透き通った世界観にElinの民をひとつまみ   作:無名さん

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ティリス民、TSCをプレイする。

「魔法使いさん!アリスとゲームをしましょう!」

 

リオの装備のテストに付き合った翌日。

アリスからモモトークで呼び出されたのでミレニアムに赴き、ゲーム開発部の部室に入って開口一番の発言がこれだった。アリスの件で何か進展があったのかと思って来たから一気に力が抜けてしまった。

 

「ゲーム?私はゲームというものをしたことがなくてな……」

 

「そうなのですか?ゲームはとても楽しいですよ?」

 

「ゲームやった事ないなんて人生の九割損してるよ!?今からやってみようよ!」

 

そこまで言うならやってみても、いいか?ユズが相変わらずロッカーに隠れてしまっているので長居するのが少々心苦しいのだが……。

 

「アリスの力もあんまり進捗なくてさー。息抜きは必要だと思うんだよね~」

 

「射撃場でアリスちゃんの訓練をしてみたり力を思いっきり溜めてみたりとか試してはいるんですけど、中々上手くいってないんですよね」

 

まぁお姉ちゃんは毎日ゲームしてますけど。と付け加えるミドリ。

 

「うぅ……。アリスは勇者失格です……」

 

力を溜めるという表現があまりよく分からないがこの子達なりに色々試してくれているようだ。話してまだ数日程度だし緊急性は確かに高いがそこまで根を詰める必要もない。モモイの言う通りこうしてゲームするくらいの時間は必要か。

 

「まだ数日しか経っていないからそこまで思いつめる必要はないぞアリス。クエスト期限はまだあると思うから、ゆっくり進めていこう」

 

「……はい!」

 

「じゃあ今日はゲームで休息を取るとして、何かおすすめはあるか?」

 

私がそう聞くとモモイが待ってましたと言わんばかりに顔を綻ばせる。

 

「もちろんあるよ!それは――じゃん!テイルズサガクロニクル!」

 

「なんかすごいデジャヴを感じるよお姉ちゃん……あの時勧めたのは私だけど」

 

「TSCはアリスがゲームにはまったきっかけのゲームです!確かにゲームが初めてならこれはおすすめです!」

 

なるほど。アリスが初めてやったものなら私もやってみてもいいかもしれない。無いとは思うがアリスの正体に関する取っ掛かりを掴める可能性もあるかもしれない。

 

「そういう事ならやってみようか」

 

「うん!これの続編のゲームもあってね。そのゲームはなんと、ミレニアムプライスで入賞したんだから!」

 

あぁ、そういえばリオとここに来た時にそんな事を言っていたな。という事はこのゲームはモモイ達が作ったものか。続きが出ていて尚且つ入賞しているなら面白さの担保はされてるか。

 

 

 

 

 

――コスモス世紀2354年、人類は劫火の炎に包まれた……

 

いきなり重いというか滅びかけてないか人類。こんなスタートで生きていけるのか?

 

――チュートリアルを開始します。

――まずはBボタンを押して、目の前の武器を装着してみてください。

 

チュートリアルとは親切だな。私の命の恩人も最初に会った時右も左も分からない私に手取り足取り様々な事を教えてくれた事を思い出す。

 

ゲームの説明に従ってBボタンを押した瞬間――――私は爆発して死んだ。

 

「??????」

 

「あははははっ!何度見ても面白いねこれ!」

 

「いや何度見ても酷いよこれ……」

 

「アリスも最初騙されました!今でも意味が分かりません!」

 

これは……人類が滅びかけている中でのスタートだからこそ、世の中の理不尽を最初に教えてくれているという事か?それならば納得だが、何故か頭の中に見覚えのないネルンとは違う緑の妖精がよぎった。あれは一体誰だ……?見るだけで殺したくなる見た目と邪悪さを兼ね備えていた。

 

気を取り直して武器を装備しゲームを再開する。

 

――エンカウントが発生しました!

――野生のプニプニが現れた!

 

接敵したようだ。見た目はプチに似ているような気がしなくもない。名前も近いし近親種だろうか?

 

Aボタンで秘剣つばめ返しが使える様だ。

プチ程度ならばこの技で一撃で倒せるだろう。――――そして私はプニプニに銃で撃たれ即死した。

 

――プニプニ:どれだけ剣術を鍛えたところで、我が銃の前には無力……ふっ

 

「なるほど、道理だな……」

 

「納得しちゃった!?」

 

「アリスはここでも思考が停止しました。魔法使いさんすごいです!」

 

こうしてゲームを進めていること少し……。

 

『ごめんなさい。私は植物人間ですので、女性に対して気軽に声をかけることはできません』

 

「ふむ、この世界には植物で出来た人間がいるのか。女性に声を掛けられないのは種族フィートによるものか?それとも信仰する神による教えか?」

 

「そういう問題じゃないですよ!?植物で出来た人間なんていません!」

 

「ヒロインというのは主人公のパートナー的存在だったか?母親がヒロインでそれが前世の妻とは……この世界の神はかくも残酷な試練を強いるものだな。これではまともに愛し合う事も出来ないだろうに」

 

「そ、そう……だね?そう……かも?」

 

「なに?その妻の元に子供の頃に別れた腹違いの友人がタイムリープ?――腹違いの友人とはなんだ?兄弟ではなく?」

 

「細かい事は気にしてはいけないとアリスはこれで学びました!」

 

そうしてプレイは順調に進み、私はクリアまで漕ぎつける事が出来た。

 

「クリアおめでとう!流石に開発者二人に既プレイがいたから早かったね!」

 

「そうだね。しかも割とこのめちゃくちゃな世界観に順応してたし」

 

「魔法使いさん!初めてゲームをプレイした感想はどうですか?」

 

新鮮でありながら懐かしさも感じる事が出来るゲームだった。理不尽さと時折私でも理解の及ばない現象が発生するこの世界は何故かノースティリスを彷彿とさせるものだった。向こうへ戻って数日羽を休めるのもいいかもしれないな。

 

「――面白かった。君たちが勧めてくれただけあるよ。何故か故郷を思い出す事も出来たしな。思わず郷愁の念に駆られてしまったよ」

 

「ほんと!?よかったー!」

 

「このゲームで故郷を思い出すって、どんな魔境に居たんですか……?」

 

「魔法使いさんも楽しめたようで良かったです!ユズも喜びます!」

 

アリスがそう言うとロッカーからユズが出てきた。

 

「そ、その、ありがとうございます……楽しいって言ってくれて。大人の人にもそう言われて、嬉しかった、です」

 

「こちらこそ。初めて遊んだゲームがTSCで良かったよ。ありがとうユズ」

 

「――うんっ」

 

「じゃあ次はこのままTSC2もやってみようよ!」

 

そうモモイが言ったところで部室のドアがノックされる。

 

「やっほー。みんないるー?」

 

入って来たのはユズと同じく赤髪の子だった。

 

「あ、マキじゃん!どしたの?」

 

「実はキヴォトス史に残るような歴史的発見をしたかもしれないの!凄い面白いものを見つけちゃってさ!」

 

「面白いもの?でもこれからTSC2を……」

 

「うーん、次回作のインスピレーションにはなるかもしれないよ?お姉ちゃん」

 

「アリスは興味あります!見に行きましょう!」

 

「みんなが行くなら私も行こうかな……ちょっと、大変だけど……」

 

どうやらゲーム開発部の子達はそちらへ興味が向いたようだ。であるなら今日はこの辺りで解散かな。

 

「ゲームの続きはいつでも出来るだろうから、今日は解散としようか」

 

「およ?貴方は……あ、もしかして蘇生の魔法とやらを使って人を生き返らせたやばい人!?」

 

やばい人は言い過ぎ。

「それを知ってるという事はヴェリタスの子か?ユメの件では世話になった」

 

「いいのいいの!やったのは部長だしね。あ、あたしは小塗マキ!よろしくね!」

 

「ちょっと待って?人を生き返らせたって何……?」

 

「魔法使いさんは蘇生魔法も使えるんですか!?」

 

「そうだよアリスちゃん!いやーミレニアムで魔法の話とか聞く事になると思わなかったよ」

 

現代技術に喧嘩売ってるよねーと楽しそうにマキが言っている。確かにキヴォトスではそう思われるのも仕方ない。

 

「それじゃ魔法使いさんも行きましょう!アリスもっと魔法のお話が聞きたいです!」

 

ふむ、まぁ特に断る理由もないしマキに許可が取れたら一緒に行ってみようか。

 

「という事なんだが、私も一緒に見させてもらってもいいか?」

 

「もちろん!あたしも興味あるし」

 

そんな訳でヴェリタスの部室に向かう間に魔法の種類や属性の話を聞かせてあげた。モモイやミドリは属性の話を聞いてインスピレーションが湧いたようで次回作に使えそうだと喜んでいた。アリスも魔法を知れた事で更に好奇心が湧いたようで教えてもらう日をそれはもう楽しみにしているようだ。そしてヴェリタスの部室の前に辿り着いた時に意外な人物と出会った。

 

「あれ、先生じゃん!やっほー!」

 

「やっほーみんな。って、君もいたんだね。今日はゲーム開発部と?」

 

「あぁ、初めてゲームというものをやらせてもらったよ。中々面白かったぞ」

 

「馴染めてるみたいで何よりだよ。ここに来たって事はヴェリタスから話を聞かされて?」

 

「あぁ、みんな興味が湧いたみたいでな。折角だからと私もお邪魔させてもらう事にした」

 

先生と軽く世間話をしてからヴェリタスの部室へと入る。そこはモニターや機械がずらりと並んでおり如何にも技術者の部屋という雰囲気だ。これらを全て扱えるのか?私には出来る気がしないな。

 

「お邪魔しまーす!」

 

「今日は魔法使いさんと途中で合流したパーティーメンバーの先生も一緒です!」

 

「魔法使い?――あれ、貴方は」

 

そこでヴェリタスの面々が私に顔を向ける。

 

「初めまして。ユメの件では世話になった。感謝する」

 

「ううん、気にしないで。私は小鈎ハレ。よろしく」

 

「――音瀬コタマです」

 

私達の自己紹介を終えた所でモモイが早速切り出す。

 

「それでハレ先輩。例のブツって?」

 

「あぁ、それなら――」

 

そういって周りに置かれている機械に視線を向ける。球体に触手のようなものが付いたロボットが五体程置かれている。もしやこれがマキの言っていた歴史に残るような代物?見た目ではとてもそうは見えないが……。

 

どうやらミレニアムの郊外で発見されたらしくまだ二十数体はいたらしい。少なくともミレニアムで作ったドローンとかではないらしい。……ドローンってなんだろうか。

神経質になりすぎているだけかもしれないが、どうしてもアリスとの関連性を疑ってしまう。見た目は全く似ても似つかないが、タイミングが良い気がしてならない。

 

「で、結局起動すら出来なかったんだ」

 

考え事をしている間にそこそこ話が進んでいたらしい。ヴェリタスはこれを起動させようとしたが起動するためのボタンや機構を見つけられなかったらしい。

 

「だから先生を呼んだんだ。危険物かもしれないからシャーレに協力を要請する形で」

 

「先生どう?何か分かったりする?」

 

モモイからの質問に先生はこちらに目配せをしてくる。どうやら先生も私と同じく若干の疑いをかけているようだ。しかしそれを証明する手立てはこちらには一切ない。リオやヒマリに頼んで検証してもらう他ないだろう。

 

「あっ魔法使いさん。アリス、これ見た事あります」

 

「本当か?」

 

いつの間にかロボットに近付いていたアリスがそう言う。やはりアリスと関係があるか。ではなぜこのタイミングで現れたのかも気になるな。アリスが兵器であるという話を聞いて自覚したことで無意識に呼び寄せた?そんな事あるか?キヴォトスの技術力は訳が分からなすぎて何でもありえるように感じてしまう。私が考えても意味はなさそうだ。そう結論付けて頭脳担当であるリオとヒマリに連絡を取ろうとした時――ロボットが急に覚醒した。

 

アリスが近付くだけで起動するとか無法すぎないか?一体どういう理屈だ。とりあえず起動したロボットは氷の矢で破壊しておく。

 

「わ、本当に魔法だ……話には聞いてたけどいざ見るとびっくりだね」

 

「あれ?お姉ちゃん、ゲーム機の音が出てるよ?」

 

「あ、本当だ。今まで起動しなかったのにどうしてだろ」

 

ハレが感心しているがモモイとミドリよ。どう考えても今の状況と連動しているに決まっている。何故ゲーム機が関係してくるのかはさっぱりだがまず間違いないだろう。

 

「――起動開始」

 

アリスの様子もおかしな事になっている。だいぶ面白そうな事になってきた。ロボットのせいかゲーム機のせいかはたまた両方か、このまま適当に泳がせて情報を探らせてもらうとしよう。念の為周りの者達に聖なる盾を付与しておく。ついでに邪魔だから下がっててもらおう。

 

「全員下がれ。皆に防御魔法は掛けたが何が起こるか分からん」

 

私の言葉を聞いた先生が主導で他の皆を下げてくれる。アリスの言葉を機に先に壊したロボット以外も起き上がり始めたので先んじて氷の矢で破壊する。

 

「コードネーム「AL-1S」起動完了。――――プロトコルATRAHASISを実行します」

 

いやさせないが?こちらにレールガンを向けてチャージし始めたので加速を唱えアリスに迫りレールガンを蹴り上げ銃口を天井に向ける。そのまま天井に向けてレールガンが発射され、天井に綺麗な穴が空いた。

 

――うーん、どうしよう。まぁアリスがやったって事で私は無関係を貫かせてもらおう。ついでにリオへの連絡の手間も省けた。この騒ぎで勝手に駆け付けてきてくれるだろう。

 

「不確定要素を確認。排除します」

 

完全に私にターゲットを見定めたらしい。アリスであれば絶対に私に敵対などしないと思うが……機械らしくなった事で頭がバカになったか?先ほどのレールガンを対処された時点で力の差は分かると思うんだが。

 

「アリス!……返事してよー!あれが兵器としての姿なの!?」

 

「アリスちゃん!しっかりして!」

 

モモイとミドリが後ろから話し掛けるが一瞥もせず無感情にこちらを見据えるだけだ。

――まずアリスがどういう状況なのか調べる必要がある。まずは適当に言葉で揺さぶりをかけてみるか。

 

「どうしたアリス?見てるだけじゃ始まらないぞ?それとも怖気づいたか?」

 

挑発に表情を動かす事は無かったが私の言葉を皮切りに再度レールガンを構えようとする。二度も天井に穴を空けるわけにもいかないので気絶しない程度に木刀で横腹を殴りつける。すると若干顔を顰め体勢を崩しレールガンのチャージが中断された。――ふむ。

 

「随分と弱いな。世界を滅ぼす兵器と聞いていたから正直期待――いやすまない、全く期待はしていなかった。だがここまで予想を下回る弱さだとは思わなかった。驚いたよ」

 

「――プロトコル再実行」

 

「させる訳ないだろう。もう少し頭を使って戦え。いや、君には酷な話だったか」

 

再度横腹を殴りつけると次は分かりやすく苦悶の表情を浮かべる。そして分かったのは今のアリスは感情が無いわけではない。私の言葉を理解できるし痛みも感じるようだ。そして何故かやたら煽り耐性が低い。しかし普段のアリスがどの程度の煽り耐性があるか分からないので結論を出すにはまだ早そうだ。少し口撃の方向性を変えてみるとしよう。

 

「お前がアリスじゃないのは察してる。大方ロボットかモモイのゲーム機から干渉した何らかの存在だろう。しかし君も災難だな。乗っ取った体が脆弱すぎて私に手も足も出ないのだから」

 

「あの人めちゃくちゃ煽るじゃん……」

 

「戦いになると口が悪くなるタイプなのかな……?」

 

モモイとミドリに誤解されてしまっているがわざとやっている事なので気にしないで欲しい。しかし私の言葉がアリスは気に食わなかったのか僅かに怒りの表情を滲ませる。しかし何度も完封されているせいで動くことを躊躇している様子だ。――そろそろ良いだろう。

 

恐らく今のアリスは別の人格か何かにすり替わっていると見ていいだろう。アリス自身を侮辱した際に出た怒りの表情からそう推測した。であるなら今の内に情報を本人から聞き出すのが一番だ。――マコトに試してこのアイテムの有効性は確認済みだ。まさか二度も使う事になるとは思わなかったがこの状況なら最高に役に立つだろう。

 

さぁ、ノースティリスの法則に震えろ。

アリスに肉薄し木刀で殴りつけて怯んだ隙に絞首台を取り出しアリスを括り付ける。これでこいつはもう何も出来ない。

 

「さて、これで準備は整った。お前はもう何も出来ないぞ」

 

「プロトコル再実っ――!?」

 

アリスがレールガンを撃とうとするが全く反応しない。それはそうだ。絞首台は括り付けられると本当に何も行動出来なくなる。体に接触するだけで発動するカウンターを持っているなら話は別だが殴った時点でそれは無い事は確認できる。

 

「これに括り付けられたものはどんなに攻撃をされようが絶対に死ぬことはない。つまり拷問がしやすい最高の道具だ。やりすぎて死ぬことはないのだからな」

 

「ご、拷問って言った……!?」

 

「聞き間違いだよお姉ちゃん……!そんな訳ないって……!」

 

モモイとミドリは戦々恐々としている。

 

「先生……これ、どうするの?どう見ても今助けるべきはアリスな気がするよ?」

 

「アリスの中にいるであろう存在から情報を得る為の脅しだよ。――――多分」

 

ハレが先生に伺いを立てるがその先生すらもこちらを疑っているが失敬すぎる。さすがにそこまでの事はしない。

 

「しかし私も鬼ではない。甚振る趣味はないからな。だから選ばせてやろう」

 

そして私は鞭を取り出しながらアリスに告げる。

 

 

 

「産むか、情報を吐くか。――どちらがいい?」




生徒に拘束プレイと産卵プレイと見せつけプレイを同時にこなすロクデナシがいるわけないじゃないですか。アリスは生徒かもしれませんが、keyは生徒ではないので

とはいえ流石にやる事がやる事なのでアンケで様子を見ます。

  • そのままいけ
  • さすがにもう少しマイルドに
  • 媚薬ってアイテムがあってぇ
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