魔法戦記リリカルNARUTO   作:鳴神

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久しぶりの投稿……大学しんどすぎワロタ状態です。
でも何とか投稿できました。
これからも魔法戦記リリカルNARUTOをお願いします。
それでは十一話、どうぞ


十一話 縮まる距離

 

 

「似合ってんのかこれ? ちょっと派手な気がするけど、大丈夫か?」

「似合っとる似合っとるって、金髪に派手な色の服って結構映えるやん」

「そうそう、格好良いよナルト君」

グリフィスのずっこけから三十分、ナルトはグリフィスから借りたジーンズ、赤のTシャツ、黒のパーカーを纏ってなのは達の前にいた。

意外に、似合っている。

「………まぁ、似合ってんなら良いけどさ」

「それと、これがナルト君の給料が入っとる財布やで。使い方はフェイトちゃんに教えてもらえば大丈夫やからな」

「………何から何までサンキューな。」

「気にせんでええって、ただの給料の前渡しなんやさかい。」

それより、早ようフェイトちゃんとこに行きいな。と言って、はやてはナルトの背中を強く叩いた。

そんな新しい友の言葉に苦笑しながら、ナルトはフェイトのいる場所に走って行くのだった。

 

 

☆☆☆☆

 

「もう、はやては相変わらずムチャクチャ過ぎるよ。私はナルトに嫌われているのはわかってる筈なのに………こんな事だったらはやてが行けるように援護しておけば良かった」

愛車の前で溜め息を吐きながらフェイトは憂鬱な気持ちになっていた。

別にナルトと食事に行くのが不満というわけではない。

ただ………明らかに嫌われている人物と共に買い物に行くというのは気まずくなるだけだと思っているのだ。

「ナルトはたった一日で皆と仲良くなってるし、特にはやてとエリオはプライベートでの友達って言っても大丈夫な位だし………私、いつかハブられるのかな?」

おそらくナルトなら1ヶ月もしない内に六課の全員とプライベートでも良い友人関係を築き上げるだろう。

もし、その時も自分とナルトの仲が悪いままだったら………

「私………一人ぼっちになっちゃうのかな?」

ナルトの人となりを知らないフェイトはそんな想像をしてしまった。

そして、そんな未来を考えているうちに体が震えて来た。

「(そんなの嫌だ、また一人ぼっちになるなんて………)」

「お~、待たせて悪かったってばよ」

「えっ、あっ………ナルト」

そんな彼女の様子を知ってか知らずか、グリフィスから借りた私服を来たナルトがやって来た。

先程まで彼による恐ろしい未来を夢想(何の根拠もないのだから妄想と言うべきか)していたフェイトは彼の姿を見て、震えてしまった。

「………どうしたんだ? どっか調子が悪いのか?」

「だ、大丈夫だよ。本当に何もないから」

「だったら良いけど、んじゃあ早く行こうぜ。」

「う、うん………」

比較的他人の感情(ただし、恋愛感情を除く)には鋭いナルトだが、一瞬ではフェイトの悩みに気づけなかったのか、そのまま彼女の車に乗り込んだ。

 

 

 

「………とりあえず、クラナガンで一番大きなショッピングモールに行くね。そこならナルトも納得できるような服とかがあると思うから」

「ああ、サンキューってばよ。」

窓から外を見上げるナルトと運転に集中してナルトの顔を見ようとしないフェイト

はやての思惑は外れ、二人は互いに最小限の受け答えしかしない。

第一印象が最悪だったために互いが互いを嫌っていると思っており、声が掛け辛いというのが原因である。

このままショッピングモールに着くまで沈黙が永遠に続くと思われたが………

 

「………何か悩みが有るんなら、話を聞く位ならできるってばよ」

「えっ………」

「悪い、俺ってば昔色々あったせいで読心は無理だけど感情程度なら読めるんだよ。なんとなく悩んでるのがわかったからさ、ちょっと気になったんだってばよ」

ナルトは恥ずかしげに頬を掻きながら自分の秘密を何気なしに言った事で破られた。しかし、何気なく語られたその真実は驚くべきものだった。

 

「感情を読むって………」

「怒り、迷い、不信………わかるのはその程度の大まかなレベルだし負の感情って限定されてるけど、他の要素も含めて考えたら相手の考えてる事は大概わかる。あんまり、有っても嬉しくねえ能力だけどさ。」

そう言うナルトの表情には誰でもわかる程の寂しさがあった。負の独身能力は九喇嘛の力を使い過ぎたせいで手に入れてしまった力である。無意識から聞こえてしまう他人の負の感情など聞こえて何がいいだろうか。

「もちろん、相手が悩んでるってわかるのは便利だけど………俺ってば、色々事情があって昔は故郷の一部の人から嫌われてたし………今みたいな、皆に認められる位に強くなったらなったで妬まれて、人の悪意とかいったものに敏感になっちまってさ。

………だからかな、フェイトに初めて会った時にそういった感情を感じた時は、ちょっとばっかし傷付いたんだってばよ。

事情のある故郷の奴等は兎も角、何も知らない筈の初対面の奴から………警戒してるって言っても強い悪意を受けるなんて思ってなかったからさ」

「そ、そうなんだ。ごめんね、そんな事も知らずに、あんな事思ってちゃって………」

暗い表情のナルトを見て、フェイトは事情を知らなかったとはいえ申し訳なく思った。

ナルトの過去は基本的に過酷なものばかり、それを乗り越え続けてきたからこそ今の強さがあるとはいえ、それでも辛い事は辛いのだ。

「まあ、だからこそ逆に【人の暖かさ】も良く知ってるんだけどな。そんで、他人が悩んでるって事は無性に気になるんだってばよ。

支え続けてくれた仲間達がいたからこそ、今の俺がいるんだし、昔よりずっと強くなれたって思ってるし………だからこそ、俺は仲間の皆みたいに周りの人達を支えられる人間になりたいんだってばよ」

「………そうなんだ」

彼の心の底からの思いを聞いたフェイトはナルトが何故、はやて達の信頼を容易い勝ち得られたのが漸く理解できた。

それがわかってしまうと、先程まで自分が悩んでいた事が馬鹿馬鹿しく思えて来た。

「何~だ。そうだったんだ」

「………どうしたってば? いきなり何が可笑しくて笑ってるんだ?」

「何でもないよ。ただ、自分が変に悩んでたのが可笑しく思えちゃってね」

そう言うフェイトはどこか吹っ切れたような笑みを浮かべている。

ナルトはそんなフェイトのいきなりの変貌に少しばかり驚きを隠せないでいたが

「(まっ、悩みが吹っ切れたんなら大丈夫だよな)」

彼女の感情を読んで、本当に悩みが吹っ切れたのだと確認したナルトは悩むのもそここそに、再び風景を楽しみべく窓の外に視線を向けるのであった。

 

☆☆☆☆

 

そんなわけで背景はナルトとフェイトの心の距離が縮まったりした車内から二人の本日の目的地であるショッピングモールへと移る。

 

「ほえ~、デッカい建物だってばよ」

「この店で手に入らないものはミッドには無いって言われる位だからね。私やなのは達もショッピングには殆どここを使うんだよ」

建築技術のレベル差から、忍界では建造できない巨大な建物に感嘆の溜息を吐くナルトとそんな彼に色々なレクチャーをするフェイト、

どちらも容赦端麗なイケメン&美少女なため、周りを歩く人達からの視線を一身に集めているのだが、二人はそんな事を知る由もない。

 

「んじゃあ、行くか」

「確かファッション系は十階にあるからまずはそこからね」

と、二人がショッピングモールに入ろうとした瞬間、

 

「あっ、フェイトさん!!」

「「ん/あれっ?」」

突如、二人の背後からフェイトの名前が呼ばれ、二人が後ろを振り向くと………

「お久しぶりですフェイトさん!!」

「あっ………もしかしてギンガ!!」

「………誰だってば?」

藍色に近い青い髪を腰まで伸ばした………何処かスバルと似た容姿をした美少女がそこにいた。

おそらくフェイトの知り合いなのだろうが、如何せんミッド生活二日目のナルトにとっては初対面なので、フェイトに尋ねる。

 

「この子はギンガ・ナカジマ、ちょっと昔に縁があって会った子なの。

私達と同じ管理局員で階級は陸曹、もっと言えばスバルのお姉ちゃんよ。」

「あ~、どっかスバルに似た髪に見た目って思ったら姉妹だったのか。どうりで、見た顔だなって思ったんだよな。」

最後の言葉によってナルトの中にあった疑問が氷解したのか納得した様子で頷くが、彼がフェイトと仲良さげに喋っているのを見て、今度はギンガの方が疑問を持ったのかナルトを訝しげそうに見る。

 

「えっと………フェイトさん? この人はもしかして、フェイトさんの彼氏さんですか?」

「そんなわけないって。この人は訳あって機動六課で保護してる次元漂流者の人だよ。日用品とかが無いからここで全部済ませようと思ってね(それにナルトみたいな立派な人が私に釣り合うわけないよ)」

「次元漂流者………ですか? でも、それなら本局で保護するのが普通じゃないですか?」

「だから、色々と事情があるの。もっとも、一番の要因はナルトが六課での保護を希望したからだね。

でも、六課って結構忙しいから普通に保護するのは難しくてね。幸いナルトって凄く強いから民間協力者として六課の前線メンバーとして登録すれば戦力は増えるし、ナルト自身も働けるって良いこと尽くめだからそうなってるの。あっ、この事は他の人には内緒だからね」

ギンガの疑問にもフェイトは彼女が納得の行くように説明する。

ギンガの言う通り、次元漂流者は普通なら本局で保護するのが普通で保護した部隊が保護し続けるというのはイレギュラーなのだからフェイトが最後に口止めの念を押したのは当然である。

 

「そうなんですか。わかりました、この事は秘密にしますから安心して下さい」

「ありがとう、じゃあそろそろ行かないと帰りが遅くなるから、またね」

ギンガの答えに安心したフェイトはナルトと共にショッピングモールに入って行こうとしたが………

 

「あっ、フェイトさん。この店って数ヶ月前に改装されたんですけど………もちろん、知ってますよね?」

背中から聞こえたギンガの問いに、がっちりと固まってしまった。

「なあ、まさかとは思うけど………ギンガの言ってる事、知らなかったのか?」

「そ、そんなわけないですよね? だって、数ヶ月も前の話なんですから………それから一回は来ていて気付いている筈ですし………」

フェイトの固まり具合にナルトとギンガが冷や汗を流すが、果たしてフェイトの答えは二人の予想通りだった………悪い意味で、

 

「だって、この店に来たのは半年振りだし、仕事のせいで広告読む暇がないし………」

「つまり、知らないんだな」

「はい、ごめんなさい」

必死の言い訳もナルトのジトッとした視線に 尻すぼみしてしまう。

そんなフェイトの年相応………寧ろ、年より幼く見えると言うべきか………な反応にギンガはクスッと笑い声を零して暫くの間は二人のやり取りを見ていたが、そろそろフェイトに助け舟を出すべきだと思ったのか二人に近寄る。

 

「二人共、安心して下さい。私は毎月ここに来ているので店の配置もよくわかってますから、私で良ければ案内しますよ」

「ほ、本当!? だったら、お願い!!」

「フェイト………お前ってば必死すぎるだろ」

「ちょっ、フェイトさん!? そんなに引っ張らなくても手伝いますから!! そんなに必死にならないでくださいよ!!」

ナルトの冷ややかな言葉も無視して、フェイトはすがりつくようにギンガの服を握りしめる。そんな憧れの存在の行動に、ギンガは嬉しさを感じる前に戸惑ってしまう。

必死に宥めようにも、フェイトは話を聞くような様子ではないので全然効果は出ない。

 

「………俺、やっぱし一人で買い物してくるってばよ」

「ちょっとナルトさん!? ここって凄い広いから初めて来たのなら絶対に迷いますよ!! それにこの状態のフェイトさんを私に丸投げするつもりですか!?」

「だって………明らかに面倒臭そうな雰囲気だろ?」

「助けてください、お願いします!!」

「なぁぁぁぁ!! ギンガもしがみついてくんなぁぁぁぁぁ!!」

この騒ぎが収束するのに、これから一時間を要する事となる事は些末な事実だと、ここに記しておこう。

 

 

☆☆☆☆

「酷い目に遭ったってばよ。」

「「ごめんなさい………」」

あの騒動から暫く、フェイトに泣きつかれたギンガに泣きつかれたナルト(ああ、書いていてややこしい)だったが、通りかかったフェイトのファンに彼女の姿を見られ騒ぎが勃発、二人の美女を侍らせたナルト(事実とは異なるが、端から見ればそう判断せざるを得ない)は一瞬にして通りかかった非リア充軍団にエネミー認定され、命の危機となりかかっていたが、それより早く二人を抱え店に飛び込み二人を正気に戻したのである。

 

「ったく、じゃあさっさと買い物するぞ。無駄な時間を喰っちまったんだからな」

「「は、はい!!」」

そんなわけで漸くショッピングスタート!!

 

 

 

☆☆☆☆

 

「よ、漸く終わったってばよ」

「な、長かったね」

「ナルトさん、店員さんに色々着せられましたね」

見るからにグッタリしたナルトとフェイトを含めた三人はランチのためにレストランに入っていた。

ギンガは軽いウィンドウショッピングに来たため、店に入らなかったものの手持ちの衣服がジャンプスーツしか無いナルトと仕事に忙しく買い物に来れなかったフェイトはもとより買うつもりで来たため、ギンガを外で待たせてファッションショップに入ったのだが………それが不幸の始まりだった。

若き美人執務官とミッドでは有名なフェイトはもとより、成長するにつれて父【波風ミナト】を思わせる容貌となって行くナルトは店にとっては願ってもない相手、一瞬で女性店員達の心を掴んだナルトは彼女達に引っ張られ様々な服を、フェイトは男性店員達の薦めになすがままとなり、精神的に色々と辛い目に遭ったのである。

幸か不幸か、ギンガは二人が出て来るのを外で待っていたため巻き込まれる事は無かったが、店の外からでもわかるほど店内は騒がしかったので大体の事情は理解している。

 

「アイツ等ってば、俺達の事を着せ替え人形とでも思ってたのか?」

「だよね、いくら何でも三十回も着替えさせられるとイラって来るね」

「でも良かったじゃないですか。ナルトさんもフェイトさんも無料で服が貰えたんですから」

「写真をムチャクチャ撮られてたけどね」

幸い、写真を撮られまくったお詫びとして商品は無料で手に入れたが、それでも二人の機嫌が直る事はない。

寧ろ悪化していると言っても良い。

 

たが、

 

「テメェ等!! 大人しく手を上げろ!!」

彼等の機嫌を更に悪くする事件が起きるとは予想していなかっただろう。

 

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