ヴィクトリア・ブレイブ、キヴォトスに行く   作:ヴィクトリア大好き

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プロローグ(前編)

かつてラストエンデルスとゼロニクスと呼ばれる神に近しい存在がいた。彼女たちはこの世にいくつもの呪いを振りまいた。そんな存在と命がけで戦い、倒した者たちがいた。この物語はそんな戦いから数年後の話である。

 

 

 

*****

 

 

 

「ヴィクトリア、本当に湖の場所はここで合っているのか?私には花畑しか見えないんだが」

 

「どうやら私たちは迷ったようだな…でも、お花畑も綺麗でいいだろう?」

 

ヴィクトリアは当初目指していた湖ではなく花畑に着いてしまったことをポジティブに捉えて言う。しかし、ヴィクトリアとオルクスの目に映ったのは花畑だけではなかった。そこにいたのは頭に天使の輪のようなものを浮かせている手負いの少女らしき生物であった。

 

「ここから見るに彼女は怪我をしているようだな。まだ助かるかもしれない。オルクス、彼女を近くの村まで運ぶぞ」

 

ヴィクトリアはそう言って少女?に近づく。

 

「私のミスでした。」

 

助けようと近づいてきたヴィクトリアとオルクスに少女はそう言う。

 

「私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況。結局、この結果にたどり着いて初めて、、あなた達の方が正しかったことを悟るだなんて…」

 

「待ってくれ、君は一体何の話をしているんだ?それに君と私は初対面のはずだぞ!?」

 

突如謎の話を始めた少女、しかも何故か初対面のはずの自分のことを知っているかのようなそぶりを見せる少女にヴィクトリアが尋ねる。

 

「今更図々しいですが、お願いします。ヴィクトリア先生、オルクスさん。」

 

「ヴィクトリア、いつ教師になったんだ?」

 

「先生?私はそんなものになった覚えはないぞ!?」

 

さらにその少女が自分たちの名前を知っていたこと、そして何故かヴィクトリアを“先生”と呼ぶことに二人は疑問を覚える。しかし、そんな二人を無視して少女は話を続ける。

 

「責任を負う者について、話したことがありましたね。あの時の私には分かりませんでしたが、今なら理解できます。あなた達の責任と義務。そして、その延長線上にあったその選択、それが意味する心延も。“力”(呪い)を平和の為に使ってきたあなた達になら…この捻じれて歪んだ先の終着点とは、また別の結果、そこへ繋がる選択肢は、きっと見つかるはずです。」

 

「何故、君が“力”のことを知っているんだ!?」

 

「まさかコイツ、新たな災厄の手先か?」

 

普通なら知るはずのないラストエンデルス、ゼロニクスの残した負の遺産たる“力”のことを何故か知る少女にヴィクトリアとオルクスは警戒を強める。しかし、少女の最後の言葉は懇願の言葉であった。

 

「だから先生、オルクスさん、どうか…」

 

 

 

*****

 

 

 

「……ろ、起きろ。ヴィクトリア。」

 

「オルクス、あと三分だけ…三分だけ寝たいのだ。」

 

「人を待たせてるんだからさっさと起きろ。」

 

ヴィクトリアがオルクスに起こされた時、目の前にいたのはオルクスと白い制服を身に纏った黒髪の少女であった。

 

「オルクスと…君は誰だ?」

 

「自己紹介を忘れていましたね。私は七神リン、学園都市『キヴォトス』の連邦生徒会所属の幹部です。それにしても少々待っていてくださいと言いましたのに、お疲れだったみたいですね。なかなか起きないほど熟睡されるとは。」

 

「いや、私もヴィクトリアも別に睡眠をとらなくても問題ない。」

 

「えっ…じゃあ、ヴィクトリア先生は何で寝てたんですか…」

 

黒髪の少女、リンは少し困惑した様子でヴィクトリアを見つめる。

 

「気分的に睡眠をとりたくなることもあるのだ」

 

「えぇ…」

 

この時のリンは知る由もないが死神は睡眠をとったり、食事をしたりしなくても生きていけるのである。

 

「まあ、その話は置いておいて…あなたが私たちがここに呼び出した先生なんですよね?」

 

「何故、私とヴィクトリアをそちらから呼び出して来たのに疑問形なんだ?」

 

何故、リンの言葉が疑問形になっているのかオルクスが尋ねる。

 

「すみません、オルクスさん。困惑しますよね…疑問形なのは、私たちも先生がここに来た経緯を詳しく知らないからです。“連邦生徒会長”がヴィクトリアさんを選出したということしか…」

 

「つまり、私はその“連邦生徒会長”に呼ばれてここに来たということでいいのだな?そして、“連邦生徒会長”は私に何かを任せようとしているのか?」

 

「そうですね、ヴィクトリア先生。今、このキヴォトスは存続に関わる重大な局面にあります。詳しくは移動しながら話しましょう。私について来て下さい。」

 

そう言いながら、リンはエレベーターの方に歩いていく。そして、それを追うようにヴィクトリアとオルクスもエレベーターの方へ歩いて行った。

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