IS×ULTRAMAN Nの誓い 作:手話っ!!!
「そっか〜。そういえば今日だったな、決勝行くの。じゃあ?この飯は俺が食べるよ。」
一夏は、朝食を作りながら言う。そう、来週は“決勝"である。決勝は来週だが、写真撮影やら、インタビューやら、打ち合わせやらで早く出ないといけないらしい。
春人が怪物のようになり、家から出て行ってから3日、春人は戻ってきておらず、平和な日常を送っていた。春人に振り回されていた日常も、終わったのだ。
「あぁ、すまないな。だから、昨日用意しようと思っていたんだが.....「あぁ、それなら俺がしといたぜ?」.........見たのか?」
千冬が少し頬を赤らめ、こちらを見る。完全に勘違いをしている。
「い、いや、別に千冬姉の趣味が気になるとか、そういうのじゃないからな!!!」
そういうと、千冬は少し睨む。昨日、千冬が寝た後、こっそり用意しておいたのだ。
「わかっているよ。お前のことは、私の方がよく知っている。じゃあ、行ってくるぞ?」
一夏が用意したした荷物を持ち、少し早歩きで玄関に向かう。
「あぁ。行ってらっしゃい。頑張れよ!!」
一夏side
「ん!! やっべ!!もうこんな時間かよ!! 学校遅れる!!」
一夏は、慌てて作った野菜炒めを口にかきこみ、服を脱ぎ、それをたたみ、制服を着る。そしてバッグを持ち、ダッシュで家からでている。その手には、おにぎりが一つ、握られていた。
目指すは中学校、結構遠い。
「一夏、あんた、シャツのボタン全開よ。」
「ん!?マジか。」
一夏は学校に行く道の途中、“セカンド幼馴染"の『凰 鈴音』通称“鈴"に出会った。鈴に出会い、少し気楽になったところで、指摘された。慌ててボタンをとめる。
「.........んぁ!?!?もうこんな時間じゃねぇか!!!あと2分だぞ!!!」
時計を見ると、一夏と鈴は慌てて走り出した。勿論ボタンをとめながらだ。
そして、ようやく学校についた。
キーンコーンカーンコーン
「.........。」
チャイムが鳴った。
「はぁ〜..........。今日は本当最悪な日だったぜ...........。」
俯きながら歩く一夏、その両サイドには、鈴と『五反田 弾』、“弾"がいる。
「ま、まぁそういうこともあるって........。なぁ、鈴。」
「あんたが言わないでよ!!」
弾がなんとか話を終わらせようとするが、一夏と鈴は少し怒っている。
「お前は.......お前はそんな体験したこと、あるのかぁぁぁぁぁあああああああ!!」
「えぇ!? そ、そそ、そうよ!!」
遂に一夏はキレて、全力ダッシュ。鈴も最初はわけがわからなかったが、乗った。弾以外は、あの織斑千冬の弟とは思わないだろう。
学校に遅れたせいで、先生には怒られ、廊下に立たされた。そしてクラスでは『凰となんかしてたんじゃねぇの?』という噂話もさせられた。鈴にとってはいい事だが、一夏にとってはただ迷惑なだけである。
「はぁ.........。まぁ、どうでもいいや。」
一夏は、とある公園でブランコをこいでいた。横で鈴もブランコをこいでいる。
一夏は、このことを忘れようとする。鈴は別にそんなことは思っていない。
「はぁ......。.
......ん? なんだ......?」
ブランコをこいでいると、ふと、何かが光ったような気がした。そして、
頭の中に直接ヴィジョンが映し出された。
そのヴィジョンは、初めはぼやけていた。だが、次第にはっきりと見えた。それは、戦いの記憶。ウルトラマンと怪獣の壮絶な戦いの記憶だった。それも、今まで見たことのないウルトラマンの。
銀のウルトラマンが、ウルトラマンの必殺技“スペシウム光線"のようなものを放ち、怪獣が散りのように消える。そして、“黒いウルトラマン"と対決している。
その怪獣には見覚えがあった。資料で見たことがあったのだ。その資料には、昔に“スペースビースト"と呼ばれる生命体がいたという記録が残されていた。その書かれていた姿とヴィジョンの姿が酷似していたのだ。
もしこのヴィジョンが本当ならば凄いことだが、一つだけ疑問が残る。
(...........なんで、俺の頭にヴィジョンが......?)
そう、最初の疑問はそれだ。今までヴィジョンのような未知の体験がしたことのなかった一夏にとって、これは疑問だらけであった。なぜ自分の頭にこのようなヴィジョンが出てきたのか........。それだけだった。
だが......
(あの怪獣.........春人が変わった怪獣に、ちょっと似てたよな........。)
別の資料に、こんな記述があった。スペースビーストは、“人を喰う"事で成長する。と.......。
このことから考えて、一部の物は人間と融合できるのではないのか。一夏はそう思った。
「ちょ、一夏?あんたちょっと今日おかしいんじゃないの?」
鈴に声をかけられ、我に返る。ウルトラマンと怪獣のことに気を取られ、忘れていた。
「あ、あぁ。そういえばさ、あれ、もうすぐだよな。」
必死に話を反らす一夏。そんな一夏に少し疑問を抱きながらも、話に乗る鈴。
「“あれ"って?」
「あれだよ、第二回モンド・グロッソ!!!」
モンド・グロッソ、21の国と地域が参加して行われるIS同士での対戦の世界大会。
総合優勝者には最強の称号「ブリュンヒルデ」が与えられる。らしい。
「あ、そうね。そういえば、今年も千冬さん出るのよね。」
「あぁ。今日ちょうど会場に行ったよ。.......ん、もうこんな時間か。じゃ、そろそろ帰るか!!」
そういい、一夏と鈴は立ち上がり、公園を出る。夕焼けが見える。一夏の腕は、夕焼けのせいなのか、別の何かのせいなのかは分からないが、少しだけ赤く見えた。
「じゃあね!!」
鈴が別方向に向かって走る。一夏はそれを見送るが、“あること"に気付き、その方向に向かって走り出した。
大きいトラックが見えた。その車自体には問題ない。問題は運転手だ。そのトラックの運転手は完全に寝ていた。車道の信号は赤だ。勿論、歩道側は青、このままでは鈴が死ぬ、そう思い、無我夢中で走った。
そしてなんとか追いついた。
ドンッ
鈍い音がした。鈴は、誰かに押されたと思い、後ろを見ると、大型トラックが通り過ぎた。そして、数メートル先には、一夏が血を流し、倒れていた。
「い......一夏.......?
一夏!!!!!!!