翌日、俺はタマムシシティを訪れていた。
ヤマブキシティはまた後日ナツメさんに案内してもらえることになったし、アインさんともまた会う予定だから、それなら他の街を観光しようかなと思った次第だ。
ちなみに旅行パンフレットによると、タマムシシティはカントー地方における娯楽や商業の中心地らしく、様々な施設があるとのことだ。
うーん、ヤマブキシティも広かったけど、タマムシシティも一日で回れるような街ではなさそうだな。
「おっ、兄ちゃん旅行かい? お土産にニビあられなんてどうだ?」
「間に合ってます」
「そこの人! 旅行のお供にニビあられはいかがですかー!?」
「間に合ってます」
なんでヒウンアイスとフエンせんべいは売り切れだったのにニビあられはこんなにあるんだよ。
これ本店があるニビシティにも死ぬほどニビあられあるやつだろ。声かけられる度にヒウンアイスとフエンせんべいを思い出してちょっと辛いんだが。
「ちょっとお兄さん、ヒウンアイスは好きかい?」
「だから間に合っ────へ?」
今なんて言った? ヒウンアイス!? えっ、ここにヒウンアイスあんの!?
「ヒウンアイス好きです!!」
「ほほ。そうかいそうかい、それならお兄さんには──」
言いながら、店主のお婆さんがひとつの商品を取り出した。
「──期間限定"ニビあられ ヒウンアイス味"を売ってあげよう」
「間に合ってます」
なんというか、上げて落とされた気分だった。
俺を呼び止める声を無視して、裏切られたような気分になりながら早足で歩いていると、いつの間にか商店街エリアを抜けていたようで、視界の先にジムが見えてきた。
へぇ、タマムシシティにもジムがあるのか。よく見たらパンフレットにも載ってるな。
「くさタイプのジム……。ジムリーダーは、『自然を愛するお嬢様』がキャッチコピーのエリカさん……か」
お嬢様か。今まで会ったことがないタイプの人なのかもしれないな。
ジムに挑戦するつもりはないけど、ジムによって全然見た目や内装が違うから、なんとなく見に行きたくなるんだよな。
「でも、なんか静かというか……。ん? 臨時休業?」
入り口のところを見ると、そんな風に書かれた貼り紙があった。
なるほど、道理でジムの周りが静かなわけだ。
……ま、別に挑戦するわけでもないし、ジムの外見を見るだけなら支障はないんだけど──。
「ようこそいらっしゃいました! お待ちしておりましたよ!」
「……へ?」
ジムから出てきた女性にいきなり話しかけられた。
お待ちしていた……? え、それってどういう──
「ささ、どうぞ中へ!」
「えっ、臨時休業中なんですよね? その、入って大丈夫なんですか……?」
「いえいえ! このために臨時休業にしているのですから!」
「???」
言っていることの意味はわからないが、話が食い違っているというのはなんとなく理解出来た。
もしかしてこれ、人違いされてるんじゃ──!?
「あ、あのっ! 俺は別にジムに用があるわけじゃ……!」
「理解しております。エリカおねえさまにご用なのですよね? この先でお待ちになられておりますから、どうぞこちらへ──」
「ちょ、ま、待っ! は、話を──!」
まったく話を聞いてもらえず、強引とも言える形で背中を押されてしまい、そのままジムの中へと放り出された。
「それではお二人でごゆっくり……」
「いやごゆっくりじゃなくて──!」
無慈悲にも、そのまま出口の扉は閉じられてしまった。
というか外から鍵かけられたような音したんだけど。えっ、マジで言ってる……?
……とりあえず奥まで進むしかない……か?
半ば諦めたような気持ちで歩き出した俺は、扉の向こうに居る彼女を言葉を聞くことが出来なかった。
「ふぅ……本日の殿方は恥ずかしがり屋とは聞いていましたが、ここまでとは……。強引にでもいいからジムの中に入れてやってほしいと言われていましたし、これでよろしいのですよね……?」
ホッと安堵の息を吐いて、彼女は閉ざされた扉に向かって頭を下げた。
「……エリカおねえさま。今回こそ、お見合いのご成就をお祈りしておりますわ」
他の子に手を出しそうになってるからやっぱ悪いか
まだ出てない地方で好きなところ(参考にするかも:パート2)
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ジョウト地方
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カロス地方
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アローラ地方
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パルデア地方