し、仕事が……ね? ちょっと忙しくってェ……(言い訳)
というわけで本編です↓
「ご理解、いただけたかしら?」
「……はい」
甘やかしたり甘やかされたりを繰り返し、ようやく解放された俺はベッドに突っ伏していた。
そんな俺に、シロナさんはベッドに腰掛けて微笑みながら視線を向けてくる。
「あの頃のシバリ君、私に同じようなことしてたのよ? それも、毎日のように……ね?」
「すみませんでした……」
情緒が壊れるかと思った。後半はもう自分でも何言ってたかわからないし、何をしてたのかもあまり覚えていない。
というか、年上の異性に甘やかされるというのがこんなにもダメージの大きいものだとは思わなかった。
そして、俺はそれを毎日のようにシロナさんにやっていたわけだ。……もしかしなくても大罪では?
「ええ、大罪よ」
「ナチュラルに心読むのやめてもらえますか!?」
「ふふ、ごめんなさい。だって顔に書いてあるんだもの」
「えぇ……?」
そもそも突っ伏してたから俺の顔は見えなかったはずなんだが、クスクスと笑うシロナさんを見て、言い返す気力も無くなってしまった。
「……でも、許してあげる。だって、手紙にあった"また会える"って約束は、ちゃんと守ってくれたんだもの」
「シロナさん……」
「その代わり、私の助手になることを再度前向きに検討してくれると──……って、あら?」
「?」
シロナさんが部屋の扉の方に目を向けて首を傾げた。
俺も上体を起こして、シロナさんの方に視線を向ける。
「……あの、何かありました?」
「いえ、その……シバリ君を助手に勧誘するとヒカリちゃんが止めに来るはずなんだけど……来ないわね」
「どこに疑問持ってんですか」
いや、俺もこの話するといつもヒカリが来るようなイメージはあるけどさ。
……ん? てか、その言葉から察するに──。
「……もしかして、今わざとヒカリが来るように仕向けました……?」
「…………」
シロナさんが明後日の方向に目を逸らした。え、何で……?
「……その」
「はい」
「冷静になって考えてみたら、私とんでもないことしちゃったんじゃないかしらって思って……」
「……それは、えっと……」
「今、ね……? シバリ君の顔見れないくらい、恥ずかしくなってきちゃって……」
「なんで今になって自滅してんですか!!」
つまりだ。なんか恥ずかしくなってきたシロナさんは、ヒカリに乱入してもらってこの場を終わらせようとしたわけだ。
だがその作戦が失敗し、真っ赤になった顔を両手で覆うシロナさんを見て、俺も先ほどのことを思い出して少し顔が熱くなってきた。
……でも、シロナさんばかりに恥をかかせるのはどうなんだろうか。
助手になってほしいという言葉はきっと本心だろうし、毎回ヒカリの乱入で有耶無耶になっているとはいえ、この件を宙に浮かせ続けているのはあまり良いことじゃないと思う。
ただでさえ再会までに十数年間待たせてしまったんだし、これ以上待たせるわけにもいかない……よな。
「シロナさん」
「……ええ、笑ってちょうだい。所詮私は壊れたままの情緒を直すことも出来ずに十数年彷徨い続けた、はしたない女で──」
「助手の話ですけど、決めました」
「──えっ?」
「その、シロナさんのおかげで、俺もシンオウ神話には興味がありますし……」
「ちょ、待っ、待って待って、あの、何を──」
「俺なんかで良ければ是非、シロナさんの助手に──」
「──ダメよ!」
「へ!?」
言い終える直前で、シロナさんに両肩を掴まれた。
「だ、ダメって……?」
「……気持ちは嬉しいわ。ほんとに、小躍りしちゃうくらいには」
「小躍り」
シロナさんの小躍りか。何それ見たい。
「でも、
「それは、そうですけど……」
「だからダメ。シバリ君には色んなものを見てもらって、その上で答えをもらいたいの」
「でも俺、シロナさんのこと、たくさん待たせて……」
俺の言葉に、シロナさんは柔和な笑みを浮かべた。
「ふふ、私はどこに居るかもわからない貴方のことを十数年待った女よ? 今更少し延びたくらいで文句はないわ」
「シロナさん……」
「何より、子どもの選択肢を潰すような大人にはなりたくないの。この広い世界にはまだまだ面白いことがたくさんあるんだから、気が済むまで見てくるといいわ」
そう言いながら俺の頭を撫でてくるシロナさんだったが、急にジト目になると、ずいっと顔を近づけてきた。
「ただし、女の子と仲良くなるのはほどほどに……ね?」
「……ハイ」
ソニアさんとルチアの件もある。そこは本当に気をつけようと思ったのだった。
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「シロナちゃん、もう大丈夫なのかい?」
「うん!! 心配かけてごめんね、サチエおばさん!」
「今日は読みかけのお本を読むの! シンオウ神話のお勉強するんだぁ!」
「あらあら、偉いわねぇ……頑張ってね」
「うん! ありがとう!」
そう言って走っていくシロナの後ろ姿を見送った後、近くに居た老婦人がサチエの元に近づいてきた。
「急に元気になったのは良かったけど……何かあったのかい?」
「なんでも、居ても立ってもいられなくなったらしいのよ。『いつかムクホお兄さんと再会したときに、情けない姿は見せられない』『ムクホお兄さんに相応しい女の子になる』って、自分を鼓舞したんだとか」
「あらやだ立派なことだわねぇ……」
我が子のように可愛がっていたシロナがそんな風に立ち上がったと知り、老婦人の目からはホロリと涙が出てきていた。
「これからもシロナちゃんのことはしっかり見守っていかなきゃねぇ……」
「……そうさねぇ」
会話もほどほどに、老婦人はハンカチで涙を拭いながら去っていった。
その場に残ったサチエは、一人深い溜息をついた。
彼女の脳裏によぎるのは、ひょんなことから偶然目に入ってしまった、一冊の日記だった。
(……あれを読まなければ、私もシロナちゃんを純粋に応援できたのかねぇ)
(あぁ、恨むよムクホ君……。君のせいでシロナちゃんは歪んでしまった)
(外面は元に戻っていたように見えていても、あの子の内面は──)
「……なんて、気にしても後の祭りさね」
なるようにしかならないだろう。そんな風に考えて、サチエはこのことについて考えることをやめた。
・シバリ
無事生還。やっぱりシロナさんは尊敬出来る大人だぁ……。
・シロナ(現代)
実はシバリから貰った手紙は今でも大事に持っているんだとか。
助手OK発言に一瞬揺らぎかけたが、大人として道を示した。
さすシロ。
・シロナ(幼)
日記を見ればわかるらしい。
・サチエおばさん
たまたま日記の中を読めてしまえる機会があり、
唯一シロナ(幼)の内面を知ってしまった人。
今後出番があるかはわからぬ。
・ヒカリ
結局朝まで起きなかった人。
乱入して、役目でしょ!
まだ出てない地方で好きなところ(参考にするかも)
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カントー地方
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ジョウト地方
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カロス地方
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アローラ地方
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パルデア地方
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ヒスイ地方