夏と銀河と無限の成層圏   作:吉良/飛鳥

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Episode12『GW2日目~Enjoy a hot spring trip~』

 

GW二日目。

初日に天羽組に挨拶を済ませた一夏とヴィシュヌは織斑家に戻り、家内の掃除をした後に一夜を過ごし、そして今は互いに朝の日課を熟して朝食を摂って、スパーリングを行ってシャワーを浴びてから新幹線の駅に来ていた。

 

 

「世界に誇るレベルの高速鉄道ながら、脱線事故はいずれも自然災害によるものって、新幹線がドンだけ安全な高速鉄道ってのが分かるよな。」

 

「日本には新幹線が変形するロボットが多いのも新幹線の人気を高めている要因なのでしょうか?」

 

「其れはあるかもな。」

 

 

本日より一夏とヴィシュヌは千冬から貰った『ペア温泉旅行券』を使う為に温泉旅行にレッツゴーだ。

一夏とヴィシュヌが居るのは東北新幹線の駅なので、東北地方の温泉宿である事だけは確定だ――因みに、昼時が近かったので新幹線の駅に来る前に売店で駅弁を購入していた。

一夏は『仙台牛タン弁当』と『岩手牡蠣飯弁当』を購入し、ヴィシュヌは『大洗ガルパン弁当』を購入していた……地方都市の駅弁を購入出来るのも東京の駅の特徴と言えるだろう。

 

 

「そんじゃ、行くか!」

 

「はい♪」

 

 

程なくして駅には新幹線が到着して一夏とヴィシュヌは乗り込んで指定された席に座り、暫し新幹線での旅を楽しむ事になったのだった。

 

 

「小型の戦車カツって、凝ってんなぁその弁当?」

 

「トンカツの上にチキンナゲットを乗せて揚げたマカロニが砲身ですか……凝ってますねぇ?トンカツ一切れ如何ですか一夏?」

 

「いただきます。

 ヴィシュヌも牛タンか牡蠣、好きな方持って行っていいぜ。」

 

「では牡蠣の方を頂きますね♪

 タイでは牡蠣を食べる習慣はないので。」

 

 

移動中には駅弁を堪能し、おかずを交換したり、その際に食べさせ合ったりとカップルオーラを全開にして周囲の客は車内売店で『ブラックコーヒー』、『緑茶』を購入する事になり、非モテな方々はそのオーラに中てられて瀕死状態になったりしていた……当の一夏とヴィシュヌには見せ付ける気はマッタクないのが逆に性質が悪いと言えるだろう。

 

そんなこんなで新幹線に乗る事二時間ほどで一夏とヴィシュヌは目的の温泉地へと到着したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夏と銀河と無限の成層圏 Episode12

『GW2日目~Enjoy a hot spring trip~』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新幹線を降りた一夏とヴィシュヌはスマホで宿泊先の旅館の位置を確認すると、其処まで歩いて行く事にした。

通常であれば駅から約5㎞なのでバスやタクシーを使う所なのだろうが、一夏とヴィシュヌは鍛錬を兼ねて歩いて行く事を選択したのだ……武を極めんとするモノにとってはこの選択は当然と言えるだろう。

 

 

「アレは……人が荷車を引いているのでしょうか?」

 

「いや、あれは人力車だな。」

 

「人力車?」

 

「タクシー登場以前の公共交通機関だな。

 馬車と比べると最大搭乗人数が劣る代わりに馬車では入れない狭い路地も入る事が特徴だな……尤も今では観光客を乗せて観光地を巡るってのが主になってるけどな。」

 

 

だが徒歩の移動には徒歩の移動の良さもあり、車では味わえないゆったりと景観を楽しんだり、道中にある歴史的な史跡なんかに寄り道するのも楽しかったりするからだ。

 

そして歩く事三十分、一夏とヴィシュヌは目的の宿に到着した。

今回の温泉旅行の宿は老舗の温泉旅館ではなく、三年前に完成した新しい温泉宿で、新しい温泉宿ならではの工夫がされているとSNSで話題になっているモノだった。

 

チェックイン時に一夏は千冬から貰ったチケットを提示し、受付スタッフも其れを確認し……

 

 

「それでは織斑様、部屋は105号のカップル限定部屋となります。此方がルームキーとなっておりますので。」

 

「カップル限定部屋って普通の部屋とは違うんですか?」

 

「それは、見てのお楽しみとなります。」

 

 

一夏とヴィシュヌが宿泊するのは『カップル限定部屋』なるモノだった。

『一体どんな部屋なのか?』と思った一夏とヴィシュヌだったが、『見てのお楽しみ』と言われたら其れ以上の追及は出来ないので、荷物を持って部屋にやって来た。

そして部屋に入ると、カップル限定部屋は純和風の内装で八畳ほどの客間と六畳ほどの寝室、縁側風のバルコニーと落ち着ける雰囲気に満ちていたのだが、それとは別に更に宿泊客を驚かせるモノがあった。

 

 

「一夏、此方に露天風呂があります。」

 

「カップル限定部屋って、こう言う事かよ……一緒に入ってくれってか。」

 

 

それは部屋付きの小型の露天風呂。

太平洋を一望できる露天風呂は最高の眺めであり、カップルで一緒に入れば気分が盛り上がる事此の得ないだろう……尤も一夏とヴィシュヌはまだキスも済ませていない初々しいカップルなので若干混浴はハードルが高そうではあるが。

 

 

「……ま、取り敢えずは順番に入るって事で良いか?」

 

「ですね。」

 

 

部屋に荷物をまとめた一夏とヴィシュヌは客間に用意されていた菓子をお茶うけにして茶を飲むと、温泉街に繰り出して行った。

 

温泉街には色々な名物があり、其れはグルメだったり史跡だったりと様々だが、この街の一つの名物となっているのがレトロゲームを専門に置いている小規模なゲームセンターだった。

昔懐かしい対戦型の筐体の格闘ゲーム、ガンコンを使ったシューティングゲーム、『私のパンチを受けてみろ』なパンチングマシーン等々、古参のゲーマー垂涎のモノが取り揃えられていた。

 

一夏とヴィシュヌもそのレトロな雰囲気に惹かれてゲームセンターに入ったのだが、此処で此の二人は伝説を作る事になった。

先ずは二人プレイのファイナルファイト、一夏がハガー、ヴィシュヌがガイで挑戦したのだがヴィシュヌのガイがパンチハメで迫りくる敵を嵌め殺し、一夏のハガーがパンチハメから逃れた敵をパンチ×2→ヘッドバッド→ジャンピングパイルドライバーで撃滅して、まさかのノーミスクリアを達成していたに留まらず、ガンコンの『ハウスオブデッド4』でもノーダメージの全クリを達成していた。

 

 

「パンチ力測定器があるのは知っていましたがキック力測定器もあるとは知りませんでした。」

 

 

そして今はヴィシュヌがキック力測定器に挑戦していた。

本日の最高記録は200㎏であり、これを超えるのは中々に難しく、美少女であるヴィシュヌがこんなゲームに挑戦するのが物珍しかったのかギャラリーが集まっており、否応なしにヴィシュヌも気合が入ってきていた――ギャラリーの中には格闘技マニアの人間もおり、『今キック力測定マシーンに挑戦しようとしてる美少女が何者なのか』を説明している事も大きいだろう。

 

 

「ふぅぅぅぅぅ……行きます!」

 

 

呼吸を整えたヴィシュヌは、軽くステップを刻むと、一足飛びから鋭いミドルキックをキック力測定器にブチかまし――『ドッガァァン!』と物凄い轟音と同時に測定器のミットが凄い勢いで倒れるだけでなく測定器そのものをぐらつかせていた。

 

 

「「「「「「「「「「「よ、470㎏!?」」」」」」」」」」

 

 

キック力測定マシーンはギリギリで壊れてはおらず、ヴィシュヌのキック力は『470㎏』を記録していた。

参考までに、プロの格闘家の蹴りが平均で大体『5~600㎏』と言われているので、ヴィシュヌのキック力はプロの平均値に迫るモノであり、見目麗しい美少女がこれほどの記録を出した事にギャラリーは驚くばかりだった。

 

 

「あんまり使わないミドルでも此の破壊力ってなると、得意のハイキックだとどれ位になるんだろうな?」

 

「最低でも550は出ると思いますよ?」

 

「だろうと思ったがマジだったかぁ。

 そんじゃ次は俺の番だな。」

 

 

ヴィシュヌがこれだけの記録を出した以上、一夏がキック力測定マシーンに挑戦しないという選択肢は存在せず、一夏自身も少しのノリノリで、キック力測定マシーンの前に子供用の足場を持ってくると、其れを踏み台にしてシャイニングウィザード一閃!

完璧に決まったシャイニングウィザードの結果は『450㎏』であり、ヴィシュヌの結果と比べると少し低いモノの其れでも充分な破壊力を有しており、人体で最も固くて鋭い部位の一つである膝がこの威力で突き刺さると考えると恐ろしい事この上ないだろう。

 

 

「俺で此の破壊力かよ……武藤さんが打ち方改良したのも頷けるぜ。」

 

「真正面からこの威力の膝蹴りが顔面にヒットしたら最悪の場合は失明しかねませんからね……」

 

 

取り敢えずキック力測定器でギャラリーを驚かせた一夏とヴィシュヌはその後、エアホッケー、クイズゲーム、モグラたたきなどを楽しんでいた。

流石に一夏が『脱衣麻雀』をやろうとした時にはヴィシュヌが止めた……かと思いきや、ヴィシュヌもノリノリで一夏と交代してプレイしてていた――まぁ、所詮はゲームと割り切っているのだろう。

尚、ヴィシュヌは『国士無双』と『大三元』を積み込みなしで揃え、一夏に至っては『一生で一度お目に掛かれるかどうか分からない。ロンは言うに及ばずツモでも相手は死ぬ』と言われている『九連宝刀』を達成していた。

 

其の後はクレーンゲームでも無双して大量のぬいぐるみ、お菓子、インスタントラーメン、ガンプラにフィギュアをゲットしていた――流石に荷物になるのでゲームセンターを出た後で郵便局に寄ってIS学園の自分達の寮室宛てに宅急便で送る事になったのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

旅行の醍醐味と言えば娯楽もだが矢張りグルメだろう。

ゲームセンターを後にし、クレーンゲームの成果を宅急便で送った一夏とヴィシュヌは駅前の広場で開催されている『東北肉フェス』の会場へとやって来ていた。

会場内には多数の屋台が出店し、東北の肉料理の代表とも言える『仙台牛タン』の他に、『岩手短角牛のステーキ丼』、『青森冷やししゃぶしゃぶ』、更に肉だけでなく海鮮も『殻付きホタテのバター焼き』、『マグロのステーキ串』、『初ガツオの漬け丼』等々バラエティに富んでいた。

一夏とヴィシュヌは早速『ジャンボ串焼き』の屋台で『牛タン串(一夏は塩レモンでヴィシュヌは塩唐辛子)』と『カルビ串(一夏は塩ワサビでヴィシュヌは塩山椒)』を注文してその味に舌鼓を打ちながら会場を回っていた。

 

会場にはイベントステージも設けられており、此処で地元アイドルグループのライブやトークイベントなどが行われるのだろうが……

 

 

「一夏、あのステージ上に居るのはレッドラム先輩ではありませんか?」

 

「あの青髪ポニテ、確かにグリ先輩だな。」

 

 

そのステージ上にはブラジル代表候補生であり一夏とヴィシュヌにとってはIS学園の先輩でもある『グリフィン・レッドラム』の姿があった。

此れには一夏もヴィシュヌも『何故此処に?』と思ったのだが、直後に特設ステージで始まったイベントを聞いて納得した……この特設ステージでは此れより『1ポンドステーキ早食い大会』が開催されるのである。

ルールは単純、制限時間十五分の間に1ポンド――つまり420gのステーキを何枚食べられるかと言うモノで、参加者の多くは如何にも食べそうな肉体労働者や体育会系の学生と言った感じだった。

そんな中で見た目は細身のグリフィンは異質であり、観客の多くもグリフィンは最下位になるだろうと予測していた……一夏とヴィシュヌを除いては。

 

 

「グリ先輩何枚行くと思う?」

 

「五枚は堅いでしょうね。」

 

 

そして大会がスタート!

多くの参加者が肉を一口大に切って食べる中、グリフィンはステーキを三分割にするとその内の一切れを豪快に一口で食べ、僅か三口で1ポンドステーキ一枚を食べ切って見せたのだ。

これだけでもギャラリーは驚きなのだが、グリフィンは凄まじいスピードでステーキを平らげて行き、更に其れだけではなく多くの参加者が三枚目を平らげた辺りで大分苦しそうになっているのに対してグリフィンは五枚目を平らげても全然笑顔で美味しそうに食べているのだから驚くなと言うのが無理だろう。

 

最早グリフィンの優勝はこの時点で揺るぎないモノとなっており、ギャラリーの興味はグリフィンが制限時間内に何枚平らげるかに移っていた。

 

 

「終了~~~!!」

 

 

此処で制限時間である一五分が経ち、大会は終了。

優勝は二位以下に圧倒的大差をつけたグリフィンであり、その最終結果は……

 

 

「五枚どころか十枚余裕で食ったぞグリ先輩……」

 

「十五分の間に4.2㎏を平らげるとは恐るべしです。」

 

 

なんと十枚を平らげていたのだった。

グリフィンの人外の健啖家っぷりを見届けた一夏とヴィシュヌは適度に会場のグルメを楽しみつつ、直売コーナーで初ガツオのタタキとホタテとハマグリを購入するとそれをクール便でこれまたIS学園の学園寮の自分達の部屋宛てに送ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

旅館に戻った一夏とヴィシュヌは運動施設で一汗流した後に、カップル部屋に設置されている露天風呂で一風呂浴びた(別々に入りました)後に夕食に。

本日の夕食は羽根窯で炊いたご飯に刺身の船盛、天ぷらの盛り合わせ、山菜の胡麻和え、ハマグリのお吸い物と豪華なモノだった。

 

そして一夏とヴィシュヌがこの夕食に舌鼓を打っている間に寝室では布団がセッティングされているのだが、『カップル部屋』なので、一夏とヴィシュヌの布団はバッチリとくっつけられており、カップル部屋の寝室は布団を十分に離す程の広さはないのでこうなるのは当然であり必然と言えるだろう。

 

此れには食後にもう一風呂浴びた一夏とヴィシュヌも少し迷ったのだが、他に選択肢はないので布団が密着した状態で寝る事になったのだった。

 

 

「少し照れますね……」

 

「マッタクだ……まぁ、布団がダブルサイズ一枚じゃなかっただけ良いとしようぜ。」

 

「……実は残念だったりしますか?」

 

「……本音を言えばヴィシュヌと一緒に寝たかったです!」

 

「今日は別々で我慢しましょう。

 ですが私も本音を言えば一緒の布団で寝たかったです……だから寝る前に、キスして下さい一夏――」

 

「其れは断る理由がないな。」

 

 

そして寝る前に一夏とヴィシュヌは恋人同士となってから初めてのキスを交わし、手をつないだ状態で眠りについたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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