透き通った世界観にElinの民をひとつまみ   作:無名さん

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世界を滅ぼす兵器?殺ったらぁ!

特に聞きたくなかったアコの性癖暴露からしばらく平和な日々が続いていたのだが、不意に見たことのない子が拠点に来訪してきた。見た目は金髪のメイド服の装いの女の子で恐らくはこの子もどこかの生徒だと思うがメイド服を着ている生徒など初めて見た。トリニティ辺りには何となく居そうなイメージがあるがそこから来たのだろうか。

 

「飛鳥馬トキです。ミレニアムのセミナー会長より会談を設けたいとの事で参りました」

 

「ミレニアム?なんだってそんなとこが――あ、ユメの件か?」

 

そういえばユメの死亡記録だかなんだかをどうにかしてくれと先生にぶん投げた時にミレニアムの名前が出ていたような気がする。

 

「それもあります。詳しい話は直接会って話したいと」

 

他にも用事があるって事か。なんだろうな。特に興味を持たれるような事はしていないと思うが。いやしたな。蘇生した。

 

「分かった。それはこれからでもいいのか?今なら空いているが」

 

「はい。構いません」

 

 

 

 

 

 

「来てくれてありがとう。私がミレニアムサイエンススクール、セミナーの会長の調月リオよ」

 

「私はゲヘナの風紀委員会で世話になっている者だ。よろしく」

 

こうして連れてこられたわけでだが、ミレニアムは雰囲気がアクリ・テオラやシャーレに似ている。ゲヘナやトリニティとも違う雰囲気に内心わくわくしてしまう。少し部屋が暗いのが気になるが、明るいところが苦手なのだろうか。

 

「まずは梔子ユメさんの件ね。私が直接やった事ではないけれど、ヴェリタスの明星ヒマリという子が対応してくれたわ」

 

マジ?どうやって?くそほど興味あるから聞きたいんだけどいいのだろうか。

 

「本当か?正直投げやりに先生にぶん投げた案件だったから半ば諦めていたんだが」

 

「こちらも正当な手段を用いた訳ではないの。ハッキングでデータを改竄しただけだから、他言は無用でお願いしたいわ」

 

「そうか、分かった。ありがとうリオ。ヒマリという子にも礼を伝えてくれ」

 

何を言ってるか理解し切れなかったが他言無用なら従おう。そしてこちらは借りが出来た形になるわけだが、わざわざミレニアムに呼ぶ程の用件だ。面倒ごとなのは間違いないだろう。出来ればきちんと借りを返したいが、どう出てくるか。

 

「他にも用件があるようだったが、聞かせてもらえるか?」

 

「えぇ。でもそんな難しい事ではないの。私と敵対して欲しくないというのが要求だから」

 

なるほど。私と敵対したくないのか。――なるほど。

デジャヴだな?こんな事が前にも二回程あった気がするぞ。黒服とイロハだ。私は一体どんな悪鬼羅刹に見られているんだ?

 

「貴方の事は調べさせてもらったわ。キヴォトスの外から来訪しアビドスでは私達には理解しがたい魔法を駆使し、未だに信じがたいけれど死者蘇生を行ったうえに正体不明の大きな機械兵器を手元に置いている」

 

「正直、私は貴方を危険視していると言っていいわ」

 

そういって表情からは分かりにくいが少し気まずそうな雰囲気を出しつつそう言う。

まぁそうだろうな。というのが私の聞かされた感想だ。はっきり言ってしまえば私は怪しいことこの上ないし、実際人間が出来ているとも言えない。今まで私が出会った人物がやたらこちらを信用してくれるというか甘いと言えばいいのか分からないが、それでもそんな私を好意的に捉えてくれる者が多かった。

 

「そうだな。ある意味ようやくまともな感性の持ち主と会えた、というべきかなこれは」

 

「――怒らないの?」

 

「怒る理由がない。君のその考えは至極尤もだ。未知の存在に対して警戒するのは当然の事だ。上に立つ者であれば猶更だろう」

 

むしろ実力行使で排除にかからない理性を持ってる点を評価すべきだろう。こうして対話から始めてくれているのだから余所者である私には十分だ。

 

「それも考えなかったわけではないわ。ただ、相手の戦力も不明瞭なのに仕掛けるのは非合理的でしょう?」

 

それもそうだな。私はとりあえず新しい敵を見つけたら見敵必殺の勢いで飛び掛かってしまうがそれが許されるのは命に限りがないからだ。

 

「そういう訳で直接会って話をして人となりを見定めたかったの。こちらも今重大な案件を抱えてしまっていて敵を増やしたくなかったから」

 

ふむ、それは分かるが私はミレニアムと今まで関わりが全く無かった。まともに接触したのはこれが初めてなのに敵に回るなどという話に飛躍するのはどういう理由だろうか。ゲヘナかアビドスに関わる問題をミレニアムが関わっているとかだろうか?

 

「そう、ね。説明させてもらうわ。実は最近ミレニアムに現れた生徒がいるのだけど、その子がとんでもない代物である可能性があるの」

 

名前は天童アリス。ゲーム開発部という部活の生徒と先生がとある廃墟から連れてきた生徒のようで、ユメの件に関しても先にアリスの身分を得る為に行われたツテを頼って先生がお願いしてくれたらしい。――頼んだ側で言うのもあれだが他言無用と言われる手段を先生が了承したって中々に柔軟性高いな?ティリス民の素養があるかもしれない。

 

そしてその子の正体がかなり厄介らしく、リオが言うには――

 

世界を滅ぼす兵器かもしれない。

 

 

 

とのこと。ほんとかぁ???

ビナーも見た目だけは大層なものだったが結局大した事はなかったし怪しいところだ。もし本当なら是非とも戦ってみたいところだが……。

 

「貴方は先生と交流があるのでしょう?もしかしたら先生と私は相容れないかもしれないから」

 

だからそうなった時に私に先生の方へ回らないでもらいたいという事だった。

なるほど。今はまだ結論は出ていないみたいだが、もし天童アリスが本当に兵器だった時はリオの様子を見るに破壊に回るつもりなのだろう。確かに先生であれば一度生徒として扱った以上ただ破壊されるのを黙って見過ごすとは思えない。リオと先生の対立の構図は容易に頭に浮かぶな。

 

「話は分かった。しかし、それは先生にも今の話を聞かせてやればいいんじゃないか?」

 

「貴方には説明の義務があると思ってこの話をしたけれど、他の人は――理解してもらえるとは思えないもの。今までだってそうだったから」

 

な、なるほど?急に眉尻が下がったかと思えば今まで信用されてこなかったのかこの子?よくその状態で会長になれたなとも思わなくもないが、とりあえず話を続ける。

 

「しかし話をするとしないでは相手に与える印象も変わってくるものだ。説明もなく破壊しようとすれば如何に兵器とはいえアリスと友誼を結んでいた子は反発してしまう。例え理解はされなくとも伝えるだけ伝えておけばこちらの破壊に対しての大義名分も得られる」

 

ちょいと外道な考えかもしれないが、こうして先に事情を話しておくことでいつか敵対した時に、

世界を守る為に兵器を破壊するリオと、世界を滅ぼす兵器なのにも拘わらず何故かそれを守ろうとする派閥の構図が作れる。もしこれを大義名分を作らず行ってしまえば、

突然友達を破壊しようとしているリオと、それを守る友達の構図になってしまい、何故かリオは正しい事をしているはずなのに糾弾される側になる可能性がある。大義名分というのはとても大切なものだ。

 

そしてもし話をして信用が得られれば儲けものだ。兵器だと判明した場合でも友達も断腸の思いで破壊を受け入れるかもしれないし、あるいは何か他の解決策を模索してくれるかもしれない。

 

「だからたとえ信用はされなくともポーズを取るというだけでも必要な事だと私は思う」

 

「なるほど……。確かに合理的ね。私も無暗に敵を増やしたいわけではないわ」

 

「あぁ。もし合理だけを求めるのであれば今の内にさっさと破壊してしまえばいい。疑わしきには罰を。ではないが危険な代物かもしれない以上先んじて芽を摘むというのも一つの手だ」

 

しかしリオはそれをしていない。私が今ここで破壊という提案を出した時に少し表情が暗くなっていた。という事はきっと今はアリスを生徒だと認識しているのだろう。ただ兵器だった場合のリスクが計り知れないというだけで。

 

「……そうね。現状では世界を滅ぼす程のものではないと思うわ。これを見てちょうだい」

 

そういって見せられたのはトキと似たメイド服を着た生徒と、レールガンを手に持った生徒が戦っている映像だった。

 

「レールガンを担いでいる方がアリスね。このレールガンはかなりの重量を誇るのだけどそれを軽々と持ち上げるだけの膂力は持っているみたい」

 

「なるほどな。しかしこの様子ではとてもではないが世界を滅ぼすとは思えないな。それに想像以上に見た目が人間そのものだ」

 

ノースティリスにもいたなこんな感じの子が。確かキリアといったか。あの子も見た目は人間に近いが機械だった気がする。

 

「そうね。私もここまで精巧に人間そっくりに作られた機械を見たのは初めてよ」

 

映像を見るにメイドの生徒の方が断然優勢だ。そしてメイドが優勢のままアリスは撤退を選び、メイドの生徒は追撃をせずそのまま撤退するアリスを見逃していた。

 

「うーん。今の映像では戦力的な意味では何も分からないな。ちなみにアリスには自分が兵器という自覚はあるのか?」

 

「いいえ。恐らくは無いでしょうね。だからこうして調べているというのもあるけれど。どうやら廃墟で拾われる前の記憶を失っているみたいなの」

 

「ではいっそ彼女にも伝えてみたらどうだ?」

 

「え?」

 

君実は兵器なんだよね!って言われた彼女の心境を考えるとかわいそうだとは思うが、ここまでの話を纏めると、彼女が自分の力をコントロール出来ればそれほど問題ではない気がする。

 

力があるだけで問題なら銃など捨ててしまえ。極論ではあるが方向性としては同じだろう。

 

「でも伝えた瞬間に兵器として目覚めてしまったらどうするの?」

 

「発案者は私だ。私が責任を持ってしっかりと殺してやる。安心できる材料ではないかもしれないが、キヴォトスを更地にするだけなら私も恐らく出来ることだ」

 

キヴォトス中走り回ってメテオや地震を唱え続ければきっと出来るだろう。想像するだけでシュールなのでやりたくもないが。

 

「ほ、本当に安心できないわね……」

 

「しかしそんな未知の存在と対話を選んだのは君だぞリオ。そしてここで今こうしてお互い話す仲にまでなれたのだから、アリスも同じだろう」

 

「……そう、ね。上手く出来るかも分からないし、こういう事をするのも初めてだけれど……やるだけやるわ」

 

「なに、誰しも経験の少ない事をする時は不安になるものだ。私も昔演奏する際は石を投げられないか不安に駆られていた」

 

「演奏で石を……?貴方の世界って音楽に厳しいのね」

 

その辺の市民ですら満足いかなかったら容赦なく投げてくるからな。確かに厳しいといえるかもしれない。

 

「それに今なら私もいる。少しのフォローくらいは出来るだろうから安心していい」

 

「え?協力してくれるの?――いえ、万が一アリスを破壊する事になるかもしれないならこれ以上は居なくても私が――」

 

「キヴォトスで殺しはご法度なのだろう?ならそんな重荷を背負う必要はない。今日出会ったよく分からない大人にその役目は押し付けておけ」

 

正直世界を滅ぼす兵器なんて興味しか湧かない。贅沢を言えば卵を産ませたいところだがどうなるかな。――あるいはモンスターボールもありかもしれない。本当に世界を滅ぼす兵器ならダメかもしれないが、その時は大人しく有精卵コースだな。

 

「そ、そんな事でき――」

 

「早く来ないと置いてくぞ。私はミレニアムに来るのは初めてだから道に迷っても知らんぞ」

 

「どういう脅し文句なのそれ……!?ま、待ってすぐそっちへ――へぶっ」

 

リオからトンチキな声がしたので振り返ってみると盛大に転んでいた。コードに足を引っ掛けたらしい。流石に焦らせすぎたかと思い手を差し伸べながら声を掛ける。

 

「あー、大丈夫か?」

 

「…………えぇ、ありがとう。いえ、礼を言うのもおかしい気がするけれど」

 

「さぁ、行こうか」

 

「無視なのね……。もういいわ、行きましょう。トキはここで待機していてちょうだい」

 

「――ふふっ、イエス・マム」

 

「!?」

 

このトキという子、中々良い性格をしている。そんな事を思いながらゲーム開発部へ向かうことにした。

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば貴方の飼っているビナーという機械なのだけれど」

 

「あぁ、あれがどうした?」

 

「アリスの事もあってこちらでもそういった存在を調べる機関を作ろうと思っていたの。もし良ければ貴方にも協力してもらえないかしら。情報は多ければ多い程良いわ」

 

「ゲヘナでの活動もあるし、近々エデン条約の事もあるからすぐにとはいかないかもしれないが勿論構わない。あのような憐れな存在が後二体は確実にいるようだからな」

 

私ではキヴォトスの情報を探るなんていうのは中々出来ないしそういった事を代わりに行ってくれる人がいればこちらとしても大助かりだ。

 

「今度ビナーに会いに行ってみるか?基本世話はアビドスに任せているから君が向かうなら事前に連絡した方がいいとは思うが」

 

「そうね。アリスの件を終えて落ち着きが見えたらそうさせてもらおうかしら」

 

そう考えるとお互い忙しいものだ。こちらはエデン条約が近付き、リオは世界の危機かもしれない状況。――ヒナが居なければエデン条約をほっぽりだしてこちらに付きっ切りだっただろうな。面白いし。

 

「着いたわ。ここがゲーム開発部の部室よ」

 

「ここが……。随分と元気のある子達のようだな。扉越しからでも喧騒が聞こえてくるぞ」

 

喜色めいた喧騒を聞くに明るい子達のようだ。今からそれなりに重い話を聞かせると思うと少し心苦しいな。

 

「そういえば今日はミレニアムプライスの発表の日だったわね。ゲーム開発部の作ったゲームが入賞したのかもしれないわ」

 

ゲームか。娯楽の一種だと聞いているが実際にプレイしたことはまだないな。興味はあるがまだその機会には恵まれていない。

 

「であればその空気に水を差すのはちと気の毒か……?」

 

「そうね。日を改めてもいいかもしれないわ」

 

お互いそんな空気ではないと察して戻ろうとした時、扉が空いて黒髪の子が出てきた。

 

「あれ?会長!?どうしてこんなところにいるんですか!?それに、隣にいるのは大人の人……?先生以外でヘイローが無いって事は……」

 

どうやらリオの知り合いのようだが、私の事にも心当たりがあるようだ。カヨコが私の噂を聞いていたらしいし、その噂も日が経ち大きくなってミレニアムまで届いているのだろう。

 

「どうしてゲヘナで活動してる大人の人と会長が一緒に?しかもこんなところに。もしかして私に用事でしたか?」

 

「いえ、貴方ではなくてゲーム開発部、というより主にアリスに用事があったのだけど」

 

出くわしてしまったのでこのままリオは話を進める事にしたようだ。

 

「ユウカ?ゲヘナの大人ってもしかして――あぁ、やっぱり君か」

 

「先生?今日はここにいたのか」

 

「うん、ゲーム開発部とはちょっと縁があってね」

 

知っている。今日いるとは思わなかったが。しかし先に先生に話を通しておくべきだったな。リオが重荷を背負おうとしてるのをあしらう形でここに来てしまったせいで伝えるのをすっかり忘れていた。正直いてくれて助かった。

 

「詳しい話は――どうする?リオからするか?私から話してもいいが」

 

「私がするわ。せめてこれくらいはさせてちょうだい」

 

まるで覚悟を決めたかのように振舞っているがとりあえず今日は兵器かもしれないから力のコントロールを覚えようって話をするだけだ。あまり力みすぎても良くないが……。

そうして私達二人もゲーム開発部の部室にお邪魔させてもらう。中には双子と思われる容姿のよく似たカラーリングの違う二人と赤髪の子が居たのだが、その子は私達を認識するなりロッカーの中へささっと隠れてしまった。なんという早業。見事だ。

 

「単刀直入に言わせてもらうわね、アリス。貴女は――世界を滅ぼす兵器なの」

 

「「「「「は?」」」」」

 

断言しちゃった。言葉が足りないという次元ではなく間違えてしまっている。思わず頭を抱えてしまうがどうしたものか。

 

「リオ、リオ。落ち着け。今はまだ断言しちゃだめだぞ」

 

「あ、そうだったわね。失礼したわ。貴女は――世界を滅ぼす兵器かもしれないの。力のコントロールを覚えてもらわなければ私が貴方を破壊するわ」

 

どうしたものかなこれ。口下手って表現が可愛く見えてくる。用件は確かに伝えられたけど直球すぎるし破壊する事は今伝えなくても良かった。

 

「は、はぁ!?セミナーの会長って変わり者って聞いてたけどここまでなの!?話が突飛すぎるんだけど!」

 

「どういう事ですか会長!?きちんと説明してください!」

 

「えっと……」

 

こうやって言葉を駆使して説得する状況に慣れていないのだろう。早くもタジタジになっている。もう少し頑張らせてあげたいが……。

 

「リオ。とりあえず私達が話した内容を順番に話してあげるといい。今の話のままではあまりに直球すぎて話を聞いた子が付いていけていない」

 

「わ、分かったわ」

 

そうしてまずこちらも調査中ではあるがアリスが世界を滅ぼす兵器である可能性がある事。これにはゲーム開発部含めユウカと呼ばれる子も反発していたが、先生がとりなしてくれたおかげで話だけは聞いてくれる姿勢を取ってくれた。この人いなかったら収拾付かなかったかもしれないな。

 

そして危惧した通りの存在だった場合、アリスは現状記憶も無い状態なので時限爆弾同然の状態なので非常に危険な事。出来れば力の使い方を覚えて爆弾の扱い方を覚えて欲しい事。万が一暴走したり周りに被害を出してしまう事になればこちらとしても放置は出来ないので破壊するしかない事を少しずつ時間をかけて伝えていった。

 

「つまり……アリスは実は魔王で記憶を失って力も使えないからその力を扱えるようになればいいってことですか?」

 

「魔王……。そうね、そういう事になるわ」

 

「そう、ですか……」

 

アリス本人は落ち込んでしまっている。かわいそうだとは思うがもし本当に世界を滅ぼす兵器だとすれば、こちらが正体を調査している間に兵器としての自覚を取り戻し行動に移される可能性もある。その可能性を考えれば、調査も並行しつつアリスにも対策を取ってもらいたいというのが方針だ。

 

「なるほどね。君がここにいたのはリオとその話をしていたんだね」

 

「あぁ。先生がユメに関して話を通してくれただろう?その縁で今日リオと話していたんだ。ユメに関しては解決した。礼を言う先生」

 

「どういたしまして。でも思ったより規模の大きい話が出ちゃったね」

 

全くだ。お互いキヴォトスに来てエデン条約とアビドスの問題くらいにしか関わっていなかったというのにその次が世界の危機だ。規模感が違い過ぎて風邪をひきそうになる。

 

「で、でもゲームではよくあるよね!自分の中に眠る大きな力を目覚めさせて覚醒するってやつ!」

 

双子の元気そうな方の子がそんな風に声をかける。ゲーム開発部というだけあってそういった表現にはかなり詳しいようだ。

 

「確かにそうだね。アリスちゃんが本当に主人公みたいな設定持ってるとは思わなかったけど」

 

「……!確かにアリスもそういうゲームをプレイしたことがあります!という事はこれは、修行パートってやつですね!」

 

「そうだよ!兵器だかなんだか知らないけど私達も協力するからさ!一緒に考えようよ!」

 

「私も一緒に考えるから、がんばろ……」

 

赤髪のロッカーに隠れていた子も出てきてアリスに声をかける。

 

「はい!アリスは魔王の力を手にして、魔王勇者になります!」

 

 

魔王勇者ってなんだろう?これもゲーム的表現だろうか。

 

 

 

 




ちょっと難産でした。keyの存在をティリス民は知覚できないのでその辺りをどうするかずっと悩んでました。リオも本編だとかわいそうが過ぎるのでどうにかしたいと性癖に従った結果ちょっと柔らかくなってしまいました。エデン条約もこの調子で考えないといけないとなると毎日投稿を意識してましたがいずれ限界が来るかもです。

もう何も考えず百鬼夜行に行ってアヤメにティリス流メンタルケア施して出奔させてペットにしてぇなぁ~。
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