やっぱりというか案の定というか、英国面めちゃくちゃ言われてて草
「そんな、馬鹿な……」
フェイが目の前で崩れ落ちる。結果としてはゴローニャの"だいばくはつ"6回で6タテだった。
「な、なんだコイツ……? 常識とかそういうのどっかに置いてきたんじゃないのか……?」
「少なくともアンタよりは常識あると思うけど……。人拐ったりしないし」
「道徳の話をしてるんじゃないんだよ!!」
うがーっと叫びながら、フェイはこちらを睨みつける。
「ああ、そうだ。全部お前が来てから狂ったんだ。お前さえガラルに来なければ、今ごろその女は精神的に参って計画はもっと簡単に進められたはずなんだ……!」
「……え?」
「……やっぱりそういうことか……」
恨みがましく俺達を見てくるフェイに、ユウリは怖がって俺の後ろに隠れた。
「何故わからない!? 1000年後のガラルがどうなっても良いのか!? その女が協力すれば、ムゲンダイナの力で──!」
「──あのさ」
みっともなく言葉を吐き続けるフェイに、俺はここに来るまでにダンデさんから聞いた話を切り出した。
「あんたの敬愛するローズさんは、ユウリにポケモンバトルに負けた時点で潔く負けを認めてたらしいぞ」
「ぐっ……、だが……!」
「それなのにあんたは、負けた後もみっともなく喚き続けるのか? それが大人として正しい姿なのか? ……ローズさんって人が、望む姿なのか?」
「っ! うるさい、うるさい! 私は、
「……
俺はユウリにその場で待つよう伝えると、ゆっくりとフェイの方へと近づいていく。
「……
「……は?」
「多分、人生そのものだったローズさんが目の前から居なくなって、どうすれば良いかわからなくなったんだよな?」
「それ、は──」
「……俺もだよ。ちょっと方向性は違うけど、身も心も捧げてた相手が目の前から居なくなっちゃってさ、しばらくどうしたら良いのかわかんなくなった」
「君……」
フェイの表情から毒気が抜け、なんとも言えないような顔で俺を見上げてくる。
「あんたの場合、ユウリに計画を阻止されて、ローズさんが捕まって居なくなってしまったから、どうしたら良いのかわからなくなって、代わりにローズさんの理想を叶えようとして暴走した」
「俺の場合は……相手が自らの意思で俺の前から居なくなったんだ。捨てられたようなものだと思って、逆恨みして、……俺だって、暴走していた可能性があったかもしれない」
「……だから、かな。なんとなく、他人に思えないんだよ」
苦笑いしながらそう言うと、フェイは理解できないと言った様子で口を開いた。
「……何故だ?」
「え?」
「それで何故まともで居られる!? 目の前から自分の芯が消えたようなあの喪失感を、何とも言えないあの焦燥感を! 君も感じたはずだろう!?」
「……どっちかと言うと喪失感が結構ヤバかった、ですかね」
「──なら!」
「……でも、フェイさんにだって居るじゃないですか。フェイさんを大事に想ってくれる奴らが」
「……私、を……?」
フェイさんの周りには、先程俺が倒したポケモン達が集まってきている。
許されないことをしたのは事実だが、彼には彼を想うポケモン達が居る。
「……お前ら」
「俺もコイツらに励まされて、そんで吹っ切れました」
「ホォ!!」
「ンゴロォ!!」
「今真面目な話してるからステイな」
「ホウ」
「ゴロッ」
よしよし偉い偉い。も少し待っててな。
「そんで、世の中のこと何も知らないなって思ったんです。もしかしたら、もっと夢中になれるものとか、楽しいものがあるのかもって思って。だから、旅に出ました」
「旅、に……」
「フェイさんにも、今から出来ることがあるんじゃないですか? 例えばローズさんが捕まったあと、面会とか行きました?」
「……行って、ない」
「……いや、流石に行きましょうよそれは……」
「うっ……なんか、居なくなったことに動揺して、それで、何も見えなくなって……」
「……まあ、だからって許されることではないんですけども」
「……そうだね。頭が冷えてみれば、ローズ様の気持ちも確認せず、
フェイさんはユウリの方へと視線を向ける。先ほどまでの怖い表情ではなくなったことで、ユウリもこの状況で落ち着いていた。……見られた瞬間に身体がちょっとビクってしてたけど。
「……すまなかった。謝って許されるようなことじゃない。ユウリさんの気が済むのなら、エースバーンの"かえんボール"だって何発でも受けよう」
「え、えぇ……!?」
「ユウリ、別に許さなくても良いからな。こういうときはこう……ガッツリやっちゃっていいぞ」
「ガ……ガッツリ!? 」
「ほら、エースバーンもボールから出てきて
「バース……」
「ちょっ、エースバーン!?」
「
「お前か。でかしたムクホーク」
「ホウ!!」
ムクホークの頭を撫でていると、ユウリがこちらまで歩いてきて、俺の袖をぎゅっと握った。
「……じゃ、じゃあ……やっちゃいますね?」
「くっ……どうか、ひと思いに──ひぅ!?」
目を瞑って衝撃に備えるフェイさんに向かって、ユウリは額にデコピンをした。
「……へ?」
「こ、これで、終わりです……」
「な、ぁ……!?」
フェイさんの顔が驚愕に染まる。というか俺もびっくりしてる。
えっ? それでいいの……?
「お、俺は……君に、酷いことをしようとしたんだぞ!? それなのに、これで終わりって──!」
「……ダンデさんが言ってたんです。真に強い人は、相手を許すことのできる人間だって」
「……え」
「だから、私はこれで許します。まだフェイさんのことはちょっと怖いけど……でも、フェイさんを許して私は、強い自分に──チャンピオンにふさわしい、強い人に近づきたいんです」
「……ユウリ」
ユウリに許されたからと言って、フェイさんが捕まらないわけじゃない。
誘拐罪を始めとして、フェイさんには様々な罪状がかけられるはずだ。きっと、しばらくは牢の中に入ることになる。
だけど確かに、ユウリ個人としては今ここで、彼のことを許したんだ。
「……偉いな」
「えへへ」
ポンと頭に手を乗せて撫でると、ユウリは嬉しそうに笑みを浮かべた。
「……バース」
エースバーンは不服そうな表情を浮かべていたが、ユウリが言うならと
「ここかぁ!? おっ、ビンゴだ!!」
部屋の中にようやくダンデさんが入ってきた。
めちゃくちゃ急いできてくれたようだが、もう既に事態は解決している。
ダンデさんも状況を見て、それを把握してくれたようだ。
「……なるほど、シバリ君が解決してくれたか。フェイはかなりの強者だが、どうやって倒したんだい?」
「"だいばくはつ"6回で終わりました」
「ん?」
「え?」
「ゴロ?」
俺の言葉にダンデさんは首を傾げ、俺とゴローニャも首を傾げた。
「……確かにキミの行動の正当性は保証するとは言ったが、嘘をつかれるとなぁ……」
「う、嘘じゃないですって! ほら、ゴローニャ! ころがって"だいばくはつ"!!」
「ゴロォ!!」
「はっはっは、嘘なんて言わずに正直に──何ィ!? ゴローニャが"だいばくはつ"を使って無傷だとォ!? どうなってる!? 見せてくれ!」
「……やっぱおかしいよ。コイツのゴローニャ……」
「あはは……」
遠い目でゴローニャを見ながらそう言うフェイさんにユウリは苦笑いすると、そっと俺の腕に抱きついてくる。
「……助けに来てくれてありがとう。とっても嬉しかった」
「いや、むしろ遅くなってごめんな……」
「そんなことないよ! 怖くて不安だったけど、シバリくんが来てくれて、そんな気持ち吹っ飛んじゃった」
「……そっか。それなら良かった」
「うん。……あぁ、やっぱりだ……」
「? ユウリ……?」
ユウリは少し顔を赤くすると、チラリと目だけをこちらに向けてきた。
「……シバリくんって、その……付き合ってる人とか、居る?」
「え? 居ないけど……」
「そ、そっか! うん、そうだよね! そっかそっか!」
「……そんなに彼女居なさそうに見える……?」
「ううん、そうじゃないの。
「は、はぁ……」
そう言うと、ユウリは腕を抱きしめる力を強めた。
「……ね、もうちょっとだけこうしてて良いかな?」
「ん? いいけど……」
「えへ、ありがと。……いつかこの気持ち、伝えるからね」
「へ?」
「んーん! なんでもない!」
少し気にはなったが、笑顔のユウリを見て、まあいいかと、そう思ったのだった。
・ゴローニャ
楽しそうで可愛いね。
ちなみに一撃必殺を食らわない効果はHPMAXでなくても発動するので、大爆発も当然HPMAXでなくても耐える。
・フェイ
ちゃんと反省したらしい。
でもそれはそれとして牢の中で反省してね♡
なんだこのゴローニャ!?
・エースバーン
個人的にはフェイのことを許していない。
なんだこのゴローニャ!?
・ダンデ
おっ、シバリ君。解決したんだね。でも嘘は良くないぞ!
なんだこのゴローニャ!?
・ユウリ
堕ちた
なにあのゴローニャ!?
・シバリ
堕とした
何してんねん
楽しそうだなゴローニャ
書くかはわかりませんが、番外編とか閑話があったら嬉しい?
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いらない:そんなことより本編を書け
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いる:ルリの閑話とか
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いる:本編IF(永住ルート)とか
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いる:ヒスイに飛ばされるようなIFとか