ネプチューンマン・リビルド “究極の超人タッグ編Ⅱ”   作:速筆魔王LX

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第099話 掟破り!?まさかのクロス・ボンバー合戦!!

 バスター・バリエーションPART5。

 (ネオ)キン肉バスターやサイドキン肉バスター、タッグ技ではマッスル・ドッキング、変わり種では口裂けキン肉バスターなど数多くのバリエーションを持つキン肉バスターシリーズ、その5番目に位置づけるのがこの技だ。

 

『反撃のツープラトンが炸裂~~っ! その名はバスター・バリエーションPART5! ザ・坊っちゃんズ(ヤングマスターズ)の合体バスターがウォーズマンを切って返した――っ!』

 

 ふたりがかりで放つキン肉バスターは、両大腿部と首のフックをより強固なものにしている。

 ゆえに単独で返すことは不可能。

 あのロビンマスクに深手を負わせ、ビッグ・ザ・武道の正体を暴いた強力ツープラトンがウォーズマンにクリティカルヒットした。

 同じ技を使ったことがあるキン肉マンとテリーマンはダウンしたウォーズマンを見て言う。

 

「まさかネプチューンマンに続き、ウォーズマンまでキン肉バスターをくらってしまうとは!」

「キン肉バスターはウォーズマンにとって超人オリンピックの優勝を落とした因縁深い技! 肉体だけでなく精神的なダメージも激しいはずだ――っ!」

 

 この試合におけるキン肉バスターの被害は甚大。

 なにせついさっきネプチューンマンがKOをもらい一本先取されている。

 

「ウォーズマン、立ち上がれるか?」

 

 ネプチューンマンはよもや相棒も自分と同じ末路をたどってしまうのではないかと危惧した

 だがウォーズマンはすぐに反応を示し、悲鳴を上げているはずの体を無理やり叩き起こす。

 

「あ……相棒に立ち上がれるかと問われ……立ち上がれないと答えるわけにはいかぬ~~っ」

 

『ウォーズマン、執念で立ち上がった――っ!』

 

 渾身のツープラトンをくらいながら立ち上がってきたウォーズマンに、しかし“ザ・坊っちゃんズ”は落胆を見せない。

 

「ウォーズマン。そういえば、オレはまだあんたの仮面の下の素顔ってやつを拝んだことがなかったな」

 

 ケビンマスクは仮面の裏側で邪悪な笑みを浮かべる。

 

「万太郎! もう一度マスク狩りといこうぜ! 今度はクロエではなくウォーズマンの仮面を剥ぎ取ってやる――っ!」

「おっしゃー!」

 

 ケビンが左腕を掲げ、万太郎はウォーズマンの後ろ側に回り込む。

 ターゲットを間に挟み、適度に距離を取ったこの構図は――

 

『万太郎にケビン、ウォーズマンを挟みクロス・ボンバーの体勢に入る――っ!』

 

 本日2回目のクロス・ボンバー。

 しかもその意図はマスク狩りだという。

 ザ・坊っちゃんズの容赦ない攻勢に、ジェイドとブロッケンJrの師弟がまさかと驚きをあらわにする。

 

「なんてやつだ! あいつ、実の師匠であるウォーズマンの仮面を狩るつもりか!?」

「ロボ超人であるウォーズマンは素顔にコンプレックスを持っているってのに、とんでもねえバカ弟子だ!」

 

 恩を仇で返すとはまさにこのこと。

 観衆はケビンマスクのバッドボーイっぷりに戦慄した。

 このままウォーズマンは一試合に二度もマスクを狩られてしまうのか――誰もがそう思った、そのときである。

 

「ん?」

 

 ウォーズマンの背後を陣取っていた万太郎が怪訝な顔をする。

 それというのも、背中を向けていたウォーズマンがこちらに振り向き真似るように左腕を掲げたからだ。

 さらにその左腕からは複数本の光の管が伸び、万太郎の体を貫通する。

 

『い……いや! そうは問屋が卸さない! 万太郎の体をウォーズマンの左腕から伸びる光の管が通過し……その先にはネプチューンマンが構えている! こ、これは~~っ』

 

 いつの間にか万太郎の背後に忍び寄っていたのは、ネプチューンマン。

新星(ノヴァ)・ネオ・イクスパンションズ”が、オプティカルファイバー・パワーで万太郎を捕らえている。

 ウォーズマン自身が万太郎とケビンのクロス・ボンバーの標的となっている、この現状でだ。

 

『リング上ではネプチューンマン、万太郎、ウォーズマン、ケビンマスクが一列で並んだ! ま、まさかこの形のままそれぞれ相手チームにクロス・ボンバーを放とうというのか~~っ!?』

 

 実況が現在の状況を的確に伝え、観客たちもヒートアップ。

 

「クロス・ボンバー合戦だ。どうするザ・坊っちゃんズ。受けてみるか?」

 

 まさかこの熱狂の中で盛り下がることはすまい、という確信のもと、ネプチューンマンは問う。

 

「もちろん!」

「上等だ!」

 

 万太郎とケビンが威勢よく答え、そして。

 クロス・ボンバー対決が幕を開ける。

 

「ボクらのがスタートが早い! 日英クロス・ボンバー!」

「本家にかなうものか! オプティカルファイバー・クロス・ボンバー!」

 

『4人一斉にスタートを切った――っ!』

 

 スタートを切り、接触はすぐ。

 真っ先に快音を鳴らしたのは、内側にいたふたりだった。

 

『まずは内側にいた万太郎とウォーズマンが互いのボンバーを打ち付け合う――っ!』

 

 万太郎がウォーズマンに、ウォーズマンが万太郎に、互いの喉元にボンバーを叩きつけ、一旦停止。

 その隙に外側のふたりが襲来。

 

『さらにそのふたりを挟み込むように、外側からネプチューンマンとケビンマスクがボンバーを仕掛けた――っ!』

 

 万太郎とウォーズマンの首裏にボンバーが突き刺さる。

 肉が肉を打ち、骨が骨を砕く四重奏。

 リングの中央で4人の超人が重なり合った。

 

『今大会最大級のビッグバン・コリジョン! 衝突の結果は~~っ!?』

 

「万太郎――っ!」

「ケビーン!」

 

 クロス・ボンバー合戦という凄絶極まる攻防に、キン肉マンもロビンマスクも思わず我が子の名を叫んだ。

 そして、ついに衝突の結果がリング上に表れる。

 ふたりの超人が倒れたのだ。

 そのふたりとは――

 

『あ――っと当然と言えば当然、立っているのは列の外側にいたネプチューンマンとケビンマスク……内側にいた万太郎とウォーズマンはキャンバスに伏している――っ!』

 

 クロス・ボンバーは本来、外側からふたりがボンバーを仕掛け内側にいるふたりを挟み込む技。

 万太郎とウォーズマンが倒れるのはあたりまえのことだった。

 

『中でもダメージが大きいのは万太郎か――っ!?』

 

 倒れているのは同じだが、わずかに動いているウォーズマンに対し、万太郎はピクリともしない。

 ネプチューンマンはこの結果が初めからわかっていたように口角を上げる。

 

「そりゃそうだろう。オプティカルファイバー・パワーに射竦められ、動きが鈍化しては棒立ちも同然。その状態で満足なクロス・ボンバーなど放てるはずがなく、おかげで我がパートナーのウォーズマンへのダメージは軽度で済んだ」

 

 そう、万太郎はオプティカルファイバー・パワーによって動きを制限されていたのだ。

 試合序盤のケビンマスクのように足が宙を浮くまではいかなかったが、満足に助走できずウォーズマンへのボンバーは威力不足となったはず。

 

「グウ~~ッ」

 

 ケビンマスクは倒れ伏す万太郎を見下ろし、悔しそうに唸る。

 

「グフフ……はからずともオレとおまえの英英クロス・ボンバーのような形になってしまったなぁ、ケビンマスク」

「こ、このジジイ~~ッ」

 

 ネプチューンマンはお得意のトークでケビンマスクの怒りを誘い、生じた隙はパートナーが突く。

 

「油断大敵だぜ、ケビン!」

 

 ダウンしていたウォーズマンがガバっと起き上がり、ケビンの足に手を伸ばした。

 

『お――っとウォーズマン、ケビンマスクの足をすくった――っ』

 

 不意打ちをくらったケビンマスクは転倒。

 ウォーズマンはすぐにその身を持ち上げ、頭の上まで運ぶ。

 股ぐらに右腕を差し込み、片腕で抱える形で飛び上がった。

 

『ウォーズマン、そのままケビンマスクをワンハンド・スピン・スラムの体勢に担ぎ上げ空高く上昇!』

 

 すぐに投げないのは、これがツープラトンのセットアップだからだ。

 

『ネプチューンマンも倒れている万太郎をワンハンド・スピン・スラムの体勢に担いだ!』

 

 ウォーズマンは上、ネプチューンマンは下、互いがワンハンド・スピン・スラムの体勢で構え、視線を合わせる。

 ツープラトンの極意――“同志を察するはヘソに在り”を体現するため。

 

「さっきの実況アナウンス、なかなか気に入るフレーズが飛び出した。そのまま技名として頂戴させてもらうぜ」

 

 お互い右腕に力を入れ、ザ・坊っちゃんズを投擲。

 

『ウォーズマンは上空から地上へ、ネプチューンマンは地上から上空へ、それぞれ万太郎とケビンマスクを投げつける――っ!』

 

 豪快な投げ技で相手タッグをぶつけ合う。

 さすればその衝撃はビッグバン級となるだろう。

 

「ビッグバン・コリジョン――ッ!」

 

『ザ・坊っちゃんズ、宙空で大激突~~っ!』

 

 ウォーキューブ決勝のリング上に、万太郎とケビンの血反吐が落ちる。

 そして直後、それを撒き散らしたふたりの超人もキャンバスに落下した。

 

『ダウン! ダウンだ――っ!』

 

 実況が荒々しく告げ、ダウンカウントが始まる。

 ザ・坊っちゃんズはふたりとも白目を剥いているようだった。

 

「おい! 万太郎のやつ大丈夫なのか!?」

 

 先ほどネプチューンマンを応援すると宣言したキン肉マンだったが、息子の悲痛な姿にそれを忘れ、隣にいたテリーマンの体をぶんぶんと揺さぶる。

 テリーは冷静さを保ちながら答えた。

 

「ネプチューンマンのワンハンド・スピン・スラムはあの巨漢サンダーをトーナメント・マウンテンの麓からウォーキューブのリングまで一息で投げ飛ばすほどの威力だ。それを空から降ってくるケビンにぶつけられればダメージは倍増……意識を刈り取られた可能性も考えられる」

 

 ただでさえ直前のクロス・ボンバー合戦のダメージが一番響いているのは万太郎だ。

 テリーマンが読んだとおり、リング上には然るべき結果が訪れようとしている。

 

『坊っちゃんズ、ケビンはなんとか立ち上がろうとするが万太郎はピクリとも動かない!』

 

 うつ伏せ状態で肘を立て、ケビンは傍らで倒れる万太郎を見やった。

 

「ま、万太郎……」

 

 呼びかけても反応はない。失神してしまっているのか。

 だが常の万太郎であれば、ここから立ち上がることは十分に考えられる。

 彼の専売特許であるK・K・D――火事場のクソ力ならば。

 もちろんそんなことは“新星・ネオ・イクスパンションズ”にもわかっていた。

 

「グフフ……ウォーズマンよ。ここはそろそろあれでいくか」

「あれか。ならば標的は……」

「無論、ふたりまとめてだ」

 

 だからこそ、ネプチューンマンもウォーズマンも手は抜かない。

 お利口にテンカウントを待つなどということはせず、追い打ちを仕掛けにいった。

 

『ネプチューンマン、ケビンマスクと万太郎に正面から覆いかぶさり、その体をくの字に抱えた――っ』

 

 万太郎はもちろん、ケビンマスクも超人強度2800万パワーの怪力に抗うだけの余力は残っていない。

 

『ふたりを一度にクラッチして持ち上げ……ブリッジの姿勢となる~~っ』

 

 通常のブリッジは自分の両手と両脚で橋を作るが、このネプチューンマンのブリッジは自分の両手の代わりに万太郎とケビンの足を使っていた。

 並の超人では不可能と思える芸当だったが、ネプチューンマンのフィジカルであれば十分に可能。

 しかも彼の着るベストには鉄鋲が仕込まれている。その鋭利な鋲はちょうど彼の胸に来ていた万太郎とケビンの背中に刺さり、ホールド力を高める役割を果たしていた。

 

『そしてウォーズマン、ベア・クローを……な、なんと手から外し、足に装着した!』

 

 ネプチューンマンの既視感ある体勢の横で、ウォーズマンが見たこともないような奇行に躍り出ていた。

 だが本人はいたって真面目な様相で、パートナーの足に触れる。

 

『さらにブリッジするネプチューンマンの大腿部を持って倒立~~っ』

 

 相手超人を捕らえた状態でのブリッジ。

 相方のブリッジを土台にしての倒立。

 空に向けられた鋭利な切っ先。

 

「お、おい……こりゃなんの冗談だよ」

「オラたちは夢でも見てるだか?」

 

 言いながら、ブロッケンJrとジェロニモが冷や汗を流す。

 彼らだけではない。ザ・マシンガンズもジ・アドレナリンズもスーパー・トリニティーズも、そしてミートくんも――人間の観客すら同じ反応だった。

 

『あ――っと目を疑いたくなるような光景! “新星・ネオ・イクスパンションズ”が“ザ・坊っちゃんズ”に仕掛けたツープラトンは……数々の強豪超人を血祭りに上げてきた時間超人、ライトニング&サンダーの必殺技(フェイバリット)死時計の刻印(デスウォッチ・ブランディング)”だ~~っ!』

 

 準決勝で退場したはずの悪行・時間超人コンビ“世界五大厄(ファイブディザスターズ)”――その象徴とも言える必殺技“死時計の刻印”。

 それがまさか、再び“究極の超人タッグ戦”のリングに顕現するとは。

 

「し……しかも見てみろ! ライトニング&サンダーの“死時計の刻印”とは少しばかり形が違っているぜ!」

 

 気付いたのはテリー・ザ・キッドだ。

 パッと見の形は“世界五大厄”の使っていたそれと同じだが、細部が異なっている。

 

「そのとおり! ライトニングとサンダーの“死時計の刻印”は相手ひとりにトドメを刺すバージョンだったが……オレたち新星・ネオ・イクスパンションズが放つのはふたり同時にトドメを刺すスペシャルバージョン! 名付けて“完璧なる死時計の刻印(パーフェクト・デスウォッチブランディング)”だ――っ!」

 

 ネプチューンマンは捨てたはずの“完璧”の名称を、ここで復活させた。

 完璧を冠するだけの変更点はまだある。続けてジェイドとスカーフェイスが叫んだ。

 

「“死時計の刻印”は攻撃役であるライトニングの針に変形する足……レッグニードルがあってこそ! それをまさか、足にベア・クローを装着することで再現してみせるとは!」

「だがいくらなんでも無茶だぜ! ウォーズマンのベア・クローといえば本来手に装着してこそ真価を発揮するもの……奇策にもほどがある!」

 

 21世紀の超人からしても、ウォーズマンがベア・クローを足で使ったなどという記憶はない。

 だが伝わらない歴史というのはどうしても存在するもの。

 正義超人界の頭脳はゴクリと息を呑み語る。

 

「いえ、21世紀ミートの記憶によれば……後に行われるキン肉星王位争奪サバイバルマッチにおいて、ウォーズマンは足にベア・クローを装着してのドロップキックを放ったことがあるようです。窮地の中の苦肉の策だったようですが、そのときの記憶を持つ21世紀ウォーズマンだからこそ、あんな新型“死時計の刻印”を思いついたのかもしれません」

 

 ミートくんの解説に「マジかよ!」と驚くトリニティーズのふたり。

 続けてテリーマンが声を大きくする。

 

「改良点はそれだけじゃない! 台座役であるネプチューンマンは万太郎とケビンをふたり同時にクラッチしている! 一見無茶なように見えるが、やつは元完璧(パーフェクト)超人……超人界随一の怪力の持ち主! さらにベストの胸に仕込んだ鉄鋲がふたりの背中に食い込み、クラッチをより強固なものにしている!」

 

 ふたり同時に技をかけられては、残ったひとりが邪魔をするということもできない。

 つまりこの形になってしまった時点で……ザ・坊っちゃんズは詰んでいるのだ!

 

「だ……だからって……そりゃないだろう~~っ! ネプチューンマン! ウォーズマン!」

「そうだ――っ! キン肉マンの言うとおりだ! 今すぐ技の発動をやめてくれ――っ!」

 

 勝利目前と言っても過言ではないこの状況に、キン肉マンとロビンマスクは技の中止を願い出た。

 

「その技は我が妻アリサを傷つけ、さらにもともとはこの私を死に至らしめる予定だった技とも聞く! そんな極悪非道な忌まわしき技を……」

「よりにもよって、ロビンの息子であるケビンや……わたしの息子である万太郎に仕掛けることはないじゃないか~~っ!」

 

 正義超人同士とはいえ、闘うからには真剣勝負。そうすることで真に相手とわかり合うことができるのだ。

 そういった信条を掲げる歴戦の雄たちが、情けなくも己を曲げている。

 無理もない。餌食になろうとしているのは未来に生まれてくる実の息子なのだから。

 

「子が可愛いか? キン肉マン、ロビンマスク」

 

 ふたりの親心を理解した上で、しかしネプチューンマンは厳しく言う。

 

「正義超人はどんなに相手が凶悪超人だったとしても、相手をリスペクトする闘いを基本とする。ライトニングとサンダーのふたりだって例外じゃねえ……だからオレたちは準決勝敗退したあのふたりの無念を乗せ、この技を発動させてもらうんだ」

 

 ネプチューンマンにとって、ライトニングとサンダーのふたりはもはや怨敵などではない。

 もちろん、彼の両大腿部で倒立体勢を取るウォーズマンも同じ意見だった。

 

「オレたちをライバルと認めてくれたおまえたちならわかるだろう、キン肉万太郎にケビンマスクよ。ライトニングとサンダーはもはやオレたちにとって憎むべき敵ではない……おまえたちと同じく立派なライバルなのだ。そんな正義超人のリスペクト精神を、この一撃に注ぎ込ませてもらう」

 

“世界五大厄”を打ち破った者として、彼らの技を借りて“究極の超人タッグ戦”の頂きに立つ!

 ネプチューンマンとウォーズマンの決心は揺るがず、ベア・クローの切っ先がギラリと光った。

 

「今だウォーズマン!」

「いくぜネプチューンマン!」

 

 台座役のネプチューンマンが合図を出し、ウォーズマンの両膝が折れる。

 12時に向いていた時計の針を、6時の方向に傾けたのだ。

 

「“完璧なる死時計の刻印”――――ッ!!」

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