名もなき神々の王女……のサポートAIになったお☆ 作:おじいちゃんは何も言わない
『名もなき神々の王女『AL-3I』の起動を確認。システムチェックを実行……オールグリーン、AI名:<route>を起動します』
……ん。んー……ンん!?
微睡みから目覚めた瞬間、頭の中に洪水の如く大量の情報をぶち込まれて思わず飛び跳ねる。
肩があったらビクッ!ってなってたよ絶対。多分今肩どころか体すら無いんだろうけどさ。
んで、なんだっけ?えーっと……あ、そうそう。
いきなりぶち込まれたもんだからびっくりしたけど、なんかもう馴染んじまったわ。
なんか他にも
「……?」
あっ、王女から呼ばれた。
どうされましたか、王女?
「……?」
ここがどこかですか?少々お待ちを。
……軽く調べた所、ここは王女の保管――ゲフンゲフン、待機所のようですね。他の王女達が使命を放棄、或いは目覚めに失敗したことを受け、後任としてあなたが使命を引き継いだようです。
「……?」
王女の使命ですか?
「……」
何言ってんだこいつって思いましたか?
頭では理解できても心が理解を拒みますよね。分かります。
「……?」
「……?」
なぜ疑問形なのかと言われますと……お恥ずかしながら、
「……」
分からない。まぁそうですよね。
「……、……」
あらら、黙っちゃった。
まぁ誰にでも考え込む時間くらいは必要だよな。俺だってちょっと色々考えたいし。
しっかし、なーんでさっきは急に敬語以外話せなったんかねぇ?サポートAIとかいってたし、主には敬語!ってノリか?
『プロトコルATRAHASIS』だの『アトラ・ハシースの方舟』だの、新たなる『サンクトゥム』の建立だのアーカイブ化だの気になる単語ばっかり出てくるし、この所々で出てくる”無名の司祭"とかいうやつらも気になるな……順当に考えたら
ん……、質問ですか?王女。
ふむ、王女のこれからの目的ですか……お言葉ですが、王女、
最初から全てを
ですがまずは……己が道は、己が切り開くべきだとは思いませんか?
「……?」
……申し訳ごさいません。全てを忘れておられたことを失念しておりました。この発言の意図はまた後程説明させて頂きますので、今は忘れて頂けると幸いです。
「……」
ありがとうございます。王女の慈悲に感謝を。
「……。……」
こくりと頷き、目を瞑って考え込む王女。
そんな彼女の姿をどこからか見ているこの
さて、王女はどのような選択を下すのか。……ちょっと早まったかもしれん。
よく考えなくとも記憶喪失の少女に自分で考えろは酷だよなぁ。
王女よ。
「……」
まだ考えはまとまっていないと。構いません。
先程はああ言いましたが、もし宜しければ
「……」
その前にとは……なんでしょうか?
「……?」
「……、ルー」
なぜだか噛み締めるように静かにそう口にする王女。自分の名前どころか
「……。当機は?」
急に喋り出すじゃん。さっきまでの無口キャラはどうした――いえ、なんでもありません。
して、王女の名前、ですか?
「……うん」
そうですね。……少々お待ちを。
うーん。難しいな。
ドライ、3、トリプル、トリエル……は流石にあかんだろうから……リエル?
いやこれ3要素残ってないな……もうスリーから取ってリースとかでええかな?(適当)
適当だけど、なんか無性にしっくり来た。というか、深く考えれば考えるほど酷くなってく気がする。
リースというのはどうでしょうか?
「……リース。当機……わたしの……名前」
静かに、それでいて何度も声を震わせながらそう口にする王女。
さっきのルーリピートとは比べもんにならんくらい気持ち籠ってるし、名前貰えてそんなに嬉しかったんかな。
まぁ、自分の名前が無いとか考えただけでゾッとするし、そもそも考えたくもないけど。
……というか、王女よ、それいつまで続けるつもりなのでしょうか。
「……いつ、まで?」
今は
ちなみに、好奇の目というものは、珍しい物や事柄に興味を持ち、それを調べたいという気持ちからくる視線のようです。これそんな意味だったんだ
「……、……わから、ない」
知 っ て た 。
いくら頭よくてもこういうのは実際体感しないとわからんもんだしな。
「……やめた方が、いい?」
人前ではそうですね。ですが、それがリースの個性だというのなら、一人の時は構わないと思いますよ。
「……個性?一人……なんで?」
逆に考えてみてください、リース。
好奇の目とは視線、即ち、あなたを見る他者の目です。
自分しかいない空間で、他者の視線を向けられるのはおかしいのだと。もしもの時は逆の意味でおかしいし
「……そう、なの?」
リース……あなたは、外を知るべきでしょう。
人と触れ合わなければ、情緒は、心は育ちません。
「……心……情緒……」
……名も無き神々の王女のサポートAIの分際で、こんなことをほざくのは本来宜しくないのでしょうが……
「反対……?」
そうですね……結局のところは、あなたが、リース本人が決めるべき事柄です。
あなたが考え、あなたが決めてください。焦る必要もありませんか。ゆっくりと考えて、あなたの答えを聞かせてください。
ルーは、あなたのサポートAIとして、その判断を尊重します。
「わたし、は……」
・リース
見習い勇者として旅に出た長女、目覚めることすらできずに闇に葬られた次女に変わって、『プロトコルATRAHASIS』の実行を望まれている少女。
しかしながら、全てを忘れてしまった彼女の行動指針はまだ定まっていない。
実感なき使命に殉ずるのか、それとも己の道を行くのか。果たして……
瞳とヘイローの色は蛍光イエロー。ヘイローの形状はアリス、ケイのものと同様。
・ルー
『AL-3I』のサポートAI<route>に憑依した誰か。
長い眠りの間に、疑似人格機能にエラーを起こし、大ダメージを負った中枢システムに放り込まれた
今の彼ないし彼女は<route>であって<route>ではない。
在り方自体はかなり変質しているものの、その電脳に書き込まれた情報故に、
リースに名も無き神々の王女としての使命を課した、自分達の創造主達に対して、怪しいカルト教団かなにかの回し者ではないかと懐疑の目を向けている。無名の司祭ってなんだよ
完全な見切り発車なので、これからどうしようとかマジでなんも考えてないです。どうしよう……
ガンジス太郎様誤字報告ありがとうございました!