幼馴染にフラれたので旅に出ることにした   作:イグアナ

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60分の間の描写?

キング・クリムゾン!


47話

 

 部屋に携帯のアラーム音が鳴り響き、1時間の経過が告げられた。

 

 ソニアの反対側を向いていたシバリは、その音を聞いてこの状況の終わりを悟った。

 

(お……終わった……! 堕ちるかと思った!! よく耐えた! よく耐えたぞ俺……! ムクホークのブレバ名場面集100選*1を脳内再生してて助かった……!)

 

 シバリが未だに煩く鳴り続ける心臓に手を当て安堵していると、ソニアは残念そうな表情で呟いた。

 

「終わっちゃった、かぁ……」

 

 むくりと上体を起こしたソニアは、いつもの雰囲気に戻ってシバリに声をかける。

 

「はい、おしまい! シバリくん、もう振り向いて大丈夫だよ!」

「振り向けるわけないでしょうが!?」

 

 いくら彼がムクホーク名場面集100選を脳内再生していたとはいえ、意識を逸らすのにも限界がある。

 

 実際、意識を逸らせていたのは3割ほどで、残りの7割くらいは普通に貫通して食らっていた。

 

 故に、シバリはまだ平常心を取り戻せない。赤く染まってしまった顔が、元に戻っていない。

 

「……ふ〜ん?」

 

 ソニアはそのことを察したのか、シバリを自分の方に向けさせた。

 

「ちょっ……!?」

「大丈夫大丈夫。もうアラームは鳴ってるし、わたしだって約束は守──」

 

 言いかけて、羞恥で顔を赤くし、涙目になっているシバリを見て、ソニアの思考が止まった。

 

「……もしかして、誘ってる?」

「誘ってませんが!?」

「いや、その顔は誘ってるよ。ダメだよシバリくん。そのつもりがないならちゃんと表情で示さないと」

「ソニアさんが言うんですかそれ!?」

「あは、ごめんごめん」

 

 ソニアは笑いながらシバリから離れ、ベッドから立ち上がった。

 

「はーっ、言いたいこと全部言ったらスッキリしちゃった。これで清々しくシバリくんを見送れそう! 」

「……俺はむしろ遺恨が残ることになったんですけど……」

「ん? だってそれが目的だもん」

「……はい?」

「だってわたしのコト、ちゃんと()()()()でしょ?」

「ゔっ……」

 

 シバリの表情を見て、ソニアは目論見通りにいったことを確信したのか、おかしそうにくすくすと笑った。

 

「もしかして……仕返しですか……?」

「うん! こんなにもわたしの心に存在を残して行ったんだから、シバリくんもわたしを忘れないようにしてあげようかなって!」

「……マジすか」

「ふふ……今後シバリくんは女の子といい雰囲気になる度、わたしのことを思い出して──」

「……別に、こんなことしなくても忘れませんよ」

 

 シバリは顔を赤くしながらも、ソニアの目を見てしっかりと伝えてる。

 

「ソニアさんみたいな魅力的な人、忘れようと思っても記憶から消えませんから」

 

 それを聞いてソニアは一瞬呆然として、照れたように目を逸らした。

 

「……あぁ、もう……!」

「ちょっ……!?」

 

 ズカズカとシバリの方に近づいたソニアは、そのまま彼の胸に顔をうずめた。

 

「もうやだ。ほんと好き(嫌い)。嬉しい言葉をくれるのに、一番欲しい言葉をくれないところ、ほんとに好き(嫌い)大好き(大嫌い)

「……もうアラームは鳴ってるんですけど」

「……大人だって我慢できない(約束を守れない)ときがあるの!」

 

 ぎゅっと抱きしめる力を強め、ソニアは小さく呟く。

 

「……シバリくんのこと、忘れてあげないから」

「……はい。俺もソニアさんのこと忘れません」

「それに、諦めないから」

「……へ?」

 

 ソニアはシバリから離れると、ニコリと笑った。

 

「シバリくんがガラルから出たあともたくさん連絡するし、()()()()。今後わたしから来る連絡は、全部下心があると思ってもらっていいからね?」

「最低な宣言しないでくれません!?」

「いいの! ここまで来たらヤケクソなんだから!!」

 

 獲物を見るような目で睨まれ、シバリはビクリと身体を震わせた。

 

「ふふ……面倒な女に目をつけられたってこと、シバリくんには身を以て味わってもらうからね……?」

「……お、お手柔らかに、お願いします……」

「そうだ! ホップにも色々協力してもらって──」

「プライドとかないんですか!?」

 

 

─────────────────────────

 

 

 

「……はっくしゅん!」

「わっ……!? ホップ……風邪?」

「うぅん……そういうのじゃないと思うけど……」

 

 "けんのおう"にフォルムチェンジしようと頑張るジュカインを見ながら、ホップは頭を抱えた。

 

「な、なんか、知らないうちに厄介事に巻き込まれることになったような気がするぞ……」

「……クシャミって普通、噂とかそういうんじゃないの……?」

「オレ、噂されるほど知名度ないぞ……」

「そんなことないと思うけど!?」

 

 仮にもムゲンダイナと戦った英雄の一人だ。彼の知名度だって決して低くはない。

 

「そういえばシバリ遅いな。ソニアのやつ、連れ帰ったの良いことに雑用とかやらせてるんじゃ……?」

「……はっ」

 

 ふとユウリの脳裏によぎったのは、以前様子を見に行ったときに見かけた、2人が同じベッドで寝る姿だった。

 

 もしあれが、今も起こっているのだとしたら──。

 

「……ホップ」

「なんだユウリ?」

「……研究所、行こう」

「ユウリ!? どうしたんだぞ!?」

「このままじゃ私の……私の脳が……!」

「ユウリ……? どうしたんだ、ユウリ!」

「もし取られてたら……ふふっ……。名前は"ムゲン団"……なんて、どうかなぁ……?」

「ユウリ? ユウリ!?」

 

 ホップがユウリの肩を掴んで揺さぶる中、ユウリの意識はどこかにトリップしていた。

 

 そして──

 

ジュカァ(出来たァ!!(特別意訳))!!」

「パァ!!」

ザシ……(えぇ……(特別意訳))

ザマァ(知ってた(特別意訳))

 

 

 ここにもう一匹の"けんのおう"が誕生していた。

*1
特にシバリの記憶に残ったブレバを勝手に彼の脳内で編集したもの




・シバリ
何もなかった(ガチ)
けれど脳にはしっかり刻まれた。

・ソニア
全部吐き出してスッキリした。
自分が寂しさを感じているときも、シバリも自分のことを忘れていないという状況が作れたので、とりあえずOK

色々やる予定らしいが……?

・ダンデ
シバリがもし振り返ってたら胃痛案件だった。
これで本当の意味での解放……なるか?

・ユウリ
もし取られてたら闇堕ちしてたかもしれない。
無事に戻ってきてくれて良かっ……なんかシバリくんからとんでもないくらい濃いソニアさんの匂いがするんだけど!!!!!!!!!!!!

・ホップ
多分色々と巻き込まれるけどがんばれ

・"たてのおう"パルシェン
フォルムチェンジすると防御と特防の種族値が25~30くらい上がる気がする。
多分防御が1段階上昇する。

・"けんのおう"ジュカイン
フォルムチェンジすると攻撃の種族値が30~40くらい上がる気がする。
多分攻撃が1段階上昇する。

・番外編
永住ルートを書くにしろ、少なくともこの60分の描写は無い(辛辣)

書くかはわかりませんが、番外編とか閑話があったら嬉しい?

  • いらない:そんなことより本編を書け
  • いる:ルリの閑話とか
  • いる:本編IF(永住ルート)とか
  • いる:ヒスイに飛ばされるようなIFとか
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