白兎成長譚 作:たい焼き丸
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恩恵を授かってから半年が経とうとしていた頃ベルはアルフィアとザルドとの修行でレベル2へとなっていた。ダンジョンや敵の少ないオラリオの外でランクアップするのは相当難しいはずなのに半年以下という世界最速でレベルアップをした偉業を達成していたことをベルは知らない。
これも2人の教育のせいではあるがベルはこのレベルアップを当たり前だと思っているのだ。だがレベルアップしたからと言って特に日常が変わるわけでもなく
そして半年と数日が過ぎたある日ベルたちの元に羽付の帽子を被った軽薄そうな青年が訪ねてきた。
「そこの白髪の君ちょっといいかな?」
「えっと僕ですか?どうかなされたんですか?」
ベルはこの男のまとうオーラがどうも胡散臭く警戒してしまう。
「そんなに警戒しないでくれよ。俺はある人に用があって来ただけなんだ。それで白髪頭の爺さんでスケベなお爺さんをしらないかい?」
ベルはそれを聞いてすぐに誰についていっているのか理解した、いや出来てしまった。
「それってゼウスお祖父ちゃんのことですか?」
「?ゼウスをしっているのかい?そうか君がゼウスが言ってた子か。そうそうゼウスに用があって来たんだ、よければ連れてってくれないかい?」
「はい!大丈夫ですよ ついて来てください」
ベルはゼウスの知り合いということに安心し男をゼウスのところまで連れていった。家に着くき中は案内すると男はゼウスをみつけ軽く挨拶をした。
「やあゼウス元気にしてたかい?」
「ふっいつもながら胡散臭い男じゃわい。元気も元気じゃ、で何の用で来たんじゃ?ヘルメス」
男は神だったらしくヘルメスということをここに来て初めてベルはしった。ベルはどうもこの神とは長い付き合いになりそうな予感がしてならなかった?
「随分な挨拶じゃないか、用がなくちゃ来ちゃ行けないのかい?まあ今回は用があって来たんだけどね」
そういってヘルメスは一つの紙を取り出し机の上においた。それには自分ではわからない文字と簡単な絵が添えてあった。
「なんじゃこれは?」
「これは俺から君たちへの依頼さ、もちろん静寂と暴食も合わせてのね」
「なんじゃお主知っておったのか」
ゼウスはヘルメスが2人のことを知っているのに驚いたがヘルメスの言葉で納得する。
「おいおいこれでも俺はオラリオ随一の情報家だぜ?ここに2人がいることを知るなんて朝飯前さ」
「そうかそれもそうじゃな、だが生憎あの2人は今はおらんぞ2人は今薬を買いに行っとるからな」
「そうか、やはり受けた傷と生まれ持った病は治ってないのか」
「そうじゃな 今はベルの成長を見るため意地で生きとる感じじゃレベルアップか何かスキルがでん限り治らんじゃろうな」
そういってゼウスは少し俯いた。ベルは2人の病のことは知っていたが話さないようにしていたのでこうも現実的な話をされると泣きたくなった。
ベルはいつか2人の病について聞いたことがあった。そしてその時2人は自分たちの命が長くないことなどをベルは話始めた、そしてこの話はあまりしないで欲しいと言われベルはそれ以来心の中で不安になりながらもとどめていた。
「ならこれはいい機会かも知れないぜゼウス。」
そう言ってヘルメスは紙とは別にもう一つモンスターのドロップアイテムを机に置いた。それはドス黒い赤色で表面はでこぼこであった。
「これがなにかわかるかい?ゼウス」
「なんじゃこれはただのドロップアイテムではないのか?」
「いーや違うぜ、これは古代のモンスターアンタレスその眷属の魔石だ」
聞くと同時にゼウスは驚愕した顔を浮かべた。
「バカな!あれはアルテミスの眷属によって封印されておったはずじゃ」
「ああそうさ、まだ封印はされている。だがあと少ししたら解かれそうなんだ。アンタレスはアルテミスの眷属の精霊を喰い力を強化した」
そして2人は深刻な顔をちらつかせ始めた。
「なら今回のわしらへの以来はアンタレスの討伐か?」
「それは無理だ。アルテミスの精霊を食ったアンタレスを討伐できるのは純粋な魂の持ち主だけだ。だから今回はエルソスの遺跡及びその周りの調査と眷属の討伐だ」
それを聞きゼウスは一瞬ベルの方をみて勝機を見出すとともにすぐにヘルメスを見据えていった。
「とりあえずあの2人と相談してからじゃ、だがおそらく向かうことになるだろうな。その時は支援を頼む。」
「元からそのつもりさ。もし出発や他のことが決まったら教えてくれ、すぐに向かう」
そうしてヘルメスは帽子を被り直し家を出ようとする。ヘルメスは家を出る前にベルの方を向いた。
「そうだベル君 俺は君に期待しているだぜ!だから何かあったら言ってくれ」
そういうと今度こそヘルメスは家を後にした。
ベルはやはり胡散臭い神だなと遠くなるヘルメスを見つめた。
その夜ベルが寝た後にゼウスはヘルメスからの依頼について2人に話をした。
「今日ヘルメスが来て依頼を置いていった。少し厄介な依頼じゃが達成できなくはない依頼じゃ」
「またあのクソ神か、あいつは厄介ごとしか持ち込まん。あいつは私たちを便利屋かなんかだと思っているんじゃないか。今度あったら送還一歩手前までなぶる。」
「まあそう怒るなアルフィア いつものことだろ?、でジジイ内容はどんななんだ?」
ザルドはアルフィア の八つ当たりをさけるため必死に宥める。
「精霊を取り込んだ古代のモンスターアンタレスの調査と眷属の討伐じゃ」
「古代のモンスターだと!黒龍以外にもまだ残っていやがったのか!」
ザルドは依頼内容をきいて驚いた。なにせ古代のモンスターは黒龍を除いて自分たちが討伐したと思っていたからだ。
「おいジジイなぜ討伐ではなく調査なんだ、」
アルフィアは自分とザルドがいればよほどのモンスターでない限り討伐できると踏んでの質問であった。
「それなんじゃが、アンタレスは厄介なことにアルテミスの精霊を取り込んでしまってな、それによって純粋な魂の持ち主以外倒せんないんじゃ」
それを聞くと共に2人の頭に1人の人物が上がった
「ベルか」
アルフィアは自然と言葉にしていた。
「そうじゃ、しかしあの子はまだレベル2行かせるのにはしのびなくてな」
「行かせるべきだろう。あの子のステイタスはそろそろ完ストできるはずだ。ここらで偉業を積ませたいと思っていたところだし丁度いい。だがジジイ他にも言いたいことがあるのだろう?でなければあの子が寝た後で話などせんだろう」
ゼウスはバレていたかと思い2人に今回の依頼のあるかもしれない副報酬について話した。
「もし今回アンタレスを討伐できたならお前たちの病や傷が治まるかもしれん。アンタレスはそもそもが3人で討伐するモンスターではないのに加え、三大冒険者依頼にレベルは劣るとはいえ古代のモンスターじゃ、それにお前たちも全盛期ではなく苦戦を強いるだろう、だが討伐すればお前たちのレベルも上がりスキルの進化や追加があるかもしれんのじゃ」
ゼウスは半ば確信しているように2人へ告げた。2人の表情は先ほどの冷静さから少し晴れたような微笑を浮かべまだ自分たちが強くなれるということとベルの成長を見守れるということに喜びを感じていた。
「なるほどな、なら今回の依頼は受けるしかないな。こんな機会を得れたのもあの時悪を選ばなかったおかげかもな。なあアルフィア ?」
「そうかもしれんな。これもあの子のおかげだ。もしかしたら黒龍の討伐に参加しベルの未来を見守る機会を得たのかもしれないのだからな。」
「ああそうだな」
そういって2人は微笑を笑みへと変えた。
そして2人の考えが決まったのを見たゼウスは2人を見据え神らしい顔を見せた。
その後3人は出発の日などを少し話した後各々部屋へ戻ったのだった。