TRANSFORMERS Weigh Anchor   作:H2O(hojo)

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次から作戦海域に突入です。前段と後段合わせて6海域の大規模作戦です。


作戦準備

日本 呉鎮守府 海上

 

「うぉっ!?」

 

「もぉ!!何やってるのよ!?そんなんで海上で戦えると思ってるわけ?」

 

「クソッ!バランスが取りずれぇ!!」

 

突如、深海棲艦を従えたディセプティコンと戦うことになったオートボットたちだが、その副司令官であるアイアンハイドは水上での動きに苦戦していた。そもそも彼らが何故プカプカ浮けるのかは謎だが、彼はここ数日朝潮型駆逐艦の霞と海上での動きの特訓をしていた。

 

「作戦開始まで時間が無いのよ?水上もまともに動けないで、どうやって敵に両腕のソレを命中させるつもり?」

 

「分かってる!分かってるが…俺の故郷にはこんな大量の液体自体が無かったんだよ。少しは手加減してくれ」

 

「はぁ!?言い訳?だらしないったら!!副司令官のアンタがこの程度で躓いてたら他の皆に示しがつかないでしょうが!」

 

「はい。その通りです」

 

霞はアイアンハイドが水上で尻もちをついている様を見て、どうやって両腕のキャノンを敵に命中させるのかと問う。それに対し彼は、惑星サイバトロンには海がなかったと言うが、霞に副司令だからちゃんとしろと言われ項垂れいた。

 

「『YEAH!!』『Foo~!!』『Let’s Go!!』」

 

「いいですネ~ビー君!」

 

「はい!お姉様の言う通り、とってもお上手です」

 

「『蝶のように舞い、蜂のように刺す!!』」

 

アイアンハイドが苦戦している横でビーは水上でも華麗な動きを見せる。彼は的にも全弾命中させ、金剛と榛名に褒められて上機嫌であった。

 

「喰らいなさい!!」

 

「楽勝!!」

 

「オラァ!!」

 

「おー!お姉さん方は元がバイクだけあって動きが軽やかだね~駆逐艦やら海防艦と違ってウザくないし~」

 

「お褒めに預かり光栄だわ」

 

さらにエリータワン、クロミア、アーシーの3人も軽やかに水上を動き回り、的に攻撃を命中させていく。彼女たちのその姿を見た北上は、素直に3人のことを褒めるのであった。

 

「クソッ…重量の軽い連中は気楽なもんだぜ…」

 

「よそ見しないの!!」

 

「分かった!!わぁかったっての!!」

 

水上で軽々と舞う仲間たちを見て、未だ四苦八苦しているアイアンハイドは彼らの事を羨ましがる。しかし霞は羨む時間すら許さず、彼を訓練に戻すのであった。

 

 

 

 

 

日本 呉鎮守府 工廠

 

「どうですか?そっちのブレードの調子は?」

 

「あぁ。元の物と重さも斬れ味も遜色ない。問題は無いな」

 

工廠では深海棲艦に対抗するために、オートボットたちの武器の換装が行われていた。明石は余った艤装を使って、サイドスワイプの両腕のブレードを対深海棲艦用へと作り替えていた。

 

「しかし不思議なものだ。コレと姿形は変わらないというのに、俺たちの武装では深海棲艦という存在に攻撃が通用しないとは…」

 

「妖精さんのお陰ですよ」

 

「妖精…このお前たちより小さい彼女たちのことか?」

 

「えぇ。我々の艤装も素材は単なる鉄やらアルミやらに過ぎません。ですが、妖精さんと共にそれを製造、改修することによって深海棲艦に対抗できる艤装が生まれるのです」

 

サイドスワイプは自身の武装と姿形は同じに見えるのに、明石に作ってもらった艤装でなければ深海棲艦には通用しないことを疑問に思う。彼の疑問に対し、明石は彼女と一緒にサイドスワイプのブレードを製造した妖精さんのお蔭だと答えた。

 

 

 

 

 

呉市街 某所

 

「Japanではこんなpizzaを食うのか?」

 

「ピザじゃありません。『お好み焼き』です。食べないのでしたら、私が貰いますが?」

 

「誰が食べないと言ったんだ。私はアメリカでレストランを経営している経営者だぞ?味が気に入ったら私の店で出してやる」

 

(この人、一体何のためにここに来たのかしら?)

 

トランスフォーマーが海へ出るために特訓や、艤装の換装をしている頃、呉市街にあるお好み焼き屋では大淀とシモンズが会合を行っていた。シモンズは初めて見るお好み焼きをピザに例え、大淀を不快な気分にさせていた。

 

「遅くなったわね、大淀に…民間人のオジサン?」

 

「元セクター7のシーモア・シモンズだ!!」

 

「足柄さん。わざわざご足労いただきありがとうございます。どうぞこちらへ」

 

「いいのよ、大淀。流石に男女二人きりってのはマズいからね」

 

さらに、大淀とシモンズのいる店に現れたのは足柄であった。大淀も彼女も今は私服を着ており、周りからは彼女たちが艦娘であることは分からない。大淀はわざわざ自分のために来てくれた足柄に感謝するのであった。

 

「それで?私に一体何の用だね?まさか君たちが私と一緒に食事をしてくれるだけ、というわけではあるまい?」

 

「当然です。私たちは軍人ですから」

 

「お前たちが知りたいことについてはいくらか察しがつく。Transformersのことだろう?」

 

「あら、話が早いじゃない」

 

シモンズは彼女たちがただ自分と食事をしてくれるとは思っておらず、大淀もそうだと述べた。彼女たちの目的は未だ謎の多い、トランスフォーマーに関してであり、シモンズもそれを理解していた。

 

「私たちの疑問について理解しているのであれば、単刀直入にお聞きします。トランスフォーマーとは一体何者なのですか?」

 

「言ったろ?AlienだよAlien。アイツらはこの地球にやって来た地球外生命体だよ」

 

「それは先ほど提督から聞きました」

 

「まっ、それだけじゃ正直足りないわよねぇ」

 

自分たちの意図を理解しているならと大淀は早速、シモンズにトランスフォーマーの正体について説明を求めた。それに彼はわざとらしく、エイリアンだと答えるが、当然それだけでは大淀は満足せず不満を漏らしていた。

 

「まぁそう慌てるなよお嬢さん。そんなんじゃ落ち着いてlunchもできないじゃないか」

 

「作戦開始まで時間が無いんです。あまりふざけないでいただけますか?」

 

「おぉ!!このOkonomiyakiとやらは美味いな!!私の店で提供しよう!!」

 

「・・・・・・」

 

「はいはい、怒らないの。シモンズさんも大淀を煽らないでくださいね?」

 

だがそんな大淀の感情を余所に、シモンズは目の前で良い感じになっているお好み焼きを堪能する。そんな彼の態度に業を煮やした大淀は、拳を振り上げようとするが、そこを足柄が仲裁に入った。

 

「まぁ、やっぱりあのトランスフォーマーたちが何処から来て、何の目的でこの地球にやって来たかくらいは知りたいのよねぇ~」

 

「本人たちに直接聞けばいいじゃないか。私にはアイツらと仲良くやってそうに見えたが、違うのか?」

 

「別にそれでもいいんだけどね。でも大淀が言った通り、私たちにも彼らにも作戦までの時間が残されていないのよ」

 

「だから暇そうな私から話を聞こうってわけか?まったく…」

 

「実際今回の作戦には参加できないのですから、暇なのは事実でしょう」

 

足柄はシモンズにトランスフォーマーたちが何故地球を訪れたかを知りたいと話す。それにシモンズは本人たちに聞けばいいと言うが、彼女たちはそのために時間を使うわけにはいかないと考え、彼から聞き出そうとしていたのである。

 

「まぁいいだろう。私もヤツらに作戦から外されてムカついてたところだ。今回は特別に私が集めたTransfomersに関する情報を教えてやろう」

 

「ありがとうございます。助かります」

 

「オジサン太っ腹ぁ!!」

 

「ただし、私がしゃべったとN.E.S.T.の連中には言うなよ?それこそ、彼ら本人に聞いたとでも答えるんだ」

 

彼女達の話を聞いて、シモンズは折れてトランスフォーマーたちの情報を教えることを決める。そしてこれから話すことは機密なので、N.E.S.T.には言うなと釘を刺すのであった。

 

「さっきも話した通り、ヤツらは『惑星サイバトロン』からやって来た金属生命体だ。惑星サイバトロンはこの地球よりもずっと高度な文明を築き上げていたことは間違いないだろう」

 

「惑星サイバトロン…。疑っていたわけではありませんが…そうはっきりと言われると、なかなか素直に信じられませんね」

 

「それで?そんな高度な文明を持つ彼らが一体全体何のために地球に来たっていうの?まさか地球征服?」

 

「そうだとすると大問題なのですが…」

 

トランスフォーマーは惑星サイバトロンからやって来た金属生命体である。改めて彼らの正体が明かされ大淀は素直に信じられないと述べる。そして足柄は彼らが何の為にこの地球へと降り立ったのかをシモンズに尋ねていた。

 

「その前に、AutobotsとDecepticonsについて説明しておこう。彼らは同じ惑星サイバトロンのTransformersで、主義主張によって2つの派閥に分かれている」

 

「つまり…艦隊派とか条約派みたいなものね。どこの星も結局は同じなのね」

 

「惑星サイバトロンは何万年と続く、AutobotsとDecepticonsとの争いで荒れ果てしまったようだ」

 

「彼らは自分たちの故郷を争いで滅ぼしてしまったのですか…」

 

「それに関しては私たちも人の事言えないかもね。あの戦争で大勢の人間が死んだわけだし」

 

シモンズは彼らが何故地球へ降り立ったのかを説明する前にトランスフォーマーたちがこれまで辿って来た歴史について説明を始める。彼らはオートボットとディセプティコンという組織に別れ、何万年も惑星サイバトロンで争ってきたのである。そして、そのせいで自分たちの故郷の惑星を荒廃させてしまったのである。

 

「Transformersが惑星サイバトロンで戦争を繰り返している最中に、彼らにとって重要なitemが宇宙へと流出した。彼らはそれをオールスパークと呼び、金属生命体を生み出すことができた」

 

「じゃあ、恋愛とか結婚とかしないのかしら?それはちょっと可哀想ね」

 

「確かにそれは重大ですね。故郷が荒廃している上に、自分たちの種族を生み出すオールスパークが流失してしまったら、種の存続ができなくなります」

 

そしてその長きに渡る戦いの中で、トランスフォーマーたちにとって重要なオールスパークというアイテムが宇宙へと流出してしまう。トランスフォーマーを生み出すアイテムと聞いて足柄と大淀はそれぞれ別の感想を抱いていた。

 

「そしてそのオールスパークを見つけるために、彼らは故郷を出て地球へと降り立ったというわけだ」

 

「なるほどね。で、そのオールスパークとやらは見つかったのかしら?」

 

「あぁ、見つかったとも。そこから我らがセクター7の活躍が始まったのだ!!」

 

そして彼らはオールスパークを探すため、この宇宙を放浪し地球へと降り立ったのである。そしてシモンズは彼らがオールスパークを求めて地球にやって来た時のことを話し始めた。

 

地球に存在するオールスパークを求めて、最初に地球に降り立ったのはディセプティコンのリーダーであるメガトロンであった。彼はオールスパークを探す途中に北極圏に向かい、氷漬けとなってしまう。それを最初に見つけたのが、19世紀の冒険家であるアーチボルト・ウィトウィッキーという男であった。

そしてその後アメリカの政府機関であるセクター7がメガトロンとオールスパークを回収し、彼らに関する研究を開始したのである。地球で生まれた様々な科学技術はセクター7がメガトロンを解析して作られたのだ。

 

「そして数年前、Autobotsたちがオールスパークを求めてこの地球に現れた」

 

「それで彼らはこの地球でオールスパークを求めて戦争を始めたと…」

 

「そういうことだ。この地球でもアメリカ政府によって隠蔽されているだけで、裏では数多くの事件が起きている。そして地球で暗躍するDecepticonsを討伐するためにAutobotsと我が国の軍隊で結成されたのがN.E.S.T.というわけだ」

 

「なるほど。それでオートボットは米軍と一緒にここに来たのね」

 

そして、それから時は経ち数年前、オプティマス・プライムたちオートボットが地球へと飛来する。それによりオートボットとディセプティコンがオールスパークを巡って地球で戦争を始めた。

 

そして地球でオールスパークを巡ってオートボットとディセプティコンが大規模な戦闘を起こしたのが、アメリカの『ミッション・シティ』である。この戦いでオートボットはオールスパークを失うも勝利し、ディセプティコンはメガトロンを失い壊滅したかに見えた。

 

それから約2年後、ディセプティコンは突如として活動を活発化させる。彼らは『ザ・フォールン』という人物を信奉し、メガトロンを復活させることに成功。エジプトのピラミッドにある太陽を破壊する装置を発動させ、地球を滅ぼそうとしていた。そして、これもオプティマス・プライムを筆頭としたオートボットたちに阻止され、地球は救われたのである。

 

「そしてその際Megatronは姿を消し失踪。今も見つけられずにいる」

 

「結局頭を抑えない限り、この戦いは続くということですか」

 

「そして今、ディセプティコンは深海棲艦と手を組んで太平洋を荒らし回っているってわけね。米国の軍人さん方が大慌てでここに来た理由が分かった気がするわ。だって地球の危機だものね」

 

「そうとも。今回の作戦はお前たちが思っているよりも重大なのだ」

 

そして現在、エジプトでのザ・フォールンとの決戦後、メガトロン他ディセプティコンたちの消息は絶たれており、オートボットたちは彼らを必死に探しているのである。足柄は今回の深海棲艦とディセプティコンが手を組み太平洋を荒らしている一連の事象についての重大さに、ようやく気付くのであった。

 

「お前たちがしくじればこの地球がディセプティコンに支配されると思え!」

 

「「・・・・・・」」

 

「私たちでは深海棲艦とは戦えない。トランスフォーマーにも敵わない。だからお前たちやAutobotsに頼るしかない。だから1人の地球人としてお前たちに言う。頼んだぞ?」

 

「えぇ、この足柄に任せておきなさいな!!」

 

「承知いたしました。我々の手で必ずや深海棲艦とディセプティコンを倒してみせます」

 

 

 

 

 

アメリカ合衆国 サンディエゴ基地

 

「どうだ見ろ!俺の新しい武器だ!カッコいいだろう?」

 

「何言ってんだマッドフラップ?俺と変わんないじゃねぇかよ」

 

「チッ…!ったく私らは連中のお守かよ…」

 

「腐っててもしょうがねぇぞ、Atlanta。アタシだって正直マジかって思ってるけど、それが任務だろ?」

 

「Phoenix…はぁ、そうだね。Admiralさんの顔に泥を塗るわけにもいかないし…」

 

日本でオートボットたちが出撃のために訓練を重ねている頃、アメリカでも別のオートボットたちが出撃を今か今かと待ちわびていた。武器を見せびらかしてじゃれ合っているのは、スキッズとマッドフラップである。そんな彼らを横目にアトランタとフェニックスは、彼らの護衛を務めなければいけないことを憂鬱に思っていた。

 

「Hawaii周辺は深海棲艦がうじゃうじゃいてまともに近づけない上に、上層部は危険だからって言って周辺海域の哨戒以外の出撃は禁止するし。全部アイツらAlien共のせいだ…!!」

 

「さっさと地球から出てってくれねぇかなぁ…。深海棲艦に沈められるんなら受け入れられるんだけど、Decepticonsに踏み潰されるのはゴメンだね」

 

「Megatronを置いて逃げられても困るでしょ?」

 

「おっ、ちょっとはやる気出したな」

 

オプティマス・プライムが日本に行っている間にハワイの状況は悪化しているようで、深海棲艦が海上を闊歩しておりまともに船舶が近づけない状況になっていた。アトランタはその原因をトランスフォーマーにあるとし、味方であるオートボットにも敵意を向けていた。

 

「大体船持ってるならテメェらだけでDecepticonsを倒せっての」

 

 

 

 

 

イージス艦 Depth Charge艦内

 

「これが本当にTransformersなのですか?私には普通の艦艇と何ら変わらないように見えますが…」

 

「彼の名はデプスチャージ。我々の種族の中でも特に大型で、こうやって大きなものをスキャンしているのじゃ」

 

「我が名はデプスチャージ。オプティマスよりこの作戦でオートボットたちの海上での拠点になるよう命じられている。よろしく頼む」

 

「ど、どうも…私はLexingtonです」

 

デプスチャージ内部に入ったレキシントンは、内部構造も普通のイージス艦にしか見えない彼を見て戸惑っていた。彼女にデプスチャージ内部を案内していたキューは、彼のことを大型のトランスフォーマーであると紹介した。

 

「ラチェット、作戦の準備は進んでいるか?」

 

「あぁ、順調だプライム。錆防止コーティングの製造ももう少しで終わるだろう」

 

「早急にメガトロンを見つけ出し、ヤツを倒さなくては…」

 

「そうだな…地球人が我々に向ける目がどんどん厳しくなってきているのを感じる」

 

「ディセプティコンたちを倒すためとはいえ、我々はこの惑星の者たちに迷惑を掛け過ぎた…。現に彼女たちの我々に対する態度を見るにそろそろ潮時なのかも知れん」

 

オプティマスはラチェットに作戦の準備は順調かと尋ねると、ラチェットは順調であると返した。オプティマスは自分たちが地球人に迷惑を掛けていることを自覚しており、アメリカの艦娘たちの自分たちに対する態度を見て、早急にディセプティコンを撃滅する必要があると感じていた。

 

「メガトロン、貴様の野望は必ず私が打ち砕いてみせる…!!」

 

 

 

 

 

数日後、史上最大の作戦の火蓋が切って落とされる。




日本側は日米の色々があって米軍に当たりが強い。アメリカ側はトランスフォーマーのこれまでの所業を知っているため、トランスフォーマーに当たりが強いです。

Tips
デプスチャージ
リベンジで没になったオートボット。イージス艦にトランスフォームする。「エ~イ!!」とは言わない。
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