同級生が怪盗になってました 作:仮面舞踏会
──その日の朝はなんだか学校が騒がしかった
朝、登校の時間。
いつものように学校に来たらなんだか掲示物が掲載されている廊下に人集りができていた。
なんだなんだと周りの人を押しのけて覗いて見たらそこにはられていたのは……なというかこう、予告状?みたいな?怪盗とかのアレ。そんなのが貼られていた。
『色欲』のクソ野郎
鴨志田卓殿。
抵抗できない制度に歪んだ欲望をぶつける、
お前のクソさ加減はわかっている。
だから、俺たちはお前の歪んだ欲望を盗って、
お前に罪を告白させることにした。
明日とってやるから覚悟してなさい。
心の怪盗団より
──?????
俺の頭にはハテナがいっぱい浮かんだ。
鴨志田卓。この学校の教師でバレー部顧問。
バレー部の顧問ということもあり、経験者で実力者……どころかオリンピックでかなりの実績を残したスペシャリスト。
そんな鴨志田だが、黒い噂は絶えない。
やれ、女子生徒とヤッただの、バレー部員に体罰まがいのことをしてるだの。
一部生徒の間で広がった噂。そんな噂は他の生徒からすれば鴨志田に嫉妬して広められたものだって認識になってるらしい。
かくいう俺も真偽は分からない。興味無いし。
ただこの、予告状?を見る限りだと真実だったのか?なんて疑問が浮かんでくる。恨みつらみがなければこんなイタズラされないだろうし。となるとこれを貼ったのは被害生徒ってことになるのか?
そんなことを考えていた時だった。
「なんだこれは!?」
そんな場にやってきたのは件の教師、鴨志田。
高い身長と長い腕。バレー向きの肉体で人目見ただけで分かるスポーツマンのような筋肉質な男。
そんな教師が驚いたような、怒りが混じった表情で予告状を睨みつけていた。
「誰だこんなものを貼ったのは!?お前か!?」
「い、いえ違います…!」
「貴様か!?」
「わ、私じゃないです…!」
手当たりシダに周りの生徒に詰め寄る鴨志田。
あの焦りよう、書いてあることは事実だったのかもしれない。
それならかなりのクソ野郎だな。
でも、欲望を盗って罪を告白させる……つまり鴨志田自身に自白させるってことだよな?どうやって?
「お前らか!?」
考え事に耽っていたら鴨志田は近くにいた3人の生徒に近づいていた。
あれは坂本と高巻。それから……知らない顔だ。噂に聞く不良の転校生ってやつか?
「だとしたら?」
「……くだらんな」
転校生の挑発に呆れたような、怒り交じった声でそう返した。
「まあいい、どうせ貴様らはじき退学だ」
吐き捨てるようなそんなセリフを残し、この場を去っていく鴨志田。
それを見て3人はなんだか決心したような、そんな顔で目を合し頷いていた。
なんだろう。こんなイタズラをする理由。
……気になる。これでも花の高校2年生。冒険心と好奇心はある。
ちょっとだけ後つけてみよ。
▽▼▽▼▽▼
さてさて、放課後になった。
あの3人とはクラスが違う。
見失う前に見つけねば。そんなことを考え急いで教室を飛び出した。
少し小走りでキョロキョロと。
「こら、廊下走らない」
「あ、サーセン」
すれ違いざまに我が校の生徒会長さんに怒られてしまった。
走るのをやめて早歩き。もはや競歩である。
競歩ってすぐ足痛くなるよね。なんかこう……つりそうというかなんというか。
そんなことをしてれば……居た。
生徒玄関。帰ろうとしてる3人を発見。
彼らは何やら相談し、そのまま玄関を出ていった。
急いで靴を履き替え後を追えば、学校を出てすぐ近くの路地裏へと入っていくのが見えた。
追いつけば彼らは何やらスマホをポチポチしてる。
それをものかけまに潜みながら拝見。
『鴨志田』『学校』『城』
何やらキーワードのようなものを呟いて……次の瞬間。その場には変な光景が広がっていた。
学校があった場所には巨大な城が建っており、空は紫、なんだか異様な空気が流れている。
「…………なぁにこれぇ?」
唐突な現象で頭が追いつかない。
異世界転移ってやつでもしたんか?
「よっしゃ、いっちょやったるか!」
「変に空回りしないでよ」
「いいか、あくまで目的はオタカラだけだ。忘れるなよ」
「……行くぞ」
あ、やべ。こっち来る。
サササッと急いで近くの物陰へ体を隠す。
恐る恐る覗けば3人は変な格好をしていた。
なんか仮面かぶってるし、ロングコート羽織ってるわ、ライダースーツだわ、ピチピチのラバースーツだわ……え?コスプレ大会?
そんな疑問はお構いなしに彼らは白の中へと向かって歩き始めた。
「……あ、やべ追いかけないと」
見失う前に急いで後を追う。
大冒険の始まり始まり……的な?
文才の無さ。
誰かオラに文才を分けてくれぇ。