透き通った世界観にElinの民をひとつまみ   作:無名さん

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ベアトリーチェ、死す!

「その実験、我々も参加させて頂いてもよろしいですか?」

 

ベアトリーチェを蘇生しようとしたその時、背後から声を掛けられる。いずれコンタクトを取ってくるだろうとは思っていたが、まさかこのタイミングとは。こちらとしては断る理由も無いので振り向きながら了承する。

 

「構わない。久しいな、黒服」

 

「ご無沙汰しております。今回も随分と暴れ回ったようで」

 

仲間であるベアトリーチェをやられたにも拘わらず愉快そうに黒服が言う。それよりも気になる事がある。黒服の隣に見慣れない人物が二人居る。

 

「あれ、確か貴方は……」

 

「久しいなロイヤルブラッド。其方との約束を果たせなかったのは残念だが、こうして彼と既知の関係になれた幸運を慶ぶとしよう」

 

「姫、この……木の人形を知っているのか?」

 

どうやら双頭の木の人形らしき人物とはアツコは知り合いらしい。どのような約束をしていたのかは……まぁ恐らくエデン条約関連だろう。知らず内に彼の思惑を邪魔してしまったようだな。

 

「無作法だな。私の事は芸術への敬意を込めてマエストロと呼んでほしいものだ」

 

なるほど、彼がマエストロか。ではもう一人、首無しの紳士の装いの者が――

 

「お察しの通り、ゴルコンダと申します。背を向けた状態での挨拶となるご無礼、どうかお許しくださいませ。わたくしにはこれ以外の手段がありませんもので」

 

「そういうこったぁ!」

 

「そしてこちらがデカルコマニーです」

 

…………うん?

確かに人が背を向けた絵画を持っているが、もしやそっちの絵画自体がゴルコンダなのか?そして絵画とステッキを持ち歩いている首無しの人物がデカルコマニー……?

いや珍妙な生態しすぎだろ、面白過ぎる。この状態でどうやってヘイローを破壊する爆弾を作ったりしているんだ?絵画から腕が伸びてきたりするのだろうか。

 

「黒服もそこそこ変わった様相をしているが、まさかそれ以上が出てくるとはな」

 

ノースティリスでもこのような変わった存在は中々いない……事もないかもしれないが、今のところ似たような存在は知らない。そんな事を考えていると次はマエストロが話しかけてきた。

 

「貴下とは言葉を交わしてみたかったのだ。死者の蘇生という偉業をも可能とする貴下の力を見る事が出来るのは幸甚だ」

 

「そうか。一応聞いておくが、これから行う実験は君達の仲間に向けるものなのだが、そこに異論は無いか?」

 

あれば言って欲しい。一緒に実験体にしてやろう。言え。

 

「確かにマダムとは同志だが、方向性までは同じではない。我々は貴下と敵対すべきではないと再三言っていたのだが」

 

「えぇ。神すら弑した者を、神に至らぬまま倒そうなど、これほど結末の見えた物語はありません」

 

私が神を殺した事があるという事すら既に知っているのか。本当に一体どこから会話を聞いていたんだ。確かアリスやヒナには封印された神格を倒したという話をした事があったはずだが……これもうプライバシーの侵害だろ。当たり前のように盗聴か何かしている。

 

「それにマダムがここアリウスで何をしていたのか、わたくし達も詳しくは知らされておりませんでした。折角ですので、この機会に聞かせて頂こうと思いこうして馳せ参じた次第です」

 

「そういうこったぁ!」

 

「ふむ、そういう事ならばさっさと情報を引き出すとしようか」

 

マエストロも蘇生に興味があるようだし、黒服も言葉には出さないが、蘇生の魔法に興味があるようで先程からこちらを凝視し続けている。気持ち悪いので早めにやってしまおう。

 

ベアトリーチェの死体まで近付き、復活の魔法を唱える。すると離れ離れになっていた首と体が元に戻るように動き始め、次第にくっつく。間もなくベアトリーチェは目を覚ましたようで、指先がピクリと動く。

 

「クックック!こうして死者蘇生を直接見られるとは!素晴らしい!クックックック!」

 

ご機嫌な黒服を余所目に私はベアトリーチェが完全に目覚める前に装備を変えておく。具体的には反魔法のエンチャントの付いた装備を全身に付け替える。このエンチャントは魔法の耐性を上げ、自身の魔法のパワー……つまり威力を下げる。自身のマナも大きく下がる為、この装備を着けた私は今やどの魔法を使ったとしても魔法の反動を受ける程にマナの量が少ない。一見デメリットの大きいエンチャントであるが、副次効果として自身の無属性の物理火力を大幅に上げる効果がある。

 

「うっ……私は……生きて……?」

 

「おはようベアトリーチェ。いや、初めましてと言うべきかな」

 

「――!お前は……!なるほど……何故私を生き返らせたのですか?いえ、聞かなくても分かります。情報を聞き出そうというわけですか」

 

「話が早くて助かる。私だけでなく、お前の同胞もここで何をしていたか詳しくは知らないそうじゃないか。全て吐いてもらうぞ」

 

同胞という言葉を聞き、ベアトリーチェは漸く私の側に黒服が控えている事に気付き、バツが悪そうな反応をする。忌々しそうに舌打ちをうっている姿がなんだか面白い。

 

「貴方達も来ていたのですか」

 

「えぇ、手痛い敗北でしたねマダム」

 

「だからあれほど言ったのだ。彼と敵対すべきではないと」

 

「黙りなさい木偶。異物に怯えてるだけの分際で」

 

「……」

 

「……」

 

えーっと、仲が悪そうだね……?

マエストロとベアトリーチェの相性はそれほど良くないようだ。

 

「んんっ、とりあえずお前の知っている事全てを話してもらおうか。まずはアリウスに目を付けた理由からだ」

 

「フンッ、そう易々と答えるとお思いで?だとしたら片腹痛いですね。私が生き返らせた恩義を感じるとでも思ったのですか?」

 

つい先程あっけなく殺された者の言い分ではないな。とはいえ予想の範疇であり驚きは無い。サオリはベアトリーチェの私に対する不遜な物言いに面白くなさそうな表情をしているが、この余裕も近いうちに消え去る事になるだろう。

 

「そうか……では、もう一度死ね」

 

そう言って私は鞄から★大地の大槌を取り出し、ベアトリーチェへと振りかざさんと近付く。

 

「なっ!?正気ですか!?これだから野蛮人は……!もう少し会話というものを――」

 

ベアトリーチェの言葉に耳を傾ける事無く大地の大槌をベアトリーチェの頭上へ振り下ろす。肉の潰れる感触と共に、ベアトリーチェの頭は再度体とお別れする事となった。今回は頭そのものが無くなってしまったが。

 

よし、良い感じの威力だ。流石反魔法エンチャント。一撃でしっかりと殺せたな。普段キヴォトスで活動している時は魔法強化のエンチャントは付けていないのだが、こちらもしっかりと全身に積んで戦えば一撃で殺せそうだ。後で試してみよう。

 

「おや、よろしかったので?」

 

「構わない。それに、これも実験の一環だからな」

 

無いとは思うが同じ対象に複数回復活の魔法を使う事が出来ないとかいう謎ルールがあっては困る。その疑問の解消も必要だ。

 

何より私が一番知りたいのは、ノースティリス以外の者が複数回の死を経験した場合、どこまで精神を保っていられるのか。これこそが重要だ。今までにキヴォトスの生徒達をペットにしたが、彼女達は永遠の死を与えられるのが通常であり、私のように死んだとしても何度でも這い上がる事が出来るわけではない。そんな彼女達が死を経験する、というのは精神的に過大な負荷を与える恐れがある。いずれノースティリスで活動する際、すくつなどの危険な場所へ赴いた際にはどうしても死が付き纏うものだ。死を経験した事で精神を壊し、二度と戦えなくなったり彼女達の元気な姿を見られなくなるのは少々困る。

 

ベアトリーチェは生徒ではないが、死を超克したような存在ではない。であるならば、ある程度のサンプルにはなるだろう。勿論こういった精神力に関しては個人差があって然るべきなので鵜呑みには出来ないが。意思上げでどうにかなるか?うーん。

 

「というわけでベアトリーチェには壊れるまで死んでもらう必要がある」

 

「ククッ。私が言うのもなんですが、どうして先生と仲良く出来るんですか?いえ本当に」

 

そんな事言われましても……。

 

「あ、あんな事を何回も行うんですか……?幾らマダムといえど可哀そうな気が……」

 

「……私達があの人と対峙して生きていられたのは幸運としか言えないな」

 

「サッちゃんあの人と本当に戦って生き延びたの?すごいね」

 

「戦った、などと言えないな。何しろ一方的だった」

 

サオリ達が何やら戦慄しながらこちらを見ていた。そういえばこの子達にこの現場を見せるには少々刺激が強いか。

 

「三人共。これから映るのはただの殺戮現場だ。見ていてもあまりいい気分はしないだろうから、しばらく席を外していて構わないぞ」

 

「そうか……いや、私はここに残る。マダムの最期を見届けておきたい」

 

「私も」

 

「え、えっと……わ、私も……見ていきます……」

 

大丈夫かマイア。サオリとアツコに無理して合わせる必要もないが……まぁいいか。デカルコマニーとお揃いの姿となったベアトリーチェへと向き直り、次は★クミロミサイズを装備し、再度復活の魔法を唱える。

 

「おはようベアトリーチェ。そしてさようならだ」

 

「ま、待ちなさ――」

 

ベアトリーチェの言葉を待たずその首を刈り取る。次に★ホーリーランスを装備し、再度復活の魔法を唱え、刺殺する。次に★エレメンタルスタッフを装備し、再度復活の魔法を唱え、撲殺する。次は★ウィンドボウを装備し、射殺す。★村正で斬殺し、飽きたので硫酸を投げつけて薬殺。毒薬もついでに投げておく。キヴォトスらしく★ウィンチェスター・プレミアムで銃殺。★ウォーモンガーで胴体と下半身をお別れさせておく事も忘れない。出血大サービスとして★幸運の女神像を背負わせ、圧殺。

 

「物理はこんなところか。次は魔法だ」

 

「ま、待ちなさい!待って!話す!話すから――」

 

火炎魔法で燃えカスにし、氷魔法で彫像にする。電撃魔法で殺し、轟音魔法で朦朧にして殺し、混沌の渦に吸収して殺す。酸魔法で全身を溶かし殺し、神経魔法で神経を蝕みながら殺す。

 

そうして多種多様な殺し方を実践した。その結果――

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユルシテ……」

 

「あの巡航ミサイルは無名の司祭とやらの技術が使われていたのか。無名の司祭……どこかで聞いた気がするんだが」

 

「名も無き神々の王女の製作者ですよ」

 

あぁ、アリスの。確かこのキヴォトスの先住民的な存在だったか。

 

「それより問題は色彩だ。あの虐殺劇の最中は哀れに思っていたが、今となってはその気も失せた」

 

「よもやわたくし達の探究すらも台無しにしようとは……」

 

あれからベアトリーチェは面白いように情報を吐いてくれた。アリウスに目を付けた理由は土地柄秘匿性が高いから。ベアトリーチェの目的は儀式を通じて自身が偉大な存在になり、崇高とやらに至る事。片腹痛い。問題はその儀式を通じて接触していた相手なのだが、それが色彩と呼ばれる存在であり、ベアトリーチェは既に儀式の際に色彩と接触するだけでなく、キヴォトスの位置を色彩とやらに知らせていたらしい。ゲマトリアの面々も先程までは反りが合わない事はあっても敵意を見せる事は無かったが、今となっては敵意を隠す事無くベアトリーチェを睥睨している。

 

「その色彩とは一体なんだ?」

 

「私達も正しく解釈出来ているわけではありませんので、不本意ながら憶測になりますが……意思も欲望も目的も無い不可解な観念、と言いましょうか」

 

抽象的すぎるだろ。憶測にしても何にも情報が頭に残らないんだが?

 

「不吉な光なのだ。アレがこちらへ来た暁には、キヴォトスを消し去るだろう」

 

やっぱり抽象的だな。光がキヴォトスを消すってなんだよ。

 

「わたくし達ゲマトリアにとっても、宿敵と評すべき相手です」

 

さてはお前達本気でよく知らないな?

 

「まぁ、いつ来るかも分からん災厄の事など考えるだけ無駄だな」

 

「ククッ、通常ならば無知である事を憐れむ場面なのでしょうが……貴方が相手ですと色々な意味でなんとも言えなくなりますね」

 

黒服はそう言うが、実際キヴォトスを滅ぼす兵器すら呆気なく終わったしどうせ色彩も大したことないだろ。期待するだけ無駄だ。それより考えなければならない事がある。

 

実験の最中ベアトリーチェに変異のポーションを投げつけた際、これは問題なく作用しベアトリーチェに変異をもたらした。しかし、呪われたエーテル抗体のポーションを投げつけてみたところ、効果が一切見られなかったのだ。

 

つまりノースティリス外の生物はエーテル病にはならない事を示唆していると考えていい。エーテル病は発症するだけで大きなデメリットを抱えるが、数ある症状の中にはデメリットよりもメリットが上回る症状が幾つか存在する。先の事ではあるがキヴォトスの生徒達には幾つかのエーテル病を抱えてもらうつもりでいたのだが当てが外れてしまった。

 

蹄は生やさせたかったなぁ……本当に、実に残念だ……。

 

「ともかく、ベアトリーチェは用済みだな」

 

「そうですね。――もしよろしければ、最後のベアトリーチェの始末はわたくしに任せて頂いても構いませんでしょうか?」

 

それは構わないが、始末すると見せかけて逃がすような真似は……いや、色彩の話が出てきた以上それはないか。黒服ですらベアトリーチェに対して落胆の色を隠していない程だし。

 

「勿論そのような事は致しません。試作品ですが、ヘイローを破壊する爆弾に変わる新たな作品がございまして、それを試したく」

 

「ユ、ユルシテ……」

 

「分かった。どうせ始末はいつでも出来るし、最後に試したい事があるからもう少しベアトリーチェを使わせてもらうぞ」

 

「えぇ、勿論構いません」

 

よし、ではベアトリーチェを絞首台に括り付けて……サオリ達に攻撃させてみる。絞首台による鍛錬の効果が生徒にも発揮されるか試してみよう。

……キヴォトスへ来て漸く絞首台の正しい使い方を実践したような気がする。

 

なにはともあれベアトリーチェとの一件は完全に落着したと言っていいだろう。余計な置き土産はあったようだが、先の事の様なのでそれは放っておくとして、今考えるべきは今後のアリウスの在り方、それと復興に関する話だろう。幾つか草案はあるが、復興という大掛かりな事業だ。どれを実践するかは慎重に考慮しなければならない。

 

アリウスの生活レベルはキヴォトスの中でも最低レベルだ。ここだけはすぐにでも取り掛かる必要がある。でなければサオリ達を安心してここに置いておく事が出来ない。サオリ達だけでも私の拠点で生活させるという案も無しではないが、サオリ達だけ特別扱いしてしまうと他のアリウス生徒達との軋轢を生みかねない。となれば……

 

やはりここアリウスに私の拠点を建てるのが一番丸いか?そしてアリウスの生徒達を住まわせ、そこで生活をしてもらいながらアリウスの復興を進めていく。しかし、復興と言葉にするのは簡単だが、今のアリウスに復興するための資金を用意出来るとも思えない。どこから資金調達するかも考える必要がある。差し当たっての候補はやはりトリニティだろう。しかしアリウスには過去の因縁と思想教育が色濃く残っている。この状況でトリニティが復興に協力してはしまっては、施しを受けたと良い顔をしない者もいるはずだ。復興前から金銭による上下関係が作られてしまうのも良くない。

 

ベアトリーチェの件を片付けたとしても、まだまだやるべき事は残っていそうだ。私は先の事を見据えつつ、サオリ達の鍛錬を眺めながらゲマトリアの面々と雑談に興じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「と、いうのが私が先行してから起こったおおよその出来事だな」

 

「ん、あまりに容赦が無さすぎてドン引き」

 

「やっぱり頭おかしいわね。どういう発想したら何度も倒して生き返らせようなんて思い至るのよ?」

 

「ホシノ先輩をいじめた黒服って人と普通に雑談してるのもどうかと思います☆」

 

「うへ、私は気にしてないよ?ほんのちょぴっとしか。とりあえず黒服はここで撃っちゃっていいよね?」

 

「魔法使いさん……やりすぎは、めっ!だよ!」

 

アビドスの子達からは酷評を頂いてしまった。トリニティの生徒達も心なしか一歩引いた位置に下がってこちらを見ているような気がする。解せない。

 

「うーん……まぁ、とりあえずアツコも無事なようで何より、って事にしようか」

 

先生はアツコ達がベアトリーチェを撃っている姿を何とも言えない顔をして眺めながら結論を出す。よく見たらいつの間にやら後から来たミサキ達までもがアツコ達と合流してベアトリーチェを一緒に撃っている。まぁしばらくはそのまま好きにさせておこうか。

 

「お久しぶりですね、先生。壮健でしたか?」

 

「……黒服。一応聞くけど、どうしてここに?」

 

「クックック……彼に話した以上の理由はありません、と言っても信じてはもらえなさそうですね。正直に申し上げれば、あわよくばベアトリーチェを生きて回収させてもらえれば、と思っていたのですが……その必要もなくなってしまいました」

 

「一応仲間だったんじゃないの?」

 

「えぇ、同志でした。しかし、今のマダムはゲマトリアである資格を失っています。空いた席に関しては……ククッ!彼に埋めてもらう、というのも悪くないかもしれませんね」

 

「――黒服ッ!お前ッ!」

 

急にこっちに矛先向けるのやめてくれないかな。ホシノが我慢の限界を迎えそうじゃないか。

 

「落ち着けホシノ。私がゲマトリアに入る事はないから安心しろ」

 

「……すぅ……はぁ、うん、ありがと」

 

先生と出会う前ならばまだしも、今はこちら側の方が気に入っている。先生側に居なければ、私はこれほど自分のペットを集める事が出来なかったかもしれない。そう考えると現状ではゲマトリアに入る利点はそれ程ない。

 

「残念ですね……あながち冗談でも無かったのですが。それでは先生、今一度問いましょう。ゲマトリアへ入りませんか?」

 

「断る」

 

即答。

だろうな。ベアトリーチェのせいで元から高くなかった好感度が今となっては地の底まで落ちていてもおかしくない。

 

「残念です。では空席に関してはこれからまた考える事にしましょう。今日のところは撤退させて頂きます。このままだとホシノさんに撃たれてしまいそうですので。クックック」

 

彼等が帰るのならそろそろベアトリーチェを解放してあげた方がいいだろう。未だベアトリーチェを撃っているアリウスの子達をこちらへ呼び、ベアトリーチェを絞首台から降ろす。吊り下げられたまま撃たれ続けていたせいで既に死に体だ。精神の方も私がズタボロにしたおかげで降ろした後も大した抵抗を見せる事も無い。こちらの準備が整った事を見たゴルコンダは最後の始末をつけるべくこちらへ近づいてきた。

 

「ワ、ワタシハ……」

 

「マダム、楽しい時間でしたよ。さようなら」

 

「そういうこったぁ!」

 

ゴルコンダが何やらスイッチを取り出し、それを押す。しばらくするとベアトリーチェの周囲の空間が割れ、ベアトリーチェだけを巻き込むように吸い込み始めた。

 

「アァ……ワタシハ……イダイナ……」

 

「ふむ、ヘイローを破壊する爆弾よりは効果的と」

 

次第にベアトリーチェは空間の中へと完全に引きずり込まれた。吸い込む対象を失った空間はそのまま静かに閉じていく。そして、ベアトリーチェなど元からそこには居なかったかの様に辺りは静寂に包まれた。

 

大変興味深い事象だ。これは……

 

「異空間へと飛ばしたのか?」

 

「はい。今やマダムはキヴォトスにも、どこにもいません。生きて戻る事もないでしょう」

 

ならばいい。万が一ベアトリーチェがまた再び立ち上がり、こちらへ戻ってくるような事があれば、その時はペットにしてやってもいいかもしれない。それほどの精神力の持ち主ならば何かと役に立つだろう。

 

「貴下だけでなく先生とも言葉を交わしておきたかったのだが、そなたが余計な挑発をしたせいでお預けとなりそうだ。またの機会としよう」

 

「ククッ、申し訳ありません。――では先生方、またお会いいたしましょう」

 

黒服の言葉を皮切りに、音も無く三人は闇へと溶けて消えていった。

 

 

 

 

待って、それは一体どういう技術で移動してるの?今度聞いたら教えてくれるだろうか。




ケイちゃん実装マジ?
のんびりElinやら7dtdやら鳴潮やら原神やってる場合じゃねえ!小説書くぞおら!

はい。
大変――大っっっっ変お待たせいたしました。ちょっとだけ期間空けて自分の時間を確保していたら、そのままずるずると趣味に興じてしまっていました。
トキリオヒマリアリスの臨戦とケイちゃんの実装発表を見た瞬間に執筆意欲がムンムンと湧いてきたのでこうして戻って参りました。

これからまたぼちぼち書いていくので拙作をどうかよろしくお願いいたします。

本当は番外としてヒナ委員長のなつやすみっ!inティリス民を書いていたのですが、
途中で「今真冬やんけぇ!」となったので大人しく本編を進める事にしました。




あ、そういえば無料の30連目でリオが来ました。ぶい
メモロビえっちすぎて泣いちゃった。
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