「不審者……? ああ、知ってるぜ。オレが
「そ、そうですか……」
急いでダンデという人の元に向かい、話を聞いてみたのだが、どうやらこの件に関しては本人も認知していたらしい。
気にしすぎ……だったか?
「──だが」
「?」
「ユウリをこの件に絡ませるというのは初耳だな。それに、オレは止むを得ずユウリを荒事に巻き込む場合は、最低でもリーグスタッフを2~3人はユウリの側に付けろと、そう厳命していたはずなんだが」
「へ?」
ユウリが断ったのか……? いや、ユウリがそんなこと言うとは思えないけど……。
「どうなってる? 彼の言うことが本当なら、ユウリは1人で事に当たっていたことになるぞ? ……もしかして、今までもそうなのか?」
側付きのリーグスタッフにダンデさんが厳しい目を向けると、リーグスタッフは慌てて口を開いた。
「わ、私は、以前ダンデさんが許可したと、そう聞いておりますが……」
「許可? ……何の許可だ?」
「ユウリさんが一人で荒事に当たる許可です。フェイさんがダンデさんに直談判して、許可をもらったと……。それで他のリーグスタッフの方々も、基本的にはユウリさんが1人で動けるように便宜を図っておりまして……」
「……確かに、フェイから『ユウリが1人で荒事に当たりたがっている』とは聞いたが、オレは突っぱねた。どんな理由があろうと、子供1人に荒事を対応させるなんて認められるわけがない」
「という、ことは……」
リーグスタッフの言葉に、ダンデさんは静かに頷く。
「考えられるのは2つだな」
「1つ。ユウリの意志を尊重し、1人で荒事を解決したという実績を作らせ、俺に彼女を認めさせるための──いわば、善意の嘘」
「2つ。ユウリを孤立させて何かを狙っている──悪意の嘘」
「……どちらにしろ、今は好ましい状況じゃない。善意であれ悪意であれ、フェイには話を聞く必要がある」
そう言ってフェイに連絡を取るように指示を出したダンデさんに、俺は声をかける。
「……そもそも、ユウリが1人で荒事に当たりたがっていたというのは、ちょっと信じられません。2週間くらい一緒に居ましたけど、彼女は普通の……不審者を怖がって夜も満足に寝られないような、普通の女の子でした」
俺の言葉に、ダンデさんは申し訳なさそうに俯いた。
「……気づけなかった自分が不甲斐ない。ユウリはまだ子供だ。そんなの、怖いに決まってる……」
「ダンデさん……」
「この様子だと、他の荒事も彼女1人にやらせていた可能性がある。今からフェイを問い質して、根本からの解決を──」
……
「──待ってください。じゃあ、聞いてないってことですか?」
「……聞く? 何をだ?」
「先ほど不審者が目撃されたって話です。フェイさんに言われて、ユウリはフェイさんと一緒に不審者のところに向かったんですけど……」
「……なんだって? そんな情報、こっちには──」
「──ダメです! フェイさんとの連絡、繋がりません!」
リーグスタッフさんの言葉に、ダンデさんは顔色を変えた。
「……どうやら、悠長にお喋りしている時間はなさそうだな」
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「……あの、フェイさん? ここ、ワイルドエリアの外ですけど……。どこまで行くんですか?」
「もう少しです。もう少しで目撃された場所に着きます」
「は、はい……!」
フェイとユウリが走り続けてしばらく、ようやくフェイが立ち止まり、とある方向を指差した。
「着きました。あちらの建物です」
「へ? いつの間にこんなところに建物なんて──んっ!?」
突然ユウリの口元に、後ろから布のようなものが押し当てられた。
(なに、これ……意識、が──)
布には何か仕込まれているようで、それがユウリの意識を掠れさせていく。
意識を失う前、彼女が最後に見たのは──
(フェイ、さん……? なん、で──)
──自分に布を押し当て悪い笑みを浮かべる、フェイの姿だった。
「……よし、気を失ったか。あとは……」
フェイはユウリを横に抱えながら、怒りの形相で自分を睨みつけるエースバーンに対峙する。
「こらこら、
「バース……!」
「おお、怖い怖い。伊達にダンデに勝ったトレーナーのエースじゃないってわけだ。でもさ、彼女を傷つけたくないなら、わかるだろう?」
そう言って、フェイはユウリの持ち物から1つのモンスターボールを取り出す。
「
「……ッ!!」
「ふふ……。偉いぞ、エースバーン。君は引き際というものがよ〜くわかっている」
言いながら、フェイはエースバーンをボールに戻した。
抵抗せずにボールに戻ったエースバーンを見て、フェイは安堵の息をつく。
「……ははっ、怖ぁ……。チャンピオンのポケモン、威圧感がとんでもないなぁ……」
「あんなの、まともにポケモンバトルしたって勝てっこないね。やっぱり悪事は搦手に限るよ」
ユウリを抱えながら、フェイは建物へと歩き出す。
「……いや、悪事ではない。これは正義だ。ローズ様の掲げた理想。全ては1000年後のガラルのため……!」
「──ようやくだ。ようやく手に入るぞ、
ムゲンダイナ。
それはかつて、フェイの心酔する前リーグ委員長のローズが、1000年後に訪れるガラルのエネルギー枯渇問題を解決するために見出した、伝説のポケモン。
今はユウリと共に旅をする、ただ一匹のポケモンだ。
────────────────────────
「急いで2人を探そう。動けるリーグスタッフとジムリーダーを全員ワイルドエリアに集めてくれ。この広いワイルドエリアを捜索するには、人海戦術しかない」
「わかりました!」
「それで、シバリ君。キミは2人が向かった方向を覚えているかい? オレはキミに同行するのが一番最善だと踏んでいるんだが」
ダンデさんの言葉に、俺はこくりと頷いた。
「さっき俺のムクホークに2人を尾行させました。場所が特定出来れば戻ってくるはずです」
「なるほど。それならムクホークが戻り次第、オレとシバリ君で2人の元に向かおう。他の人員には自由に動いてもらう。もしかしたらムクホークが戻るよりも先に見つかるかもしれないからな」
「はい。それで良いと思います。……でも」
「?」
俺は後悔している。もしさっき止めていれば、せめて同行を申し出ていればと、思わずにはいられなかった。
「……すみません。俺がもっと早く、気づいていれば──」
「気にするな」
ダンデさんはそう言うと、ぐしゃっとするように俺の頭に手を置いた。
「元はと言えばオレの責任だ。キミが心に責を感じることはない。子供を守るのは本来、大人の役目なんだからな」
「……でも」
「キミが居なければ、この事態に気づくのはもっと遅れていただろう。オレはキミが居てくれて、本当に良かったと思っているよ」
「ダンデさん……」
俺の頭から手を離すと、ダンデさんはこちらに手を伸ばした。
「……背負わせてしまってすまないな。だが、もう少しだけ一緒に背負ってほしい。彼女を、ユウリを助けるために──
──キミの力を貸してくれ」
「……はい!」
ダンデさんの手を取り、俺は彼の目を見て返事をした。
・フェイ
やってることラズ上と同じだけど大丈夫そ?
・ダンデ
寝耳に水の話すぎてびっくり。
事態を把握したらすぐに動けるタイプだと思う。
・ユウリ
捕まっちゃったァ……
・シバリ
ダンデの言葉で少し心が軽くなった。
・エースバーン
主を傷つける奴許さないマン。
今回は人質に取られて敢え無くボールに戻ることしか出来なかった。
書くかはわかりませんが、番外編とか閑話があったら嬉しい?
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いらない:そんなことより本編を書け
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いる:ルリの閑話とか
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いる:本編IF(永住ルート)とか
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いる:ヒスイに飛ばされるようなIFとか