「……ん?」
ソニアが目を覚ますと、腕の中にシバリが居ることに気がついた。
(あぁ……またやっちゃったんだ……)
今までソニアにはわざわざ寝室まで運んでくれる人が居なかったので気が付かなかったのだが、シバリが運んでくれるようになったことで、自分の悪癖をようやく自覚した。
最初はシバリから潜り込んできたのかと勘違いして少し騒いでしまった彼女だったが、今となってはこの状況も慣れたものだった。
それどころか──
(まだ寝てる……よね?)
ソニアはシバリが寝ていることを確認すると、背を向けて寝ている彼をそっと自分のほうに抱き寄せ、その後頭部に顔をうずめた。
(……あぁ、お日様みたいないい匂い……。なんだか安心する……)
そうやってしばらく頭を撫でながら堪能していると、シバリがもぞもぞと動き始めた。
「ふわ……もう朝かぁ……おはよぅ、ございます……」
「うん、おはよう」
「……なんで俺、頭撫でられてるんですか……?」
「んー? 一晩わたしに付き合ってくれたご褒美かなぁ」
「……? そうですか……」
寝起きのシバリは頭が回っていないので、ソニアの言葉を特に気にせず受け入れた。
「毎回律儀に添い寝してくれてるけど、別に無理矢理抜け出してもいいんだよ? シバリくんの力なら出来るでしょ?」
「だってそれだと、ソニアさんが起きちゃうじゃないですか……。せっかくソニアさんが気持ち良く寝れてるのに、そんな酷いこと、出来ないですよ……」
「……そっかぁ」
ソニアはその言葉を聞いて、我慢できずにシバリをぎゅっと抱き寄せた。
「あの……? そろそろ起きないと……」
「ごめんね。あと少しだけ、このまま──」
(──ああ、どうしよう……。わたし、大人なのに……)
(シバリくんと一緒に迎える朝、結構好きかも……)
──────────────────────────
色々あって時は経ち、研究に協力し始めて2ヶ月ほど経った頃のことだった。
ソニアさんがデータ整理を終え、まとめたファイルの束を机でトントンと叩いた。
「……ここまでやれれば、あとはわたしだけで調整できると思う」
「……って、ことは……?」
「欲を言えばもう少しだけ付き合ってほしいけど……でも、オッケー! シバリくんの研究協力は完了ってこと!」
「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
どうやらようやく俺の協力タイムが終了したらしい。
喜ぶ俺の横で、ホップは涙を流しながらこちらの肩に手を置いてきた。
「ううっ……シバリ、2ヶ月間お疲れ様だぞ……。この2ヶ月、めちゃくちゃ勉強が捗ったんだぞ……」
「……ほんとに苦労してたんだなホップ……」
「捗りすぎてこの2ヶ月で資格13個取れちゃったぞ……」
「マジで苦労してたな!?」
なんなら毎日勉強漬けってわけでもなく、研究に参加してたし、普通に遊びに行ったりとかもしてたよな……?
努力してるっていうのは前提としても、ホップってかなり地頭も良いんだな……。将来、博士として大成しそうだ……。
てか13個て。最早研究職関係ないやつまで取ってるだろそれ。
「そうだ! アニキにも教えてやらないと! なんか研究のこと気にしてたし、きっと喜ぶぞ!」
「ダンデくんにはわたしから伝えておくよ。わたしから聞いたほうがダンデくんも安心するだろうし」
「じゃあよろしくなソニア!」
「……よし、これで後腐れなくガラルを出れるってわけか……。いやぁ、長居したなぁ……」
「あっ、そうなっちゃう、のか……」
ホップが悲しそうな表情になってしまった。
いや、ぶっちゃけ俺もホップとお別れするのは結構辛いところではあるんだが……。
「別に今日明日で出て行くってわけじゃないからさ、研究ばっかで遊べなかった分、ホップやユウリとの時間を作ってから旅に出ようかなって思ってるんだ」
「そ、そっか! なら思い出たくさん作ろうな!」
「もちろん! それに永遠の別れってわけでもないしさ。旅に出たあとも連絡とか取るつもりだし、また会いに来るよ」
「じゃあそのときまでにオレはもっと立派な助手になっておくぞ! 」
にししと笑うホップにつられて、俺も笑顔になってしまった。
「ソニアさん。研究の完成、楽しみにしてますね!」
「へ!? ……あ、うん……」
「多分旅に出てからになっちゃうと思いますけど、論文とかが世に出るならちゃんと読みますから!」
「……うん。ありがと」
「じゃっ、今日はこれで帰ります! ホップ、後で明日以降都合の合う日連絡してくれ! 俺はいつでも大丈夫だから!」
「了解だぞ! またな!」
ホップに手を振られ、俺は研究所を後にした。
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シバリの去った研究所で、ホップはソニアに向けて話しかけた。
「なあソニア、なんだか上の空じゃないか?」
「そう? ……うん、そうかも……」
「何かあったのか? もしかして、取り忘れた実験データとか──」
「ううん、そう言うんじゃないの。研究のデータは多分足りてると思う。でも……」
「でも……?」
ソニアは自分の胸の辺りに手を当て、少し暗い表情で続きを話す。
「シバリくんがガラルから出て行くって聞いたとき、なんだかこの辺りがズキッてして……」
それを聞いて、ホップは顔色を変えた。
「……ソ、ソニア」
「何?」
「あ、予め言っておくけど、流石にオレはシバリみたいなレベルで介護出来ないぞ……?」
「ちょっ……!? そういうんじゃないから!! 別にこの先も楽したいとか、そういう話じゃなくって──!」
「いいや嘘だぞ!! 一度上がった生活水準は中々戻せないって話があるし、多分それだぞ!!」
「わたしもよくわかんないけど、それだけは絶対に違うからぁ!!」
そうしてしばらく2人の言い争いは続き、その頃シバリは昨日の夜電話できなかったことを謝罪するメールをメイに送っていたのだった。
・シバリ
研究終わったヤッホイ
ちなみに朝の寝起きはクソ弱いので、思考と喋り方がゆるゆるになってる。
ある程度のことなら「まぁいっか」で流すくらいにはゆるゆる。
ちなみに最終日前夜も案の定捕まっていた模様。
・ホップ
いつでもシバリと話せるし、勉強にも集中出来るし、夢のような2ヶ月だったんだぞ……。もう少し居てほしかったぞ……。
・ユウリ
よ、良かった……シバリくんが無事に帰ってきた……。
ソニアさんにシバリくんを取られる私は居なかったんだね……。
・ダンデ
ほぼ研究完了でシバリ君解放だってぇ!?
ガハハ! これはもう勝ったな!!(胃痛薬ポーイ)
・マリィ
ちゃんと居る。ユウリとも遊んでいる。
本編に出てないだけ←
■ひっそり没案供養
・ポケモン名
キルリア
・特異性
バトル中はサーナイトかエルレイドに進化でき、任意のタイミングで進化状態を切り替えられる。(例えばサーナイトからエルレイドになれるし、エルレイドからサーナイトにもなれる)
バトル後はキルリアに戻る。
・没理由
物理と特殊、近距離か遠距離。得意な方で戦えるアドバンテージはあるけど、サーナイトとエルレイドはそのままの性能なのがちょっと地味かなと思った。
何かもう一味くらい付けられたらシバリ側の手持ちとして採用しても良かったかなと感じてる。
書くかはわかりませんが、番外編とか閑話があったら嬉しい?
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いらない:そんなことより本編を書け
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いる:ルリの閑話とか
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いる:本編IF(永住ルート)とか
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いる:ヒスイに飛ばされるようなIFとか