「本日のメニューは大量の死亡フラグです。」
「まあ美味しそうですわね。材料は何ですか?」
\まあ美味しそうですわね/
「材料は虚淵さん少々と…」
\虚淵さん/
さて、ここに世界に愛された『特別』な少年が居るワケだが。
少年は懲りた。流石に懲りた。何にもアクションを起こさなくなったし、もう魔術も隠蔽にしか使わなくなった。
もう、高校2年生だもの。
念願の中学校卒業を果たし、今日も元気にバイトでもらった給金を全て家族に渡している。
両親は息子が無欲すぎて困っています。とのことだ。
めでたし、めでたし…。
――と、うまく行かないのが世の中でして。
◆◆◆
「ぅっ、…うっわぁああああ!!」
オッス、オラ
さて、何叫んでんだって話だろ? ちゃんと理由はあるんだよ。例えば――、
「(なんっで令呪が!! 出ちゃったの!?)」
令呪が、突然現れるとか。
小声で叫ぶとかいう、確実に就活に役立たない真似をしながら、布団の上で上下にバッタンバッタンと背筋を繰り返す。
「(なんで!!! 出ちゃったの!!??!!)」
脳みそがくらくらしてきた。一時停止。
うるさいぞー、と隣の部屋の兄貴――奴は大学生だ。受験から解き放たれている。つまり敵――がゆるく注意をしてくる。すまん。
あーあー、何も知らない奴はいーよなぁ。
今頃ポテトチップス(薄塩味)食いながらぼーっとしてるんだろうな…。
なんて僻んでみる、が。別に兄は悪くない。俺だ。悪いのは。
勝手に知っている俺が、悪いのだ。
話は飛ぶが、前提として知っていてほしいことがある。
俺は、実は前世の記憶を持っている、転生者なのだ。
これだけでも十分吃驚な事なのだが、もっと意味の分からん事実がある。
俺は、この世界を創作物として、知っている。
前世の俺はオタクだったクチで、ありとあらゆる創作物に手を出していた。
その中でも、欝小説として有名だったシリーズ。それが、型月作品。
――この、世界である。
7人の
魔術師というファンタジー要素があるものの、明るさの欠片もない。
その結末は悲惨なもので、複雑怪奇に絡まり合った人の縁が織り成す絶望の物語である。
今回俺が強制参加させられた戦争は4回目。実際に小説にされているのは4回目と5回目だけなので、原作の知識が役に立つのが不幸中の幸いであった。
しかし、4回目の、聖杯を巡る戦争――聖杯戦争は、5回目よりも、いや、歴代のどの戦争よりも壮絶な、鬱々しい物語で…あー、つまり、正直救いがないのだ。
まず一つ目、参加者にまともな魔術師がいない。
本来聖杯は、魔術師の悲願である根源――俺にはよく分からんが、アカシックレコードのようなものらしい――へ到るために使用される予定だった。
しかし、この4回目には、ただ1名を除いて、誰もそれを望んでいない。
魔術師しか参加出来ないのに、銃器で闘う傭兵参戦とか…。笑い話にもならないな。
次に二つ目。登場キャラクターの8割が死ぬ。
聞いて驚いて欲しいのだが、主要人物である参加者達は3人しか生き残らない。
その中の一人は半ゾンビ化しているというのだから、本当に笑えない話だ。
最後に三つ目。勝ち残っても死ぬ。
さあ参加者の魔の手から抜け出し、ああ勝った。っと思わせたところで、まさかの賞品である聖杯の不具合。
何を願っても大体地球が滅ぶというぶっ飛び仕様な上、放っておいても勝手に世界を滅亡させやがる。
以上3点。凄腕スナイパーの参戦した民間人オワタ式行進曲が、聖杯戦争の全容である。
最終的に勝ち残るのもそのスナイパー――衛宮切嗣なのだが、その他の参加者もパワーバランスがインフレ起こすレベルのモンスター揃い。
さらにその優勝者のツメの甘さのせいで、この冬木市は死の都市となる。
…この、一歩間違えれば本気で世界が終わってしまう戦争の参加権(強制)が、俺の手に現れた…。
言いたい事は、分かるな? 分かってくれるよな?
参戦フラグ\(^o^)/
「(死にたひ。
…嘘こきました生きたいでふ…。)」
茫然自失お先真っ暗。
聖杯テメェ後で体育館裏な。