透き通った世界観にElinの民をひとつまみ   作:無名さん

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ミレニアムでのあれこれ

「あっ♡ご、ごめんなさいっ♡読書もまともに出来ない悪い子でごめんなさいっ!♡」

 

「ケイから聞いたところによると、どうやらわざとサボっていたとの情報があるんだが、これは一体どういう事だ?ミドリ」

 

「そ、それは……♡」

 

「まさか、まさかとは思うが……よもや自ら望んで私にこんな事をされる為にサボっていたわけでは……ないよな?」

 

「……ち、違います♡」

 

「そうか、そうか。――ではもうこんな事をする必要は無いな」

 

「……えっ?ど、どうしてですか?」

 

「ミドリは既に反省して謝罪も済んだ。ならばこれ以上咎める理由は無いからな。ほら、絞首台からも降ろしてやろう」

 

「――やっ」

 

「うん?何か言ったか?」

 

「わ、私……うそ、つきました」

 

「……ほう?」

 

「ほ、本当は、わざとサボりました!♡ケイちゃん達がされた事を私にもして欲しくて♡読書サボっちゃいましたっ♡だ、だから……悪い子の私にもっとお仕置きしてくださいっ♡」

 

「はぁぁ……読書をサボっただけでなく更におねだりとは、随分と偉くなったな?ミドリ」

 

「あっ♡か、顔、近い……♡」

 

「今日はゆっくりとお前の立場を分からせてやる。覚悟しておけ」

 

「は、はいっ♡たくさん、かわいがってください♡ごしゅんじんさま……♡」

 

 

 

 

 

――私は何をしているんだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

**********

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日はミレニアムに赴き、色々と用事を片付けに行く予定だ。まずはリオとの用事を済ませようとミレニアムの敷地内を進む。暫く歩いていると馴染みのある声が聞こえてきたのでそちらへ目を向ける。

 

「ぱんぱかぱーん!野生の魔法使いさんとエンカウントしました!」

 

「こんにちはご主人様。今日はミレニアムへ来ていたんですね」

 

「アリス達に会いに来てくれたんですか!?早速パーティーを組んで冒険に行きましょう!」

 

アリスとケイは今日も元気そうで何よりだ。アリス達と遊んであげたいのは山々だが、先約があるので心苦しいが今はパーティーを組めそうにない。

 

「悪いなアリス。今日は色々と回らなきゃならない場所があってな。今は冒険に行けないんだ」

 

「あう……そうでしたか、残念です……」

 

目に見えて落ち込んでしまった。元々アリスとケイには顔を見せるつもりではいたのだが、まさか今会うとは思ってもいなかったからな……。お詫びというわけではないが、今日の予定を今の内にアリスに聞いておこう。

 

「そんな顔をしないでくれ。用事が終わったら私の時間も空くから、その後で良かったら拠点へ遊びに来ないか?」

 

「――!行きます!アリス、魔法使いさんと一緒に遊びたいゲームがたくさんあるんです!」

 

拠点へ誘ってみると次は目を輝かせて元気を一気に取り戻した。なんだかんだまだアリス達は私の拠点に来たことが無かったからな。楽しみにしてくれていたようで良かった。

 

「ではアリス、私達は戻ってお出かけの用意をしておきましょう」

 

「はい!それじゃあまた後で会いに来てください!――ほらケイ、急いでください!」

 

余程楽しみなのか準備をする為にアリスが全力疾走の勢いで走り去ってしまった。元気だなぁ。

 

「アリス!子どもじゃないんだから慌てないでください!――それではご主人様、また後でお会いしましょう」

 

「あぁ、また後でな」

 

お互いアリスの様子に苦笑しながらケイとも別れた。

さて、改めてリオのところへ行くとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

「失礼する。リオ、そちらへ届けた巡航ミサイルの件だが――んん?」

 

「待っていたわ。……どうかしたかしら?」

 

リオの私室にノックをして入ったのだが、何やら様子がおかしい。いつもは理路整然としているリオの部屋だが、今日に限ってはなんというか、ごちゃっとしている。直球で言ってしまえば汚い。ゴミ袋やらコンビニ弁当やらが散乱している。場所によっては山にすらなっている有り様だ。これは一体……?

 

「リ、リオ。何かストレスの溜まるような事があったのか……?」

 

暴飲暴食をするようなタイプにも見えないが、普段トキが居ながらこの荒れ様はただ事ではない。しかもそのトキも今はどうやら不在のようだ。

 

「あっ、えっと、そうね。端的に言うと、今はトキの仕事を減らしているの」

 

それは以前にトキから聞いて何となく知っている。しかし――

 

「全くトキが居ないわけではないだろう?トキと行動する頻度はどのくらいなんだ?」

 

この荒れ具合からして1か月かそこら辺経っていなければおかしい。だがトキとリオがそんなにも長い間離れるとも思えない。

 

「今は週に一、二回といった所かしら」

 

……おかしいな。その言葉が正しければリオの今の部屋の惨状はたった数日で出来上がったという事になってしまう。そんな事ある?

 

「……毎日片づけるよりもある程度溜めてからまとめて片付ける方が合理的よ」

 

ほう?合理的だと言いながら私から目を逸らすのはどういう事だろうな?

足元に空になった弁当があったので手に取ってみる。どうやらチキン南蛮弁当を食べたようだ。こっちの弁当はからあげ弁当……これは竜田揚げ弁当。……見事に茶色いのばっかりだな。あ、こっちには冷凍食品なるものまである。

 

「リオ」

 

「栄養面の事を心配しているのなら問題無いわ。他に必要な栄養素はサプリメントで補っているから」

 

なんでそこに関しては堂々と目を合わせてくるんだ……?どこに自信を持っているのかさっぱり分からん。許されると思ったのか?

 

「貴方はサプリメントに馴染みがないかもしれないけれど、これは極めて合理的な栄養補給の手段なの。飲むだけで必要な栄養素を補えるのだから、飲まない手は無いわ」

 

「……」

 

「けれどお肉から採れる栄養はサプリメントで補給するのは難しいの。それらをお弁当で摂取する事で――」

 

「りお」

 

「他にも理由がきちんと存在するわ。調理に時間を割くくらいなら他の事に時間を当てた方が合理的よ。時間は有限。有効に使わないといけないわ。それに――」

 

「リオ」

 

「……何かしら」

 

「まずは片付けだ。ちゃんとリオも手伝うように」

 

「わ、分かったわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさかここまでリオの生活能力が壊滅的だとは思わなかった。ゴミを片付けているとリオは分別という言葉を知らないのか、まさかのペットボトルとお弁当を一緒の袋に入れ始めたのだ。燃えるゴミと燃えないゴミの区別も付いておらず、とりあえず袋に入れれば問題ないと認識していた。

 

まさかと思って既にまとめられていた袋の中身を確認すると、嫌な予想通り分別はされておらず、元からあった袋も全て分別し直す羽目になった。これを数日に一回トキがわざわざ分別し直していたのかと思うと涙が出てくる。トキも頑張っているんだな……。

 

「ご理解頂けたようで何よりです。迅速に褒めてください」

 

「――トキ?いつの間に来ていたんだ?」

 

いつの間にかトキが私の隣に待機していた。全く気付かなかったんだけど。いくら無警戒だったとはいえ私に気配を悟らせないとはどういう事だ……?

 

「ご主人様がいるところにトキありです。パーフェクトメイドたるもの、この程度は容易くこなせます。ぶい」

 

……どういう事だ?

 

「……まぁいいか。さて、リオ。何か申し開きはあるか?」

 

「その、分別を怠っていた事は反省しているわ」

 

よろしい。でも不摂生な生活をしている事もちゃんと反省しようか。そっちに関しては非を認める気はないと言葉からありありと感じ取れるが、そうは問屋が卸さんぞ。

 

「片付けながらサプリについて調べてみたが、あれはあくまで栄養の補助をする目的に使われるものであって、アレに頼りきりになるのは非推奨のようだな?」

 

「……」

 

「目を逸らしてもダメだぞ、リオ」

 

「リオ様、観念してお縄についてください」

 

それはちょっと違うけども。とはいえリオの言い分に共感出来る部分はある。

 

「調理する時間を別の時間に充てるべき、という理屈は私も共感出来る。そこはリオにも一理あると思う」

 

私も一度作ったら後は複製に任せているしな。

 

「――!そうでしょう?だから――」

 

「だからといって不摂生な生活をして良い理由にはならないぞ」

 

「……はい」

 

全く。便利屋といいキヴォトスはノースティリスに比べ文明が発達しているというのに、食事に関して心配になる子がちょくちょく出てくるのは一体何故なんだ。逆か?文明が発達しすぎて食べるものに困らなくなるとこうなってしまうのか?

 

……いや、便利屋はただの金欠だったな。

 

「改善しろと言いたいところだが、リオが料理出来ないのはさっきの惨状を見れば明らかだしな……」

 

「はい、リオ様の料理の腕前は壊滅的です。インスタント類の調理すらたまに失敗する程です」

 

「ト、トキ、それは」

 

インスタントっていうのは確か、電子レンジで温めたり熱湯に晒す事で手軽にご飯を食べられるという便利な食品だったはずだ。作る手間を極限にまで減らした食品すら失敗ってすごいな……仕方ない。

 

「リオには私の作った食事を定期的に渡そうか。少なくともコンビニ弁当よりは健康的だ」

 

ミレニアムで拠点を作ったら本格的にトキ達の食育を始めようと思っていたのだ。リオはペットではないが、そのついでと思えば大して苦でもない。

 

「そ、そこまで貴方にお世話になるわけにはいかないわ」

 

「だが私から受け取った方がお金もかからず栄養も採れる。合理的だと思うぞ?」

 

調理に割く時間も勿体ないという価値観を持つリオの事だ。私が食事を用意するとなれば、買い出しに行く時間も幾らか削れる事になるのだから、感情論以外で反論する余地は無いだろう。こういう子には理屈で外堀を埋めて頷かざるを得ない状況にした方が良い。

 

「……貴方に迷惑がかかるもの。手間をかけさせたくはないわ」

 

うーむ、思ったよりも強情だ。リオの事だから軽く説けば頷いてくれると思ったのだが、私が想像するよりも私はリオに信頼されていなかったという事か……?少しばかりショックだな……。

 

「いえ、決してそういう事では……そこまで言うなら、貴方にお願いしようかしら」

 

「あ、本当か?ではミレニアムに拠点を建てたら届けるようにするから、それまで不摂生な生活は控えるようにな」

 

良心に訴えかけるだけで頷いてくれるとかリオはちょろくて可愛いなぁ。

 

「……分かってはいたけれど、貴方って時々意地悪よね」

 

「なんだ、幻滅したか?」

 

「いえ、ただ貴方といると感情を動かされてばかりで……なんだか不思議な気分になるの。勿論、悪い意味ではないわ」

 

そうか。リオが不快に思っていないのなら問題は無いか。リオは少しばかり論理的に物事を考えすぎる傾向にある。これは決して悪い事では無いが、もう少し感情的になって今のリオの感じている感情の言語化が出来るくらいには情緒を育てた方がいい。

 

「拠点と言えば、ミレニアムの近くの土地に私の隠れ家の一つがあるの。そこの土地を使ってくれて構わないわ」

 

「それは助かるが、良いのか?」

 

というか隠れ家なんて持ってたのか。相変わらず用意周到というか何というか。しかもリオの言葉からして持ってる隠れ家は一つや二つでは無さそうだ。

 

「念の為大きめに土地を確保しておいたのだけれど、隠れ家として使うなら派手な事は出来ない事に後から気付いてしまって……それからずっと放置していたから、遠慮は不要よ」

 

そういう事ならありがたく使わせてもらうとしよう。

それからリオと巡航ミサイルに関して話し合い――無事に交渉がまとまり、代金を受け取った。後はこれを先生に渡しておけば上手い具合に復興に役立ててくれるだろう。

 

「今日はこんなところかしら。次に会う時にはアバンギャルド君が完成していると思うわ。既に最終調整の段階に入っているから」

 

お?そうなのか。リオが自画自賛する程の自信作であるアバンギャルド君……一体どのような性能をしているのだろうな。また一つ楽しみが増えてしまった。

 

「この後はエンジニア部の方へ顔を出すのだったかしら」

 

「まぁな。まさかケイに渡したレールガンに興味を持たれるとは予想していなかった」

 

よくよく考えずとも、科学力の高いミレニアムにおいてあのレールガンに興味が寄せられる事は想定しておくべきだった。おかげで余計な心労をケイに与えてしまっていた。

 

「彼女達の技術力も優秀よ。けれど時折問題を起こすのが玉に瑕ね」

 

ミレニアムにもそういった問題児はいるのか……。ちょっと会うのが不安になってきたぞ。大丈夫だろうな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

**********

 

 

 

 

 

 

 

 

リオに不安を煽られながら別れ、当たり前のように付き添ってきたトキと一緒にエンジニア部の部室へとやってきた。しかし扉をノックしてみても反応が無い。ドアノブに手を掛けてみると、鍵はかかっていないようですんなりと開いた。

 

そのまま中に入ると、部員と思われる薄紫色の髪をした子が奥で何やら熱心に作業をしていた。集中してノックの音が聞こえなかっただけのようだな。

 

「もし、レールガンの件でゲヘナから来た者だが」

 

「――うん?君は……あぁ!待っていたよ。待ちかねたと言うべきか」

 

「それはすまなかったな。こちらも色々と用件が重なっていてな」

 

「いやいや構わないとも。無理を言ったのはこちらなのだからね。時間を取ってくれただけでも有難い。――っと、まだ自己紹介をしていなかったね。私は白石ウタハ。エンジニア部の部長であり、マイスターでもある」

 

どうやら他にも部員が二名いるらしいのだが、今日は別の用件で席を外しているらしい。

 

「私の事はケイから聞いているだろうから省く。私の隣にいるのは――」

 

「飛鳥馬トキです。ご主人様のメイドを務めさせて頂いております」

 

いやそこはC&Cって名乗れよ。ウタハも一瞬理解が及ばず困惑した顔をしていたぞ。

 

「君が噂に聞くC&Cの会長の懐刀だね。まさかビッグシスターとも呼ばれるあの人のメイドもやってくるだなんて、それほどまでに彼の重要性は高いという事だろうか」

 

「いえ、私は勝手についてきただけです。リオ様も事情は把握しておられますが、ご主人様の意向に口出しするつもりは基本的にありません」

 

 

 

――ビッグシスター???あのリトルガーデンに居るビッグシスターの名がどうしてここで出てくるんだ。いや、というより何故リオがその名で呼ばれているんだ。確かにリオの見た目だけで言えばビッグシスターに見えなくもない……ような気がしなくもない。同じ黒髪の長髪だしな。……いや共通点そこしかないやんけ。

 

今日のリオの様子を見るに、ビッグシスターと呼ぶ程の威厳はリオには存在しない。どう考えても手間のかかる妹だ。リトルシスタ―と呼ぶ方が正しいだろう。リトルシスターの方なら同じ黒髪の長髪で尚且つ機械を操るという二つの共通点もある。

 

ミレニアムではリオの生活能力の低さは有名だったりするのだろうか。そこからビッグシスター、もとい大きな妹と呼ばれているとすれば納得だが。

 

「さぁ、早速本題に入ろうじゃないか。早く君の世界のレールガンを見せてくれたまえ」

 

「少し待ってくれ」

 

ウタハに促されるままレールガンを取り出す。アダマンタイト製で重さはあるが、ケイに渡したレールガンのように呪われ羽巻物を使って重さを増やしていないので、恐らく普通のキヴォトスの生徒でも持ち歩ける重量だ。その証拠にウタハがレールガンを持ち上げようと挑戦してみるが、特に問題なく出来ている。

 

「これがノースティリスという世界のレールガンなのだね……!普通の銃よりは重さはあるが、それでも携行可能なまでに軽量化されている。材質は一体なんだろうか?見た事のない金属だね。それにかなり硬い……軽量化の秘密はこの金属だろうか?いや、関係無いかな。寧ろこの金属自体はかなり重さがありそうだね。その上でここまで軽量化されているという事か。形状は私達の作ったレールガンとそれ程大きな違いは見当たらないね……」

 

ウタハはやや興奮気味に銃を観察している。試し打ちがしたいという事で許可を出し様子を見守る。ひとしきり撃って満足したのか、もう一度レールガンへと視線を向ける。

 

「なるほど……威力は私達のものより劣るが、代わりに重量を落として連射速度を上げているのだね。普通の人間でも扱えるレールガン、これもまた一つのロマンの形だね。ノースティリスにもロマンの分かる者がいるようだ」

 

なにやら満足気に頷きながら楽しそうに評価している。とりあえず及第点は貰えたようだ。

 

「ちなみになんだが……これは解体しても構わないだろうか?」

 

「構わない。そう言うと思ってもう一つ用意してあるからな」

 

ケイに第一声に解体させてくれ!などと声をかけていた事から分解して機構を覗きたいのだろうという事は分かっていたので、予備として二つレールガンを持ってきている。これで一つは解体してもう一つは見本として残しておけるので、きっとエンジニア部の役に立つだろう。

 

「おぉ、周到だね。ありがたいよ」

 

「それとこれはレールガンに使う改造道具だ。扱い方を説明するからよく聞いてくれ」

 

ヴォーパルと特攻以外の改造道具を幾つか持ってきているのでそれらも渡してしまおう。これらを使って是非ともキヴォトスとノースティリスを混ぜた新しい技術を見せてもらいたいものだ。

 

「こんなものまで良いのかい?」

 

「構わない。私としてもキヴォトスの者がノースティリスの技術を使って何を生み出せるのか興味があるからな」

 

そこはリオにも任せているが、頭数は多ければ多い程良い。リオが優秀だと太鼓判を押す程の人物であればきっと収穫があるはずだ。

 

「マイスターとして、期待に応えない訳にはいかないね」

 

「そういえば、レールガンに使われている金属を知らないようだったが、キヴォトスにはアダマンタイトは存在しないのか?」

 

「……聞いたことが無いね。いや、存在自体は知っているがキヴォトスでは空想上、あるいは物語の中にしか存在しないとされる金属だ。――もしやこれが?」

 

「そうだ。今は持ち歩いていないが、もし良ければノースティリスの金属も「是非お願いするよ!」……用意しておこう」

 

せっかくだ、リオにも今度こちらの金属をまとまった数渡しておこう。

 

「今日はわざわざ来てくれてありがとう。何か進展があったらこちらから連絡するよ」

 

「楽しみにしている。では今日はこれで失礼する」

 

「うむ。私も早速このレールガンの解体を……二人が居ない間にやったら怒られるかな……いや、でも我慢出来そうにないな……ちょっと、ほんのちょっとだけなら……」

 

別れの挨拶を程々に済ませたところで早速ウタハが思考の海へと沈んでいってしまった。邪魔をするのも悪いし私達も退散する事にしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

エンジニア部の部室を後にし、ミレニアムの外へと向かいながらトキへ話しかける。

 

「この後アリス達と一緒に拠点へ行くが、トキも「同行いたします」……了解した」

 

そういえば、今日中にリオの隠れ家に拠点を建ててしまいたい。テレポーターの設置にはどしても時間がかかるし、早い方が良いだろう。という訳でもう一度リオの元へ戻る事にし、事情の説明を行った。するとリオも承諾してくれたので問題なく拠点を建てる事が出来る。

 

「ついでだ。今日はこの後アリス達とゲヘナの拠点で遊ぶからリオも来い」

 

「良いですね。遊び相手が増えてアリスもきっと喜びます」

 

「そうかしら……私が行っても迷惑なんじゃ」

 

そんな事はない。アリスは他人を拒否するような子では無いし、寧ろ友達が増える事に喜ぶだろう。リオはあまりアリス達と会う事が無いらしいので、良い機会だろう。

 

「それじゃ、お邪魔させてもらうわ。貴方の拠点にも興味があるから」

 

そういえばリオもまだ一度しか来たことがない上に、アビドスへ行く為に私の拠点をただ素通りしただけだったな。あまり目新しいものはないが楽しんでくれると嬉しい。

 

アリスには既にモモトークを送ってあるので、ミレニアムの校門前で集合する手筈になっている。アリスの様子を見るに、既に校門前で待機していてもおかしくない。早めに向かうとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

「ぱんぱかぱーん!魔法使いさんとトキとリオ会長がパーティーに加わった!」

 

「アリスちゃん……リオ会長がいるなんて聞いてないよ……?」

 

「……もし私が居ない方が都合が良いなら、退席するわ」

 

「あっ、いえいえ!そうじゃなくて、思ったより偉い人が付いてきたから驚いただけであって迷惑とかじゃないです!……ちょっと恥ずかしいけど、今日はよろしくお願いします、会長」

 

「恥ずかしい……?えぇ、こちらこそよろしくお願いするわ、ミドリ」

 

……私もミドリが居るなんて聞いてないよ?しかも何かを期待するような視線でこちらをチラチラ見てくるんだけど。これって……そういう事だよな?え、どうするんだこれアリスもケイもトキもリオも居るんだけど。気まずっ。

 

そしてミドリは何やら覚悟を決めた様子で顔を赤らめながらこちらへ話しかけてきた。

 

「その、今日は……よ、よろしく、お願い……します、ね?お兄さん」

 

 

 

 

 

ま、どうにでもなるかぁ!

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