幼馴染にフラれたので旅に出ることにした   作:イグアナ

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63話

『な、なんだコレは────ッ!?』

『ダイマックス!? 話だけは聞いたことがありますが、まさかホウエン地方で見ることが出来るとは!!』

 

 スタッフの人達は何やら大慌てになっているが、司会や観客席は大盛り上がりだ。

 

 続けてシャンデラは炎を纏わせ、演出は更にダイナミックになっていく。

 

「……あは」

 

 その光景を見て、ルチアの口から思わず笑みがこぼれ出た。

 

(凄い……! こんなコンテスト、見たことない!)

 

 先程の演技だけでも、ルチアからすれば期待以上のクオリティだったのだが、ここでシバリは更にその上を行った。 

 

 視線が釘付けどころの話ではなく、今彼女はシバリとシャンデラ以外が見えていない。そんなレベルだった。

 

(シバリくんと一緒なら、きっとコンテストライブの世界を盛り上げていける!! 更に先へ進化させていける!!)

「──アさ──」

(えへ、えへへ……やっぱりシバリくんは、わたしの──)

「ルチアさん!」

「へっ!?」

「『へっ!?』ではなくて。ほら、今ルチアさんがスカウトした人の演技が終わったじゃないですか。一言、ご感想をお願いします」

「あっ……」

 

 ルチアは今が撮影中だとすっかり忘れていた。横のカメラマンの存在を失念するほどに、シバリの演技に見入っていたのだ。

 

 言葉を用意していなかったので少し慌ててしまったルチアだったが、すぐに平静を取り戻し、シバリの演技について感想を語っていく。

 

「初めてとは思えないくらいすっごい演技だったね! それにあのおっきくなるやつ! わたしの知る限り、歴代のコンテストであんなことやったトレーナーさんは居ないよ! 優勝だって有り得るかも!」

「あれは凄かったですね〜! 会場の皆さんも盛り上がってましたし、これは近い内に大物になるかもしれませんよ!」

「絶対なるなる! だってシバリくんは、わたしの運命の人だもん!!」

「なるほど! 運命の──え?」

「……はえ?」

 

 カメラマンの反応に、ルチアは自らの失言を悟り顔を真っ赤に染めた。

 

「あっ、ち、違っ! わたし、何を言って──!」

 

「い、今のは、違くて!! そういう意味じゃなくって!!」

 

「なんというかほら、運命は運命でも赤い糸というか、なんというか!!」

 

「あっ、あああっ! 違うのっ! ほんとに違うのっ! そういうんじゃないの! そういうんじゃなくって!!!」

 

「に、ニヤニヤしないでっ! カメラ止めてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

 一瞬にして墓穴を堀りに掘りまくったルチアのこの発言は、凄まじい速度で世界に拡散されていく。

 

 何故ならこれは生放送。口から出た言葉は戻せないのだから。

 

 ……ちなみに、この生放送はルチアがシバリをスカウトした時の映像と共に、『このトレーナーの初コンテストを観に行く』という内容で数日前から宣伝されている。

 

 もう一度言うが、()()()()()()()。これがどんなことを引き起こすのかというと──。

 

 

─────────────────────────

 

 

  ──同時刻、シンオウ地方のとある場所。

 

「──ミ゜」

「ヒカリちゃん!?」

 

 

─────────────────────────

 

  ──またまた同時刻、イッシュ地方のとあるジム。

 

「シバリさんほんとに勘弁してください……。こんなの、フウロさんには見せられな──」

「──セツさん、何見てるの?」

「ヒッ!? い、いえ! これは別に──!」

「見せて?」

「い、いやいや! こんなの見ても別に──!」

見 せ て ?

「……ハイ」

 

─────────────────────────

 

 ──これまた同時刻、イッシュ地方のとある女優の自宅。

 

やっぱり女の子堕としてるじゃないですかシバリさん!!

「……よ、予想はしてたけど……。まさか、コンテストアイドルだなんて……」

「というか……この人だけじゃない可能性もありますよね?」

「……ふふ。ホウエン地方、ね」

「あの、トウコさん? なんで荷物の整理始めたんです? ダメですよ!? 明日もお仕事あるんですよ!? トウコさん? トウコさん!?」

 

─────────────────────────

 

 ──案の定同時刻、イッシュ地方のとある撮影現場。

 

「おい! 本番までもう時間ないぞ!? ルッコちゃんはどうした!?」

「監督! ルッコちゃんが控え室で倒れてます!!」

「何ィ!?」

「監督ゥ!」

「なんだ! 今はルッコちゃんのことで忙し──」

「──カミツレさんが固まってます!!!」

「なんだとォ!?!!!?」

 

─────────────────────────

 

 ──言うまでもなく同時刻、ガラル地方のとある場所。 

 

「……あっ、ああっ……! とっ、取られっ……! ああっ……!」

「ユ、ユウリ!? しっかりするんだぞ!!」

……こっちも、負けてられんね

「……マリィ?」

 

─────────────────────────

 

 ──当たり前のように同時刻、ガラル地方のリーグ本部。

 

「……ね、ダンデくん」

「……聞きたくないが、聞こうか」

「ガラル外でダイマックスを引き起こしたのを名目に、シバリくんをガラルに戻せたりしないかな? ほら、追加の研究──」

「……ただでさえ胃痛薬足りなくなってきてるから、勘弁してくれ……」

 

 

─────────────────────────

 

 ──当然の如く同時刻、ガラル地方のとあるジム。

 

「へぇ……。シバリさんはこんなに可愛い人に気に入られちゃったんですね」

「まあ、シバリさんが誰と付き合おうとわたしの知ったことではないですし、好きにしたら良いと思いますけど……」

 

「……なんだか少し、胸が痛いです……」

 

 

─────────────────────────

 

 ──多分同時刻、ホウエン地方のとあるアジト。

 

「……カガリ。ハルカちゃんの彼氏について嗅ぎ回ることを許可する」

「……リーダーマツブサ。いいの?」

「ああ。ハルカちゃんの恋路には手出ししまいと考えていたが、気が変わった……。もし、ハルカちゃんの彼氏が付き合うに値しないクズな男だったのなら、このマツブサ、容赦はせぬぞ」

「おいウシオ。お前も手伝ってやれ」

「オウよ! アニィ! 」

「……いいのか?」

「当たり前だろマツブサ。オレだってハルカちゃんの事は心配だからよ!」

 

──────────────────────────

 

 ──絶対同時刻、コンテスト会場現地にて。

 

「……シバリくん。またなの?」

 

 これがきっかけで色々動き出したり動き出さなかったりしたとかしなかったとか。

 

 本人(シバリ)の与り知らぬところで、物事は少しずつ進んでいく。




・シバリ
演技大成功!! ニッコニコである。

・シャンデラ
演技楽しかった! ニッコニコのシバリを見てニッコニコ。

・ラズ&キルネア
山の中に居るから知らないよね。仕方ないね。

・その他の皆様
描写の通り

・ダイゴ
なーんも知らない人

どの手持ちポケが一番良かった?

  • シバリ:ムクホーク
  • シバリ:ジュカイン
  • シバリ:シャンデラ
  • シバリ:パルシェン
  • シバリ:ゴローニャ
  • シバリ:ケッキング
  • ラズ:エレキブル
  • ラズ:ドドゲザン
  • ラズ:ギャラドス
  • ラズ:ドーブル
  • ラズ:カクレオン
  • ラズ:メタモン
  • サイトウ:柔道整復師カイリキー
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