ネプチューンマン・リビルド “究極の超人タッグ編Ⅱ” 作:速筆魔王LX
「“伝説”
突如、左手を正体不明の鐘に変化させたサンダー。
L字型の木枠に吊り下げられた鐘は叩けばいい音が鳴りそうだが……超人レスリングの試合には不似合いにもほどがあった。
「ヌワヌワ――ッ。本当は先日のスペシャルリザーブマッチにでも乱入して、もっと大勢の前でお披露目してやるつもりだったんだがな――っ」
サンダーはもったいつけるように言う。
その雄々しきライオンマスクからは真意が窺えない。
「ああ――っ! いけないアシュラマン! 今すぐあの鐘を破壊するんだ――っ!」
池の畔から叫んでくるのは、ネプチューンマンだ。
「なに?」
アシュラマンは協力者の声を聞き、しかし怪訝な表情を作ることしかできなかった。
あんな鐘がなんだというのか。
凶器にしてもセンスがなさすぎるし、左手を失ってまで持ち出すものとは思えない。
そんなアシュラマンの様子を見て、ライトニングはコーナーポストの上に立ち言う。
「おや、アシュラマンは知らないのか? こいつは過去の名だたる超人の忌まわしい記憶のデータをインプットした“伝説”破壊鐘。この技を発動したが最後……20世紀の超人は赤子も同然! それは悪魔超人であるおまえとて例外ではない――っ」
ライトニングがジャンプし、空中で身を翻す。
オーバーヘッドキック気味に片足を叩きつけるのは、ライトニングの左手にある“伝説”破壊鐘だ。
『あ――っとライトニング、コーナーから高く舞い上がり……サンダーの左腕の吊り鐘を蹴りで打った――っ!』
リンゴォン!
衝撃で激しく揺れる鐘、そして奏でられる音色。
不忍池の水面が波打つ。
この一撃による変化は、リングの外で起こった。
「ウグワアア~~ッ!」
「ロ……ロビン!」
観戦していた“ジ・アドレナリンズ”のロビンマスクが、突然頭を抱えて苦痛を訴え始めた。
パートナーのテリー・ザ・キッドにはなんの異常もない。苦しんでいるのはロビンだけだ。
すぐそばにいたネプチューンマンは、愕然とした表情で思う。
(し……しまった~~っ! “伝説”破壊鐘のことを失念していた――っ!)
――“伝説”破壊鐘。
それは時間超人が持つインチキギミックのひとつである。
この吊り鐘にはあらかじめ
時間超人はこの20世紀にタイムワープしてきてすぐ、トーナメントマウンテンの頂きでキン肉マンたちを相手にこの“伝説”破壊鐘を発動させている。
(21世紀の未来から来たからなのか、それともタイムスリップ中にさらにタイムスリップするという稀有な体験をしているせいなのか……オレ自身は“伝説”破壊鐘の鐘の音を聞いてもダメージはない! しかし、観戦中のロビンマスクには効果絶大! 試合で負傷したキン肉マンやテリーマン、バッファローマンたちがこの場にいないのは幸いだが……)
“伝説”破壊鐘の発動には事前にデータインプットが必要。
これはトラウマデータに事欠かない伝説超人を狙い撃ちにした技であり、“前回”はザ・マシンガンズや2000万パワーズも被害に遭っていた。
しかし、一部で例外もいる。
「ウアアア――ッ!」
「クワアア――ッ!」
「ミート! カオス! しっかりしろ~~っ!」
ネプチューンマンたちとは離れた位置の観戦席で、ロビンと同じように苦しんでいる超人がいる。
あれはマッスルブラザーズ・ヌーボーと、彼らに肩入れしているアレキサンドリア・ミートくんだ。
苦痛を訴えているのは万太郎を除くふたり。
(キン肉万太郎のそばにいるミート、それにカオスにも影響が!)
非戦闘員だが悪魔超人に肉体をバラバラにされたトラウマを持つミート、そして時間超人に対して強いトラウマを持つカオス――どちらも“伝説”破壊鐘による効果は絶大だった。
(クッ……全員ここから避難させてやりたいところだが、問題は今リングにいるアシュラマンだ! やつは……)
実際に今“
伝説超人ではあるものの、本来ならこの“究極の超人タッグ戦”に現れる予定ではなかった超人。
彼は――
「ウ……ウグワアアアアアア! ヒガアアアアアアア!!」
とんでもなく苦しんでいた。
上段の腕で頭を抱え、中段と下段の腕で身を抱え、まるまるように背を曲げる。
プライドの高い魔界の
(や……やはり“伝説”破壊鐘により悶え苦しんでいる! 悪魔超人とはいえ、アシュラマンも21世紀に名を残す伝説超人のひとり! 時間超人のやつらめ、しっかりとデータをインプットしていたってわけか!)
憎らしいほどに用意周到なり、“世界五大厄”。
いや――あるいは対策することもできたはずの攻撃だ。
ネプチューンマンは己の失策を呪う。
(愚かなのはオレだ! 本来、“伝説”破壊鐘はスペシャルリザーブマッチで“ザ・テガタナーズ”として世界五大厄と闘ったジェロニモが破壊するはずだった……しかし二度目の“究極の超人タッグ戦”である今回、オレはジェロニモとブロッケンJrを気遣うあまり、ふたりが闘わなくてもいいように時間超人どものリザーブマッチ乱入を阻止してしまった。結果、ふたりが傷を負うことはなくなったが……代償として、“伝説”破壊鐘を破壊する機会も逸してしまった!)
“前回”におけるブロッケンJrとジェロニモの功績は大きい。
あの一戦には“伝説”破壊鐘の破壊という大きな意味があったのだ。
(なのにオレはそのことを失念し、アシュラマンに“伝説”破壊鐘のことを伝えるのを忘れてしまった~~っ! 前回同様にジェロニモが破壊してくれているものだと思い込み、ネプチューンマン・テキストに記すことができなかった――っ!)
ネプチューンマン自身はこの“伝説”破壊鐘の発動タイミングに居合わせたことがない。
他にも対策を考えなければならぬ厄介な特殊能力があるため、そちらに気を取られてしまうのは無理からぬことだった。
『あ――っと世界五大厄の奏でる“伝説・破壊鐘”の鐘の音によって、リング上のアシュラマンをはじめ観客席のロビンマスクやミートくんまでもが悶え苦しんでいる――っ!』
観客席の惨状は実況や他の観客にも認知される。
リング上の“世界五大厄”も、客席にいる他の伝説超人を狙う意図があったのだろう。
目の前でうずくまるアシュラマン、池の畔で大絶叫を上げるロビンマスクを見て、サンダーはサディスティックに笑う。
「ヌワヌワ――ッ! 過去のトラウマに苦しみ地獄に沈むがいいわ――っ!」
そう言って、左手の鐘を大きく揺らした。
「ウワアアアアア――ッ!」
「しっかりするんだアシュラマン!」
アシュラマンのパートナーである
が、そんなものはなんの特効薬にもならない。
「これではタッチもできない……いったいどうすれば」
チェック・メイト自身は“伝説”破壊鐘の効果から外れているが、パートナーを救うにはあの鐘をなんとかするほかない。
とはいえリングの外から打てる手はなにもなく、チェックは途方に暮れてしまう。
そんなときだった。
「ミート~~ッ! カオス~~ッ!」
友の悲痛な叫びが、池の向こう側から聞こえた。
「ま……万太郎……!」
マッスルブラザーズ・ヌーボーのチームリーダー、キン肉万太郎。
彼は“伝説”破壊鐘の被害に晒されているらしいカオスとミートを心配するあまり声を荒げているようだった。
いくら万太郎とはいえ、リングの外ではどうすることもできない――が、チェックは彼の顔を見てなにかを思いつく。
「そ……そうか。ならば……一か八か」
思いついてはみたが、それはあまりにも馬鹿げた策だ。
だがこのまま手をこまねいていても仕方がない。
「アシュラマーン!」
チェックは渾身の叫びでアシュラマンの名を呼ぶ。
リング内で苦しむパートナーは、微かにだがチェック・メイトのほうを見た。
一瞬のアイコンタクト。
意思疎通はそれで充分。
「ウ……ウワアアア――ッ!」
次の瞬間、チェック・メイトは叫んだ。
アシュラマンや他の伝説超人と同じように、頭を抱えて苦しみ出す。
『お――っとリングの外にいたチェック・メイトも遅れて苦しみだしたぞ!? “伝説・破壊鐘”によるものか――っ!?』
その様子はまさしく“伝説”破壊鐘の被害そのもの。
発動スイッチが鐘の音である以上、リングの内も外も関係ないのだ。
「ウグワアア~~ッ」
苦しみの声を上げ続けるチェック・メイト。
一方で、“伝説”破壊鐘の使い手であるサンダーは怪訝な顔つきになった。
「なんだぁ~~っ? あいつ、伝説超人でもねえくせに」
破壊鐘の効果があるのは、あくまでも事前にデータをインプットしておいた伝説超人だけ。
新世代超人、そして伝説超人ほどトラウマを抱えていないチェックが苦しむ道理はないはずだ。
だが事実としてチェック・メイトの苦痛はやまず――ついには足を滑らせエプロンサイドから落ちてしまう。
『そ、そしてなんと! 苦しみ悶えるあまり、シノバズ・ポンドへ落下してしまった~~っ』
リングが池の上にあるからこそ、エプロンサイドといえど安全というわけではない。
対戦相手の思わぬアンラッキーに、サンダーは滑稽なものを見るように言う。
「おいおいライトニング、あいつ勝手に池に落ちちまったぜ!」
「ジョワ~~ッ、おそらくはパートナーの苦しむ姿を見て、自分も精神がまいってしまったのだ。21世紀ではよくある病気さ」
超人とて精神疾患はあるのだ。若いからこそメンタル面がデリケートだったのだろう。
「ウガ――ッ!」
チェック・メイトの戦線離脱をどう思ったか、アシュラマンは取り乱しながら前に走り出す。
『リング上のアシュラマン、パートナーの救出どころではないか――っ!? “破壊鐘”の鐘の音を止めるべくサンダーに挑みかかる~~っ』
形もなにもない、ただ突っ込むだけの突撃。
こんなもの、サンダーにとっては造作もない。
「そんな苦し紛れの攻撃が当たるか~~っ!」
『サンダーのビッグブーツがアシュラマンを押しのける――っ』
蹴飛ばされたアシュラマンは無様にダウン。
だがすぐに立ち上がり、頭を振りながら六本腕による攻撃を繰り出した。
「あ……阿修羅六道蓮華――っ!」
6本分の手数を持つアシュラマンならではの不規則なパンチ・ラッシュ。
通常なら見切ることは難しい連撃だが、今の状況では見切るまでもない。
サンダーはただ左手を前に構えた。
『あ――っとサンダー、左手の鐘を盾として突き出し……アシュラマン本人に自身が苦しむ鐘の音を叩き出させた――っ!』
リンゴォン!
アシュラマンの阿修羅六道蓮華は“伝説”破壊鐘を叩いてしまい、苦痛の源となる鐘の音が鳴り響く。
彼の脳裏に蘇るのは、忌まわしきトラウマの数々。
黄金のマスクをめぐる闘いにおけるキン肉マン戦での敗北、“夢の超人タッグ戦”で相棒のサンシャインが殺された光景、子供の頃優しくしてもらった家庭教師サムソン・ティーチャーが自分を助け激流に流されていく様……伝説超人の中でも、アシュラマンの精神的古傷は数多い。
「ウグワア――ッ!」
『アシュラマン、うずくまり絶叫~~っ』
もはやこれ以上の抵抗は不可能だった。
立ち上がることすらできなくなったアシュラマンを前に、サンダーは試合開始直後の鬱憤を晴らそうと迫る。
「ヌワ~~ッ、さっきはずいぶん調子に乗ってくれたな! こっちは最初から遊んでるつもりだったってのによ~~っ!」
狙いは頭部。
サンダーはフリーキックでもするような所作で足を繰り出した。
何度も、何度も、何度もだ。
『サンダー、サッカーボールキックでアシュラマンの頭を蹴りまくる――っ!』
試合などとは呼べない一方的な攻撃。人間の格闘技なら即座にストップがかかるだろう凄惨さだ。
血反吐を吐くアシュラマンを見て、この試合中まだ“伝説”破壊鐘を蹴りつけるくらいしかしていないライトニングが言う。
「ジョワジョワ。ほどほどにしておけよサンダー。フィニッシュはアレでいくんだからな~~っ」
「わかっているぜ兄弟! だがこいつは顔が3つもある! 2つくらい潰したって構わねえだろ!」
さあ、真っ先に潰れるのは笑い面か? それとも怒り面、あるいは冷血面か!?
サンダーの蹴りはより一層苛烈さを増していく。
『こ……これは早くも決着か~~っ!?』
チェック・メイトは池の底、アシュラマンは戦闘不能、ザ・ナイトメアズに残された手はない。
誰もが早くゴングを鳴らしてやれよと思った、そのときだった。
リングのすぐそばで、水しぶきが飛ぶ。
『あ――っとなんだ!? 水面から突如、無数の煉瓦片が舞い上がってきたぞ――っ!?』
サンダーは一度攻撃をやめ、実況が言う煉瓦片とやらに視線を向ける。
まさしく煉瓦片だ。建築材料にしか思えない石の塊が十個はあるだろうか。
そんなものが不忍池の中から飛び出て、現在はリングを囲うように宙に浮いている。
「なんだこりゃ~~っ? いったいなにがどうなっていやがる」
ここはオカルトブームが全盛だった20世紀。もしや怪奇現象というやつだろうか?
その方面に明るくないサンダーは対処に困り――生じた隙に『カチ』という音が鳴った。
「カチ?」
音はすぐ耳元から聞こえた。
わずかに首を動かすと、左肩にチェス駒のようなものがくっついている。
いや、紛れもないチェス駒だ。種類はたしか――ポーン。
そのチェス駒と、サンダーの頭が。
ズズズ……と体の中に引っ込んでいく。
『あ――っとサンダーの頭がまるで亀のように引っ込み、左肩から出てきた――っ! そして本来頭のあった位置には鉄兜を被った別の頭が生えてくる――っ!』
サンダーは亀ではなく獅子だ。首を引っ込めることなどできない。だが実際そうなっている。
変化はそれだけでは終わらない。
『さ……さらにサンダーの体が西洋の騎士甲冑のようなものに包まれ……しかし下半身はチェス駒の土台のような形に変化してしまった~~っ!』
兵士のような姿に変身を遂げるサンダー。
上半身は格好いいが、下半身がチェス駒そのまんまでどうにもおもちゃ感が漂ってしまう。
「な……なんだこれは――っ!?」
本人もこの変身は意図的ではないのか、滝汗を流しながら驚きを見せる。
いくら時間超人とはいえ、自分の体が勝手に変身などしたらそうもなろう。
『そしてここで、宙を舞っていた煉瓦がひとつに集まり……人の形になっていく――っ』
集合する煉瓦片。
それらはヒト形に組み合わさり、すぐに見慣れた姿となった。
『こ、これは池に落ちたはずのチェック・メイトだ――っ!』
体の質感は煉瓦そのままだが、左肩には紛れもないチェック・メイトの頭があった。
右肩には騎士の駒である馬の意匠、そして首の位置には、普段は左肩にあるはずの城が来ている。
これぞ、両肩のチェス駒を中央の頭部と入れ替えることで戦闘モードを一変させるチェック・メイトの技“チェス・
現在は堅牢なレンガボディが特徴の“
「寝ている暇はありませんよ、アシュラマン!」
チェック・メイトはうずくまるパートナーを叱咤し、右肩に備え付けられたスイッチを押す。
「チェス・駒・チェンジ!」
右肩の“
右肩に“王様”、中央に“馬”、左肩に“城”が来たこの姿は、“馬”形態。
レンガボディは失うが、代わりに下半身が馬のごとき四本脚になる。
パートナーが“
チェック・メイトも自身の言いたいことが伝わったと信じ、ふたり同時に飛ぶ。
「タァ――ッ!」
「スラ――ッ!」
『
ポーン駒に変身したサンダーの真上を取るザ・ナイトメアズ。
チェック・メイトは馬の前足をキャンバスに向け、降下体勢に入る。
「馬式誉れ落とし――っ!」
『これはチェック・メイトの
本来は空中に投げ出した相手の足裏に馬の前足を合わせ首から落とす技。
しかし今、チェック・メイトは単独で飛んでおり攻撃対象を補足できていない。
ミスではない。
これはキャンバスにいるサンダーを標的とした変形“馬式誉れ落とし”なのである。
いや、より正確には――
「逃げろサンダー! やつらの狙いは“伝説”破壊鐘だ――っ!」
ライトニングが叫ぶ。
そう、狙いはサンダーの左腕。
その先端に位置している“伝説”破壊鐘だ。
「おう!」
身動きを封じられていないこの状況でそんな大技が当たるか、とサンダーは相棒の警告に応える。
回避行動として、ぴょん、と前に跳ねた。
距離にして1メートル動けたかどうかといった回避だった。
「なんだと~~っ!? 一歩しか動けねえ!」
連続して移動することもできない。
これではまるで――変身しているチェス駒そのまんまではないか。
「あなたが変身しているのはチェスの
この変身にそんな意味があったとは!
驚愕するサンダーは、さらにチェック・メイトの発言の中にあったあるワードに危機感を感じ取る。
「ツープラトンだと~~っ!?」
馬式誉れ落としはシングル技のはずだ。
だが今、チェック・メイトの上には――同時に飛び上がったアシュラマンの姿がある。
チェック・メイトが馬の姿になっているのをいいことに、アシュラマンはその背に腰を下ろした。
フリーになっているチェックの両手をアシュラマンの下段の両手が掴み、振り落とされぬよう姿勢を制御する。
その様はまるで、華麗に手綱を引き馬を駆る王族のごとく。
『あ――っとアシュラマンが馬式誉れ落とし発動中のチェック・メイトの背に騎乗! これはリザーブマッチでビッグ・ボンバーズに見せた技の対シングル仕様か――っ!?』
チェック・メイトの必殺技・馬式誉れ落としにアシュラマンの体重を上乗せした合体技。
まさしくツープラトンと呼ぶに相応しい、ザ・ナイトメアズが繰り出すこの技の名は――
「“悪”馬式誉れ落とし――――っ!!」
馬体となったチェックの前足が、サンダーの忌まわしき吊り鐘を捉えた。
『アシュラマンを乗せた、まさに“悪馬”とでもいうべきチェック・メイトの巨体が、伝説破壊鐘に重くのしかかり……』
吊り鐘はザ・ナイトメアズのふたりとリングキャンバスによってサンドイッチにされ、ビキビキとヒビが走る。
極限を超えた重量とそこから生じる衝撃により、鐘は音を鳴らすどころではない。
“前回”ではジェロニモの命を削った“アパッチの断末魔”、そしてイリューヒンとバリアフリーマンが残した超音波式ボイス・レコーダーの合わせ技で、ようやく完全破壊にいたった“伝説”破壊鐘が――
『今、粉々に砕け散った――っ!』
跡形もなくなった左手を見て、今度はサンダーが苦悶の表情を浮かべる。
「ヌワ――ッ!」