円舞曲(ワルツ)。
それは、三拍子の優雅な旋律に乗り、二人の男女が手を取り合って円を描くように踊る、典雅なる舞踏。しかし、その華やかな舞台の裏では、常にパートナーの次の動きを読み、呼吸を合わせ、時にリードし、時に身を任せるという、極めて高度な心理戦が繰り広げられている。
一方がステップを誤れば、たちまち二人の描く円は歪み、優雅な舞踏は滑稽な足の踏み合いへと堕する。
今、ヴァルハラ星域という名の薄暗い舞踏会場で、二人の指揮官が、互いの姿も見えぬまま、奇妙で、そして極めて破滅的なワルツを踊り始めていた。
一人は、存在しないはずのパートナーの影に怯え、見当違いのステップを踏み続ける、哀れな愚者。
もう一人は、そもそも踊る気など毛頭なく、ただ壁際でふんぞり返っていただけにも関わらず、相手の壮大な勘違いによって、否応なく舞台の中央へと引きずり出された、迷惑千万な怠惰者。
彼らの足がもつれ、音楽が不協和音を奏で始めた時。
その舞台に、神の気まぐれか、あるいは悪魔の悪戯か、一筋の閃光が突き刺さる。
それは、全ての旋律を断ち切る、絶対的な一撃。
円舞曲の終わりを告げる、無慈悲な終止符だった。
────────────────────────────────────────────
シリウス主権連合、第五艦隊旗艦「テュール」。
そのブリッジは、司令長官であるグスタフ・フォン・ベルガー提督が放つ、絶対零度のオーラによって完全に凍てついていた。
百戦錬磨の老将である彼の額には、脂汗が滝のように流れ、その白熊のごとき巨躯は、小刻みに震えているようにすら見える。
彼の視線の先、メインスクリーンの中央には、信じがたい光景が映し出されていた。
陽動部隊の指揮官、クルト・シュタイナー少佐が拿捕したはずの敵駆逐艦「フューリー」。その旧式の駆逐艦が、まるで戦利品であるかのように、シュタイナー隊に半ば引きずられるような形で、こちらへ、本隊の懐へと、ゆっくりと近づいてきているのだ。
「……馬鹿者が」
ベルガーの口から、地を這うような低い声が漏れた。
その声は、怒りよりも、むしろ純粋な恐怖に染まっていた。
「あの馬鹿は、一体何を考えている……! なぜ、わざわざ得体の知れん爆弾を、我々の目の前まで運んでくるのだ!」
そう、ベルガーの頭の中では、レナ・ユキシロの駆逐艦「フューリー」は、もはやただの戦闘艦ではなかった。
あれは、トロイの木馬だ。
あの『不敗の魔術師』カイ・シラヌイが、我々の常識と理性を破壊するために送り込んできた、恐るべき心理兵器。
あの艦の内部には、我々の想像を絶するような、新型の超破壊力を持つ爆弾が満載されているに違いない。シュタイナーが本隊に合流した、まさにその瞬間。遠隔操作で起爆し、この第五艦隊を、この宙域ごと消し飛ばすための、悪魔のプレゼントなのだ。
突撃してきたのが一隻だけだった理由。
拿捕されるがままになった理由。
そして、カイ・シラヌイが沈黙を守り続けている理由。
その全てのピースが、ベルガーの恐怖に満ちた脳内で、完璧な一つの絵を完成させていた。
「全ては、罠だ……。我々が、あの『木馬』に気を取られている間に、奴は本命を動かす……。いや、違う! あの木馬そのものが本命なのだ! 我々が、自らの手で、自らの心臓の真横に、時限爆弾を設置してしまったのだ!」
「て、提督! シュタイナー少佐より入電! 『敵駆逐艦の拿捕に成功。これより、本艦の分析のため、本隊への回航を開始する』、と……!」
通信士の報告が、ベルガーの最後の理性のタガを、無慈悲に引きちぎった。
「馬鹿者ォッ!! 来るなと伝えろ! 近づくな! 今すぐその場で木馬を解放し、全速でこの宙域から離脱しろと!」
ベルガーの絶叫が、ブリッジに木霊する。
だが、その命令は、恐怖に歪められた彼の思考によって、さらに最悪の形で捻じ曲げられていった。
(いや、待て……! もし、解放した瞬間に、奴が起爆させたらどうする……? あるいは、シュタイナーが離脱しようとしたその背中を、奴の別働隊が襲ったら……? そうだ、あの男ならやりかねん! あの男は、我々の思考の、さらに裏の裏をかいてくる!)
袋小路。
疑心暗鬼が生み出した、出口のない迷宮。
進むも地獄、退くも地獄。
ベルガーの脳は、焼き切れる寸前の演算回路のように、火花を散らし始めた。
「……だ、駄目だ……。シュタイナーは動かすな……。だが、近づけるな……。全艦! あの木馬から距離を取れ! だが、包囲網は維持しろ! いつでも撃てるように、だが、絶対に撃つな! ああ、いや、やはり撃て! 違う、撃つな! くそっ、どうすればいいのだ!」
それは、もはや命令ではなかった。
ただの、錯乱した老人のうわごと。
司令官のパニックは、ウイルスのように瞬く間に艦隊全体へと伝染していく。
旗艦「テュール」が、不可解な右旋回を始める。
それを見た護衛の巡洋艦が、慌てて追従しようとして、別の戦艦の進路を塞ぐ。
あちこちで、警報と怒号が飛び交い始める。
第五艦隊の誇る、鉄壁の陣形が、まるで自壊していくかのように、内側から崩れていく。
数百隻の鋼鉄の巨人たちが、指揮官という名の頭脳を失い、ただ右往左往するだけの、巨大な鉄屑の群れへと変貌していく。
それは、まさしく愚者の円舞曲だった。
誰一人として敵の姿を見ることなく、ただ、自らが脳内に作り上げた亡霊の影に怯え、互いの足を踏みつけ合い、無様に転げ回る。
その滑稽で、そしてあまりにも悲劇的な光景を、カイ・シラヌイという名の、たった一人の観客が、呆然と見つめていた。
────────────────────────────────────────────
旗艦「ネメシス」のブリッジ。
その中央で、カイ・シラヌイは、目の前で繰り広げられている超現実的な光景に、完全に言葉を失っていた。
「(……なに、あれ?)」
敵の大艦隊が、なんだか、妙な動きをしている。
まるで、集団で盆踊りでも始めたかのように、統制なく、意味不明な機動を繰り返している。
中には、味方同士で衝突しかけて、慌てて急ブレーキを踏んでいる艦までいる始末だ。
「(……内輪揉め? それとも、大規模なシステム障害? いや、まさか……俺が怖すぎて、パニックに陥ってるとか? いやいやいや、それはない。断じてない。あったら怖い)」
カイが、その奇妙な光景に首を傾げている間にも、レナの駆逐艦「フューリー」を援護すべく、ネメシスはゆっくりと前進を続けていた。
もちろん、カイに彼女を助ける気など、1ミリグラムもなかった。
彼の目的はただ一つ。
「部下を見捨てない聖人司令官」というポーズを、スポンサー様と、艦内の狂信者どもに見せつけること。
そして、この敵の謎の混乱に乗じて、適当なところで「やむを得ず撤退します」という、完璧な言い訳を作ること。
ただ、それだけだった。
(しめた! これぞ天佑神助! 敵さん、勝手に混乱してくれてるじゃないか! これなら、こっちが何もしなくても、勝手に自滅して帰ってくれそうだ! 俺の『何もしないで勝つ計画』、修正案が大成功じゃないか!)
彼の脳内で、早くも祝杯の準備が始まっていた。
だが、その時。
彼の輝かしい未来予想図を、無慈悲に引き裂く声が響いた。
「司令!」
ブリッジオペレーターのリーゼロッテが、興奮に顔を紅潮させながら、カイを振り返った。
「敵艦隊、完全に統制を失っています! 司令の『沈黙』という名の圧力が、ついに敵将の精神を破壊したのです! 今こそ、神の鉄槌を下す、絶好の機会かと!」
その言葉に、ブリッジのクルーたちが、一斉に「おお!」と狂信的な声を上げる。
彼らの瞳は、もはや完全にイってしまっていた。
目の前の敵が混乱しているのは、全て我らが司令の神算鬼謀の賜物であると、微塵も疑っていない。
カイは、内心で盛大に舌打ちした。
(この脳筋どもがァァァァ! なんでそう、すぐにドンパチやりたがるんだ! 鉄槌ってなんだよ、大工さんかお前は! いいか、俺の辞書に『攻撃』の文字はない! あるのは『戦略的撤退』と『有給休暇』だけだ!)
だが、ここで「いや、帰るけど?」などと言えるはずもない。
それでは、せっかく築き上げてきた聖人君子像が、一瞬で崩れ去ってしまう。
(クソッ……! どうする……! 何か、それっぽいことを言って、この場の空気を変えなければ……!)
カイの脳が、自己保身のためだけに、再びフル回転を始める。
そうだ、こういう時は、怒りだ。
部下が危険な目に遭っていることに対する、司令官としての聖なる怒りを演出し、その怒りを口実にした「一発だけ」の攻撃で、この場を収めるのだ。
(よし、それだ! 怒りに任せて一発だけ撃って、『これ以上は私の怒りで部下を危険に晒すわけにはいかん! 全艦、撤退する!』って言えば、完璧じゃないか! 慈愛と激情を兼ね備えた、完璧な指揮官像の完成だ! 俺って、本当に天才!)
完璧なシナリオを思いついたカイは、ゆっくりと、しかしわざとらしく、司令官席から立ち上がった。
その表情は、打って変わって、静かな怒りに満ちていた。
その瞳は、まるで部下を傷つけられた獅子のように、鋭く敵艦隊を睨みつけている。
ブリッジのクルーたちが、ごくり、と息を呑んだ。
司令が、ついに本気になった。
カイは、ブリッジ全体に響き渡るように、重々しく、そして冷たく言い放った。
「……リーゼロッテ。本艦の全主砲、エネルギー充填率を最大に」
「は、はいっ!」
「座標入力。敵主力艦隊、予測現在位置。目標、旗艦『テュール』」
「りょ、了解!」
リーゼロッテの指が、震えながらコンソールを叩く。
カイは、大きく息を吸い込むと、この茶番劇のクライマックスを飾る、完璧な決め台詞を、腹の底から絞り出した。
「──私の可愛い部下に手を出したこと……後悔させてやる。私の怒りを、その身に刻め」
その、あまりにも芝居がかった、しかしクルーたちの心には英雄叙事詩の一節のように響いたであろう言葉と共に。
カイは、内心で、必死に、心の底から、血の涙を流しながら、こう祈っていた。
(当たんなよ! 絶対に当たんなよ! ちょっと掠るくらいでいいんだ! あくまで威嚇射撃だから! フリだからな! 頼むから空気読んで避けてくれよ、敵さん! なぁ!?)
そして、彼は右手を、ゆっくりと、しかし断固として、振り下ろした。
「──撃てッ!!」
────────────────────────────────────────────
シリウス主権連合、第五艦隊旗艦「テュール」。
その艦橋は、すでに阿鼻叫喚の地獄と化していた。
「だめです、艦長! 巡洋艦『オーディン』と接触します!」
「右舷回避! 右舷に舵を!」
「無理です! 後方から戦艦『トール』が!」
ベルガー提督が発した、矛盾に満ちた命令の数々。
それらは、第五艦隊の神経回路を完全にショートさせ、巨大な体を制御不能な痙攣状態へと陥れていた。
右へ行け、いや左だ。進め、いや止まれ。
その全てを同時に実行しようとした結果、艦隊はただその場で、無様に身悶えするだけだった。
そして、その、最も無防備で、最も滑稽な瞬間に。
それは、来た。
「──高エネルギー反応! 敵旗艦『ネメシス』より!」
レーダー士の絶叫が、ブリッジの喧騒を切り裂いた。
誰もが、弾かれたように顔を上げる。
メインスクリーンに、一筋の、あまりにも美しい光の筋が映し出されていた。
それは、漆黒の宇宙を切り裂き、真っ直ぐに、寸分の狂いもなく、この旗艦「テュール」の心臓部へと向かってくる、神の裁きの光。
「か、回避ィィィィッ!」
副長の金切り声が響く。
だが、もう遅い。
自らが作り出した混乱の網に、自らが絡め取られ、身動き一つ取れなくなっていた。
まるで、蜘蛛の巣に囚われた蝶のように。
彼らはただ、その美しくも残酷な光が、自分たちの命を刈り取るのを、見ていることしかできなかった。
時間の流れが、奇妙に引き延ばされる。
ベルガー提督の脳裏に、故郷の星で待つ、妻と娘の顔が浮かんだ。
(……すまない)
カイ・シラヌイ。
あの若者は、やはり、我々の想像を遥かに超えた、本物の『魔術師』だったのだ。
我々は、彼の掌の上で、ただ踊らされていただけだったのだ。
それが、百戦錬磨の老将が、人生の最後にたどり着いた、一つの答えだった。
次の瞬間。
音は、なかった。
ただ、ブリッジが、真っ白な光に包まれた。
あらゆる思考、あらゆる感情、あらゆる存在が、その絶対的な光の中に溶け、消えていく。
旗艦「テュール」は、その全長三キロメートルを超える巨体を、内側から爆散させた。
誘爆が、連鎖する。
隣にいた巡洋艦が、その爆風に巻き込まれて二つに折れる。
その破片が、別の戦艦の装甲を貫く。
第五艦隊という名の、鋼鉄の巨人の群れは、その頭脳を失ったことで、次々と連鎖的に自壊を始めた。
それは、神の一撃。
あるいは、悪魔の嘲笑。
カイ・シラヌイという男が、ただ「早く家に帰りたい」という一心で放った、究極にやる気のない一撃が、銀河の歴史を塗り替える、伝説の始まりを告げる号砲となった瞬間だった。
────────────────────────────────────────────
「……え?」
旗艦「ネメシス」の司令官席で、カイ・シラヌイは、間の抜けた声を漏らした。
彼の目の前のメインスクリーンには、SF映画のクライマックスシーンもかくやという、壮大な爆発と炎の華が、これでもかと咲き乱れていた。
敵艦隊を示す無数の赤い光点が、まるで線香花火のように、儚く、次々と消えていく。
「………………は?」
もう一度、声が漏れる。
何が起きたのか、全く理解が追いつかない。
俺は、ただ、威嚇で撃っただけだ。
当たらないように、わざと少しずらして撃ったはずだ。
なのに、なんで?
なんで、ど真ん中に当たってるの?
というか、なんで相手、避けないの?
もしかして、あれか? 俺が怖すぎて、腰を抜かして動けなかったとか? いや、それにしたって……。
カイが、一人、別次元で思考停止に陥っている間に、彼の周囲の世界は、熱狂と狂乱の渦に叩き込まれていた。
「て、敵旗艦、轟沈!!!!!!」
リーゼロッテの絶叫が、ブリッジの静寂を粉々に打ち砕いた。
次の瞬間。
「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!!!!!!」」」
地鳴りのような、あるいは星そのものが割れるかのような、凄まじい歓声が、ブリッジを、いや、艦隊の全クルーの魂を、根こそぎ揺さぶった。
「やった! やったぞ!」
「司令! 見ましたか!?」
「神だ……! 我らが司令は、やはり神だったのだ!」
クルーたちは、抱き合い、涙を流し、そして司令官席に座るカイに向かって、まるで本物の神を見るかのような、狂信的なまでの視線を向けていた。
その、あまりにも場違いな熱狂の中で。
カイだけが、血の気の引いた、真っ青な顔で、ただ一人、震えていた。
(ち、違う……! 違うんだ……! 俺は、そんなつもりじゃ……! ただ、家に帰りたかっただけなんだ……!)
だが、彼の声なき絶叫は、誰の耳にも届かない。
それどころか、彼の忠実なる(そして最も厄介な)狂信者たちは、この神の御業を、さらに拡大解釈し、最悪の方向へと暴走を始めていた。
「司令! 敵は混乱しています! 今こそ、残党を殲滅し、司令の武威を銀河に知らしめる時です!」
「そうだ! 追撃だ!」
「カイ・シラヌイ司令に、栄光あれ!」
カイの「待て! 追うな!」という、か細い制止の声など、熱狂の渦の中に、虚しく吸い込まれていく。
リーゼロッテが、カイの許可を待たずに、全艦隊に向かって檄を飛ばした。
「全艦、突撃! 敵の残存部隊を、宇宙の塵とせよ! 司令が、お望みだ!」
(望んでねぇよ!!!!!!!!)
カイの内心の絶叫をBGMに、旗艦ネメシスを除く、十四隻の艦艇が、まるで解き放たれた猟犬のように、蜘蛛の子を散らすように逃げ惑う敵の残存艦隊へと、猛然と襲いかかった。
指揮系統を失い、パニックに陥った敵艦隊に、もはや抗う術はない。
それは、もはや戦闘ではなかった。
ただの、一方的な虐殺だった。
そして、狂信者たちの勘違いは、まだ終わらない。
彼らは、レナ・ユキシロが最初に行った、あの無謀な単独突出すらも、この完璧な勝利のための、壮大な布石だったのだと、完璧に誤解していた。
「そうか……! レナ大尉のあの突撃は、敵の注意を引きつけ、その陣形を乱し、司令の『神の一撃』の射線上に、敵旗艦をおびき出すための、捨て身の陽動だったのだ!」
「なんという、壮大な作戦……!」
「我々は、司令の掌の上で踊らされていたに過ぎなかったのだ!」
その頃、当のレナ・ユキシロは、魂が抜けた殻のようになって、半壊した自艦のブリッジで、ただ虚空を見つめていたことなど、もちろん誰も知らない。
カイは、司令官席に座ったまま、遠ざかっていく十四隻の味方の光点と、次々と消えていく敵の赤い光点を、ただ、呆然と見つめていた。
彼の完璧な『塩試合からの感動番組による後方栄転計画』は、彼の部下たちの、あまりにも熱狂的な忠誠心によって、木っ端微塵に粉砕された。
後に残ったのは、ありえないほどの、完璧すぎる大勝利と、そして、英雄という名の、もはや絶対に逃れることのできない、地獄への片道切符だけだった。
『ねえ、カイ?』
脳内で、シロが、腹を抱えて笑い転げながら言った。
『「私の怒りを、その身に刻め」だっけ? いやー、最高に刻みつけたじゃないか! 敵の旗艦にも、歴史の教科書にも、そして君の、二度と手に入らない平穏な人生にもね! あはははははは! おめでとう、英雄! 君の伝説は、今、始まったばかりだ!』
「…………」
カイは、何も答えられなかった。
ただ、その顔から、あらゆる感情が抜け落ちていた。
そして、その瞳からは、まるで魂そのものが流れ出すかのように、一筋の、熱い涙が静かにこぼれ落ちた。
どうして、こうなった。
その、あまりにもシンプルで、そしてあまりにも絶望的な問いだけが、彼の頭の中を、無限に、無限に、響き渡っていた。
\( 'ω')/ウオアアアアアア!!