夏休みのイベントを色々と熟して来た一夏達だったが、夏休みの最終盤となる本日は、新橋駅から発射してる『ゆりかもめ』で東京ビッグサイトにやって来ていた。
東京ビッグサイトでは夏のオタクの祭典と言って過言ではない『コミックマーケット』が開催されているのである。
企業ブースは歩日にそれなりの売り上げを出すだろうが、本番は二日目と三日目の同人誌即売会だろう――だが、一夏達の目的は同人誌の即売会ではなくラウラから提案されたコスプレにあった。
一夏達も興味があったのでラウラの提案に乗り、コスプレ衣装を手作りして参加していたのだ。
さらに今回は楯無、夏姫、虚、本音の生徒会メンバーも参加している――折角だからと一夏が誘い、楯無も面白そうだからと其れに乗っかったのである。
通常コミケは長い列に並ぶ事になるのだが、コスプレ参加者には更衣室が用意されているので、長い列に並ぶ事なく会場入りする事が可能となっているが其れは当然だろう。
通常の列に並んで会場入りしてからコスプレ衣装に着替えるとかいくら何でも時間がかかり過ぎるのだから。
「そんじゃ此処で一旦お別れだな。」
「では着替えてからまた会いましょう。」
一夏は女性陣と別れて男性更衣室に。
男性更衣室にもコスプレ参加するレイヤーが多数おり、頭をそり上げて自作の触角を付けて頭と腕を緑に染めたピッコロコスや、パンツ一丁の気合の入ったサガットやジョー東のコス、男装の麗人であるKOFのキングを逆利用したキングコスなど様々だ。
「気合入ってんなぁ……だけど俺達だって負けてないぜ。」
コスプレのレベルの高さに驚いた一夏だったが、負けじと自分もコスプレ衣装に着替えるのだった。
夏と銀河と無限の成層圏 Episode43
『夏の風物詩其の名は夏コミ!』
全員がコスプレ衣装に着替えて再度集合したのだが、一夏達のコスプレは他のコスプレイヤーに負けず劣らずの出来栄えだった。
まず誰が何のコスプレをしているのかだが、
一夏:機動戦士ガンダムユニコーンのバナージ・リンクス
ヴィシュヌ:アラジンと魔法のランプのジャスミン
円夏:名探偵コナンの灰原哀
箒:魔法少女リリカルなのはのシグナム
鈴:ストリートファイターシリーズの春麗……胸が足りない?其れは言うな
乱:ポケットモンスターのカスミ
ラウラ:魔法少女リリカルなのはのチンク
ロラン:フラワーナイトガールのスウィートウィリアム
楯無:新世紀エヴァンゲリオンの綾波レイ
夏姫:ソウル少女のシェリル
虚:メタルスラッグのフォウ
本音:クマのプーさん
である。
本音のクマのプーさんには本来突っ込むべきなのだろうが、彼女は普段からぬいぐるみのようなパジャマを使っており、其の姿で寮内を歩き回っているので一夏達にとっては見慣れた姿だった。
とは言え他のコミケ参加者からしたら新鮮だったので、プーさん本音は注目の的であった。
だが其れとは別に一夏達のコスプレは完成度が高く、コスプレイヤーの撮影を目的としている参加者から様々なポーズを要求され、一夏達は余程の事ではない限りは其れに応えていた。
そんな中で――
^織斑君?其れとお姉ちゃん?」
「簪ちゃん?」
一夏達は簪と再会していた。
楯無との勝負に負け、日本の国家代表候補と専用機を剥奪されてIS学園から去り、一般高校に編入した簪が『.hackのカイト』のコスプレをして夏コミに参加していた。
そして簪だけでなく転校先の同級生や上級生と思われるコスプレをした男子と女子が存在している――簪としては、あんな別れ方をしただけに少しバツが悪そうだったが。
「簪ちゃぁぁぁん!!元気にやってた?お姉ちゃん心配してたのよぉぉお!!」
「お、お姉ちゃん!?」
その簪に、楯無はすてみタックルレベルの突撃をかまして盛大にハグし、突然ハグされた簪は困惑していた。
「お姉ちゃん、私の事見限ったんじゃないの?」
「楯無としては斬り捨てたけど、貴女のお姉ちゃんとしては貴女が新たな環境でちゃんとやってけてるかは心配するのよ!でも、今日会って安心したわ。
簪ちゃん、貴女はIS学園に居た頃よりも充実した日々を送っているようね?」
「それは、うん。
お姉ちゃんに完敗して今の高校に編入したけど、其処ではサブカル同好会に入って、アニメや漫画の事を語り合ってる。今は本当に好きな事をやってる気がする。」
「そうみたいね。
今の貴女からはIS学園に居た頃のような焦燥感は感じない……本当に好きな事に没頭出来ているのね……良かったわ。」
楯無は簪が編入先の高校で巧くやっている事に安堵していた。
それから簪が現在在籍してる高校のサブカル同好会のメンバーに一夏達を紹介したのだが、サブカル同好会のメンバーは一夏が此の場に居る事に驚いていた……
「織斑一夏って、あの織斑一夏か?世界初の男性IS操縦者にてラビットカンパニーの社長の!!」
「どーも、俺がその織斑一夏です。あ、此れ名刺です。」
「対応が完全に社長の其れ!高校生で名刺持ってる奴とか普通居ないって!」
「自分社長ですから。名刺交換は初対面の礼儀です。あくまでも社会に出てからだけどな。」
一夏は今現在世界でもっとも有名な高校生であり、その知名度は英国国王や米国大統領の比ではなく、背景に束がいる事もあって、今や一夏は『世界の権力者ランキング』に於いて嘗ては同率トップだったローマ法王と日本の天皇陛下をぶち抜いているのだ。
束が一夏の完全味方である事を考えれば、一夏が気に入らないモノは文字通り束が跡形も残さずに消し去る可能性が高いので、このランキングは間違いではないあろう――とは言え、一夏は余程の事がない限りその奥の手は使わないだろうが。
「簪さん達もコスプレが目的なのか?」
「それも目的だけど、同人誌も作ってる。
そして其れの販売も行ってる。これが今回のサンプル本なんだけど読んで感想を聞かせて欲しい。」
此処で簪は同好会で作った同人誌を一夏に渡して来た。
其れを受け取った一夏は其の場で同人誌を読み……気が付けば没頭し、簪が持って来ていたサンプルを読みほしていた。
「簪先生、ウチが発行してる週刊誌に漫画連載をお願いしたい。」
「えぇ!?」
其れを読んだ一夏は、即座に簪にラビットカンパニーが発行しているIS関連雑誌への漫画連載を依頼していた――此の同人誌は簪が単独で作ったモノではなく、サークルメンバーで作ったモノなのだが、ストーリ構成は抜群であり、イラストも複数人がパートごとに描いているので一貫性はないがレベルが高く、そのイラストのタッチの違いが逆に個性を引き出しており、其れが売りになると一夏は考えたのだ。
「ちゃんと原稿代は出すし、必要なら同好会の活動資金も提供する。悪い話じゃないだろ?」
「それはそうかもしれないけど私の一存では決められない。会長はどう思う?」
「良いんじゃない?作った作品が多くの人に見てもらえるのは嬉しい事だし、彼の会社が発行してる雑誌に載れば知名度も上がるから同好会から部への昇格も望めるから部費も貰えるようになる。
断る理由はないよ……と言う事で、その申し出、謹んで受けさせていただきます織斑社長。」
「契約成立だな。」
無論簪一人で決められる事ではないので同好会の会長に話しを振れば、会長は乗り気だったらしく快諾し、一夏と握手し、後日正式な契約書を送る事になったが簪が所属する同好会のメンバーが描いた漫画がラビットカンパニーが発行している週刊IS雑誌に掲載される事が決まったのだった。
「簪ちゃん、好きな事を全力でしてる気分は如何?」
「……最高にハイって奴だ!!」
「まさかのDio様!?」
「ってのは悪ノリだけど、最高だよ。
だからこそ、前の私は馬鹿だったと思う。お姉ちゃんと私は姉妹だけど違う人間。それから目を背けて一方的にお姉ちゃんに対抗心を燃やして一人相撲で空回りしてた。
正直な話、IS学園の日々は辛かったけど、今は毎日が楽しい。普通の授業を普通に受けて、昼休みは友達とご飯を食べて、放課後は同好会で好きな事をする……うん、今は本当に充実してる。」
「そう、改めて良かったわ。貴女は貴女の青春を楽しみなさい。」
「うん!!」
其の後、一夏達と簪達はコスプレの完成度から写真屋が殺到し、しかしポーズの要求には応え、シッカリと満足させるのだった。
――――――
それから時は流れてランチ時。
一夏達も良い時間になったのでイートコーナーにやって来たのだが……
「小峠のアニキ?」
「一夏君か。」
「何してるんすかこんな場所で?少なくとも極道が来る場所じゃないっすよね?」
「イートコーナーに出店してる店の中に天羽組が守を引き受けてる店もあるから、警備の観点から俺と小林のアニキと青山のアニキが来てる。天羽組だけじゃなく京極組と師子王組が守を引き受けてる店も出店してるから、京極組や師子王組のメンバーも来てるみたいだ。」
「京極組の久我さんと一条さん、師子王組の伊武さん……裏社会でも指折りの実力者っすね。」
其処には天羽組、京極組、師子王組の東京極道トップ3の幹部メンバーが守を引き受けてる店が出店した屋台の警備の面目で会場入りしていた。
「一夏君の言う通り、裏社会の実力者が揃ってる……だからこそ、俺が此処に居ていいのかと思っちまうよ。
おやっさんから信頼されてるとは言えるのかもしれないが、俺は天京戦争の時、久我に一方的に攻められて、最後の最後に気合の相打ちを成功させてなんとか引き分けに持ち込んだ。
今回の天城戦争でも、神城組の名波にはギリギリで勝ったが、神城組の最高戦力の市合とは何とか一太刀浴びせただけで完敗しちまったからな。」
「でも其の一太刀があったからこそ最終的は戦争に勝利する事が出来た。
だからこそ天羽組長からの信頼も厚いんですよ小峠のアニキは。束さんに調べて貰ったら、天羽組の大切な会合には小峠のアニキは毎回繰り出されてますし、大事な戦いでは必ず現場に居ますからね。
少なくとも、天羽組長からの信頼は絶大だと思いますよ?」
「そう、だと良いな。」
イートスペースには極道組織が守を引き受けてる店も出店しているらしく、東京三大極道の『天羽組』、『京極組』、『師子王組』が警備に当たっていた。
ある意味では警察よりも頼りになる極道の警備があれば飛行機で会場に突っ込むレベルの無差別自爆テロが起きない限りは安心と言えるだろう――此の会場で無差別殺人を行おうとしたら、其れこそゲーム終了だろう。
青山がラリアットでブッ飛ばし、伊武が鉄棒で脳天をぶっ叩き、一条が顔面に拳をぶち込んで最後は小林がグリングリーン……は流石に拙いのでコンクリートの床へのツームストーンパイルドライバーででKOされるのが確定しているのだから。
――――――
自国は16時を回り、コミケもそろそろお終いの時間だ。
一夏達と簪達はギリギリまで撮影に応じた後に、速攻で着替えて一夏達は新橋の駅まで戻ると、其処から電車を乗り次いで両国国技館までやって来た。
その場所ではプロレスの、G1クライマックスの決勝戦が行われていた。
その対戦カードは『武藤敬司vs棚橋弘至』の至高の一戦
その読み通り、試合は大盛況になったのだった。
武藤も棚橋も見事なスキルを発揮ししつつ武藤の得意技繰り出して其処で棚橋が武藤を挑発したが武藤は其れに特に反応せずに逆二段かいのシュミッ式バックブリーカーを決めて棚橋を強制ダウンさせると、其処からムーンサルトプレスでフィニッシュ!
此の試合の完成度は高く、一夏はもまた気を引き締める事になったのだった
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だ!!\k試合は終盤!きく動き、棚橋のミドルキックをきゃちした武藤が電光石火のドラゴスクリューを決めると其処から足四の字が固めを決めてターンエンド!
一夏達はプロレスを楽しみ,興行終了後は夜の東京を楽しんだのだった。
そして、二学期が始まろうとしていた。
To Be Continued