後にした。

 

 チャンピオンとはいえ、まだまだ子供。

 

 悪人と対峙するなど、本来子供に求められる責務ではない。

 

 

─────────────────────────

 

 ホウエンかガラルか悩んだ結果、結局ガラルに行くことにした。

 

 いやね、やっぱりダイマックスとかいうクソデカポケモンを見れるロマンには勝てなかったよね。

 

 あとなんか俺フエンせんべい買えない気がした。ヒウンアイスの驚異の空振り率からして、そっち方面の運はないのかもしれない。

 

 ……さて、ガラルに着いたことだし早速ダイマックスなるものを体験してみたいな。

 

 確かジムチャレンジ……? とかいうのを観戦すれば見れるらしいんだが、どうすりゃいいんだろ。とりまそこに居るお婆さんに聞いてみるか。

 

「あの、すみません」

「帰りな」

 

 ……ガラルって排他的な地方なのかな。

 

 い……いや、聞き間違いかもしれないし……。

 

「あ、あの、旅の者なんですが……」

「おやおや、旅の方でしたか。Welcome(帰りな)

「もうやだこんなんばっか……」

 

 Welcomeってなんだっけ。なんかシンオウのミオシティでもこんなんあった気がするんだけど。

 

 ……仕方ない。別の人に聞くことにしよう。

 

「……ミオに居る若者嫌いなじいさんは元気かのぉ」

 

 後ろから聞こえてきた声で、お婆さんとミオのおじさんが関係者っぽいことを知った。……いや、マジでどうでもいい。

 

 

 

────────────────────

 

 

 あのあと他の人から話を聞いてジムチャレンジを観戦してみたが、めーちゃくちゃ面白かった。

 

 クソデカポケモン同士で戦うシーンなんてもうね、映画でも観てるかと思った。

 

 ただ、自分の想像と違うところがいくつかあった。

 

 まず1点目、バトル中にダイマックス出来るのは一度限りということ。

 

 てっきり3体とも出来ると思ってた。まあそれやったらただの大怪獣バトルになっちゃうか。

 

 次に2点目。ダイマックス中は使用する技がタイプに応じたダイマックスわざになってしまうこと。

 

 例えばムクホークのブレイブバードのように飛行タイプの技なら、一律で"ダイジェット"という技になるらしい。

 

 ダイ無反動ブレバとか打てると思ってたのでちょっと残念。とはいえそんなこと出来たら会場壊れるよね。

 

 なんならゴローニャでダイころがるとか出来たら会場破壊どころじゃ済まないだろうしな。俺のゴローニャはころがるをメインで使うし、そんなこと出来たらヤバかったかもしれない。

 

 そして3点目。ガラル地方ならいつでもどこでもダイマックスが出来るというわけではないこと。

 

 どうやら、"ガラル粒子"とかいうのがたくさん発生している場所で、"ダイマックスバンド"を装着している場合のみ、任意でダイマックス出来るとのことだった。

 

 だから、ジムは基本的にその"ガラル粒子"がたくさん発生しているところに作られてるんだとか。

 

 いやまあ実際街中で自由にダイマックスとか出来る環境だったら……。うん、ヤバイな。

 

 ちなみに、一応条件さえ満たせば自然界でもダイマックスが発生する可能性があるらしく、"ダイマックスバンド"はあくまで任意でダイマックスを発動するためのアイテムに過ぎないんだとか。

 

 ……さて。長々語ったが、残念なところがひとつある。それは──

 

「──俺がダイマックス使ってバトルをするってのは……無理そうだな」

 

 ちょっと残念。でもダイマックスバンドが無ければジムチャレンジする予定もないし、仕方ない。

 

 まあそれならそれでいいか。ダイマックスはジムチャレンジで観ることが出来るし、他にもガラル地方で楽しめることはたくさんある。

 

 例えばワイルドエリアに行くとかね。なんか強いポケモンがたくさん闊歩してるらしく、自然豊かな場所らしい。

 

 ちなみにガラル地方ではカレーが大流行していて、ワイルドエリアでキャンプしてカレーを作る人も居るんだとか。そんなの聞いたらやらない選択肢はないよね。

 

 次の目標はワイルドエリア散策してキャンプカレー作る! これで行こう!

 

「あ、シャンデラ。キャンプファイアーは任せた」

「シャア!?」




・ユウリ
ポケモンバトルは大好きだが、悪い人は怖い。

冷静に考えたら10代前半の子供が悪の組織に立ち向かってるってメンタリティやばすぎると思う。

・シバリ
ジム観戦でめちゃくちゃ興奮してた。
このあとワイルドエリアでカレー作る予定。

・シャンデラ
キャンプファイアー、任せたぜ!

・ゴローニャ
シバリの5体目のポケモン。
ころがるをメインで使うらしい?

ラズは初見で「うわっ」って言って顔を顰めたらしい。
なんだ「うわっ」って。
しかしシバリも自覚はあるらしいので残当。

書くかはわかりませんが、番外編とか閑話があったら嬉しい?

  • いらない:そんなことより本編を書け
  • いる:ルリの閑話とか
  • いる:本編IF(永住ルート)とか
  • いる:ヒスイに飛ばされるようなIFとか
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