ネプチューンマン・リビルド “究極の超人タッグ編Ⅱ”   作:速筆魔王LX

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第019話 禁断パワーのツープラトン!!

「レッド・レインテイル――――ッ!!」

 

 スカーフェイス渾身の掛け声が、リング上空より降りかかる。

 その技の名は、レッド・レインテイル。

 赤い雨の異名を冠する燕尾が狙うは、ネオ・イクスパンションズのセイウチンだ。

 

『あ――っと、ベルリンの赤い雨の炎を宿したスワロウ・テールがセイウチンを狙う――っ』

 

 凄まじい降下速度と炎の熱に圧倒され、セイウチンは上空を見上げたまま身動きが取れない。

 このままでは直撃――誰もがそう思ったそのとき。

 

「右に飛べセイウチン! 思いっきりだ――っ!」

 

 相棒のネプチューンマンが実況マイクよりも大きな声で叫び、パートナーの本能に警鐘を鳴らした。

 咄嗟、セイウチンは言われたとおり右に飛んだ。

 その結果――

 

『スーパー・トリニティーズ、渾身のツープラトンがセイウチンにヒット――ッ! し、しかしこれはギリギリの命中! 必殺には至らないか――っ!?』

 

 炎をまとったスワロウ・テールはセイウチンの脇腹を掠め、微かに裂傷と火傷を負わせた。

 逆に言えば、それだけにとどまった。

 炎熱による内臓破壊、胴体真っ二つ、大量出血からの気絶、観衆のイメージした映像はどれも想像に終わる。

 

「事前に知っていなければ危なかった……悪いなトリニティーズ。“二度目の対戦による経験”などという小狡い手を使ってしまって」

 

 回避したセイウチンはもちろん健在、その瞳に宿った闘志は消えていない。

 超人レスリング界初お披露目の必殺ツープラトンを唯一事前に知っていたネプチューンマンの一声がなければ回避は不可能だった。

 しかし結果は結果。

 ここで甘えを見せるほどネプチューンマンは若くない。

 

「セイウチン、スカーを捕らえておけ――っ!」

「ウオオ――ッ!」

 

 セイウチンは叫び、キャンバスにスワロウ・テールを突き立てた状態のスカーフェイスを後ろから抱えあげる。

 

『やはりまだダメージが残っているかスカーフェイス、セイウチンに抱え上げられたまま逃れられない――っ!』

 

 抱えあげ、しかし投げない。

 これは単発の投げ技ではなく、ツープラトンの仕掛けだからだ。

 身動きが取れなくなっているスカーフェイスめがけて、ネプチューンマンが走り込む。

 軽い跳躍と共に体を横にひねり、振り上げた脚をスカーの喉元に叩き込めば、回転の力を十分に活かした蹴り技が炸裂する。

 

『そこにネプチューンマンのフライング・ニールキックだ――っ! ネオ・イクスパンションズ、見事なツープラトン攻撃――っ!』

 

 なすすべもなくキャンバスに沈んだスカーフェイス。

 ネプチューンマンはそんなスカーの頭部を片手で掴み、強引に立たせた。

 

「よし、スカーはもう一押しだ! あれをやるぞセイウチン!」

 

 トドメの一撃を与えるために。

 傍目から見ても、もはやスカーに技から逃れるだけの余力はない。

 が、彼のパートナーはまだまだ元気だった。

 

「させるかよ――っ!」

 

 相棒の窮地を救うべく、ジェイドが動いた。

 

『あっと危ないネプチューンマン! 背後にジェイドが回り込んでいる――っ!』

 

 ネプチューンマンの後ろに回ったジェイドは彼の右脚を抱え、体ごと持ち上げた。

 右脚を巻き込んだ状態で両腕をクロスさせて掴み、完全に身動きを封じた状態で後方にスープレックスを放つ。

 

「ビーフケーキ・ハマ――ッ!」

 

 ネプチューンマンが経験した“前回”の試合でもくらってしまったジェイドの必殺技(フェイバリット)

 両腕と片脚を拘束された状態で放たれるスープレックスの威力は見た目以上。

 叩きつけられた頭部は激痛を訴えていた。

 

「グググ、グオオオ~~ッ」

 

『これはネプチューンマン、大ダメージか――っ!?』

 

 それでもなんとか立ち上がるネプチューンマン。

 大技のあとはなかなか追撃にはいけないもの。ジェイドも息を整えネプチューンマンの動向を観察している。

 

「左腕を出すだ、ネプチューンマン――ッ!」

 

 そんなジェイドの背後から、セイウチンが左腕を掲げ叫んでいた。

 

「今のオラたちならこっからでも技に持っていける! なんでか知らねえがそう自信を持てるだ――っ!」

 

 だからおまえも左腕を出せ――そう言わんばかりの迫力が、ネプチューンマンの再起を早めた。

 

「オオ――!」

 

 たった今くらったビーフケーキ・ハマーのダメージなどなんのその。

 ネプチューンマンはセイウチンに応えるべく左腕を上げ、両者の間にはジェイドが挟まれた。

 この体勢から繰り出されるネプチューンマンチームの技など、言わずとしれたあれしかない。

 

『セイウチンとネプチューンマンがジェイドを挟んで左腕を高々と上げる! まさかここからクロス・ボンバーに持っていこうというのか――っ!?』

 

 前後から同時にラリアットを仕掛け敵超人を圧殺する必殺ツープラトン――クロス・ボンバー。

 しかしクロス・ボンバーという技をよく知るテリーマンとキン肉マンは、その問題点を声に乗せてぶつける。

 

「不可能だ! すでにグロッキーのスカーならいざ知らず、まだ体力に余裕があるジェイドが標的では!」

「マグネット・パワーのないクロス・ボンバーなんかじゃ、簡単に逃げられてしまうぞ――っ!?」

 

 クロス・ボンバーは相手に完全に抵抗する力がなくなってこそ真価を発揮する。

 マグネット・パワーのように相手の動きを封じるオプションがあるなら話は別だが、あの電磁力は先の闘いで失われた。

 加えて、セイウチンと繰り出すニュー・クロス・ボンバーの微妙さは間引きバトルロイヤルで確認済み。

 ネプチューンマンとセイウチンは勝負を急いだ、スーパー・トリニティーズに反撃の隙を与えるぞ――と。

 試合巧者の超人たちがそう思った、そのときだった。

 

「な……なんだ!? 身動きが取れない!?」

 

 ネプチューンマンとセイウチンの間に挟まれたジェイドは、動揺した表情でその場に立ち尽くしていた。

 その体には不思議な光の管――ネプチューンマンの左腕とセイウチンの牙から伸びるそれによって貫かれている。

 

「“今回”ではこれが本邦初公開だったな! 教えてやる! これがオプティカルファイバー・パワーだ!」

 

 これぞ、マグネット・パワーに代わる新たなるオプション。

 ネプチューンマンが20世紀に持ち込んだ未来の最新技術。

 この光の管に貫かれた超人は逃げることができず、ただ迫りくる攻撃を受けるしかない。

 必殺技を必殺たらしめる回避不能の効果を受け、ジェイドになすすべはなかった。

 そして今、ネプチューンマンとセイウチンが同時に駆け出す。

 

「オプティカルファイバー・クロス・ボンバ――――ッ!!」

 

 凄まじい速度で両者突進。

 ネプチューンマンは正面から、セイウチンは後方から、ジェイドの首にラリアットを叩き込む。

 蔵前国技館の外まで響くほどの衝撃音に、観客の多くは目を背けた。ジェイドの首が飛んだと思ったからだ。

 百戦錬磨の超人たちは一瞬たりとも目をそらすことはせず、だからこそその予想外の結果に声を荒げた。

 

 ジェイドの首は落ちてはいない。

 しかしながらクロス・ボンバーは命中していた。

 

 ジェイドと――スカーフェイスのふたりを挟み込む形で。

 

『あ――っと、ネオ・イクスパンションズのクロス・ボンバーがジェイドに炸裂し……な、なんと! 技をカットするために割って入ったのかスカーフェイスもその餌食となっている~~~~っ』

 

 ネプチューンマンの喧嘩ボンバーはジェイドの首を正面から。

 だが背後から迫っていたセイウチンのボンバーにはスカーが立ちふさがり、ジェイドへの直撃を防いでいた。

 それでもクロス・ボンバーの形としては成立。

 ただしふたりをまとめて挟み込んだことで威力は分散してしまった。

 

「ス……スカー……おまえ……」

「へ、へへ……格好わりぃなあ、ジェイド……クロス・ボンバーからの救出が狙いだったんだが……オプティカルファイバー・パワーとやら、間に挟まれてみれば想像以上……巻き添えを食らっちまうとは……」

 

 即死もありえたジェイドの命を救った代償として、自らも大ダメージを負ってしまったスカーフェイス。

 仮にジェイドを見殺しにしていれば、己は生き残り再びひとりトリニティーズとして逆転することもできたかもしれない。

 戦況判断の面では愚かというほかないが、スカーの顔に後悔の色はなかった。

 

「む、無念だぜ……おめーとのスーパー・トリニティーズなら……トーナメント・マウンテンの頂きに立てると思ったのに……」

「なに……次があるさ……今度は最初から正義超人として……お互いを認め合って正々堂々とファイトすりゃいい……」

「おいおい……次もオレと組もうってのか……? 散々悪態をついたこのオレと……」

「口が悪いのは……おまえの取り柄……気にしちゃ……いねえよ……」 

 

 ネオ・イクスパンションズのボンバーに挟まれながら、スカーとジェイドは約束を交わす。

 次もまたタッグを組んで闘おう、と。

 次――それはつまり今回の敗北を受け入れた上での、無念の約束だった。

 

「グハッ!」

 

 ジェイドもスカーも揃って吐血。

 

『あ――っと、ネオ・イクスパンションズが放ったクロス・ボンバーにより、ジェイドのヘルメットとスカーフェイスの“狂乱の仮面(マッドネスマスク)”が弾け飛んだ――っ』

 

 ジェイドが幼少期から被っていた自転車用のヘルメット。

 スカーフェイスの凶暴性の象徴たる狂乱の仮面。

 多くのマスク超人のマスクがそうであったように、彼らの頭の装着物もまた、クロス・ボンバーによって狩られてしまった。

 ヘルメットと狂乱の仮面がキャンバスに落ち、続けて持ち主ふたりの体も静かに沈んだ。

 

『スーパー・トリニティーズ、ダウン――ッ』

 

 横たわる対戦相手ふたり。

 ネプチューンマンはスカーのほうを見やり、内心思う。

 

(スカーフェイス……おまえの功績は大きい。今のクロス・ボンバー、おまえが割って入ってくれたことで威力が分散した。もしおまえが入ってこなければ、オレとセイウチンは勢い余ってジェイドの顔の皮を剥いでしまうところだったろう)

 

 そう、ネプチューンマンが忌まわしい過去として封じた“前回”のように。

 そんな最悪の結末にならなかっただけでも上々、スカーフェイスには感謝すべきだろう。

 

「オプティカルファイバー・パワー……やはり劇薬か」

 

 勝負の決め手にはなったが、味方である正義超人相手に使うには危険すぎる代物だ。

 ネプチューンマンはあらためてその危険性を思い知り、人差し指を伸ばした腕を上げた。

 この試合における“イチバン”はオレたちだ――と宣言するように。

 

『ここで試合終了――っ! 一回戦Aブロック第2試合、次へとコマを進めたのはネオ・イクスパンションズ! スーパー・トリニティーズ、ここで潰える――っ!!』

 

 

 

 けたたましいゴングの音が蔵前国技館に鳴り響き、勝者を祝福する観客たちの歓声があがった。

 その片隅で、いつの間にやら蔵前国技館に帰還していた時間超人――ライトニングとサンダーが不気味に笑う。

 

「ジョワジョワ、オプティカルファイバー・パワーか。厄介な隠し玉が出てきたぜ~~っ」

「ヌワヌワ、おもしれえじゃねえか兄弟。攻略しがいがあるってもんだ」

 

 リザーブマッチのときにちょっかいをかけてきた謎のフードの男は、結局取り逃がした。

 あえて深追いしなかったのもあるが、そのおかげで試合に間に合い、ネプチューンマンの隠し玉を知ることができた。

 その脅威を、しかしライトニングとサンダーは歓迎するような態度で構えていた。

 まるで自分たちにはそれ以上の隠し玉がある、と言わんばかりに。

 

 

 

「モ……モンゴルマン。あの力はもしかしたら、マグネットパワーよりも……」

「ヌグウ~~ッ」

 

 別の一角で、川崎球場から移動してきていたバッファローマンとモンゴルマンが唸る。

 ふたりはキン肉マンやテリーマンと同じくクロス・ボンバーの脅威をよく知る超人。

 間引きバトルロイヤルでは恐るるに足らずと警戒を甘くしていたが、オプティカルファイバー・パワーとやらの登場で話は180度変わってしまった。

 

 世界五大厄(ファイブ・ディザスターズ)、そして2000万パワーズと、新型クロス・ボンバーは多くのライバルたちに影響を与えることだろう。

 

 

 

「さあ、そっと乗せて。病院に搬送するぞ」

 

 リングのほうでは、超人運営委員会の医療スタッフがスーパー・トリニティーズのふたりを運び出そうとしていた。

 

「ジェイド!」

 

 担架に乗せられたジェイドに駆け寄るひとりの超人がいた。

 軍服軍帽の若者、ブロッケンJrである。

 

「レ……師匠(レーラァ)

 

 若かりし頃の師匠が眼前にやってきて、ジェイドは顔を背けたい思いだった。

 不甲斐ないところを見せてしまった。これでは未来の弟子などと言っても認めてはくれないだろう。

 いっそ逃げ出したいくらいだが、あいにくダメージが大きすぎてひとりでは動けもしない。

 ジェイドは悔しさのあまり目尻に涙をためるのだが、ブロッケンJrはそんな彼の手を取り固く指を絡ませてきた。

 

「“ふたりというものはいいものだ。楽しい時は2倍楽しめる。そして、苦しい時は半分で済む”」

 

 そして、軍帽の奥の瞳が見えるほどの近さで――ジェイドにそう言葉を伝える。

 ジェイドには、その言葉に覚えがあった。

 

「ドイツの諺……しゅ、修行時代のレーラァも言っていた……」

 

 ああ、やはりそうだ。

 この人は紛れもなく我が師匠、ブロッケンJrなんだ。

 今さらのように実感したジェイドは、結局涙を流した。

 

「いいファイトだったぜ、おまえたち。スーパー・トリニティーズの名、オレは確かに胸に刻んだ」

 

 師匠に認められるという、密かに抱えていた念願を果たせたから。

 

 

 

「ブロッケンJr……」

 

 そんな師弟のやり取りを遠巻きに眺め、ネプチューンマンは羨ましく思う。

 師弟関係。

 21世紀のネプチューンマンが持つことのできなかった絆だ。

 その美しさは、正義超人の友情にも似たものがあった。

 

 一方で、感動を覚えるネプチューンマンの後ろでこそこそと退散しようとする影が一つ。

 まるで叱られるのを察知した子供が逃げだすように、セイウチンは忍び足でその場から離れようとしていた。

 

「待てセイウチン。話がある」

「ドヒェエエエ~~ッ」

 

 ネプチューンマンはまさしく息子を叱りつけるような親父の様相で、怯えるセイウチンに詰め寄った。

 

「おめー、オレが控室に置いておいた蛍石を勝手に食っただろう――っ」

「わ、悪かっただ~~っ! なんか袋から光ってる石が見えて……見てたら無性に齧りつきたくなって……!」

 

 やはりだ。あの魔性の石はセイウチンの内に秘められた獣性に語りかけ、我を取り込めと囁いたのだ。

 

「一歩間違えれば大惨事になっていたかもしれんというのに……いや。時間超人打倒のため、いずれは使わざるをえないと思ってもいたパワーだ。これでよかったのかもしれんが……」

 

 セイウチンを獣にするつもりはもうない。が、オプティカルファイバー・パワーを活用したいという思いもある。

 しかしそのために蛍石を喰らい続ければ、セイウチンは血に飢えた獣……悪行超人に成り果ててしまう恐れがある。

 ネプチューンマンが抱えるジレンマは、誰に相談することもできない厄介な悩み事なのだ。

 

(事情を打ち明けてしまいたいところではあるが、オレのかつての蛮行を知られてはセイウチンの信頼をフイにしてしまう恐れがある。ここはまだ話せんか)

 

 いずれは“前回”のことをパートナーに話し、罪を清算する時間が訪れるのかもしれない。

 ネプチューンマンは先を見据え、オプティカルファイバー・パワーと向き合う決意を固めた。

 

「さっきのパワーは取り扱い注意な禁断のパワーだ。次の試合までに、きちんとした扱い方を覚えてもらうぜ――っ」

「お、おう! 望むところだ!」

 

 意気込むセイウチンを連れ、退場。

 次戦のことを考え、さっそくトレーニングプランを練らなければならない。

 

(次……か。8チームで行われるトーナメント2回戦。それこそが問題でもある)

 

 時間超人組を筆頭に、次からはシード枠に入っていた強豪タッグたちも本格参戦してくる。

 その顔ぶれは“前回”と同じだが、大きく違う点が二点だけあった。

 ネプチューンマンが陰ながらプロデュースしたアシュラマン&チェック・メイトのコンビ。

 そして、ある男の伝手を使い今も裏で動いてくれている“あいつ”の働きが、未来を変える鍵となる。

 

『川崎球場と蔵前国技館で行われた“究極の超人タッグ戦”第一回戦およびリザーブマッチ全5試合は……先ほどのネプチューンマン&セイウチンvsスカーフェイス&ジェイドですべてが終了いたしました! 見事、激闘を勝ち抜き二回戦に進出したチームは……』

 

 大会運営院長のハラボテ・マッスルがマイクを取り、二回戦進出を果たしたチームを紹介していく。

 蔵前国技館の電光掲示板に映し出されたのは、以下の8チーム。

 

“ジ・アドレナリンズ”テリー・ザ・キッド&ロビンマスク組。

“2000万パワーズ”バッファローマン&モンゴルマン組。

“ネオ・イクスパンションズ”ネプチューンマン&セイウチン組。

“カーペット・ボミングス”モアイドン&オルテガ組。

世界五大厄(ファイブディザスターズ)”ライトニング&サンダー組。

“ザ・マシンガンズ”キン肉マン&テリーマン組。

“ヘルズ・ベアーズ 1号 2号”ウォーズマン&マイケル組。

“マッスルブラザーズ・ヌーボー”キン肉万太郎&キン肉マングレートⅢ組。

 

『この8チームが“究極の超人タッグ”トロフィーを目指し二回戦を闘います! さらに、リザーブ枠としてスペシャルリザーブマッチを勝ち進んだこの1チームも控えております!』

 

“ザ・ナイトメアズ” アシュラマン&チェック・メイト組。

 

『なお、二回戦のカードはこのトーナメント表通りではなく、シャッフルして新たなカードを編成します!』

 

 会場内にどよめきの声が上がる。

 すでに“前回”の流れを知るネプチューンマンのみ驚きがない。

 彼の記憶どおり、ハラボテはさらなる段取りを説明した。

 

『新たなカードの組み合わせ抽選会は明日、午後3時より九段のホテル、グランデ・パレスで行うことをここに発表する! 二回戦進出の8チームは明日は必ず午後3時までに到着するように! 負傷超人であろうと大目には見ん……1分1秒でも遅れればそのチームは失格とする!』

 

 シード組を除き、一回戦で激闘を繰り広げた超人たちの傷はそう浅くない。

 万太郎などはぶつくさ文句を言っていたが、ネプチューンマンは不敵に笑う。

 

「ククク……1分1秒でも遅れれば失格、か」

 

 想定内。

 いや、むしろこの言葉を期待しての計画。

 一回戦は“前回”と同じ組み合わせとなったが、二回戦はそうはいかない。

 

「吐いたツバは飲み込むなよ、宇宙超人委員会」

 

 歴史に必然などという言葉はなく、その結果はやりようによって大きく変わる。

 ネプチューンマンは今、タイムスリップの醍醐味を味わっていた。

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