もしも、ミスター・サタンがオールマイト見たいなヒーロー系キャラだったら 作:JOJI
エイジ767年の某月某日、地球に危機が突然現れた。人造人間セル、かの怪物は凡そ数日の間に数々の都や町果ては小さな村を襲い数々の人々を吸収した。
かの怪物は言った『セルゲーム』という武闘大会を開くと、某武闘大会と違いセル1人を相手に人間が1人づつ戦い人間が負けたら別の人間がセルと戦うという試合形式であるが。そしてその大会でもし人間が負ければセルは世界中の全ての人間を殺すと宣言した。
もちろん、人々も黙ってはいない。王立防衛軍がかの怪物を倒すために総戦力を団結してことに当たったが、物の数分で壊滅してしまった。
人々は恐怖した、軍をたった一人で壊滅させ一息で街ひとつを更地にできる怪物を相手に逃げることすらできないと悟り、祈った。誰か、かの怪物を倒してくれと。
ならば、私が倒すと宣言した者がいた。数年前に突如として頭角を現し瞬く間に武闘界の頂点に君臨した世界チャンピオンにしてみんなのヒーロー、ミスターサタンである。
名だたる武闘家達をなぎ倒して様々な武闘大会を優勝し、世界各地を回っては数々の犯罪組織や強盗鎮圧に救助活動等を成し遂げている今や世界的に有名な男である。人々は彼ならばと希望を抱いて応援することにした。
そして、セルゲーム当日。サタンの勇姿を世界の命運を撮影すべくとあるプロのアナウンサーとカメラマンがセルゲーム会場へ来ていた。
「世界の運命を左右するセルゲームまであと20分あまり、流石に巻き添えを恐れてか近くに見物人は見当たりません。ご覧の通り、セルは身動ぎせずにリングの中央から動いておりません。我らがヒーロー、ミスターサタンはまだ現れていません。おや?」
その時、アナウンサーは微かに何やら爆発音のような音を感じ取った。その音が徐々に近づいており、さらに空気が震えているような感覚を感じる。
「あ、あれは!?」
音が鳴る方へ視線を向けると、小さな人影が空中から徐々に近づいてきているのが見えた瞬間である。ドォンと凄まじい音を鳴らしてその人影が地面に降り立ったのだ。
「ご覧下さい! 現れました! 我らが
実況しながら驚くという器用なことをするアナウンサー。もちろんだが、彼の常識では人は飛ばない。しかし、
ちょうどその頃、リングの中央ではセルとサタンが睨み合っていた。
(ほう…孫悟空一味以外に、まだこのような人間がいたとはな…。私のデータには存在しない、何者だ?)
「私は格闘技世界チャンピオンのミスターサタンだ。」
「(やはり、知らんな)ほう、その世界チャンピオン様が一体ここへなんの御用で? まさか、私を倒しに来たというわけではあるまい?」
「それこそ、そのまさかだ。」
「…くっ、ふはははははっ! 面白いジョークだ! 貴様程度の人間では、この私は倒せん。まぁ、参加は自由だ。せいぜい、無駄死には__」
セルが言葉を言い切る前に、突如として殺気を感じ身構えた瞬間に顔面の前に拳が止まりセルの背後に拳の風圧が通り過ぎ吹き荒れ地表がめくれ上がりリングがひび割れる。
「これでも、ジョークと言えるかね? 」
「…」
「試合まであと15分ほどある、その間に首を洗って待っておくといい。文字通り飛んできたのでね、リングの端で少し休ませてもらうよ。」
そういうとサタンはセルに背後を向けてリングの端っこに座り込んで、懐から水を取り出して飲み始めた。
(油断していたのもあるだろう…だが、この私がやつが接近するまで視認できなかった…もしかすれば、奴は孫悟空に並ぶほどに私を楽しませてくれるやもしれん…)
セルはサタンの認識を改め脅威度を跳ね上げる。その頃、サタンの元にアナウンサーとカメラマンが近づいて来た。
「あの、ミスターサタン? 先程、セルに攻撃を仕掛けたように見えましたが?」
「なに、ほんの挨拶さ。やつは私を知らないからな、油断して負けたなどと言われると敵わないからな。ほんの少しだけ力を見せたのさ。」
「なるほど! それは確かにその通りですな! それではミスターサタン、今の心境は?」
「もちろん、やつの食い物にされた人々の無念を胸にやつに思い知らせてやる。人間を舐めるなと…」
気迫と共に放たれたサタンの一言に息を飲むアナウンサーとカメラマン。
「…っ、あ、ありがとうごさいます。」
「む?」
最初にサタンが気づき、後からアナウンサーとカメラマンが気づく。キーンと金切り音を響かせて飛んでくる人影が現れたのだ。それは会場の近くに来ると降り立った。髪を逆立てて妙なアーマーのようなものを身にまとった変わった風貌の男である。
「ひ、人が飛んできました。ミスターサタンと同じように…」
「あれは…まさか、舞空術か…」
「ミスターサタン、舞空術とは?」
「かの鶴仙流の初代師範にして鶴仙人、彼が編み出した技の1つで気というものを操って空を飛ぶ技だそうだ。」
「ほう、ではミスターもそれを使って飛んできたという訳ですな?」
「いや、鶴仙人が失踪して以降、鶴仙流の技の数々は失伝していてな。私は昔見たことがあるだけで使えないのだ。」
「え、ではどうやって?」
「空を蹴って跳んで来た。」
「あー、なるほどぉ…彼もまさかセルゲームに出場するつもりでしょうか? ちょっと聞いてみましょう」
舞空術も空中を蹴るのもアナウンサーの理解の外である、話をそらすためにアナウンサーは先程飛んできた謎の男に話しかけに行った。
「あの…キミは一体なにものかね? 見物だったら、こんなに近く居たら危ないぞ?」
「消えろ、二度と俺に話しかけるな」
一にも二にもなく言い放たれ、愕然とするアナウンサー。こそこそと離れてサタンに耳打ちをする
「ありゃ、ただのちょっといかれた野郎ですな。ヘアースタイルも変だし。」
「ふっ、緊張して機嫌が悪いのだろう。私にもそんな時期があった。さて、開始まであと五分だ。君たちは巻き添えを食らわないように離れておくといい。私としては、そのまま帰ってもらいたいところだが…」
「そういうわけにもいきません。今もなおセルの脅威におびえる人々にあなたの雄姿を伝えて、世界の人々に安心を届けるのが我々の使命なのです!あなたが負ければ我々もセルに殺されるのです!ならばどこにいても同じ、我々のことは気にせず思う存分戦ってください!」
それでは!と離れていくアナウンサーとカメラマン。どうやら、岩陰に隠れての撮影に臨むようだ。
(せめて、もう少し離れてほしいものだが…)
もとよりサタンは撮影に反対していた。だが、テレビ局の方々の熱意と勢いに押し負けてしまい許可してしまったのだ。彼らもここに来た以上覚悟して臨んでいるだろう、負けた場合の最初の犠牲者になる可能性を。
(まぁ、そのような事にはならんだろうがな…)
続々と会場へと降り立ってくる人々を見てサタンはそう思うのであった。
「時間だ」
ちょうど正午となり、セルゲームの開催時刻となった。早速、リングに上がろうとしたのは金髪に逆立った髪型が特徴的な山吹色の道着を着込んだ男、名を孫悟空。体を伸ばし早速とばかりにリングに上がろうとした彼よりも先にリングへと降り立つ者がいた。白いマントに身を包み茶色い道着を身に着けアフロヘアーが特徴的な2mにもなる筋骨隆々の男、ミスターサタンである。
「すまないな、青年。すでに予約していてね。」
「え…オラ、別に青年って言われる年じゃねぇけど」
「え、そうなの?」
「オラは今年で30になるな。」
「え!?うそ、1っこ下!?全然見えない…」
「ちなみに、オラの1っこ上がこいつだ」
そういうと悟空は隣にいたクリリンの禿げ頭にぺチンと手を置いた。
「あ…若作り (わかづくり)なんですね…」
「馬鹿にしてんのか、剃ってんだよ!てか、あんた!悪いことは言わないからやめとけって!」
「いや、分かった。おめぇに譲る。」
「「「「えっ!?」」」」
「正気かよ悟空!?」
「正気さ、それに…面白れぇもんが見れるかもよ」
「「「「…」」」」
あの悟空が勝負を他人に譲り、さらにワクワクしている様子を目にしてようやく先ほどの男がただものではないことを察した一行は緊張したまなざしで舞台を見た。
リングの上ではすでにマントを脱ぎ捨てたサタンがセルとにらみ合っていた。
「戦う前にお前に一つ聞きたいことがある。」
「…何かな?」
「お前は今まで吸収し殺した人の数は覚えているか?」
「…くっ、フハハハハハッ!何を言い出すのかと思いきや、本当に笑わせてくれる人間だ…。逆に聞こうか人間、お前は今まで食ったパンの枚数を覚えているのか?」
「……そうか、貴様の犠牲になったと思われる人は判明しているだけでも約12万4000人もいるとされている…実際にはもっといることだろう。世界的に見れば微々たる数だろう…だが!」
サタンがセルに向けて右手の平を伸ばすと強く握り絞める。サタンが静かに発する怒りで大気が震えサタンの周囲が歪んで見える。
「貴様が貪った命の中には明日を夢見て歩もうとした子供たちが、夢をかなえた大人たちが、夢を遂げた老人たちがいたはずだ…怪物である貴様には彼らの命の重みはわからんだろう。」
「…お前にはわかるとでも?」
「いいや、私にはわからんさ。彼らが何を成そうとし何を成し遂げようとし何を成し遂げたか…私は知らない。だが、一人だけ知っている者がいた。彼女は世間では天才美人歌手と言われ、練習を欠かさず努力家でファンをとても大事にし子にも私にも優しく時に厳しいいい子だった…。」
(…この男、この間にも一切の隙を見せん)
「…私はこの場に世界中の命を背負う
サタンはそう言い放つと右手を振り絞り構える。
「…来い」
一瞬の静寂の後、誰かが息をのんだ音が響いた瞬間。セルが消え、セルが立っていた場所にサタンが拳を振りぬいた姿勢で立っていた。遅れて響き渡る轟音、セルはリングの外で武空術で静止していた。唇が切れたのか血を垂らしている。驚愕するZ戦士たち。
「あの野郎、セルの防御を上から無理やりぶち抜きやがった…。」
「す、凄い…あれほどの人がいたなんて…!!」
セルは血を吐き捨てると、リングに降り立ち笑みを浮かべる。
「ぶるぁッ!」
「はぁッ!」
セルとサタンの拳が交差し激突音が響き渡る。ついに世界の命運を決める激闘が始まった。
(続きは?)ないです