白兎成長譚 作:たい焼き丸
はじめてなのでお手柔らかにお願いします。
アルフィア とザルドとの生活が始まり一ヶ月が経った頃だった
ベルはアルフィアが後悔と寂しさを滲ませた顔で北の方を見ることがよくあることに疑問を持っていた。
「ねえお義母さん、なんでそんな寂しそうな顔してるの?」
「なんだ?寂しそうに見えたのか?」
「うん、すごく後悔したような寂しそうな感じだったよ」
実際アルフィア の顔には後悔の色が浮かび、今にもその後悔をなくすために消えてしまいそうな表情をしていた。
「そうだな、私は後悔しているのかもな。なあベル、本当は私はお前に会うつもりなどなかったのだ。会ってしまえばもう離れることはできないと思っていたからな」
「そうなの?でも僕はお義母さんと会えて暮らせてとっても嬉しいよ」
「私も会えたことは嬉しい。だがなそれによって、私が悪を選ばなかったせいで最後の英雄は現れず世界は滅んでしまうかもしれない。そう思うと後悔せずにはいられないのだ」
そう言ったアルフィアはどこか苦痛そうでこのことをベルに言うことを申し訳なく思っているのが伝わってきた。ベルはアルフィアがなぜそこまで後悔しているのか分からなかった。どうしてそんなに悲しんでいるのかも分からない。だがベルはアルフィアに悲しんでほしくなかった。そう思ったベルはアルフィアへ告げた。
「じゃあ僕が英雄になる!僕が英雄になって世界を救うよ!だからお義母さん…」
そう言ったベルの目には少しの涙が浮かんでいた。世界で1人の義母を思っての涙であり。その深紅の瞳は義母をただじっと見つめる。
アルフィア は組んでいた腕をほどき静かに優しくベルの頭を撫でる。
ベルは安心したように笑みを浮かべた。そしてこの僅かな幸せを噛み締めるように嬉しそうに撫でられている。
ベルはいつかこの時の選択を呪うかもしれない。
自分で背負ったものの重さに押しつぶされ、数多の困難に叩き伏せられ
向けられる目は決していいものとは限らない絶望の日々が待っているかもしれない。
しかし、それでも今だけはこの幸せの中で抱かれていたいと思った。
「…生意気な子供め。いいかベル言ったことには責任をもてよ?」
アルフィアの顔には義母として微笑みが浮かんでいた。同時にベルには悪魔の最後通告にも聞こえた気がした。
「へ?」
「お前は英雄になると言った。ならば明日から私とザルドが訓練をつけてやる。英雄になるとほざいたからには覚悟しろ。今更前言撤回など許さんからな」
ベルは早くも明日後悔する予感がしていた。
「明日から?早くない?」
「うるさい。英雄になるのに早いも遅いもない、メニューは今夜考えておいてやる」
「う、うん」
ベルにはもう拒否権はなかった。この時ベルは英雄への道に足を入れ未来の希望となることが決まったのだった。
そうして2人は小麦色の景色の中を手を繋いで帰っていく。
「この際言っておくがあのジジイの言うことはこれからあまり聞くな。
あのジジイはお前を良くない英雄へとしようとするからな。わかったなベル」
「え?でも僕お祖父ちゃんが教えてくれた英雄好きだよ?僕もいつかお祖父ちゃんの教えてくれた英雄みたいになりたいんだ!」
元気よく宣言したベルに不可避な鉄槌がくだる。
『 [福音] 』
その一言によりベルに衝撃が走った。
なにが良くなかったのか理解していないベルにアルフィアは言う。
「いいかベルお前はもう毒されすぎている。ジジイの言う英雄は大抵の女にとって悪でしかない。だからジジイの言う英雄にはなるな」
「でも、どうして女の人にとって悪なの?」
アルフィアは手遅れになりかける前にベルのもとへ訪れて正解だったとこの時ほど思ったことはないだろう。
「考えてみろ1人の女だけでなく色んな女を愛す、これは女にとって浮気でしかない。好きな男が他の女に媚びているのを見てに女は幸せだと思うか?」
「思わないかな」.
「そうだそう言うことだ。だからお前は今後ジジイの教えのような英雄になるな。いいな?」
「…うん」
若干の間に不安を覚えたアルフィアだったがこれから矯正していけば治るだろうと考えていた。また純粋なベルをこうしたゼウスに怒りを覚えながらアルフィアはベルと家へと帰った。
ベルたちが家へ帰った後ゼウスが畑に埋まっていたのは言うまでもない。
オラリオ入りまでとりあえず描きたいと思います。