白の色への渇望   作:山瀬 鳴

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プロムン作品って地味に時系列というか時間感覚ハッキリあるのに詳しい年表ないから年齢設定難しいですね…ヴァイス君リンバス本編時間軸になればアラサー以上になるかもしれないってマ?いや煙戦争は終結してるからグレゴールより年下の可能性が高いんだけど…グレゴール君煙戦争の時何歳だったのかな君ィ…


フィクサー試験 後編

(ふざけんじゃねぇ…!なんでこんなことになるんだよ!)

「あまり美味しくないです。糸が足りません。お腹も満たされません」

「ネズミからの糸はよくありません。糸が必要です。もっと探します」

(わかるわけねぇだろうが…!謝肉祭がネズミ狩りまくってたなんてよぉ…!)

白痴を握った手から汗が滲む。

謝肉祭…ライブラリーオブルイナで都市疾病の時に図書館にやってきた存在…アイツら自体は危険度どれくらいだ…?

「そこに誰かいます?糸にしましょう」

「フィクサーですか?違うようです。いい糸になります?」

「クッソ…見つかったか…!」

どうやら謝肉祭は二人。近くに相手の援軍はいないようだな…

「アイツらに関してはよく知らねぇが、一つ言える…!」

 

起動せよ(コードオン)!カマル!」

 

それは先手必勝!

起動せよ(コードオン)!白痴!」

謝肉祭の片方は受け流そうとするが、それよりも先に白熱した白痴の振り抜きが決まる…が

「鋭い一撃です。熱いです?触れたら死にます」

「気をつけます」

「畜生…」

謝肉祭の体内から出された無数の刃が襲いかかる。一本一本流しながら突き進むが、高温の白痴で切り落とす事が出来ず防戦一方になる。

(弾け弾け…!じゃねぇと死ぬ…!だがそれでもジリ貧だ…!)

なんとか受け流しに成功したと思った矢先、もう一人の謝肉祭から攻撃が放たれた。

「ウッソだろオイ!」

(また白痴で受けるか…?いやそれだと攻撃を返せない…なら!)

「クレセントで突き進む!」

手袋の中にあったクレセントと白痴を持ち替え、クレセントを振りかぶりまとめて刃を吹き飛ばす。よろけた謝肉祭に肉薄するが体制を立て直されるほうが早かった。しかし…

「そこは間合い内だぜ…?起動せよ(コードオン)!クレセント!」

展開された事により延長されたクレセントの刃が謝肉祭を切り裂く。

「ダメだ浅い…!」

「痛いです。驚きました。ビリビリします。それだけです」

「このまま押し切らせてもらうぞ!クソッタレ!」

白痴に持ち替え、相手の懐に潜り込む。刃が襲いかかるが、クレセントによる一撃により刃が減り抜けることが出来るようになっていた。

「そろそろ落ちてくれよ…!起動せよ(コードオン)!白痴!」

白熱する白痴による一撃が謝肉祭一人の腹から脳天に突き上がる。溶けて焦げた顔面と傷から流れ吹き出す体液らしき液体とそれの蒸気。

「一人亡くなりました。辛いです。悲しいです」

「安心しろ。テメェもすぐに送ってやる」

私はもう一人の謝肉祭に肉薄する。またもや大量の刃が押し寄せる…が

「いい加減目ぇ慣れてきてんだよこちとらァ!」

脚だけで刃を回避し、ついでに刃を切り落としそのまま謝肉祭に近づく。

「じゃあな。あの世でそこの奴とよろしくやってろ」

全力の振り抜きにより横一文字に切り裂かれた謝肉祭の頭部に白痴を突き刺す。動かなくなったことを確認した俺は疲労で腰を下ろした。

「…割に合わねぇなコイツら…」

機械だらけで有機物が見当たらないその肉体を前にエネルギー残量が20%台になっていたハヤンセクと、オーバーヒートしかけているカマルを眺めていた。

 


 

「やーやーそろそろ5人狩れたかな…ってなにこれ!?」

「あー…やっと来ましたか…すみませんネズミは3人しか狩れませんでしたけどなんか来たんで2人ほど返り討ちにしてあの世送りにしておきました…」

「…流石フィクサー狩りとして名を残してるだけあるね。あまりにも手際が良すぎるよ」

「手際ァ…?コレ見てそれ言えるんですかねぇ…?」

「……ごめん撤回するよ。手こずったのは手こずったようだね」

「密度が凄かった。だがまとめて叩き潰すか目を慣らせば余裕でした」

「お疲れ様。試験は合格にするよ。謝肉祭2人を相手取れる人間なんてフィクサーとして適性がないと言ったら可哀想だしね」

そう言いながらマーリンは手を差し伸べてきた。

「じゃ、いこうか。今15時だ。早くしないとハナ協会がしまっちゃう」

「…え、この脚でいくんですか…?」

「当たり前だろう?時間は有限なんだから」

「…特色ってのは傍若無人じゃなきゃ勤まらないんですか?」

「アハハ、そうかも」

私はセリノーフォスを起動して無理やり身体を起こした

 


 

「すまない、まだ空いているかい?」

「おや、特色様のご登場とは。珍しいですね」

「いや今朝も来たじゃん。あの謎の施設の調査依頼出したのハナだしさ」

「ハハハ、冗談ですよ。で、要件は何でしょう?」

私を連れてハナ協会に来たマーリンはロビーらしき場所で男性と会話していた。

「依頼されていた場所の調査してたら重要参考人がいたからね。報告と、彼にフィクサー資格を与えたくて」

「ほう?重要参考人?彼が?」

「そう。どうやらあの施設に住んでいたらしいんだよね」

「へぇ。君、名前は?」

「…ヴァイス。そう名乗ってる」

「…名乗ってる?どういう事ですか?」

「あーっとね。その子ね、フィクサー狩り」

「…フィクサー狩り?外郭の?」

「そ。どうやらアレ外郭の研究所らしくてね。突如ワープしたらしくて彼も何故都市にいるかわかってないらしいのよ」

「な、なるほど…」

「ここが協会…ハナ協会って言ってましたね…」

「…外郭住まいなのによく知ってましたね」

「昔研究所の資料で見た」

「そうですか…私はアンブロシアス。ハナ協会の2級フィクサーです」

アンブロシアスと名乗ったその男は身長190㎝もありそうな高身長で、眼鏡をかけていた。

「とりあえずロシアス君。あれはどうやら外郭にあったものらしいから、処遇はそっちで頼むよ。あ、多分頭はなんもしないと思うからそのつもりで」

「まぁいいですけど、頭が動かないというのは?」

「ヤバいものあったらとうに動いて処理してるでしょ」

「まぁ…それはそうか。とりあえずフィクサー資格ですか。実力は?」

「謝肉祭2体を相手取って無傷で生還する強者とだけ」

「謝肉祭2体ですか…謝肉祭2体!?無傷で!?こんな若い子が!?」

「若いって、俺何歳に見えるんですか?正確な年齢わからないんですよ一人だったんで」

「あーそうか年齢感覚って産まれたのがいつかわからなきゃわからないもんね。まぁ見た感じ15かな」

「あと記憶もあまり思い出せないんですよ。ここ数年はあの研究所にいたのは覚えてるんですが…」

「まぁ外郭ならそれくらいあるでしょう。とりあえず、別室に来てください。一応軽い面接があるので」

そう言われ私は別室に連れてこられた。

 


 

「といってもマーリンさんからの推薦なら面接する必要性はないんですがね。しかもあのフィクサー狩りというのなら実力もあるんでしょうし」

「そんなんでいいんですか?」

「まぁ彼特色だし…」

「そういえばそうらしいですね」

「そういえばって…まぁ外郭出身ならそんな感想で終わるか…とりあえず形式上な面接になるけど、何故フィクサーになろうと思った?」

「成りあがるため…ですかね」

「何故フィクサー狩りなんかを?」

「金のため。あと襲われるから反撃として」

「謝肉祭はどうやって倒した?」

「剣で。全身に外付けの義体をつけてるからそれで出力上げて回避して熱を持たせた剣でまとめて一撃」

「…なるほどね。武器見せてもらっても?」

「…どうぞ」

私は白痴、クレセント、アルバスを見せる。

「収納手袋?」

「研究所での拾い物ですが」

「いや、いい拾い物をしたようだね。どうやら所有者によってロックがかかるようだし、容量も多い奴だ」

「見ただけでわかるんですね」

「伊達に2級してるわけじゃないし…このボタンは?」

「あー弾丸がここから出るんですよ」

「…ギリギリ都市の法を守ってるあたり小賢しいようななんというか…」

「そうですか?都市の法くらい研究所で調べられたので…」

「いや気にしなくていい。君がフィクサー狩りってのはやはり事実なようだね」

「そこから疑ってたんですか…?」

「一応確認のためだからね。それにしても腕がいいな…どこかの工房にでも弟子入りすれば…いや、なんなら工房立ち上げれば莫大な利益が出そうだけど…」

「他人のために作るのはなんか違うんで…」

「そういうものなのかい?まぁそれならそれでいいさ。興味が出たらトレス協会に招待状でも書いてあげるよ」

「…随分と優しくしてくれるんですね」

「マーリンさんには恩があるからさ。彼の頼みなら無下には出来ないんだよね」

「…そうなんですか」

「よし、一応面接はこれで終わりかな。とりあえず受付にコレ持っていってね」

そう言われて渡された紙の署名欄には『ハナ協会南部1課 アンブロシアス』と書かれていた。

「…1課ァ!?」

あの人そんなエリートだったのかよ…いや2級な時点でそれくらいの実力はあるか…というかオリヴォエ達の上司かあの人…

「…とりあえず戻るか」

 


 

「お、どうだったかい?」

「とりあえずコレを受付にと」

「お、貰えたようだね。じゃあ発行してもらおうか。あ、発行には30万眼必要だけど…」

「あ、余裕でありますね」

「だろうね。流石フィクサー…ごめん何でもないって」

「二度とその名前で呼ばないでください」

そう言いながら私は手続きを済ませる。が…

「そう言えば名字がなかったんでした」

「ん〜、なら僕が決めてあげよう」

そう言いながらマーリンは少し考え

 

「君の名前は…ヴァイス・ペンドラゴンだ」

 

私に新たな名前をつけた。

「…気に入りました」

「それはよかった!」

そう言いながら書類を完成させ、料金を支払う。そして…

「…コレが、フィクサー免許」

「無くしたら大変だから管理をしっかりするんだよ?」

手には1枚のカード。そこには『9級フィクサー ヴァイス・ペンドラゴン』と書かれていた。

(これが、俺の夢への第一歩だ)

 

972年、4月23日

私がこの狂気的で素晴らしい世界にて、私が生きる道を見つけた記念日である。




ヴァイス・ペンドラゴン
この小説の主人公。特異点「エクリプス」と洛星鎧機、魔改造工房武器で戦う9級フィクサー。かつては外郭で「フィクサー狩り」として名を馳せていた。現在は「白の魔術師」マーリンの世話になっている。

クレセント
ヴァイスが持つ大剣。柄がなく、刃の峰近くにある穴を持つタイプの剣。刃を展開し延長することも可能。特殊効果は少ないが、質量でゴリ押すタイプの武器。名前の由来は英語で三日月。

アルバス
ヴァイスが持つ薙刀。柄が延長したり、刃がプラズマ化する。ただし代償として扱い方をしくじると自滅する可能性がある。重量がそこそこあるので手数で押すのではなく一撃を通しに行くタイプの薙刀。名前の由来はラテン語で白。
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