魔法戦記リリカルNARUTO   作:鳴神

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放置していてすみませんでした。投げたわけではないですよ。リアルが忙しいんです。

……感想、沢山お願いします


12話

「もうそろそろ本気でブチ切れて良いか?」

「お、落ち着いてくださいよナルトさん。私達が下手に動いたら人質の皆さんが………」

ナルトとギンガは現在、ロープで繋がれたままテロリストたちに連行されていた。

フェイト個人に対しての人質として

「くっくっくっ、まさか人質に金色の死神がいるとはな。」

「ケケケッ、幾ら次元管理局だろうが金色の死神を人質にしちゃあ俺達の要求を聞かざるを得ないよな」

「(テロリストか、しかもこの様子じゃ暁や宵なんかと比べ物にならねぇ程度の三下か。)ギンガ、金色の死神ってのは何だ?」

下劣な笑みを浮かべる男共に嫌悪の視線を向けながら、ナルトはギンガの耳に口を寄せる。

するとギンガは信じられないものを見るかのようにナルトの耳に口を近付けた。

「まさか、知らないんですか。金色の死神っていうのはフェイトさんの二つ名の一つで、主に犯罪者がフェイトさんを恐れて言うものです。

金色はフェイトさんの魔力光、死神はフェイトさんのデバイスの一形態の事を表しているんです」

「なるほどな………」

ギンガの言葉から類推するに、恐らくフェイトには他の二つ名もあるのだろうと考えられた。

自分と同じように広く知られている複数の二つ名を持つという事はフェイトが相当の実力を持つのだとも理解できた。

ちなみに余談だが、ナルトの二つ名は大きく分けて三つある。

一つは【救世の英雄】、二つ目は【金色の疾風】、そして【緋色の閃光】

一つ目は主に、木の葉の里やナルトと親しい人間に各国の大名達が彼の存在を誇り、褒め称えるために使われる。

二つ目は比較的一般に広まっている二つ名で、世界各地で使われている。

三つ目は主に犯罪者達やテロリスト達が恐れの意味を込めて使っている。

一つ目は彼の存在を褒め称えるが故に多少の誇張を籠もっているし、二つ目は彼を褒め称えはするが、敵国の存在故に正直に誉めたくないという意志がある。

そして、三つ目は………ナルトが本気になった時を恐れているが故だ。

つまり、二つ名とは呼称する人間が呼称される対象へどのような感情を持つかで変わるのである。

ちなみに二つ名の由来は以下の通りである。

 

 

救世の英雄→ペインや暁の撃破

金色の疾風→金髪+ナルトの必殺技【風遁・螺旋手裏剣】

緋色の閃光→ナルトの本気モード【九喇嘛チャクラモード】の見た目

 

 

もっとも、ナルトがフェイトの二つ名を知らないのは仕方のない事である。

元々、ナルトはこの世界の住人じゃないのだから、

………さて、このナルトの雰囲気から類推した人もいると思うだろうが、ナルトは目の前のテロリストの動向にさほど注視していない。

ぶっちゃけると、最悪全力を使えば一瞬で片を付けられると踏んでいるからだ。

「(とりあえず、適当なタイミングを見計らってギンガとフェイトの安全を確保しねえとな。それに連絡されるとマズいからコイツ等全員の意識を一瞬で刈り取らねえと………うげっ、やること山積みで面倒くさいってばよ)」

『まったく、お主は相も変わらず事件を引き寄せる体質をしているな』

「(九喇嘛か、いきなり出て来てどうしたってば?)」

ナルトがこれからの予定を考えていると脳内から相棒の声が聞こえた。

その声が少しばかり怒っているように聞こえるのは気のせいだろうか?

『阿呆、儂の精神を出す約束を忘れたか!! 待ちくたびれているんだぞ!!』

「(このタイミングで言う事がそれかよ!! 今の状況がわかんねーのか!!)」

『この程度の状況、最悪儂等の力を全開すれば容易く終わらせられるだろう!! それより約束をさっさと守れ!!』

「(馬鹿か、んな簡単に九喇嘛チャクラモードは………いや、ああ、なるほど)」

『どうした?』

怒鳴り声が聞こえると思っていた九喇嘛はナルトの思案するような声………昔の悪戯大好き少年だった頃のような意地の悪さが幾分かあるものに少しばかり警戒してしまう。

こういう時のナルトは滅茶苦茶な考えにも関わらず効果的かつ、他者を引っ掻き回すいろんな意味で最悪の能力を持つのだから

『なぁ、儂に迷惑は掛からんだろうな?』

「(迷惑は掛けねーよ、ただ………役にはたってもらうってばよ)」

『お主は………儂を何じゃと思っているんだ』

一応、最強の妖魔としての誇り

プライド

があるため、結構な怒りを込めての声だったが、

「(ん、お前って俺のペットだろ?)」

『貴様………言うに事欠いて儂をペットじゃと』

「(文句あるなら餌やらねえぞ)」

『………すまん』

自分の胃袋(チャクラとか現界時の肉体生成とかの意味で)を握られている相手には逆らえず、素直に頭を垂れる事となる。

『で、儂はどうすれば良いんだ?』

「(適当な時間を見て遠隔召喚するから注意を引いてくれ。人化してもいいけど、間違っても本気は出すなよ。バレたらエラい事になるからさ)」

『むう、ならばこの世界に居る間は戻すんじゃねえぞ』

「(はいはい、わかったってばよ)」

「おい貴様!! 何を笑っている!!」

九喇嘛の反応に苦笑しながらナルトは靴底に仕込んだ召喚術式を床にセットしながら歩を進める。

その様子に気に入らなかったのかテロリストはナルトに銃口を突きつけ怒りの声をあげる。

隣でギンガがナルトの袖を引いて注意しようとするが………

「止めといた方が良いってばよ。俺ってばフェイトとそこそこ仲が良いから、殺されたと知りでもしたら暴れ回ってあんた達の計画をぶっ壊すかもしれねえからよ」

「………チッ、だがまた変な真似をしてみろ。次はないぞ」

「はいはい、わかったってばよ」

ナルトは何も恐れる事なくテロリストに気軽に言葉を返す。

彼等は知らないがナルトの生きていた世界というのは殺し合うのが普通な忍の世界、そしてナルトは………おそらく現存する忍の中で最も殺意をその身に浴びた人間だ。

たかがテロリストの放つ殺意や銃口如き、驚く事のほうが難しいと言えるだろう。

「(九喇嘛、あと五分後に出す。誰にもバレるなよ。バレたら知られる前に殺せ。)」

『どこまでなら許されるんだァ?』

「(小規模火遁まで)」

『ああ、わかった』

そんな状況に、意も介さずナルトは九喇嘛は打ち合わせを終わらせ余剰チャクラが漏れ出さないように精密にコントロールした上で術式起動の準備をする。

その上、雰囲気には全く戦意がなくまさか反撃が来るとは思ってもいないだろう。

そして、ナルト達が術式の用意された廊下を曲がったのと同時に精錬されたチャクラが形を成し………

「『(せ~、の!! 口寄せの術!!)』」

 

………ポスンッ、

 

「(うっし、成功したな。露払いは頼んだってばよ九喇嘛)」

自らの中で最も信頼できる相棒

・・

の事を信じながら、ナルトは大人しく人質として歩んで行くのだった。

 

☆☆☆☆

 

「さて、人化は認められたんだから、人型になるか」

廊下で召喚された子狐………ナルトを依り代とする最強の妖魔である九喇嘛は周りに誰もいない事を確認してから九本の尻尾を振って火の粉を散らす。

その火の粉が九喇嘛の体を覆うにつれ体が白く輝いて行き。

「………ふう、この姿になるのも久方振りだな」

子狐の姿が一変、九喇嘛の姿は炎を固めたかのような真紅の髪に紅蓮の瞳をした着流しを纏った美丈夫になっていた。

遠目で見れば普通の人間にしか見えないその姿だが、良く見れば手に真紅の炎が纏われいるのがよくわかる。

それが、彼を人間でない事を明らかに表していた。

「ふむ、おそらくナルトはナルトで奴等をボコボコにするだろうからな。

さてさて、とりあえず儂は儂で暴れさせて貰うか」

再び火の粉が散り、九喇嘛の姿は陽炎に消える。

そして、姿の消した九喇嘛はナルト達の向かった道とは逆の道を向かった。

 

☆☆☆☆

 

「(さて、九喇嘛は多分勝手に暴れているだろうから、俺はコイツ等をボコボコにしてからフェイトや一般市民を捕らえている奴等をぶっ飛ばさねぇとな)」

ナルトはナルトで九喇嘛の気性を予測して、自分の行動を考えていた。

「(九喇嘛が暴れてくれているおかげでこいつらさえ倒しちまえばフェイト救出の準備時間はそれなりに取れる。

あとはギンガを助けて外に連れて行ったら良いだけだし………何だ、楽勝じゃんか)」

彼我の実力差や任務内容、スケジュールを考えると九喇嘛を解放した時点で此方の勝利はほぼ決していた。

後は油断して発生するイレギュラーだが、それをさえ創らなければ楽勝だ。

「おら、ここで大人しくしてやがれ!!」

余裕を持って行動できるとナルトが思っている内に、どうやらテロリスト達が人質の収容に使う場所にたどり着いたらしく、ナルトとギンガは乱暴に中へ入れられた。

「(………そろそろ動くか? いや、九喇嘛が敵戦力をもう少し削ってからの方が良い。アイツも暴れたがってたし、それに霊体化できるアイツの方が俺が動くよりリスクが少ないしな)」

一瞬、引き渡しの瞬間にテロリスト達を蹴散らそうかと考えたが、頼りになる相棒の事を思えば、その必要はまだないと考え、ナルトはまだ暫くは大人しくしていようと静観を決めた。

「金色の死神の連れの奴らって俺らの好きにしていいのか?」

「リーダーの命令は『コイツらが動かないように見張っておけ』だったからな。もしかしたて、この女がタイプなのか?」

「ヒヒヒッ、こんな組織にいるから出会いがないからな。

こんな機会でもねぇとヤレねぇんだよ」

「な、やめてください!!」

こんな、ゲスな会話を聞くまでは………

「(はぁ………、ホント俺ってば難儀な性格だよな。まぁ、こんなくだらない三下相手には多少イレギュラーがあった方が歯ごたえあって楽しめるだろ)」

ギンガを襲おうと組み伏せるテロリストをみて生まれた感情に対して、自分自身に言い訳をしてナルトはその口を緩める。もし、この場に彼を知る人間がいたのなら気付いていただろう。

 

 

 

ナルトが本気になっていると

 

 

 

「楽しませてもらうぜ嬢ちゃん。」

「や……………やめて…………。」

「ヒャハハハハハ~~~~!!」

そうとも知らずテロリスト達は下劣な笑みを浮かべながらギンガに近寄り、彼女の目から恐怖の涙が溢れる。

故に気付かなかった。

自分達の後ろで大人しくしていたナルトが一瞬の内に縄抜けをして、その足に蒼穹の奔流を纏わせて天井に飛び上がっていた事に………

そして

「ハァァァァァッ!!」

ドゴンッ!!

「「ガァァァァァッ!?!?」」

天井から飛び出したナルトはまず、両腕のラリアットでギンガを犯そうとしていた二人を地面に叩きつけ、

「なっ、テメェ何時のm「ダァッ!!」グェッ!!」

「「このやろ「ウオリャッ!!」ギャァッ!!」」」

更にボディーブローで一人沈め、残った二人もチャクラを纏った足で放つ回し蹴りで壁に激突させる。

秒殺、一蹴、そのような言葉が似合う光景にギンガは呆然とするがナルトは誇りもせず、淡々とテロリスト達の服を探って行く。

「っと………これが通信機か」

「えっ、あの………ナルトさん」

「よっと………」

バキッと通信機を全て握り潰し、ナルトはギンガに向き直った。

「悪いなギンガ、コイツ等があんな真似する前にぶっ飛ばせたのに、怖い思いさせてさ」

でも、もう大丈夫だってばよ。」

「あっ………」

そう笑顔で言ってナルトの言葉を聞いた瞬間、ギンガの目から涙が………先程の恐怖からの代物ではなく、安心からの嬉しさからのものが流れ落ちた。

「ナ゛、ナ゛ルドざん………」

「ギ、ギンガ? あの~もしも~し」

「う、うわぁぁぁぁん!! 怖かっだ、ごわかっだでずよぉぉぉぉ!!」

直後、史上最強の異名を持つ筈のナルトが一介の少女によるタックルによって地面に倒れた。

………もっとも、それは避ければギンガが地面に盛大なスライディングしてしまうためというナルトらしい理由で避けなかったのだが………

 

「ごわかっだ、怖がったでずよぉぉぉぉ。」

「ギンガ………本当にゴメンな。怖い思いさせちまってよ」

「うぇぇぇぇぇぇん!!」

涙まみれの顔をナルトの胸に押し付け、泣きじゃくるギンガ、そんな彼女にナルトは何も言わずにその頭を優しく撫でた。

 

 

 

そして、そのまま時間が暫く過ぎ

 

「ひっく………えっく………」

「そろそろ落ち着いたか?」

「はい………」

漸く泣き止み自分から離れたギンガにハンカチを渡し、彼女が涙まみれになった顔を拭ったのを見て、ふとナルトは先程までギンガがしがみついていた胸元に違和感を感じ、そこに視線を向けると、

「あらら、涙まみれでびっしょびっしょだってばよ。」

「あっ………ご、ごめんなさい」

「気にすんなって、替えの服はちょうど有るし、着替えりゃ済む話だろ?」

どれだけ涙を流せばここまで酷くなるのかと疑問を感じる程に湿ったグリフィスからの借り物服、その有様を見て原因であるギンガが申し訳なさそうに頭を下げる。

もっとも、当の本人には手持ちの紙袋の中に着替えになる服が山ほど有るのでさして気にした様子ではないのだが

「それに、そんな事よりも急がねえと駄目な事があるからさ」

「えっ? ………ナルトさん?」

「通信機を壊したっていっても、こんな真似したんだ。多分直ぐに連中の仲間が来るし、フェイト達に危害が及ぶ。その前にお前を脱出させて、コイツ等を全員始末する必要がある」

本来ならば、九喇嘛がこことフェイト達の居る場所以外のテロリスト達をあらかた始末して、テロリストの定時連絡を聞いた直後に行動する予定だったが、現実はどちらもされぬままナルトがこの場にいる連中を始末してしまった。

そのため、最早時間の猶予は全くない。

「始末って………もしかしてナルトさん」

「ああ、俺がコイツ等をぶちのめす。」

「無茶ですよ!? 相手は質量兵器で武装したテロリスト達ですよ!! 専門の部隊が来るのを待つべきです!!」

ナルトの言葉にギンガは正論で反論する。確かにギンガの言っている事は正しい。

だが、この世には正しい事が最善であるとは限らないのだ。

例えば………

「それで、フェイト達に危害が及ぶのを見過ごすのか?」

「ッ!!」

「それで、何も関係ない一般人を危険な目に遭わせるのか? 今なら、まだこの事がバレてなくて間に合う状況で、何も行動しないのが最善なのか?」

答えは否、確かにここからさっさとトンズラすれば自分達は助かるだろう。

だが、そうなれば残った人質達に危険が及ぶのは自明の理だ。

「安心しろって、俺ってば職業柄不意打ちが得意だし、武器持ってるって言ってもこんな奴等に遅れをとるようなヤワな鍛え方はしてねぇからさ」

銃相手で鍛える云々言うのが正しいのかはさて置き、ナルトの言葉は何処かギンガを安心させる響きがあった。

「だからギンガは俺の服を持って早くここを出てくれってばよ。んで、外の同僚にここの状況を伝えてくれってばよ」

「………はい、わかりました。でも!!」

「でも?」

力強くナルトの顔を見つめるギンガ、美少女に見つめられナルトは多少ばかりうろたえてしまったが

「絶対に、怪我しないで、無事にフェイトさん達と一緒に帰って来てくださいね!!」

「ッ………ああ!! んなこた、当たり前だってばよ!!」

ギンガの言葉を聞いた瞬間、それは不敵な笑みを浮かべた自信に満ち溢れた表情となっていた。

 

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