ネプチューンマン・リビルド “究極の超人タッグ編Ⅱ”   作:速筆魔王LX

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第093話 開戦!そして衝撃の審判!!

 開戦直前、ハラボテ・マッスルがルールについて説明する。

 

『この試合は時間無制限三本勝負! つまりいずれかのチームが二本先取、あるいは相手チームの両者を共に完全なる“戦闘不能状態”に追い込んだ場合にのみ決着がつくものとする!』

 

 先に行われた“宇宙超人タッグ・トーナメント”決勝、そしてネプチューンマンが本来たどる予定だった“前回”の歴史で予定されていた決勝と同じ三本勝負。これは超人タッグ・トーナメントの伝統だ。

 補足するべきはその一点のみ。

 あとは皆が期待するまま、力と技をぶつけ合うのみ。

 

『“究極の超人タッグ戦”決勝戦開始――っ!』

 

 ハラボテは手に持った木槌でゴングに会心の一撃を叩き込んだ。

 

『さあ今、“究極の超人タッグ戦”決勝戦開始を告げる運命のゴングが鳴る~~っ!』

 

 実況が、観客が、伝説超人(レジェンド)が、新世代超人(ニュージェネレーション)が、トーナメント・マウンテンの麓から決勝ウォーキューブを見上げるすべての人々が一気に盛り上がった。

 ついに始まる“究極の超人タッグ戦”最後の一戦。

 その華々しい先発を務めるのは――

 

新星(ノヴァ)・ネオ・イクスパンションズの先発はネプチューンマン、ザ・坊っちゃんズ(ヤングマスターズ)はケビンマスクが出るようだ――っ』

 

“新星・ネオ・イクスパンションズ”はチームリーダーのネプチューンマン。

 対し、“ザ・坊っちゃんズ”はブランクのあるケビンマスクが出る。

 

「我が終生のライバルの息子とはいえ、初対戦の超人には違いない。となれば、初手はやはりこれでいかせてもらう――っ」

 

 ネプチューンマンはケビンに対して真っ向から突っ込み、グワッと両腕を突き出す。

 ケビンも引かず、同じく両腕を突き出して対抗した。

 腕と腕が掴み合い、組みの状態となる。

 

「審判のロックアップ――ッ!」

 

『ネプチューンマンとケビンマスク、リング中央でガッチリ組んだ――っ!』

 

 ある時はジェイドに、ある時はマンモスマンに、ある時はサンダーに繰り出してきた、ネプチューンマンお得意の“審判のロックアップ”。

 組み合った超人の力量を瞬時に査定することが可能なこの技こそ、決勝戦の開幕に相応しい。

 

「おお――っ。感じるぜ、ロビン王朝(ダイナスティ)のパワーを。まるでロビンマスクの生き写しのようだ――っ」

 

 かつてはロビンマスクとも“審判のロックアップ”で組んだことがあるネプチューンマン。

 彼の息子であるケビンマスクから感じられるパワーはまさにロビン王朝の証。

 目を瞑ってみれば、今組み合っているのがロビンマスクそのものと錯覚してしまいそうだ。

 

「グググ……」

 

 喜びを噛みしめるネプチューンマンとは対照的に、ケビンマスクはつらそうだった。

 

「しかし」

 

 そんなケビンの様子を感じ取ったネプチューンマンは、拍子抜けしたような声を漏らす。

 

「こんなものか?」

 

 グググ……とケビンの腕を掴む手に力を込め、肉を握りつぶさん勢いで押し込む。

 ケビンは元完璧(パーフェクト)超人ならではのフィジカルに圧倒され、体を支える2本の脚が震え始めた。

 

『お――っとケビンマスクの腰の位置がどんどん低くなっていく――っ! これはネプチューンマンのパワーに押されているのか――っ!?』

 

 審判のロックアップの最中に力負けすることは、すなわち圧殺によるKOを意味する。

 ついに世紀の一戦が始まったというのに、いきなり一本目を取られるわけにはいかない。

 

「こ、これしきの力押しなど~~っ」

 

 ケビンマスクはぷるぷると震える脚に気合いを込め、なんとか持ち直そうとする。

 ネプチューンマンもそれに対抗してさらにパワーを込め――

 

「フン」

 

 ――ると思いきや、腕を横に振るってケビンの体を突き放した。

 

『あ――っとどうしたネプチューンマン!? 自らロックアップを解除したぞ!?』

 

 ネプチューンマンとケビンマスクの間に距離が生まれる。

 ケビンマスクはネプチューンマンの狙いがわからず、警戒。

 ネプチューンマンはケビンに次なる攻撃を仕掛けるでもなく、ただ立つ。

 この状況には、コーナーで待機する万太郎も困惑した。

 

「あのままケビンマスクを潰せそうな勢いだったのに……なぜ!?」

 

 警戒と困惑の“ザ・坊っちゃんズ”。

 ネプチューンマンはその場で振り返り、彼らに対して背中を向けた。

 

「審判は下った」

 

 相手に背中を向けた状態で闘う超人レスラーはいない。

 つまり今のネプチューンマンは戦闘態勢になかった。

 なぜならば――

 

「ケビンマスクよ。今のおまえはオレが相手をするに値しない。とんだ期待外れだ」

 

「な……」

「なにィ~~ッ!?」

 

 突きつけられた言葉に、万太郎とケビンマスクが驚愕の声を上げる。

 ネプチューンマンは依然ふたりに背を向けたまま、腰に両手を当て外の風景に目をやる余裕を見せた。

 

『これはネプチューンマン、戦意喪失か!? それとも挑発なのか!? ケビンマスクの実力不足を指摘し、偉そうにノーガードでふんぞり返っているぞ――っ!』

 

 ネプチューンマンの思いもよらない行動には、万太郎やケビンだけでなく全観衆が驚きを示している。

 そんな中で、ひときわ大きな反応を示したのがこの男である。

 

「あ、ああ……あああ~~っ!」

「ど、どうしたんじゃロビン!?」

 

 鉄仮面の表面を冷や汗まみれにするロビンマスクに、キン肉マンが心配して声をかけた。

 ロビンは訥々と語り始める。

 

「お……同じなんだ。第20回超人オリンピック、イギリス予選大会決勝のときと。あのときはまだ喧嘩男(ケンカマン)と名乗っていたやつは、対戦相手である私と審判のロックアップで組み合い……たったそれだけで私の実力のほどを把握、勝利を確信し、同時に私のような弱者がもてはやされる超人レスリング界に失望し試合を放棄した!」

 

 記念すべき――とは、とても言えない。

 ロビンマスクにとっては、“忌まわしき”ネプチューンマンとのファーストコンタクト。

 さあこれから愛する祖国イギリスの代表を決めようじゃないかというところで突きつけられた実力不足の宣告、そして試合放棄のトラウマは、先に行われた“宇宙超人タッグ・トーナメント”で彼と再会するそのときまで、ロビンマスクの記憶に残り続けた。

 

「当時の私はこのうえない屈辱を味わったものだ……まさかそれが、我が息子ケビンマスクに返ってくるとは~~っ」

 

 試合中にもかかわらずリング上で放置された我が子の気持ちを思えば、ロビンは気が気じゃない。

 ロビンの話を受け、キン肉マンとテリーマンは言う。

 

「し、しかしここで試合放棄なんぞしたらそれこそ黄金のトロフィーを引き抜くことはできなくなってしまう。いくらネプチューンマンでもそんなことはせんじゃろう」

「キン肉マンの言うとおりだ。だがこれは超人オリンピック予選のときとは違い、タッグマッチ。試合放棄はせずとも、ケビンマスクとの対決を拒むことはできる」

 

 マシンガンズのふたりが言うとおり、ネプチューンマンも試合を投げ出すつもりはないようだ。

 退屈そうに耳の穴を指でほじるという態度の悪さを見せ、クイッと顎で奥の万太郎を指した。

 

「とっとと後ろの万太郎に代われ。おまえのような雑魚とじゃれあっていては、黄金のトロフィーが退屈しちまうぜ」

 

 言いたい放題言われ、ケビンマスクの拳がわなわなと震えた。

 

「オ……オレは……オレは雑魚じゃねえ!」

 

『ケビンマスク、突っ込んだ――っ!』

 

 体を横に倒し、キャンバスに手をつけ回転。

 そこから腕で跳躍し、飛びかかるように蹴りを放つ。

 

『華麗な側転からのあびせ蹴りだ――っ!』

 

 ネプチューンマンは表情を変えず、半歩ほど身を引く。

 たったそれだけの動作を行い、ケビンマスクの蹴りを鼻先で回避した。

 

『あ――っとしかしネプチューンマン、最小の動きでこれを回避! ケビンマスクのあびせ蹴りが空を切る――っ!』

 

「全身の筋肉がゆるゆるに弛緩し、勝負勘も鈍っている。だからあびせ蹴りの間合いを見誤ったりなどするのだ――っ」

 

 ケビンマスクはあびせ蹴りの失敗から体勢を立て直そうとする。

 ネプチューンマンはその隙を見逃さず、無防備な右腕を両腕でキャッチした。

 

『ネプチューンマン、ケビンマスクの腕を取りロープに振った――っ』

 

 ロープに振られ、しかし寸前で踏みとどまってみせるケビンマスク。

 

「ク……喧嘩(クォーラル)ボンバーか!?」

 

 ネプチューンマンが打撃技で攻めてくると予想し、その場でガードポジションを取る。

 

「読みも冴えちゃいねえな――っ」

 

 ケビンをロープ際に追いやった目的は、喧嘩ボンバーではない。

 ネプチューンマンは大きくジャンプし、ケビンの頭を飛び越えロープの外側まで躍り出る。

 その際にケビンの両手首を掴み、両足は首に引っ掛けてぶら下がり状態に。

 間にロープが挟まれているためケビンはリング外へ転落することができず、またネプチューンマンもケビンの首に全体重をかけることが可能なこの技こそ、48の殺人技のひとつ。

 

「掟破りの超人絞殺刑――っ!」

 

『こ、これはキン肉マンの得意技、超人絞殺刑だ――っ!』

 

 この“究極の超人タッグ戦”でも披露されたことがある、キン肉マンの代表的ロープワーク・サブミッションだ。

 

「グム~~ッ! ネプチューンマンのやつ、これまでにもロビン・スペシャル、アルティメット・スカー・バスター、スクリュー・ドライバーなど様々な掟破り技を繰り出してきたが、とうとうわたしの48の殺人技まで出してきおった」

 

 実のところ超人絞殺刑をネプチューンマンが仕掛けるのは初めてではない。

 すでに失われた過去である“前回”、彼は時間超人ライトニングに対しこの技を使用している。

 そのときの経験が見様見真似技の精度を上げ、ケビンマスクを追い詰める。

 

「どうだ効くだろう? おまえのパパを散々苦しめてきたキン肉マンの技は。万太郎に技のカットを願い出てはどうだ?」

「ぬ……ぬかせ~~っ、これくらいオレひとりの力でなんとかしてみせる~~っ」

 

 超人絞殺刑は別名アルティメット・デスペナルティとも呼ばれるほどの究極の関節技。

 完璧に極まってしまえば脱出は不可能……だというのに、ケビンマスクはあろうことかそれを力技で振り解こうとしていた。

 

「ウオオオ――ッ!」

 

 全身を輝かせ、ネプチューンマンにも負けないほどの腕力を発揮。

 まずは首にかかっている足を外そうと、のけぞってしまっている上半身を元に戻そうとした。

 

「おいおい……こんな序盤から大渦(メイルストローム)パワーか? 必死さが窺えるなぁ」

 

 ケビンマスクが見せるこの輝きの正体は、ロビン王朝の者だけが持つといわれる大渦パワー。

 キン肉一族の火事場のクソ力と同じく、土壇場の窮地で発揮される力のはずだ。

 なのに早々に出してきたということは、つまりケビンマスクがそれだけ追い詰められているということ。

 

「必死にもなるさ! オレの勝負勘が鈍っていることを抜きにしても、相手はあの伝説超人ネプチューンマン! 出し惜しみなどしていては、あっという間にキャンバスに沈められてしまう!」

 

“究極の超人タッグ戦”最後の試合ともなれば、一瞬の判断ミスも許されない。

 後悔してからでは遅い、だからこそケビンはパワーを振り絞る。

 

「テイタァ――ッ!」

 

 両手首のクラッチを切り、より自由になった上半身を一気に前へ倒す。

 その反動で、首に足をかけていたネプチューンマンの体が舞い上がった。

 

『な、なんとケビンマスク! 大渦パワーなるものを発揮し、首の力だけでネプチューンマンの超人絞殺刑を退けた――っ!』

 

「クッ!」

 

 空中で体勢を立て直そうとするネプチューンマンを見て、ケビンマスクの双眸が怪しく光る。

 

『場外に放り投げられたネプチューンマンの両肩をロープ越しに両足で封じ込め、さらに余っている腕で両脚もクラッチしていく――っ!』

 

 超人絞殺刑が首と手首を極める技ならば、ケビンマスクが仕掛けたこの技は両足と両肩を極め、全身をのけぞらせる。

 これぞケビンマスクが得意とする21世紀の斬新な技(ノヴェルホールド)

 

「ロイヤル・ストレッチ――ッ!」

 

『こ……これはお見事! 超人絞殺刑に勝るとも劣らない、21世紀の未来型ロープワーク・サブミッションだ――っ!』

 

 四肢を封じられては身動きが取れず、間にロープを挟んでいるため2人分の体重がパワーに加算されている。

 さすがのネプチューンマンも即座の対応は難しく、鮮やかな逆転劇を許す結果となった。

 

「やるじゃねえかケビンマスク!」

「さすがロビンマスクの息子!」

「こいつぁおもしろくなってきた!」

 

 観客たちが口々にケビンマスクの美技を褒め称え、その名を唱え始める。

 

『さあ客席からはケビンコール! 入場時の胡乱な眼差しはどこへやら、華麗なる美技に30万人が酔いしれております!』

 

 久方ぶりのファンコールを耳にすれば、否が応でも燃え上がるのが超人レスラーというもの。

 ケビンマスクは両手両足に力を込め、クラッチをより盤石なものにする。

 

「どうだネプチューンマン! おまえこそ、パートナーに技のカットを願い出るべきなんだ――っ!」

 

 立場が逆転したケビンマスクは威勢よく言い放つが、

 

「グフフ……」

「な、なにがおかしい!」

 

 ネプチューンマンは薄気味悪い笑みを浮かべるだけ。

 もちろん相手チームのクロエも動いたりはしない。

 

「笑わせるんじゃねえよ。超人絞殺刑のカウンターとしてロイヤル・ストレッチを繰り出したことはさすがの一言だが……悲しいかなパワーが追いついていない。明確に落ち込んでしまった筋肉量が、こういった関節技の強度を下げてしまっている――っ」

 

 今まさにロイヤル・ストレッチをかけられているというのに、その拙さを指摘するネプチューンマン。

 長期間のブランクにより筋肉量が落ち込んでいるのは確かだが、関節技というものは筋肉でかけるものではない。

 

「し……しかし大渦パワーならば」

 

 そう、その上ケビンマスクは大渦パワーを発動させているのだ。

 かつてはイリューヒンや万太郎、ボルトマンなど数多くの強豪超人を破るのに役立ってきたこの奥の手があれば――

 

「大渦パワーにしても火事場のクソ力にしても、すべてを覆せる万能のパワーというわけではない! おまえたちふたりにはその現実を叩き込んでやる!」

 

 ネプチューンマンは勇ましく言い、両腕にさらなる力を込めた。

 

『なんとネプチューンマン、両腕のパワーでケビンマスクの両足によるクラッチを切った!』

 

 難攻不落のロイヤル・ストレッチに綻びが。

 衝撃の事態はケビンマスクの動揺を誘い、連鎖的に隙を作り出す。

 

『さらにケビンマスクの両脇に極められた両脚も抜き……ロイヤル・ストレッチから完全脱出!』

 

 自由の身となったネプチューンマンはリング内に着地。

 一方のケビンマスクは場外に落下し、仰向けに倒れた。

 ネプチューンマンはすぐさまトップロープに登り、ケビンめがけてダイブする。

 

『そして……場外に投げ出されたケビンマスクに、ラ・ケブラーダだ――っ!』

 

 スペイン語で“入水自殺”を意味するムーンサルト・ダイブで、ケビンマスクを押しつぶす。

 かつてイギリス・テムズ川に身を投げたことがある彼のフォームは堂に入っていた。

 

「グフォッ」

 

 ラ・ケブラーダの直撃を受け、ケビンマスクの動きが完全に停止する。

 

「ケビーン!」

 

 悶絶する相棒を救おうと万太郎が走るが、ネプチューンマンの行動は早い。

 

「おっと、このままリングの外でオネンネされるわけにはいかねえ」

 

 横たわるケビンを両腕で頭の上まで持ち上げ、リング内へ投げ入れる。

 

『ネプチューンマン、ケビンマスクを豪快に放り投げリングの中央に戻す――っ!』

 

 ケビンの体はキャンバスの上で弾み、リング中央まで転がった。

 

「グウウ……」

 

 リングに戻されても、すぐには起き上がれない。

 ただ喉から苦悶の声を絞り出すだけだった。

 

『ケビンマスク、まるでまな板の上の鯉! やはり2週間もの間クリアベッドの中で肉体消滅の危機に瀕していた代償は大きかったのか――っ!?』

 

 ネプチューンマンもリングに戻るが、ケビンが起き上がらないと高を括っているのか動きが遅い。

 

「どうだ万太郎? そろそろタッチのタイミングじゃないか?」

 

 言いながら、エプロンサイドの万太郎を見やる。

 

「…………」

 

 万太郎の反応は沈黙。

 ケビンマスクを心配そうに見つめながらも、まだ手は差し伸べない。

 それが“ザ・坊っちゃんズ”チームリーダーの判断だった。

 

「フッ、そうかい。ならこっちも考えがあるぜ」

 

 ネプチューンマンは口元で笑みを作り、ゆったりと歩き出す。

 

『さあ、ケビンマスクに続きリングに戻ったネプチューンマン、追い打ちをかけるか――っ!?』

 

 じりじりと詰まっていく両者の距離。

 ケビンマスクはなんとか立ち上がろうとするが、上半身を起こした頃にはネプチューンマンはもうすぐそこまで迫っていた。

 体勢の整っていない状態では満足な攻防はできない――が、それは無用な心配となった。

 

『い、いや! なんと横たわるケビンマスクの前を素通り! 向かっていく先は……』

 

 実況の言うとおりネプチューンマンは隙だらけのケビンに手を出すことをせず、自陣のコーナーへ向かっていく。

 その先に待ち構える“新星・ネオ・イクスパンションズ”の片翼、クロエに手を差し出すためだ。

 

「交代だ、クロエ」

「了解」

 

 ネプチューンマンとクロエの掌がパンっと合わさり、お互いの位置が入れ替わる。

 すなわち、ネプチューンマンがリングアウト、クロエがリングインという形で。

 

『ク、クロエだ――っ! 圧倒的優位に立っていたネプチューンマン、ここで謎の新パートナー・クロエにバトンタッチ! 絶不調のケビンマスク相手に、いったいどのような闘いを見せるのか――っ!?』

 

 追撃のチャンスを棒に振り、クロエに交代するというネプチューンマンの判断にはどういう意図があるのか。

 観衆が困惑する一方で、しかしケビンマスクはその意図を正しく理解していた。

 

「ク、クロエ……」

 

 目の前に立つのは、共に超人オリンピック・ザ・レザレクションを闘い抜いた盟友。

 そして、自分に数々の技を託してくれた超人格闘技の師匠。

 知る人ぞ知る師弟対決が、ついに実現されようとしていた。

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