魔法戦記リリカルNARUTO   作:鳴神

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十四話

「くっそ、完璧にやられた!! 九喇嘛!! そっちはどうだ!!」

「こっちもだ………どうやら、アヤツはあの者達の装備を含めたもので口寄せ契約をしていたらしいな。相変わらず、ムカつく程に徹底した奴じゃ」

「ッ………クッソォォォォォッ!!」

あの声に動揺したせいでテロリスト達を逃してしまった二人はせめて声の主の手掛かり………正体はわかっているため形容が間違っているかもしれないが………になるものだけでもと探し回っていたが、死体は愚か彼等の持っていた銃や銃弾すらも見つける事ができなかった。

九喇嘛の言う通り口寄せ契約を彼等の装備品にまで対象にしていたため仕方無いと理解できていたが、理解するのと納得するのは訳が違う。

やりようのない気持ちからナルトは全力で壁を殴りつけ陥没させた。

 

「落ち着かんかナルトよ」

「黙ってろ!! くそっ………なんでだよ。なんでアイツが生きてるんだよ!!」

 

 

 

 

「俺達が殺した筈の………うちはマダラがよぉぉぉぉぉっ!!」

 

☆☆☆☆

ミッドチルダ北部、山岳地帯

 

「おや、リーダー。どうかしましたか? 随分機嫌が良さそうではないですか」

「………ふむ鬼鮫か。

何、今日暴れさせや奴等の様子がおかしいと思って支配した時にな」

「何か見つけたのですか?」

「ああ、とびっきりの幸運をな」

クククと笑う彼の仮面の姿を見て鬼鮫と呼ばれた青白い肌をした魚人のような外見をした男の興味をそそった。

彼が個人に

・・・

執着するのは極限られた存在しか有り得ず………そして、今の時代に生きる存在で当てはまる者は、この世界には居ない筈なのだから

 

「誰なんですか? あなたが興味を持った存在は」

「お前も知っているだろうに………奴さ。何の因果かこの世界に奴が来たんだよ」

「それは………まさか………」

いつもより饒舌に喋る男の言葉に鬼鮫は目を見開きながら腰を抜かす。

「フッ、どうも柱間と同じように、あの小僧と俺には因縁めいたものがあるらしいな」

「……この世界と彼方の世界では時空間そのものが違う筈です。それなのに………何故」

「世界が定めているのだろう。私の破壊と彼奴の平和のどちらが正しい

勝つ

のかをな」

クククと邪悪な笑みを浮かべながら仮面の男は腰を下ろしていた椅子から立ち上がると目の前に現れた………ショッピングモールを襲ったテロリスト達の前に立った。

「だが、貴様等には失望したな。たかが二人にボロボロにされ、挙げ句の果てに何も成果はないだと? こんな屑は暁には必要ない」

「ど、どうか御慈悲を!! お、お願いします!!」

「こ、今度は成功させてみせます!!」

見苦しく言い訳をする彼等を殺気を放ち見下し、男は端末を操作する。

「サソリにゼツか。今から素材を送る」

「なっ………ボス!? お願いします!! どうか御慈悲を!! ブースターだk「黙れゴミ共」ッ………」

「「「………………」」」

ギラッと仮面の奥の瞳が光った瞬間、テロリスト達は反論を止めて、意志のない人形のように立ち上がってゾロゾロと部屋から出て行った。

彼等はこれから数刻もせずに死を迎えるのだが、男はまるで気にした様子も無く鬼鮫に視線を向ける。

「さて………アレの素材も十分となったか。鬼鮫、動くぞ」

「色々と聞きたい事はありますが、漸くですねぇ」

「先ずは、お前とデイダラ、サソリにゼツの四人で二週間後に行われるホテルアグスタでのオークションで販売されるロストロギアを根こそぎ奪え。ついでにブースター搭載のアレの動作確認をして来い。あと、お前の剣もな」

顎で鬼鮫の背に背負われた巨大な大剣を指しながら、男は空中投影ディスプレイを操りターゲットとなる場所の情報を呼び出す。

「ええ、了解しました。それでは三人にも伝えて来ますねぇ」

「ああ、頼んだぞ」

鬼鮫が仲間に要件を伝えに行き、部屋には男一人だけが残る。

光が全く存在しない闇に包まれた空間、並外れたな精神力がない限り発狂してしまいそうな場所にも関わらず、男は笑みすら浮かべていた。

「クックックッ、まさか決着を付けられるとはな。

まぁ、良い。貴様はこの俺が葬ってやろう」

「このうちはマダラがな」

 

 

☆☆☆☆

 

 

「全く、お主は相変わらず直情的な部分があるな」

「悪い………反省してるってばよ九喇嘛」

「良いわ。そういうお主だからこそ、儂は力を貸しているんだからのう」

カッカッカッと笑う九喇嘛の前には頬に紅葉模様を作ったナルトの姿があった。 どうやら、怒りまくった所を落ち着かせるためにビンタを食らわせたらしい。

「まぁ、儂としてもあの者が生きとるという点には驚いたからな。あの者とは因縁のあるお主が驚くのは仕方あるまいて」

「因縁どころの話じゃねぇってばよ」

「ふむ、本

ほん

にお主は相変わらずだな」

「????」

自分の厳しい表情を見て、やれやれと呆れた顔をする九喇嘛にナルトは何を言っているのか理解できなかったが………

「お主、一人で奴との決着をを付けるつもりだろう?」

「ッ!?」

「やはりか………」

九喇嘛の放った一言で凍りついてしまった。

九喇嘛の言う通り、ナルトはこの事件の黒幕【うちはマダラ】の存在に気付いており、一人でそれを倒すつもりだった。

「そんな考え、さっさとドブに捨てんか。無駄な上に、お前らしくねえだろうが」

「………」

「あの時のうちはの小僧の言葉を忘れたか? もちろん、サスケの小僧では無いぞ」

サスケではないうちはの小僧………そう、それはナルトがサスケや両親、そして師と同じ位に自らが影響を受けた一人の優しい孤高の忍【うちはイタチ】の事、

 

そして、その言葉とは………

 

「火影だから、皆に認められるんじゃない。皆に認められた者が火影になるんだ。」

「そうだ、そして………一人で全てを背負おうとすれば」

「何時かマダラになっちまう、か」

穢土転生で一時的に甦った彼が、弟を闇を祓う役を託した時と共に、たった一人で全てを背負おうとしたナルトに釘を刺すように言ったその言葉は今も確かに覚えている。

あの時の自分は、自分のために何万という人間が命懸けで戦っていると聞いたせいで戦争が起こった事自体が自分の責任だと感じていた。

だからこそ、その言葉で仲間と共に戦うという事を思い出せた。

だが、いつしか最強の忍者と称されて、自分の理想を成すために走り続けている内に、その言葉を忘れていたのかもしれない。

「確かに、この世界には、うちはの小僧にあの小娘、日向の小娘やサボリ魔を始めとした【お主が心の底から信じ、共に理想を成そうと歩み続けた本来の仲間】はいないだろう。だがな………」

 

 

「この世界にも、お前を信じて共に歩もうとする位には仲間と信じて居る者達が居る」

「あっ………」

「なのはという小娘、フェイトという小娘、はやてという小娘、シグナムとやらやヴィータとゆうものに他の皆も全員がお主を信じておる。

だから………」

 

 

昔のように仲間全員を信じて、共に戦えば良い。最も、お前らしいやりかたでな

 

「ナルト………」

九喇嘛が全てを語り終えたのと同時に目の前に彼が言った仲間の一人である少女がいた。

「フェイト………どうしたんだってば?」

「迎えに来たんだよ。その赤毛の人について色々聞きたい事があるけど、そろそろ機動六課に帰るよ」

「そっか………ああ、九喇嘛については六課に帰ってから説明するってばよ。」

「うん………それと、はいギンガからの預かり物」

「ッ!?………これって」

フェイトがナルトに手渡したのは幾つかの紙袋、それは彼がショッピングモールに来た理由である服であった。

だが、それはギンガに元から預けていたものなのだから驚く筈がない。

なら、ナルトが驚いた理由とは………

 

 

「この手紙………」

「ギンガ、ナルトの事を凄く心配してたんだよ。私だって、もしナルトがたった一人で彼奴等を倒そうとしてたなんて知ったら必死で止めてたんだから」

【怪我していませんか? もし、怪我をしていたらこれを使って下さい。

それと、もう絶対にこんな無茶はしないで下さいね。心配する人もいるんですから

PS 私のメールアドレスを書いておきますので、何かあったら連絡してください】

「ははっ、確かに九喇嘛の言ってた通りだな。俺には、びっくりする良い仲間がいるってばよ」

手紙を読んだのと同時に、ナルトは顔を俯かせて笑いを漏らし初めた。

だが、

「ど、どうしたの!?」

「???」

「な、なんでいきなり泣いてるの!?」

「えっ………」

フェイトの言っているとおり、ナルトの目から涙が零れていた。何故なのか理由は分からない。

今まで、一人で抱え込み続けてプレッシャーに抑えつけられていた反動なのかはわからない。

だが、ナルトはらしくもなく涙を流し続けた。

 

☆☆☆☆

 

「っく………わ、悪かったってばよ。らしくもなく泣いちまってよ」

「ふん、儂としてはお主の新たな一面を見れたのだから迷惑はないぇよ」

「泣いちゃダメなんてわけないんだから、謝らなくていいよ」

十分以上泣き続け、漸く泣き止んだナルトは恥ずかしそうに謝っていた。

もっとも、九喇嘛はナルトをおちょくる材料が手に入れてニヤニヤとしていたし、フェイトは正論をもってしてナルトを励ましていたので謝罪を聞いていなかったが

「あ~、九喇嘛の事は六課に戻ってから喋るからそろそろ六課に戻らねぇか? 多分、はやて達ってば絶対に心配してるだろうし」

「うん、じゃあ帰ろっか。九喇嘛………さん? もついて来てくださいね」

 

こうして、漸く長い長いナルトのミッドチルダ生活2日目は漸く終了の兆しが見えて来た。

 

追記になるが、二人が六課に戻った時に、仲間達から物凄い心配され、ナルト達が次元世界解放同盟をボッコボコにしたと聞いて唖然とするのだった。

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