夏と銀河と無限の成層圏   作:吉良/飛鳥

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束さん登場!By一夏      天災とは空から降って来るモノなのですか?Byヴィシュヌ


Episode29『臨海学校2日目~Zerbrochener Frieden~』

 

――アメリカ ハワイ諸島 マウイ島アメリカ軍空軍基地IS開発部

 

この日此の場所ではアメリカ軍のIS部隊(ISによる災害救助を目的とした特殊部隊。例外的にテロリストがISを所持していた場合は其の鎮圧も行う)に配備される最新鋭の機体の稼働実験が行われる予定だった。

新型機の名称は『銀の福音』であり、災害現場にいち早く到達出来るように設定された驚異的なスピードと、瓦礫類を瞬時に除去できる広域攻撃が可能となる機体であり、宇宙空間での活動にも対応しているIS本来の運用も考えられている機体だ。

 

 

「よう、随分とご機嫌じゃないかナタル?」

 

「当然じゃないクラーク。

 私はこの子と一緒に飛ぶ日を待ちわびていたのよ?やっとその日が来たのだから。」

 

「だな。

 IS部隊トップの実力を持つお前さんなら大丈夫だと思うが、万が一って事もあるから気を抜くなよ?」

 

「分かってる。

 この子が正式採用になるように最高のテスト結果を出して見せるわ。」

 

「稼働実験が無事に終わったら寿司バーで打ち上げパーティだな。」

 

「あら、良いわね♪」

 

 

その実験のテストパイロットであるナターシャ・ファイルスは現IS部隊のトップエースであり、軍人でなければアメリカの国家代表になっていたとも言われている実力者であり、最新鋭機のテストパイロットとしては申し分ないだろう。

そうしてナターシャは銀の福音に搭乗し、稼働実験が始まろうとしていたのだが……

 

 

 

――ビー!ビー!!

 

 

 

突如として警戒のアラートが鳴り響いた。

 

 

「銀の福音が此方のコントロール下から離れて起動!

 パイロット、ナターシャ・ファイルス意識喪失!此方からの再コントロールを……ダメです、受け付けません!……銀の福音、暴走状態に――」

 

 

其れは銀の福音が管制のコントロールを離れて起動し、同時にパイロットであるナターシャの意識の喪失を知らせるモノだった。

そして隊員が全容を把握し切る前に銀の福音は固有武装である広域攻撃を発動してハワイ基地を壊滅状態にすると其の場から飛び立ち、一路日本に針路を取るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

夏と銀河と無限の成層圏 Episode29

『臨海学校2日目~Zerbrochener Frieden~』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

臨海学校二日目の早朝――

 

 

「ふぅ、朝から温泉とはなんとも贅沢だよなぁ。」

 

「マッタクもってその通りですねぇ。」

 

 

一夏とヴィシュヌは露天風呂を満喫していた。

この旅館の露天風呂は深夜と早朝限定で混浴となっており、早起きして日課になっている早朝トレーニングを終えた一夏とヴィシュヌは混浴の時間帯に一一緒に温泉に入っていたのである――尚、千冬は昨晩酔いつぶれて現在も爆睡中である。

 

 

「このまま無事に臨海学校が終わると良いですね?」

 

「マジでそれな……だけど、これはあくまでも俺の勘なんだが、何かが起きる気がするんだ――あくまでも俺の勘だけどな。」

 

「一夏の勘は大体当たりますからね……少し警戒しておいた方が良いのかもしれませんね。」

 

 

そんな穏やかな時間の中でも一夏は臨海学校中に何かあると感じており、其れを聞いたヴィシュヌも一夏の勘の鋭さは知っているので警戒しておく事に越した事はないと思っていた。

温泉から出ると起床時刻になっていたのでヴィシュヌは旅館のスタッフに頼んで放送部屋に入るとお決まりの『ピンポンパンポーン』を鳴らすと――

 

 

『IS学園の皆さん、朝です。起床時間です。

 なすび~、タカ~~、目覚めよ~~~!』

 

 

某有名大王な四コマ漫画のネタをぶち込み、これが多くの生徒に刺さったらしく、ほぼ全ての生徒が目を覚まし、千冬を起こしに行った一夏は、千冬に呼びかけながら適当に身体を揺らしたり頬を叩いたりしていたのだが一行に起きる気配がなかった。

 

 

「起きろつってんだろ千冬姉!!」

 

「ん?あぁ、もう朝か……」

 

 

マッタクもって起きる気配がなかったので一夏は最終手段として千冬にタワーブリッジを極めて強制的に目を覚まさせていた。

 

 

「フルパワーで締め上げて漸くお目覚めかよマッタク……自分の飲める限界量くらい見極めろよな?

 てか、フルパワーでタワーブリッジやっちまったけど痛くないのか?」

 

「目覚めに此れ位の刺激は寧ろ丁度いい。

 目が覚めただけでなくバッチリと酔いも醒めたからな……だが私や束以外にはこの方法は絶対に使うなよ?お前のフルパワーのタワーブリッジを喰らったら普通の人間は背骨がポッキリ逝ってしまうだろうからな。」

 

「矢部のアニキや小林のアニキなら『いい感じで背中が伸びたぜ』とか言いそうだけどな。」

 

「彼等と比べると所詮私の『世界最強』と言う肩書はスポーツの世界での事なのだと実感させられる……或いは彼等ならば私の交際相手となってくれるのであろうか?」

 

「天羽組のアニキの誰かと交際するなら青山のアニキにしてくれ……小林のアニキは危険すぎるし、矢部のアニキは時々何言ってんのか分からなくなるからさ。」

 

「私としては永瀬の方が好みだがな。」

 

「永瀬のアニキが家族になったら家で炙り寿司が出来そうだな。」

 

 

一夏のフルパワータワーブリッジは大リーグのショーヘイ・ザ・グレート・オータニの160㎞越えの剛球を受けても折れない木製バッドを軽々とブチ折るレベルであり、普通の人間が喰らったら背骨がポッキリ逝って閻魔大王の前に強制召喚となるのだが、其れを受けて目が覚めて酔いも醒めたレベルで済んでいる千冬は間違いなく人外レベルの耐久力を有していると言えるだろう。

其れとタメ張る束と天羽組の一部の構成員も大分バグっていると言える訳だが。

 

其の後大広間で朝食タイム――本日の朝食はご飯に味噌汁、アジの干物に納豆と言う極めてシンプルかつ究極系の日本の朝食であった。

 

朝食後は三十分の休憩後に訓練となるので、一夏とヴィシュヌはその準備に向かったのだが……

 

 

「…………」

 

 

其の途中で中庭に何時の間にか生えていたウサミミを右手の義手のブレードでツンツンしている箒を見付けた――大和撫子な黒髪ポニーテールの美少女がメカメカしい機械義手のブレードを展開して謎のウサミミをつついていると言うのは中々に絵になるモノだと言える。

 

 

「何やってんだ箒?」

 

「一夏か……いや、このウサミミはあからさまに怪しいのでな、姉さんが何かしらの罠を仕掛けているのではないかと思ってな……」

 

「束さんがお前に危害を加える事だけは絶体に無いって断言出来るから其処は安心しろよ――つっても、こんな見たままあからさまに怪しいウサミミが生えてたら気にするなってのが無理ってモンだけどよ。

 だが、其れが通じるのは一般人に限定されるってのを忘れたのか、或いはあえてこんな方法を取ったのか、其れは分からないけど――取り敢えず全力でドローじゃあ!!」

 

 

箒の話を聞いた一夏は一度頷くと、ウサミミの根元を掴んで……一気に引っこ抜いた

そして引き抜いたウサミミの先には巨大なニンジン型のオブジェが存在しており、巨大ニンジンには『あたり』と刻印されており――引き抜いた次の瞬間にニンジンは破裂して周囲にポテトチップスやらエアリアルやらキャラメルコーンやらの袋が散らばっていた。

 

 

「トラップ発動、『お菓子のバリア-ドルチェフォース-』ってか?……マジで何がしたいんだろうなあの人はよぉ!箒、お前分るか?妹だろ!!」

 

「分かるかぁ!

 姉さんの考えている事を理解しろとか、未だに解明されていないファルコンの定理を解明するよりも難易度が高すぎる!姉さんの考えを予測して理解する事と比べたら千冬さんに剣道で一本取れって方がまだワンチャンスあるわぁ!!」

 

「妹である箒でも無理とかマジでぶっ飛びすぎだろ束さん。」

 

 

このウサミミは只の束のイタズラであったのだが、一夏とヴィシュヌは束が直接的なアプローチをして来た事には何か意味があるとも感じていた。

そして其れはこの臨海学校で何かが起きると言う警告であると――

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

朝食後、IS学園の生徒はISスーツに着替えて砂浜に整列していた――尚IS学園に支給されているISスーツはラビットカンパニー製となっており、従来の水着のようなデザインではなく、ドラゴンボールの魔人ブウ編でのベジータのボディスーツのようなデザインになっていた。

其れでも身体にジャストフィットしているので身体の線はバッチリ出るのだが。

 

さて、二日目の訓練は一般生徒は普通にISの基礎訓練となるのだが専用機持ちは追加装備の受け取りや機体のアップデートを行うプログラムとなっており、一夏、ヴィシュヌ、円夏、鈴、乱、ロラン、ラウラの七名は別行動となっていたのだが……

 

 

「私としては同じメニューと言うのは喜ばしい事なのだが、何故に箒が此処に居るのかな織斑先生?箒は専用機持ちではなかったはずだと記憶しているのだけれどね?」

 

「ローランディフィルネィ、其れは間もなく分かる。」

 

 

其処には箒の姿もあった。

専用機を持っていない箒が何故に此の場に居るのかはロランだけでなく誰もが思った事だろうが、ロランの質問に答える形で千冬が天を指さすと、其の直後に浜辺にニンジン型のロケットが突き刺さった!

 

 

「ニンジン型のロケット!?此れは何!?」

 

「ふっふっふ、良くぞ聞いてくれました!

 なんだかんだと聞かれたら、答えてあげるが世の情けはたまた帝王学!

 天から降ったか、地から沸いたか、或いは突如この世に現れたか、その出生すら謎に包まれた稀代の天才にして正義のマッドサイエンティスト、篠ノ之束、此処に降臨!!」

 

 

そのニンジンから飛び出して来たのはエプロンドレスに身を包み、頭にウサミミを装備した気だるげな美女、ISの生みの親である篠ノ之束その人だった。

束は生徒達を見て箒を見付けると笑みを浮かべ、一夏と円夏を見付けると『後はよろしく』との意味でウィンクし、一夏と円夏もサムズアップして其れに応えていた。

 

 

「そして……久しぶりだねちーちゃ~~~~~ん!!」

 

「フン!!」

 

 

其処からは全力で千冬に突撃したのだが、その突撃を右手一本で無力化してアッサリとアイアンクローを極めて束を宙吊りにする……大の大人の頭を鷲掴みにして持ち上げるとは中々出来るモノではないだろう。

 

 

「ちょっと待ってちーちゃん!これガチでシャレにならないから!流石の束さんでもこれ以上締め上げられたら頭砕けちゃうから!!」

 

「其の程度で砕ける頭でもないだろう!!」

 

「ぶべら!!……ったく少しは愛のある対応をしてよちーちゃん!」

 

「愛(物理)で対応してやったろうが。」

 

 

そのまま砂浜に叩き付けられた束だが、何事もなかったの様に起き上がっている辺り、束も千冬レベルで人間を辞めている存在なのだろう。

起き上がった束は唖然としている生徒達に対して『私がISの生みの親の束さんだよ~~!』とめっちゃ軽く自己紹介すると笑みを浮かべて箒の前にやって来た。

 

 

「久しぶりだね箒ちゃん。元気そうで安心したよ。」

 

「旅館のウサミミはこの布石だったと言う訳ですか……お久しぶりです姉さん。息災なようで安心しました。」

 

「はっはっは、束さんはこの世のあらゆる病原菌やウィルスに対して完全抗体持ってる上に、身体もめっちゃ頑丈だから怪我する事もないしねぇ。」

 

「でしょうね……ですが何故此処に?」

 

「箒ちゃん、今日は何月何日かな?」

 

「七月七日……あ……」

 

「そう!今日は箒ちゃんの誕生日!

 そして妹の誕生日を祝わない姉が存在するか?否!断じて否!!姉として妹の誕生日を忘れるとか万死に値する愚行!

 さらに誕生日と言えばプレゼント!束さんは最高のプレゼントを箒ちゃんに持って来たのさ!」

 

「誕生日プレゼント……そう言えば姉さんは行方を眩ませてからも毎年私の誕生日にはプレゼントを送ってくれていましたね。」

 

「ザッツライト!そして今年のプレゼントはこれだぁ!クーちゃんよろしく!」

 

『はいよ。』

 

 

束の目的は箒への誕生日プレゼントを渡す事であり、束からの通信を受けたリインフォース・クロニクル、通称『クーちゃん』は上空から巨大なコンテナを落下させた……束の上に。

普通なら即死のスクラップになるところだがそうならないのが束であり、コンテナの重さと落下重量により一度は砂浜に埋まるもコンテナを押し上げてどかすと自力で這い上がって来たのだ。

 

 

「クーちゃん殺す気!?」

 

『此の程度じゃお前は死なないから大丈夫だろ。SLBブチかます魔砲少女と同じ声な時点でお前は既に人間辞めてるからな。』

 

「否定出来ねぇのが辛すぎるよ……っと、コホン!

 此れが今年の束さんからの箒ちゃんへの誕生日プレゼントだよ!!」

 

 

そう言って束が指を鳴らすとコンテナが展開し、コンテナの中から一機のISが姿を現した。

其れは深い紅色が特徴の機体だった――二本の近接ブレードが搭載されている所を見るに近接型の機体なのだろう。

 

 

「此れは?」

 

「束さんが箒ちゃん専用に開発した第四世代のIS『紅椿』だよ!

 箒ちゃんのパーソナルデータを完全反映させた上で最高の性能を持たせて、其れでも今の箒ちゃんに扱えるレベルにリミッターを掛けてある……今の所は大体30%の出力って所かな。

 今はまだその力の全てを発揮する事は出来ないけど、逆に言えば箒ちゃんが成長すればするだけ紅椿は強くなるって事でもある。

 剣道もISも頑張ってる箒ちゃんに私からのプレゼントさ!!」

 

 

紅椿……束が箒の為に生み出した最高クラスの性能を持つISだ。

しかもただ高性能なだけではなく現在の箒で扱えるようにリミッターが設定されており、箒が成長するごとにそのリミッターが外れて行くという、箒が自身の成長を実感できるシステムも実装されている優れもの。

此れだけの高性能ISが誕生日プレゼントとは贅沢極まりないと言えるだろう。

 

 

「姉さんが私用に開発したIS……今の話を聞いただけでも非常に優れたISだという事が理解出来ました。

 ですが、だからこそ私はこれを受け取る事は出来ません。」

 

「……なんでぇ!?」

 

「専用機とは国家代表候補生クラスや企業代表クラスになって手に入れる事が出来るかどうかという特別な機体です。

 今の私は国家代表候補生でもなければ企業代表でもありませんし、専用機を持つに値するだけの実力があるとはとても思えません。」

 

 

だが箒は己の実力不足を理由に紅椿を受け取る事を拒んだのだった。

実際の所箒は一年生の一般生徒の中では頭一つ抜けた実力を有しており、一般生徒の中では唯一無二とも言える一夏達との訓練に息が上がりながらも最後までついて行く事が出来ている事を考えれば専用機を持つに値する実力は有しているのである。

しかし一夏達専用機持ちの実力がぶっ飛んでいる事と、そもそもにして実の姉が束である事で箒は自分の実力を過小評価する傾向にあるのだ。

 

 

「あの、篠ノ之さん……貴女が専用機を持つに値する実力が無いってなったら私達が専用機を持つなんて絶対無理って事になるんだけど?」

 

「……ぐ、其れを言われるとだが……まぁ、実力不足は建前だ。

 私が姉さんが手掛けた専用機を手に入れたら『妹を依怙贔屓した』と感じる者も居るだろう……いや、それどころか『篠ノ之束が妹を依怙贔屓して専用機を作った』等と言う話しが世界に拡散されたら間違いなくトンデモナイ事になる……だから、私はこれを受け取れない。」

 

 

そして其の裏にあった本心は自身が依怙贔屓されていると感じる人間がいると言う事にあった。

確かに世界的に有名で影響力が絶大で、今や『篠ノ之束を手中に収めた国は核すら必要なくなる』とまで言われている束が妹の為だけに専用機を開発したという話が広まったら世界的悪影響が出る事は間違いないだろう。

 

 

「成程なぁ……じゃあ束さん、その紅椿ラビットカンパニーで買い取るわ。

 そんでもって箒、お前今この時からラビットカンパニーの企業代表な。で、俺はラビットカンパニーの社長として企業代表であるお前に紅椿を渡す。

 此れならラビットカンパニーが束さんが開発した最新鋭機を買い取って企業代表の箒に渡したって形になるから束さんが箒を贔屓したって事にはならないだろ?

 俺が幼馴染を贔屓したって話にもなりそうだが、其処は社内会議で決めたって事にすればいいし、会議の録音音声ぐらいだったら余裕で作れますよね束さん?」

 

「もう作った。」

 

「見事な仕事の速さです。だからこれで何の問題もない。」

 

「会議内容の捏造とか充分問題だと思うのだがな一夏?」

 

「普通なら大問題だが、束さんが作った捏造音声をそんじょそこらの連中が捏造だって暴く事が出来ると思うか?」

 

「……思わない。」

 

「だったら何の問題もねぇから貰っとけよ紅椿。

 鷹月さんも言ってたが、お前は間違いなく一年の一般生徒の中では最強クラスだし、このまま訓練に喰らい付いて来たらラウラクラスになるのは間違いねぇ――其れに専用機ってのは使う時間が長ければ長いほど馴染んでくるから、持てるなら早い内から持っといた方が良いんだよ。」

 

「ま、確かにその通りなんだよねぇ……だからさ、受け取ってくれないかな箒ちゃん。」

 

「……此処までされて受け取らないというのは逆に失礼極まりないでしょう。

 なれば、有り難くこの紅椿は頂戴します姉さん……そしていつの日か、この紅椿の性能を100%引き出して見せると約束します!」

 

 

此処で一夏が力押し上等とも言うべき方法と、犯罪ギリギリの手段をもってして箒に紅椿を渡すルートを構築して来た。

一歩間違えばポリスメン案件になりかねない手段を使ってまで紅椿を箒に渡そうとした一夏に、箒も『此処までされて受け取らないのは逆に失礼になる』と思って紅椿を受け取ったのだった――いつか其の性能を100%引き出す事を誓って。

 

其の後、紅椿のフォーマットを行った後に起動試験が行われたのだが、箒は打ち出されたターゲットを全て近接ブレードの二刀流で破壊しただけでなく、弓矢型の射撃武器『穿』でも見事に撃ち抜いており、箒自身も手応えを感じているようだった。

 

そんな中で一夏達も己のすべきことを行い、束は一夏達の機体をチェックしメンテナンスを行っていたのだが……

 

 

「ん?これはこれは……ほうほう、ヴィーちゃんの機体は中々面白い事になってるねぇ?

 この感じだと切っ掛けがあれば二次移行するね間違いなく……其れとイッ君の蒼龍皇も切っ掛けがあれば二次移行するか……さて、どんな進化を見せてくれるのかな君達は?」

 

 

一夏の蒼龍皇とヴィシュヌのドゥルガー・シンのデータを見た束は『二次以降の可能性』がある事を見て目を細めて笑みを浮かべていた――ISが世に出てから十年がたった今尚二次移行に至った機体はないのだから、その可能性を秘めたISが二機もあるとなればISの生みの親としては期待してしまうというモノだろう。

 

 

「織斑先生~~~!たいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたいへんたい変態!!」

 

「燃えろー!!」

 

 

だが其処に真耶が突撃して来て、べたべたなボケをかました末に千冬に燃やされていた。

千冬は現役時代に気を操る術を身に付けているので、気を高めて炎を発生させる程度の事は朝飯前の昼飯だったりするので突っ込みは不要である。

 

 

「燃やさなくてもいいじゃないですか……でも本当に大変なんです!これを見て下さい!」

 

「此れは……諸君、訓練は中止だ!

 専用機持ちは私と共に来い!それ以外の生徒は旅館に戻り、指示があるまで部屋にいるように!」

 

 

其れは兎も角として真耶から渡されたタブレットを見た千冬は、即座に訓練中止を宣言し、専用機持ち以外の生徒には旅館に戻っての待機を厳命した。

真耶のタブレットに表示されていたのは、『アメリカとイスラエルが共同開発した最新鋭IS『銀の福音』が暴走し、日本に向かっている』というモノで、更に其の進路上には臨海学校で使っている旅館が存在していたのだ――故に千冬は専用機持ちに自分と一緒に来るように言ったのだ。

暴走した銀の福音に対処できるのは専用機持ち達しか居ないが、逆に言えば専用機持ち達が全力で対処すれば抑えきる事が出来るだろうと、そう考えての事であり、其れは間違いではないだろう。

 

こうして、作戦会議が始まるのだった――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 To Be Continued  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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