幼馴染にフラれたので旅に出ることにした   作:イグアナ

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45話

「ん〜! やっと一段落ついた〜!」

 

 ポケモン研究所にて、机に座ったソニアが反るように伸びをしていた。

 

「なんか気が抜けたらお腹空いちゃった。シバ──じゃない、ホップ、お昼まだ?」

「もう15時だぞ!? 12時頃にご飯出来てるって言ったのに……」

「あ、あぁ……。そう言えばそうだったわね……」

「うぅ……シバリ……。昨日の今日だけど帰ってきてほしいぞ……」

 

 嘆くホップをよそにソニアは立ち上がると、そのままお昼ご飯の置いてある机へと向かった。

 

 机に置いてある料理にはホップの手によってラップがされていたものの、数時間経っていることもあり、既に冷めてしまっていた。

 

(……こうやって食べるの、なんだか久しぶりかも)

 

 この2ヶ月間はシバリが食べさせてくれていたのだが、ホップは流石にそこまではやっていなかったため、普段はこうやってソニアだけ後から食べるスタイルだった。

 

(やっぱりホップのご飯も美味しい……けど、冷めちゃってるなぁ……。用意してもらってる分際で、すぐに食べない私が悪いんだけど……)

 

 シバリの温かいご飯をどこか思い出しながらも、ソニアはもう一口だけ口に運び──。

 

「……レンジで温めよ」

 

 そう呟いて立ち上がったソニアを見て、ホップは大きく口を開けてカタカタ震え出した。

 

「ソ、ソニアが……レンジを……!?」

「……ねぇホップ、わたしのことバカにしてない?」

「つ、ついにソニアが……レンジを……!」

「マジ泣きするのやめてくれる!?」

 

 

───────────────────────

 

 

「ソニア。もうオレ帰るけど、あまり根を詰めすぎちゃダメだぞ」

「大丈夫よ。わかってるわかってる」

「ぜ、絶対わかってないやつだぞ……」

 

 呆れたように研究所から出ていったホップを見届けると、ソニアは書き途中の資料に再び手を出した。

 

(もう少しでキリの良いとこまでいくし、そこまでやって終わりにしようかな)

 

 そんな風に決めてひたすら文章を書いていたソニアだったが、しばらくして急に彼女の手が止まった。

 

(うーん……ここどうしよっかなぁ……。いっそ少し構成を変えて、伝え方を変えてみても良いんだけど……)

 

 数分ほど一人でうんうん唸ったあと、後ろを振り向きながら口を開いた。

 

「ねぇシバリくん、ここなんだけど──」

 

 まるで彼が近くにいるかのように声をかけた彼女だったが、振り返ったその先には誰もいない研究所だけが存在していた。

 

「……あ〜……そっか。もう居ないんだっけ……」

 

 どこか寂しげな表情になりながら、ソニアは机へと向き直す。

 

(こんなことしてる場合じゃないぞわたし! せっかくシバリくんが協力してくれたんだし、最高の形で作り上げないと……!)

 

 そうして、意気込んだソニアは再び手を動かし始めて──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──気がつけば朝を迎えていた。

 

(──あれ?)

 

 ソニアは机の上でむくりと目を覚ます。

 

(私、いつの間にか寝ちゃってたんだ……。結局全然進んでないし、資料もぐちゃぐちゃ……って、もう10時!?)

 

 一旦色々とリセットするため、コーヒーでも飲もうと立ち上がったソニアだったが、その身体からはボキボキと嫌な音がした。

 

(うわぁ……机で寝ちゃったから身体バキバキだぁ……。こういうの、久々かも……)

 

 ソニアがこんな風にコンディションの悪い朝を迎えるのは、2ヶ月ぶりのことだった。

 

 今まではシバリがベッドに運んでくれていたのだが、その張本人が居なくなってしまえば、当然ソニアを運んでくれる者は居ない。

 

(……机で寝ちゃったはずなのに目が覚めたらベッドに居るの、なんだか良かったなぁ……。シバリくんが運んでくれたんだなって、優しさで心があったかくなって……)

 

(シバリくんを抱き枕にしちゃってた日なんてもう、なんだか朝から晩まで頑張れちゃって……)

 

 そうやって、シバリのことを思い出せば思い出すほど、もう彼が居ないという事実が、より一層ソニアの胸に突き刺さる。

 

「……あはは、これからはちゃんと自分で布団に行かないと……。いい大人、だしね……」

 

 どこか自分に言い聞かせるように歩きながら、ソニアは台所へとたどり着く。

 

 そうして、コーヒー豆の容器を手に取った彼女だったが……。

 

「あ、豆切れてる……。シバリくん、新しいコーヒー豆ってどこに──」

 

 振り向いても、そこに彼は居ない。

 

 居て当たり前だった彼の存在は、もうここにはないのだ。

 

「……あぁ、これ……やばい、かも……」

 

 ソニアは胸を押さえると、そのまま暗い表情で俯いた。

 

(わたし、一人でも平気だったのに……)

 

(こんな生活、今まで当たり前だったのに……)

 

 ズルズルと崩れ落ち、やがてその場に膝を抱えて座り込んだ。

 

 

 

 

 

 

さみしいよぉ……

 

 

─────────────────────────

 

 ──同時刻、とある森の中。

 

「なあホップ! 殻を破ったパルシェンが"くちたたて"を持ってガトリングすれば、攻防一体で完璧だと思わないか!?」

「天才だなシバリ! ザマゼンタ! ソレ借りていいか!?」

ザマァ!?

 

 驚くザマゼンタから、ホップはさっと"くちたたて"を受け取った(奪い取った)

 

「ありがとうザマゼンタ! ほらパルシェン! これが"くちたたて"だぞ!!」

「……パ?」

「よしいくぞパルシェン! "たてのおう"*1にフォルムチェンジだ!!」

パルゥ!?

「いけるいける! シバリのパルシェンならきっと!」

パ……パァ!?

 

 訳も分からず顔を青くしているパルシェンを見て、シバリとホップは顔を見合わせて頷いた。

 

「流石だぞ!!」

「"くちたたて"の使い方を」

「「ばっちりわかっているんだな!!」」

パァ!?!!!?!!!?

 

 先行褒め。これにより、パルシェンは絶対に成功させないといけなくなった。要するにただのパワハラである。

 

 ソニアの気持ちなどつゆ知らず、シバリとホップはパルシェンに無茶振りを強いていたのだった。

*1
本来はザマゼンタに"くちたたて"を持たせておくと、たてのおうにフォルムチェンジする




・シバリ
盾構えながらガトリング出来たら強いじゃんとかいう脳死戦法を考えてみた。パルシェンなら出来るよな!

・ホップ
この世界線ではホップがザマゼンタに選ばれている。
パルシェンならたてのおうになれるはずだぞ!!

・ザマゼンタ
いや、えぇ……?

・パルシェン
このあとザマゼンタに教えを請った。

・メイ
毎晩お電話していたはずなのに、最近は出来ない日が多いような……?
ちょっと怪しいですが、これからはそんなことにならないって聞きましたし、信じましょう!!

・ユウリ
友達としてマリィを紹介したいが、堕とされてライバルが増えないか心配。
でも紹介しなかったらしなかったで知らないところで出会って堕とされそうな気もしていて、迷っている。

・ダンデ
そろそろシバリ君がガラルを出発する日も近いかな……。
ガラルを気に入ってくれてるといいんだが……(心配事ゼロ)

・ソニア

書くかはわかりませんが、番外編とか閑話があったら嬉しい?

  • いらない:そんなことより本編を書け
  • いる:ルリの閑話とか
  • いる:本編IF(永住ルート)とか
  • いる:ヒスイに飛ばされるようなIFとか
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