ユウリとワイルドエリアで不審者の捜索を始めて2週間ほど経過した。
ほんとにそんな人いるのかってくらい目撃情報があがってこないし、俺達もそんな人物を見かけていない。
あと夜は交代制で寝ることになった。2日目でバレたのはちょっとダサかったかもしれないけど、これならお互い睡眠時間を確保出来て、体調も万全に出来るし、最初からこうすれば良かったかもしれない。
ただ、ユウリが俺の布団を間違って使ってることがあるのはちょっと勘弁してもらいたい。なんか自分が使うときに布団から甘い匂いがしてきて落ち着かないのよアレ。
「……てことなんだけど、どう思いますかユウリさん」
「だってシバリくんのお布団、お日様みたいな良い匂いがして落ち着くんだもん」
「……まさかの故意?」
「う〜ん、
「故意に『かも』って概念あるんだ……」
ユウリの独特な感性はともかく、間違って使ってるわけじゃないなら良いか。いや良くはないけど。
「ところでシバリくん、私そろそろ眠くなってきちゃった……」
「実は俺も……」
今は日中だが、俺達はテントの中で横になっていた。
夜の睡眠は交代制にしたとはいえ、やはり普段よりも睡眠時間が少なくなる。
なので、たまに日中での昼寝を挟むことでそこら辺を解消しようというユウリの提案だった。
日中なら流石に不審者も派手な動きはしないだろうし、テントの前でムクホークとエースバーンが見張ってるからまあ大丈夫だろうってことで、数日置きに昼寝をすることにしている。
「……起きたらカレー作ろうね。今日のカレーは"あらびきヴルスト"をトッピングしたヴルストのせカレーを──……」
「たまにはカレー以外も食べたいなぁ俺」
「──……すぅ」
「……聞く前に寝ちゃったよこの人」
とはいえこの幸せそうな寝顔を見てしまうと、文句のひとつくらい許せてしまいそうになるから困ったもんだな。
俺はそう思いながらユウリから視線を外し、テントの天井を見上げる。
「……シロナさん。俺上手くやれてるかな?」
「シロナさんみたいな立派な大人に、近づけてるかな?」
「もしそうなら、俺は──……」
─────────────────────────
「へくちっ!」
「わっ!? シロナさんがクシャミするなんて珍しい……!」
「……誰か噂してるのかしら」
シンオウ地方のどこかで、
「シロナさん有名人ですからね! 誰か噂しててもおかしくないです!」
「……」
「シロナさん?」
首を傾げるヒカリに、シロナは口を開く。
「なんというか……」
「?」
「
「……なんか、やけに具体的ですね……」
「でもそんな感覚なのよ。どうなってるのかしら……?」
シロナからすれば、シバリに何かを教えたつもりなどないのだが、シバリからすればあの1週間でたくさんのものを教わったようなものだった。
知らない内に割とデカめな矢印が向けられていることに気づかぬまま、シンオウの元チャンピオンは今日も1日を過ごしていくのだった。
───────────────────────
「……んぅ?」
先に目覚めたのはユウリだった。横を見ると、シバリが規則正しく寝息を立てている。
「……えへへ」
シバリの寝顔を見るだけで、ユウリの顔には自然と笑みがこぼれる。
彼女はホップやマリィとも一緒に昼寝をしたことがあるのだが、2人とのソレと今のコレは、まったく違うものだと感じていた。
(なんだか心がぽかぽかしてる……。ずっとこうしてたいなぁ……)
今まで感じたことのない気持ちに、ユウリはにへらとだらしない表情を浮かべてしまう。
しかし、今ここにはその顔を見るものは誰も居ない。
シバリが起きるまであと数分、ユウリはシバリの寝顔を堪能し続けたのだった。
─────────────────────────
「よし、今日も頑張るか」
「おー!」
昨日昼寝を挟んだことで、体調については万全も万全だ。
てか不審者いつ出てくんのさ。リーグスタッフさんも巡回してるらしいけど、マジでどこに居るんだ……。
「──ここに居ましたか! ユウリさん!」
「うぇ?」
「へ?」
1人のリーグスタッフさんがこちらに駆け寄ってきていた。
「フェ、フェイさん……?」
「さ、さっき電話したんですよ……!? なのに出てくれないから、どうしたものかと……」
「えっ!? あっ、すみません!」
ユウリがちらりとスマホロトムを見ると、スマホロトムは誤魔化すように口笛を吹いていた。
いや、お前、えぇ……? なんか居眠りしてんなと思ったけど、お前……えぇ……?
ま、まあスマホロトムも疲れてるんだろうし、仕方ない、か……?
「そ、それで、どうしたんですか?」
「
「へ?」
「不審者が、先ほど……あちらで!!」
どうやらリーグスタッフ……フェイさんが指差す方向に、探していた不審者が居るらしい。
「急いで来てください! 今なら捕まえられるかもしれません!」
「わ、わかりました!」
「じゃ、俺も──」
「いけません!」
同行しようとしたところ、フェイさんに止められてしまった。
「シバリさんのことはユウリさんからお聞きしています。捜索にご協力いただいたことには感謝しております……が、ここから先は
「で、でも──!」
「……ユウリさん。わかりますね?」
「……はい」
フェイさんの言葉にユウリが頷くと、彼女はこちらに振り向いた。……その身体は少しだけ、震えている。
「私は大丈夫。だってチャンピオンだから!」
「チャンピオン、だからって……」
「ご安心ください。ユウリさんは命に代えてもこの私がお守りいたします。それに、他のリーグスタッフの者もそちらに向かっています。ユウリさんには指一本触れさせません」
「……っ!」
ユウリだけを危険な場所に連れて行かれるということなら納得出来ないけど、フェイさんや他のリーグスタッフもその場に居るというのなら、ただの子供である俺ではかえって邪魔になってしまう可能性がある。
歯がゆい気持ちはあるが、ここはユウリとリーグスタッフさん達を信じるしかない……か。
「……わかりました。後のことはお任せします」
「……納得はしていない。けれど、感情に囚われないのですね。若いのに大変ご立派です。……ユウリさん、良いお友達を持ちましたね」
「はい!」
「それでは……行きましょう」
ユウリはその言葉に頷くと、先ほどフェイさんが指差した方向へと二人で走っていった。
「……あそこで『俺も行く』って言えるくらい、自分に自信があれば良かったんだけどな……」
シロナさんなら間違いなくそう発言しただろう。でも俺には、知識も経験も、何もかも足りていない。
プロが集まる場所に何も知らない余所者の子供が居れば、かえって足を引っ張るだけだ。……きっとこれが、最善のはずだ。
「……ユウリが解決して戻ってきたときのために、カレーでも作っとくか」
そうして、テントの方に戻ろうとした俺に、近くに居た人の声が聞こえてきた。
「おい! 向こうにダンデさんが居るらしいぞ!」
「えっ!? 何でワイルドエリアに!?」
「……ダンデ?」
確か……ユウリの前のガラルチャンピオン……だったよな?
今回の不審者の件には忙しくて携われないってユウリから聞いてたけど……。
不審者が目撃されたから、流石に様子を見に来たって感じかな。……なんだ、俺が居なくてもやっぱり大丈──。
「なんでも休日で釣りしに来たって話だぞ!」
「マジ!? サイン貰いに行こうかな!!」
「──は?」
休日? 忙しいんじゃなかったのか……?
そもそも、
「……ムクホーク。気づかれないようにユウリ達のこと追えるか?」
「ホー!」
「俺はダンデって人のとこ行ってくる。……なんか嫌な予感がするんだ」
「ホウ!」
ムクホークが2人の走っていった方向に飛んでいくのを見届けて、俺はダンデという人のところへと向かいだす。
……勘違いなら、いいんだけど──!
・ユウリ
一番真っ当に女の子してる気がする
・シバリ
なんかちょっとおかしくない? と思った人
・不審者
見つかったらしい。どこ居んだろね。
■ひっそり没案供養
・ポケモン名
カラマネロ
・特異性
"あまのじゃく"で、わざの効果も反転する。
効果のどこが反転するかはカラマネロ次第。
★例1:きしかいせい
本来:自分の残りHPが少ないほど威力が高くなる。
反転:自分の残りHPが多いほど威力が高くなる。
★例2:まきつく
本来:4~5ターンの間、毎ターン終了後最大HPの1/8のダメージを与える。
反転:4~5ターンの間、毎ターン終了後最大HPの7/8のダメージを与える。
★例3:サイケこうせん
本来:10%の確率で相手を1~4ターンの間『こんらん』状態にする。
反転:90%の確率で相手を1~4ターンの間『こんらん』状態にする。
★例4:ねむる
本来:HPと状態異常をすべて回復した後、2ターンの間『ねむり』状態になる。
反転:HPと状態異常をすべて回復した後、2ターンの間『ねむり』状態にならない。
★例5:ギガインパクト
本来:使用した次のターンは行動できない。
反転:使用した次のターンは行動できる。
※絶対行動保障され、瀕死にならない限りは確実に行動する
・没理由
まきつくがクソゲーすぎる
お前そんなんギガインパクトまきつくで皆倒せるやん
あと悪の波動と岩雪崩で7~8割怯ませるのは犯罪
書くかはわかりませんが、番外編とか閑話があったら嬉しい?
-
いらない:そんなことより本編を書け
-
いる:ルリの閑話とか
-
いる:本編IF(永住ルート)とか
-
いる:ヒスイに飛ばされるようなIFとか