魔法戦記リリカルNARUTO   作:鳴神

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三話 物語の始まり

なのはやフェイトがナルトを謎の敵性第三者組織の関連人物ではと勘ぐっていたのと同時刻、

 

「ゼイヤァッ!!」

スパァァンッ!!

 

ナルトはガジェット達と戦闘を繰り広げていた。

とはいっても、彼我の実力差はナルトが圧倒的に優位に立っており、しかしながらガジェット達は空から悠然と攻撃できるため、どうしても遠距離からの攻撃の打ち合いになってしまう。

それに加えて、ナルトはガジェット達の攻撃を観察するためにわざと紙一重での回避を行い、デタラメな機動力やチャクラ量にものを言わせた怒涛の超攻撃的スタイルを得意とする彼には似合わない慎重さをもってしてガジェット達と対峙しているため、その戦闘は互角に進んでいるように見える。

 

「無人だから捕まえる事考えねーでボッコボコにしてもオーケーなのは良しとして………爆発するって事は中に燃料か何かを積んでるってわけか? だとすればあの翼と燃料で揚力を生み出してるってわけか。………それにしても破壊したら自爆ってのは勘弁して欲しいな。破片が飛び散るのにも気をつけなきゃなんねーじゃんか」

五体程ガジェットを葬ったナルトはその観察を終え、一息吐く。

そして初見の相手だとは言え、ナルトは自身にとってガジェット達はさしたる脅威にはならないと判断した。

空中を自由自在に飛ぶというのはなかなか厄介な能力だが、装甲はさして硬くないため普通に忍術を使えば一撃で撃墜できる上に、攻撃は全て直線的なものばかりで避けやすい。

本来ならば、ガジェットにはとある人間にとっては驚異的な能力を保有しているのだが、ナルトはその人種に当てはまらないので、そのディスアドバンテージを受ける事もなく、戦いを優位に進められるのである。

そんな感じにナルトはガジェットの戦力分析を終えたが

 

 

ヒュオッ………

「ッ!? ハッ!!」

背に風切り音が響いたのを聞き、反射的にクナイを投擲する。

果たして、そのクナイは丁度ナルトの背後を取っていたガジェットのセンサー・アイを直撃、そのまま爆裂した。

 

『完全に油断していたじゃねぇか。そんな調子で大丈夫なのかァ?』

「五月蠅いってばよ。ちょっとばっかし油断しただけだ、もうこんなのはねぇよ」

クラマの嫌みにめげる事なくクナイを時空間忍術で回収して握り直す。

幾ら実力が上がろうとも、一つの物事に集中すると、周りが見え難くなる癖は相変わらず直っていない事に反省しながらも、ナルトが気を取り直すが、

 

『ふん、こんな有象無象共、纏めて儂の火遁で超過焼きにすりゃァ良いだろォ』

「オイオイ、幾らなんでもSランク殲滅忍術を使うのはダメだろ」

クラマが面倒臭そうに呟いた言葉はナルトの肝を一気に冷やさせた。

確かに、簡単にガジェットを葬るには最も手軽かつ単純極まりない手だが、その代償は洒落にならない威力の余波によって発生する甚大なる被害

成る程、ナルトが冷や汗を流すのも仕方ないだろう。

「頼むから、静かにしてくれってばよ。 お前の力は洒落になんねーからよ」

『むぅ………』

「むくれても許可しねーぞ。森林地帯でも使うのは躊躇ってる代物を市街地で使うなんてできねーに決まってんだろ。頼むから我慢しろって、

『むぐぐぐ………』

ナルトの的確な突っ込みにクラマが言葉を失い、悔しげに唸るが、ナルトは妥協せずに自分の力だけでガジェットを倒す考えをそのままにする。

当然であり、普通の判断なのだが、自らの心配をしていた事を思い出し、仕方なしと言った具合に苦笑する。

「ったく、じゃあ落ち着いたら子狐モードで実体化させてやるから我慢しろ」

『むっ、それは真か?』

「ここが異世界ならお前を変に危険視する奴も居ないからな。外に出ても問題なさそうだしさ」

もし、マズイ状況になったらペットって押し通せば良いしな。

という呟きを呑み込んで、クラマへの説得に成功したナルトは今まで回避ばかりしていた形勢をひっくり返すべく、バックステップの後に高速で手印を組み上げる。

「風遁、大突破!!」

圧縮された空気が一方向に解放、放出される。

その衝撃波の通過によってガジェット達が纏めて粉砕される。

「更に、手裏剣影分身の術!!」

続けて投擲されたクナイが無数に分身し、雨のようにガジェット達に降り注ぎ貫いた。

「あとは………バラバラに残った奴等か。摘み取るのは面倒だし、さっさと帰って欲しいんだけどな~」

『ならば、儂の空間制圧「洒落にならんからやめろ」むぅ』

「でも、逃げてくれそうな気配じゃないから仕方ないよな。空間制圧忍術は派手過ぎるし………やっぱし、各個撃破が一番か」クラマの言葉を無視して、ナルトは手に持ち得る全て、十本のクナイを握り、残りあるガジェット達を睨む。

そして、

 

「行くぜ、ガラクタ共………」

呟くのと同時に、クナイをガジェットに投擲、クナイは青い光を放ちながら天空を駆け抜ける。

直後、ガジェット達が接近するクナイを感知し、それを避けるように旋回、続けてビームを放つ。

余りにも遠距離過ぎるためにナルトの投擲は意味の無いもの、意思の持たないガジェットの人工知能も直後にナルトが回避行動を取ると判断した瞬間だった。

 

ズシン、

「着地成功、これで決まりだな。」

その音は残る全てのガジェットが等しく、上部から聞こえためのだった。

カメラ・アイは確かに今まで戦っていた敵の声を確かに感知した。

しかし、ガジェット達はそれを理解する事は出来なかった。

全てのガジェットがナルトの声を、同じ様に感知してしまったのだから

 

「終わりだってばよ」

直後、ガジェットが全て同時に切り落とされた。

 

★★★★

シュッ!!

 

「やっぱ、馴れた戦法で戦うのは楽で良いな。でも、そうなるとどうにかしてクナイは補充できるようにしねーとな。」

クナイを仕舞い、ナルトは頭を掻いて不安を口にする。

ナルトがガジェットに行ったのは飛雷神の術の術式を埋め込んだクナイをガジェットに投擲し、クナイがガジェット達に接近したのを見計らって影分身を時空間移動させて破壊する、ナルトが最も得意とする制圧戦術である。

そのため、ガジェット達は全て同時に等しくナルトの声を感知してしまったのである。

ナルトが誇る能力で最強かつ最も高効率たる技であるが、同時に影分身を時空間移動させるという元々の飛雷神の術には想定されていない無茶な負荷をクナイに施した術式に掛けるため、術式がイカれ、最悪の場合だとクナイが破裂するという欠点がある。

「あちゃ~、やっぱ一本潰れたか。専用の術式も埋め込んでみないとダメなんだけど、試作中の術式はアパートに置きっぱだし………作り直しかよ~(泣)」

見るからに落ち込んだ様子で肩を落とすナルト、残る武器が乏しい現状ではクナイの一本すらも惜しい状況なのだから仕方ないだろう。

そんな彼に追い討ちを掛ける声が響き渡った。

 

「時空管理局です!! 武器を捨て、手を挙げて投降してください!!」

金髪と茶髪をそれぞれツインテールにした二人の女性、高町なのはとフェイト・T・ハラオウンがそれぞれの相機をナルトへと突き付け、金髪の少女が強い敵意の声を放つという形で、

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「時空管理局です!! 武器を捨てて手を挙げて投降してください!!」

フェイトの放った一言、それは自らの執務官という立場よりも、寧ろナルトを完全に不審者と考えていたからこその言葉だった。

普通、リニアが走るはずのレールウェイをリニア並の速度で激走したり、いきなり口から有り得ない量の風を吹いたりしているのだからフェイトの警戒感は当然と言えば当然ものである。

 

 

だが、

「なんかな~、いきなり武器突きつけられて不審者扱いされるのって意外と傷付くってばよ。」

性格からは考えもつかないだろうが、昔から人に嫌われ続け、漸く人々に認められてきたという過去があるため意外とナイーブであり、加えて九喇嘛チャクラの恩恵から通常状態でもそれなりに人の感情を読めるようになっているナルトには今のフェイトの言葉と感情は、彼のハートをグッサリと突き刺してしまった。

 

「あ~、そうだよな~。俺ってばどーせ嫌われる人間だし、自分でも時々うざってーキャラだって思うし、サスケみたいにクールキャラじゃねーし、下忍なったばっかりの自己紹介でもいきなりサクラちゃんから嫌いって言われたし、ヒナタってばいつも俺を避けてるし、イノもテンテンも馬鹿にしてくるし、他の皆も嫌みばっかり言うしよ。ハハハ~、どうせ俺は嫌われキャラなんですよ~だ。」

「え、え~と? もしも~し」

「………フェイトちゃん、多分あの人の黒歴史地雷をおもいっきり踏んじゃったらしいね。」

レールウェイでいじけ、自虐的な台詞を呪詛の如く垂れ流す忍界きっての最強忍者&若者からは英雄として崇められているナルト………間違っても忍界の人間には見せられない光景がそこにあった。

そんな様子のナルトはさておき、フェイトはというとそんなナルトの様子を見て、もしかしたら自分が何か良からぬ事を言ってしまったのでは、と冷や汗を流す。

なのはからの的確な突っ込みがそれをさらに加速させる。

 

「で、でも、私は何も悪い事は言ってないよ。」

「言ってはいないって事は、思いはしたんだね。」

「そ、それは………」

なのはのは多少冗談気味に言ったのだが、何分フェイトは完全にナルトを不審者と思っていたのは事実なため反論する事は出来ない。

 

「とりあえず、あの人とは私が話をした方が良いね。フェイトちゃんは第一印象が拙いみたいだから」

「ハウゥッ!!」

なのはの冗談がディバインバスターのようにフェイトのハートを消し飛ばし、その場に空中Orz人間が発生する。

時空管理局内では金色の閃光と名を知られ、犯罪者間では金色の死神と恐れられ、一般人からは美人執務官とファンや信仰者までいる彼女とはかけ離れた姿を晒す。

………意外にフェイトもナルト同様、ハートは硝子製だったらしい。

そんな親友の姿を尻目になのはは未だにいじけているナルトの側に近寄る。

 

「時空管理局、古代遺失物管理機動六課の高町なのはです。

御名前を教えてくれませんか?」

「………波風ナルト、火の国付き忍隠れ里は木の葉の里の上忍、戦闘大連隊連隊長、緊急有事対策本部部長、第七十七期四班の担当上忍をやってる。」

「えっと………火の国に、木の葉の里?」

「………知らなくても無理ねーってばよ。次元間移動忍術食らったから過去、未来、異世界、異次元、平行世界………帰り道のねーどっかから来たんだからな」

鳴るとの言葉はなのはからしてみれば意味不明の言葉の羅列でしかなかったが、一つだけなのはにも理解できたことがある。

「じ、次元間移動忍術? って………忍術!? もしかして忍者なんですか!?」

「さっきも上忍っただろ。俺は正真正銘、火の国所属の忍者だってばよ。」

「(う、うそ………この人って本物の忍者さんなの!? じゃあ、変化の術とか分身の術とか火遁とか手裏剣投げなんかができるのかな? 凄い、凄すぎるの!!)」

かつて、なのはの育った地球に伝承として残る存在、それが忍者という認識であった。

ちなみに史実の忍者には変化や分身も無いし、手裏剣だって手練れの忍者になればなる程その場で手に入る道具(竹で作った吹き矢や勿論、団子の串なども実際に使われていた。)で代用していたため、なのはの忍者に対する認識は全くの間違いなのだが、ナルトはマジで使えるので突っ込まないほうが良いだろう。

それはさておき、

「えっと、その………さっき言った【次元間移動忍術】っていうのは………」

「空間距離的な移動をさせるんじゃなくて世界そのものから弾き出されるような忍術の事、つまり俺の住んでた世界はこの世界にはたとえ宇宙に飛び出したとしても絶対存在しねーってわけってばよ。」

「つ、つまりそれって………ナルトさんは次元漂流者なんですか!?」

ようやくなのははナルトの身が置かれている状況を判断し、目を見開かんばかりに驚く。

次元漂流者、時空管理局が保護すべき存在であり、もしそれが真実ならば看過する事はできない。

そう判断したなのはは慌てて口を開いた。

「………詳しい事を聞きたいので、私達に同行してくださいますか?」

「ああ、わかったってばよ」

なのはの言葉に顔を俯かせたままナルトは了承の意を伝え、立ち上がる。

世界を救いし若き英雄たる忍者と魔法を操る少女達はかくして出会ったの出会った。

 

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