幼馴染にフラれたので旅に出ることにした   作:イグアナ

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書いてるとき「うーんこれはクソボケ」


89話

 ヤマブキシティのベンチにて、ハピナス製薬の営業マンことアインは項垂れていた。

 

「まさか休暇を言い渡されるとは……」

 

 最近アインの営業成績が芳しくないことを受けてか、社長は少し無理矢理な形で彼に休暇を与えた。

 

 『リフレッシュして少しは気分転換してきたら?』とは社長の言葉だ。

 

「確かに胃痛薬のスポンサーは断られてばかりだけど、それに関しては気分転換したところでなぁ……」

 

 そもそも、休暇をもらったとて何をすれば良いのかアインにはさっぱりわからなかった。

 

 友人と言えるような人物も居るには居るが、その友人とは訳あって自由に連絡が取れない状況にある。

 

「……そういえば、今日はヤマブキシティの様子がどこか活気立ってるな」

 

 どうやら面白い人物がこの街に来ていると、彼は耳に挟んでいた。

 

 街の様子が普段と違うのはその人物の影響なのではないかと、彼はぼんやりと考えて──。

 

「……ま、暇潰しにはなるかな」

 

 ただの興味本位。それだけを理由に、彼は噂の人物を探し始めたのだった。

 

────────────────────────

 

「ふふ。ふふふふふ……ふふ」

「……あの、ナツメさん?」

「大丈夫よ。ええ、大丈夫。気にしないで」

 

 先程からナツメは、シバリの行動に対してまったく予知が働いていなかった。

 

 普段はほぼ100発100中の精度だというのに、それが信じられなくなるくらいには想定外の動きばかりされている状況だ。

 

(落ち着いて私、しっかり力をコントロールするのよ。力を正しく使えれば、きっと彼の行動も予知出来るはず……!)

 

(なんだろう。ナツメさんからめちゃくちゃ視線を感じる。すんごい見られてる)

 

 集中するあまりシバリを見る視線に力が入ってしまっていたが、ナツメがそのことに気づくことはなかった。

 

 とはいえシバリも事情は理解しているので、彼女からの視線は特に気にしないことにした。

 

「ふぅ……結構歩きましたね。ちょっとお腹も空いてきましたし、どこかで軽く休憩しませんか?」

「あら、いいわね」

 

 ナツメからしてもそれは好都合だった。超能力を常に全力で使い続けて疲れていたところもあり、休憩出来るのであればそれに越したことはなかったからだ。

 

(近くにあるのは喫茶店とクレープの屋台。私にはシバリくんが喫茶店で休憩する未来と、クレープを買って近くのベンチで休憩する未来が見えているわ)

 

(さあ、どちらの店を利用するのかしら。なんなら、男の子の食欲なら両方って可能性も0ではないわね。とにかく、今回は想定外のことは起こらないはず!)

 

 自信満々でそんな風に考えているナツメに対し、悩んだような様子のシバリは話しかけた。

 

「ちなみに、ナツメさんは何か食べたいものとかあります?」

「私はなんでも大丈夫よ。シバリくんの旅なんだし、貴方の好きな場所を選んでほしいわ」

「そうですか。なら──」

 

 シバリは喫茶店とクレープの屋台には目もくれず、来た道の方向を指差した。

 

「実はさっき通り過ぎたファストフード店が気になってまして、そこでも良いですか?」

「ああっ、そんなっ……!」

「へ?」

 

 まるで欲しがっていたものを目の前で取り上げられたかのような表情で、ナツメは膝から崩れ落ちた。

 

 少しは予知出来るようになってきたと思ったのがただの慢心だったという、厳しい現実を突きつけられてしまったからだ。

 

「……あの、大丈夫ですか?」

「……ふふ。ええ、大丈夫よ。こうでなくっちゃ、面白くないわ……」

 

 彼女はゆらりと立ち上がると、服の汚れを軽くはたいた。

 

「変なところを見せてごめんなさい。さ、行きましょ?」

「あ、はい……」

 

 もうこれ何度目なんだろ。なんて思いながら、シバリは自分の指定したファストフード店へと歩き始めた。

 

(……それにしても)

 

 ふと、シバリは自分の横を歩くナツメに視線を向ける。

 

(綺麗な人だなぁ。実はカミツレさんみたくジムリーダーと兼任でモデルさんとかやってたりするのかな)

 

 ナツメを見ながらシバリがそんなこと考えていると、彼女は彼からの視線に気がついた。

 

「どうしたの? 私の顔に何か付いてる?」

「あ、いえ。ナツメさんはお綺麗だなと」

「な─────ッ!?」

 

 シバリの言葉に、ナツメは照れたように顔を顔を赤くした。

 

 彼からすれば『これくらい言われ慣れてるだろう』と思って特に何も考えずに発した言葉だったが、彼女からするとどうやらそういうわけでもないらしい。

 

「……あのね、シバリくん」

「は、はい……」

「予知できない褒め言葉って、心臓に悪いのよ?」

「……えっと、すみません」

「謝らなくていいわ。……その、嬉しかった、し……」

 

 どこか微妙な雰囲気になりながらも、二人は再びファストフード店に向けて歩き始めたのだった。




書き終わった時「うーんこれはクソボケ(再放送)」

まだ出てない地方で好きなところ(参考にするかも:パート2)

  • ジョウト地方
  • カロス地方
  • アローラ地方
  • パルデア地方
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