仮面ライダーガッチャード&デッドプール&ウルヴァリン デイブレイク・オブ・フューチャー・パスト 作:バリー
カサンドラのアジトを脱出したウェイドとローガンは、生前のゴームズが言及していた『生き残り』を見つけることになった。
虚無から脱出する方法を彼らが知っている可能性に賭けているローガンは、TVAに戻って自分と宝太郎の過去を修正しようとしている。それが出来るというウェイドの言葉を信じていた。
一先ず、二人は遠くにあったダイナーで食事を取った。ウェイドはローガンに過去を聞き出そうとするが、当の本人は頑なに喋ろうとしない。だから、ウェイドは自分のことを話すことにした。
自分を変えるために、何かを成し遂げたいと思っていたこと。そのための取っ掛かりとなるアベンジャーズやX-MENに入れなかったこと。恋人との関係をダメにしてしまったこと。
「でも、アンタはX-MENだった。アンタこそ、X-MEN。だって、『ウルヴァリン』だ。オレんとこじゃ、ヒーローだったよ。」
「いや、だが…俺んとこじゃ、クソだ…」
熱心にウルヴァリン—ローガンという存在を英雄視するウェイドに対し、背を向けて食事を摂るローガンは後悔と自己嫌悪を滲ませた声で言い放った。
そしてダイナーを後にした二人は、広大な草原を歩いていた。あちらこちらには、青いトレーラー*1や黒いハマー*2などの車両の残骸が転がっている。
「『ウルヴァリンはヒーロー
「死んだんだよ。具体的には枝が胸に刺さったせいだけど、その前に人を守ろうとして消耗しきってた。」
「誰を?」
「クソどもがラボで育てた子だよ。コードネームは、『X-23』。もっと根性悪いバージョンの小さい女の子版アンタって感じだった。とにかく、ソイツを守るために死んだ。感動したよ。」
ウェイドはひたすらローガンに向かって喋り続けた。
「傷ついてるのは分かるよ、ローたん。『ブラインド・アル』って、オレのルームメイトはアフリカ系の年寄りなんだけど、『痛みがその人を作る』って言うんだ。痛みから逃げずに、その声を聴くのも大事だぞ。」
「そりゃヤバイな。」
「ああ、賢いだろ?」
「いや、そんな名前なのか?『ブラインド・アル』?」
「
しばらく二人が、歩を進めていたその時だった。
「ホッパー!」
可愛らしい鳴き声をあげて、一匹のバッタが跳ねてきた。
通常のバッタと違い、それは子犬ぐらいの大きさで、ウェイドと同じ赤いスーツを着ている。ご丁寧に袖の数は六本で、そこから緑色の脚を生やしていた。
顔の上半分はこれまたウェイドと同じマスクに覆われているが、二本の触覚が飛び出しており、目にあたる部分から赤いつぶらな瞳が覗いている。
思わずウェイドはマスクを取って素顔を晒すと、自分の方に向ってきたバッタを抱き上げた。そして、頬ずりをする。
「可愛い子だな!一緒に連れて行こう!」
「いいや、反対だ。」
「いーじゃん!虫キライなの?」
「ホパ?ホーパパ?」
「ピ~カピカチュ~?」
「やめろ。」
気色悪い声を出してバッタに話しかけるウェイドに、ローガンは顔をしかめる。
「ゴメーン!!ソイツ、オレの友達なんだ!」
突如、陽気な声がバッタがやって来た方向から聞こえた。全身真っ赤な人物がこちらに向かって走ってくる。
額にはゴーグルを付けており、二本の触覚の様なアンテナが立っている。目は左右から迫る白い矢印で構成されており、昆虫の脚や蒸気機関車の煙突と釜の意匠が施されたデザインの装甲に身を包んでいた。
「誰、アンタ?」
「デッドプールだよ?そっちもデッドプールみたいだね。皆からは、『ガッチャードプール』って呼ばれてる。」
「あー、なんか見たことあるなと思ったら、アレだ。TVAの映像に映ってた…『仮面ライダー』ってヤツ。」
「そうそう、それ!でも、オレは先輩みたいに朝っぱらから子供には見せられない。プライムで配信ルート。あっ、オレの言ってること分かる?事情があって、不登校だったから英語合ってるかどうか不安でさ。」
「大丈夫だよ。順調にローカライズされてる。」
ウェイドとガッチャードPが話している途中で、ローガンは驚いて目を見開きながら恐る恐る尋ねた。
「お前…『ホウタロウ』か?」
「えースゴーイ!!よくオレの名前が分かったね!アンタのことは知らないけど、もしかしてどっかで会ったことある?」
「ああ、いや…知り合いによく似ていた。お前みたいに明るくなかったけどな。」
自分の世界で共に戦っていた仲間の『かつての姿』だったかもしれない人物を見て、心が揺さぶられる様な感覚に陥ったローガン。
ガッチャードPは、ウェイドに問う。
「ねぇ、この人誰?有名人?」
「コイツの名前は『ローガン』。またの名を『ウルヴァリン』。いつもは脱いでるけど、離婚後に筋トレをやめたって。」
「『ウルトラマン』?」
「…『ウルヴァリン』だ。『アース3』のネタ*3なんて、誰が分かるんだよ。」
「いや、オレが言ってるのはデッカイヒーローの。日本でスパイダーマンと仲良くしてる方*4。あっ、そうだ!」
ガッチャードPは懐からタッパーを取り出すと、中身をウェイドとローガンに差し出す。
「これ、お近づきのオレ特製チミチャンガ!虚無に来てから、お腹減ってるでしょ?ここって、ご飯食べれるところ少ないしさ。遠慮しないで、食べて!」
「おー、ありがとう!缶詰だけじゃ、どうも腹が膨らまなかったんだ!やっぱりデッドプールといやあ、これだよね!」
ウェイドは嬉しそうに、ローガンは未知の料理を訝しげに見てからそれを口に運ぶ。
しばらく咀嚼し続けていく内に、二人は何ともいえない表情を浮かべた。
「どう?」
ガッチャードPが感想を聞くと、ウェイドはしばらく沈黙した後、答えた。
「うん、まあアンタの情熱が感じられる様な味だったよ。例えるなら、そう―『食べるエ〇・ウッド*5』。」
「ありがとう!」
「
「褒めてんだよ!一応ね。」
ウェイドの言葉の裏を知らずに無邪気に喜ぶガッチャードプールは、彼が抱きかかえているバッタを見た。
「もう、『ホッパー1』に会ったんだね。ちなみに別名は『ホッパープール』。友達と離れ離れになっちゃったんだって。ここ虚無にいるかもしれないって、いつも探し回ってるんだけど…どうやら、アンタは違うみたい。」
「いいや、そんなことはない。オレはこの子の親愛なる隣人だ。たった今、そうなった。オレちゃんには癒やしが必要だ。なぁ、イナゴちゃん?オレと一緒に来てくれるよね?」
「ホ~パ~…ホパパ~…」
同意を求めるウェイドに、ホッパープールはあからさまに嫌そうな声を出す。
「ホッパープール曰く、『キモいアボカド頭を近づけんな、このフレディ・クルーガー。顔の穴という穴にマヨネーズぶち込んだ後、地獄の業火にまで蹴っ飛ばして、こんがり焼いてから食ってやる』だって。」
「テキトー言ってない?」
「紛れもない本心だよ。ね?」
「ホッパ!」
同意するかの様に鳴いたホッパープールはウェイドの腕から、ガッチャードに飛び移る。
「なんで、ソイツの言葉が分かるの?」
「ケミーの声に耳を傾けてるからだよ。そうすれば何を思っているのかが理解出来る。それと、えー、アンタの名前は―」
「ウェイド・ウィルソン。」
「ああ、ウェイド。アンタがケミーを必要としているなら、価値のある行動をするんだ。そうすれば、ケミーはキミのことを認めてくれる。そして、力を貸してくれるよ。」
「まあ、努力はする。だって、オレちゃんは誰もが求める『マーベルの神』になる男だから。」
「お~、いいね!それが、アンタの『ガッチャ』なんだ?」
「『ガッチャ』?」
「『どデカい夢』って意味だよ。」
雑談してばかりだったので、そろそろウェイドは本題に入ることにした。
「生き残ってるヤツらを探してるんだけど。」
「なるほど。でも、デッドプールの集団に会わないようにした方が良いよ?アンタをバラバラにした後、虚無のあちこちに隠すだろうから。アイツらの心は、美味しいものを食べる余裕がないくらいのトラウマに苦しめられている。でも、『レディープール』には一度会ってみる価値はあるかもね。なんたって、中の人があの『大物』だから!」
「大物っていうと…『ゴシップガール』の『セリーナ』*6とか?」
「違うよ?婚約相手がフットボール選手だもん。とにかく歌も上手いし、スタイルもいいし、ホント完璧だよ!あの美脚は、見ただけでメッチャ興奮する!新しいアルバムのジャケットで、オレのエクスガッチャリバーがフィーバーしたことが何度あったと思う?ちなみにタイトルは『The Life Of A Showg―」
「オーケーオーケー。思春期の…『元』高校生だからそういう話題で盛り上がりたい気持ちも分かる。オレちゃんも同じ。でも、会話文ばっかりでそろそろ読者もうんざりしているから。手っ取り早く先を急ぎたいワケ。」
色々アウトなことをまくし立てるガッチャードPをウェイドは宥める。
「境界線を目指している。何処か分かるか?」
ローガンが質問すると、ガッチャードPは西の方向を眺めながら説明した。
「えーと、そっち方面に十二キロ行った先だよ。車を貸そっか?ヒーローは助け合いって言うしさ!」
「ありがとう。あー、でもなんかやな予感がするなー。それって、名前の始めに『オ』がついて、『イ』で終わるヤツじゃないよね?」
「安全性は確実だから!オレの国が生んだ素晴らしい乗り物だよ!」
「うわー、マジ最悪だ!頼むからせめて、ト◯タのクラ◯ンにして!ウルヴァリンの『キセキ』を生で聞きたい!*7」
車が置いてあるトウモロコシ畑に向かうウェイドとガッチャードPに付いていきながら、ローガンは呟く。
「ケミーの声に耳を傾ける…か。」
それは誰にも知られることなく、風に乗って消えていった。
ガッチャードプールから譲り受けた車(やはりオデッ◯イだった)に乗ったウェイドとローガンは、境界線目指して森を走っていたが、ここでとんでもないハプニングが起きた。
ウェイドが『
慌てた彼は『根拠に基づく希望的観測』だと弁明するが、まともに取り合ってくれない。何とか宥めようとしたウェイドは、自分の『家族』の写真を見せた。
「オレは世界の救い方なんか知らないし、そんなのどうだっていい!オレにとっての世界は、この写真の中にいるたった九人だけだ。だけど、オレには救い方が分からない…!」
必死にウェイドは嘆願する。今こうしている間にも、生命の危機に晒されている家族のために。
「金を貰って人を襲うことしか知らない。でも、アンタは!救い方を知ってる!…いや、『他のウルヴァリンは』かな?」
結果的にそれは火に油を注いだだけだった。怒りに震えるローガンはゆっくりと言葉を紡ぎ出した。
「お前なんか誰も選ばない…アベンジャーズにも、X-MENにも入れなくて当然だ。お前というヤツは…滑稽で、ガキ臭くて、洒落にならない程の馬鹿だ。今まで二百年生きてきて、こんなに惨めで目立ちたがり屋でお喋りなクソ野郎に会ったのは初めてだよ!歴史的快挙だ!」
ローガンの罵詈雑言は止まらない。
「それにあのカサンドラっていうヤツが言ってた通り、お前に世界なんか救えっこない!何故なら、お前はストリッパーとの関係すら直せなかったんだからな!このクソッタレめ!お前なんか孤独に死ねばいい!だが、最高の皮肉は『お前は死ねない』!人類にとっていい迷惑だ!」
溜め込んでいた怒りをぶつけるかの様に、途中から早口になりながらローガンは
「アンタとは白黒つける。」
そこからは血で血を洗う争いだった。シートベルトは互いの息の根を止めるための絞首刑のロープになった。車内のシートや窓、ハンドルなどが血しぶきで赤く染まり、窓ガラスが割れる。
相手の頭を叩きつけた拍子にスイッチが入ったカーステレオが、場違いなほど愉快なミュージックを流し、肉が裂ける音やナイフと爪が刺す音、唸り声のオーケストラが奏でる。激しく揺れるコンサートホールの中で行われたその公演は、日が沈み、また朝日が昇り始めるまで終わることはなかった。
ピリオドが打たれた頃には、二人ともぐったりとしていた。殺人事件の現場と見間違える程の血なまぐさい車内で、ローガンとウェイドは疲れ果てて眠った。
やがて外から来た何者かによって、二人が乗った車は森の外へと走り出したのであった。
しばらくして二人が目を覚ますと、そこは何処かの洞窟だった。中には電気スタンドや本棚などの家具が置かれており、非常に生活感が漂っている。
戸惑うウェイドの前に六人の男女が、入口から姿を現した。彼らこそゴームズが言っていた『生き残り』であり、洞窟はその住処だったのだ。
「オッケー、じゃあ一人ずつ確認していこう。ええと、まずそこのアマゾネスはワンダー…ああ、『エレクトラ』だ。エレクトラ。大丈夫、ちゃんと覚えてる。そして、グラサンは鈴木—違う、そうじゃない。『ブレイド』。あとの四人は新入りだね。名前は?」
ウェイドは視線をラフな格好の女性とサングラスの黒人男性から、四人の男女に移した。
「俺
「小説って便利だよね。ちゃんとした文章になってるから、一発でアンタの名前が分かる。取り敢えず出演おめでとう、テイ◯ム。」
茶色いトレンチコートを着たケイジャンの男が自己紹介すると、残りの三人の日本人もそれに続く。
「『
「『
「そしてオレは『
コートに身を包んだ男、マチルダボブの少女、柔和な笑みを浮かべた青年が名乗った。
「おー、いいね。もしかして、アンタらも『仮面ライダー』ってやつ?」
「私は『怪人』って呼ばれてた。」
「まっ、なんて言われようと、オレ達が皆を守る正義の味方ってことには変わりないけど!」
ユウスケが雅人の肩を組もうとするが、その腕はペシッと払い除けられる。
「気安く触らないでくれるかな。俺は君のことを信じた訳じゃない。それに君の笑顔からは、胡散臭いものを感じる。」
「そんな照れるなって~!いい加減、素直になれよ!」
雅人は彼を睨みつけると、持っていたウェットティッシュで手を拭き始めた。
「なるほど。そうやって美白ケアしてるから、お肌がキレイなのか。ホワイトウォッシュのせいじゃないのね。白雪姫も見習って欲しいモンだよ。」
雅人の肌は、雪—いや、『紙』の様に白かった。そして、それを引き立てるインクのごとき黒髪。スクリーントーンの様な色使いの服。まるで、コミックの中から飛び出してきた様な異質な見た目をしていた。
「君は一体何を言っているのかな?」
「放っておけ。ただのイカレ野郎だ。」
ウェイドの発言に雅人が困惑すると、ローガンが口を挟んできた。台所でウイスキーを飲み、何処からか出したのか若鶏のレモン蒸しを食べている。
「そして、とんでもねぇ大嘘つきだ。」
「『希望的観測』つってんだろ!」
ウェイドが抗議すると、ユウスケがローガンが持っている皿を指さして叫んだ。
「あー!それオレの!」
「そう、ごめんね?おチビちゃん、車ん中でオレとハッスルしてたから、お腹がまたペコペコになっちゃったのよ。」
それを聞いたローガンは、ケッと苛立ちの声を上げた。
「まあ、それはそれとして。キミら六人に会いに来たんだ。」
「『七人』だけどね。」
「七人?もしかして、『マグニートー』!?『エリック』!?」
「死んだ。」
「チクショウッ!ファンフィクだから、ギャラの心配ないと思ったのに!誰よ、オレ達を連れてきたの?」
「私かな。」
入口から答えが帰ってきた。やがて、そこから声の主が姿を現す。
ラフな格好をした一人の少女だった。顔に若干のあどけなさは残ってはいるものの、その目つきは肉食獣の様に鋭い。
「がっかりさせないで。」
彼女の姿を見たウェイドは驚愕していた。
「おい、マジか…!ローガン、『X-23』だぞ。アンタに話した子だ。」
それを聞いたローガンは飲食を止めて、X-23を見た。X-23も彼の方に目をやる。
両者が見つめ合っている間、ウェイドは残りのレジスタンスに質問した。
「でも、何でアンタら虚無にいるんだ?もしかして、オレみたいにドアをノックされて、拉致られた感じ?」
「俺は、衝撃の真実を知らされた直後だ。頭の整理をする間もなく、故郷から引き剥がされて…訳の分からない場所に連れてこられた。」
雅人が答えた。
「オレはここで産まれたのかも…
「ヤツらは、俺の世界が滅ぶと判断した…抵抗する余地もなかったよ。」
「我々は、素直に引き下がるタイプじゃない。だから、TVAはここに送った。」
ガンビット。ブレイド。そしてエレクトラの言葉に、ウェイドは投げキッスを送った。
「答えは『YES』。入るよ❤」
「何にだ?」
「チームに。オレらで協力して、ここからずらかろうぜ。オレとそこのおチビちゃんは、カサンドラのアジトに行った。虚無を出るには、カサンドラをギャフンっと言わさないと。オレらを送り返せるって、アイツ言ってた。」
「待って。アイツのアジトに行ったの?」
「生きて出られたのか?」
「嘘よ、あり得ない…!」
葵とブレイド、エレクトラが驚きの声を上げた。
「あの女に
「オレ達と同じ仮面ライダーもやられた。『シグルド』に『ブラーボ』、それに『ジオウ』もね。」
ガンビットとユウスケが言う。
「あの
「ああ、悲しいねぇ。そのゴームズが何処へ行ったにせよ、上手くやってるよ。」
ウェイドは、とぼけることにした。彼の最期をありのまま話すのは流石にキツイだろうと思ったからだ。
「とにかく、数は力だ。オレ達+キミらでカサンドラにお仕置きして、ここからオレらを解放させよう!不安になるのは分かるけど、それぞれの世界は救えなかった代わりに仇は取れる。ゴームズも、そう望んでる。」
「ちょっと待て。ゴームズのことを知っているのか?」
しかし、また口を滑らせたせいでそれをおじゃんにしてしまった。ユウスケに指摘されたウェイドは、気まずそうに言う。
「ああ…けど、オレのせいじゃないよ?それは断言出来る。ただ、アイツが…その…」
「
「ゴームズは、
雅人が懐疑的な目を向け、ガンビットが手にしていたトランプにエネルギーをチャージすると、ウェイドは慌てて弁明した。
「分かった、分かった!あの練り消し野郎はカサンドラにいらんこと言ったせいで、プッツンされて、ペリッて剥がされ、ドシャッと崩れた。ワンダの時から何も学んでなかった。口は災いの元だっていうのに。」
ウェイドの告白を聞いたレジスタンスは、取り乱しはしなかった。今まで散った仲間のこともあり、覚悟はしていたのだろう。
「アイツにとって一番の不幸は、自分が死ぬことのない子供向けアニメの世界で育ったことかもしれない。だから、力を発揮する前に死んじゃったし…アンタらも、自分の世界は救えないかも。でも、協力してくれればオレの世界を救える!」
「貴方の世界なんかどうでもいいけど、この二人が生きて出て来たのなら、一緒に行けばアジトに乗り込んで彼女を倒せる。」
「俺の故郷じゃ、それを『自爆』と呼ぶセヨ?」
「カサンドラの超能力さえ封じれば、こっちのモンだろ?マグニートーのヘルメットを被せれば、チャンスはある。きっと形見としてその辺に転がってるんじゃ―」
「カサンドラが溶かしちまった。殺した後で。」
「クソォォォォォォォォッ!!」
ウェイドの叫びが、洞窟内に響いた。
「アレが弱点だってことを知ってたのよ。ジャガーノートのヘルメットもあるけど、彼女はカサンドラの手下。」
「そのジャガーノートには、『サイトラックの魔石』がある。」
エレクトラと葵が忌々しげに言った。
「あー、もしかして胸でなんかピカピカ光ってたアレ?」
「アンレンのせいで、アイツの
「ごめん、申し訳ないけどキミの方言指導は誰?ミニオンズ?ルビを振るのって、結構面倒くさいんだけど。」
どうやら、カサンドラ攻略は一筋縄ではいかない様だ。エレクトラが悲しげに呟く。
「もう、ウンザリよ…隠れてるのは飽きた。私達、世界に忘れられてる。」
「その前に知られてねぇかも…」
「ヒーローだったのに…」
それぞれが、自分の世界に対する未練を口にする。
「命を救った。」
「散っていった仲間の分まで戦いたかった。」
「差別を無くして、皆が手を取り合う世界にしたかった。」
顔を俯かせるレジスタンスのメンバー達に、ユウスケが呼びかける。
「あのさ、皆!もしかしてだけど、この二人がきっかけになるかもしれない!本来の皆を思い出してもらえるチャンスが掴める!」
彼の言葉に、メンバー達が顔を上げる。ウェイドと、ウィスキーでうがいをしているローガンに視線を移す。
「思い出してくれる…」
「そうだ。」
エレクトラの呟きをウェイドは肯定する。
「『決着』を。」
雅人がブレイドの方を見た。
「『
「YES!そうだ、アンタもっと喋りなよ!こういうのやりたかった!小説ならではの、綿密で心躍る戦闘描写!国境を越えて共演したキャラが、命懸けで一丸となるそんなの!覚悟あるか!?」
「産まれた時からな。」
「オヤジのイチモツから、オフク
「ここを出て、『
「悪い奴らがいる限り、私は戦うよ。」
「オレだって同じ!皆の笑顔を守り続けるのが、オレの使命だからな!」
ウェイドの問いにレジスタンスのメンバーが答える。
「X-23!キミはどうだ?」
「名前は、『ローラ』よ。
「
場の空気が盛り上がっていく。チームの士気も上がっていく。
「やるべきことをやるまで。」
「イェーイ!」
「やるしかない。」
「そう!」
「宣戦布告する時が来た。」
「マジ、サイコー!」
絶望しか見えなかった状況で、希望の光が差し込もうとしていた。
「全員、くたばるぞ。」
「もう、ヤダ。空気読んでよ~。」
しかし、ローガンには届かなかった様だ。
《キャラ紹介》
・『ホッパープール』
オリキャラ。見た目はデップーのコスプレをしたホッパー1。元の世界では『友達』と仲良く暮らしていたが、剪定で虚無に送られたせいで離れ離れになってしまった。見た目も声も可愛いけど、口が悪い。
・『ガッチャードプール』
オリキャラ。見た目はデップーカラーのガッチャード。ウェイドと同じような感じで、デッドプール化した宝太郎。ドライバーはデイブレイクと同じ赤。
ちなみに彼が変身に使っているホッパー1は、ホッパープールとは別個体である。
・『草加雅人』
良いところで打ち切りになってしまった漫画『仮面ライダー913』からのゲストキャラ。ジオウの映画に出て来た漫画版クウガの如く、コミックの作画そのままの姿で登場している。
ちなみに『若鶏のレモン蒸し』は、コミックスのオマケで彼が作った料理である。
・『和泉葵』
『仮面ライダーBLACKSUN』からのゲストキャラ。今までのライダーと毛色が違う作品のため、公式での客演は難しそうだと判断し、登場させた。
ちなみに虚無で出会ったマグニートーとは、仲が良かったという裏設定がある。
・『小野寺ユウスケ』
恐らく、『仮面ライダーディケイド』に登場したリマジクウガの変身者と思われる。クロスオーバー先のガッチャードにゲスト出演したディケイドこと『門矢士』とはぐれた可能性がある。雅人からは邪険にされている。
《アイテム紹介》
・『サイトラックの魔石』
この作品での独自設定。ジャガーノートが着ている鎧に埋め込まれており、これによって彼女の肌に傷を付けることは不可能となっている。
元ネタは本家ジャガーノートが所有する同名の宝石。ちなみに原典の彼はこれによって超人的なパワーを得た普通の人間であり、ミュータントではない。