部室でダベッてたらあっちゅう間に時間が過ぎていった。そろそろ今日の活動は終わりかね。
「そろそろ帰ろうか。僕戸締まりするから先出てて大丈夫だよ」
田中が鍵をヒュンヒュンしながら言う。
「もうこんな時間か……。フフフ。これからがブーストタイムだというのに」
鈴木が不気味にせせら笑う。何する気だ? お前。
「んじゃ。お先に失礼するわ。また明日な」
俺がバイナラすると、田中と鈴木も手を挙げて応えた。
「うん。また明日ね。山下君」
「同時刻でまたおちあおうぞ」
言ってること同じはずなんだが、個性出てんな~と思う俺であった。
俺は部室を出て、外に出る。校門前の近くでよっこらせと座りながら来天を待つ。
今頃ひーこらひーこら言ってそーだなあいつ。あん? 自意識過剰じゃないかって? なんとなく分かるんだよ。
「ひーこらひーこら~~~~~~~~~~!」
ほらな? ご自慢の脚力を活かしながら来天がこちらに向かってくる。足が渦巻き状になってんな。漫画やアニメみてえ。
「おっまたせい!」
「おう」
キキキィ! と俺の目の前でブレーキをかける来天。俺はういしょいっと立ち上がる。
「んじゃ、帰るか」
「うん!」
俺がトコトコ歩き出すと、来天もテクテクと並んでくる。
「はい! ゆっきー、これ!」
「ん?」
来天は小さい小ビンみたいなものを俺に渡してきた。中に緑色の液体が入ってら。
「んだこれ?」
俺が軽くちゃぷちゃぷ振りながら来天に尋ねる。
「ポーションだよ!」
「ポーション? 回復薬の事?」
「そ!」
来天がせやでと何度も頷く。
おいおいこんなもんドラッグストアで見たことねえぞ?
俺がマジマジと眉間を寄せながら小ビンを見つめていると、来天がくるっと俺の方に向いて言った。
「今週、それ持ってアミュストラへ行くからね!」
出た。アミュストラ。いくら調べてもついぞ分からなかった謎の施設。一体どんなところだってんだ?
「へいへい。楽しみにしていますよ」
俺が軽くお返事していると、来天は小さくピョンコピョンコしながら朗らかに笑う。
「えへへ~。ゆっきーと異世界へお出かけお出かけ~」
まあ、来天の楽しそうな様子を見るのは俺も楽しいしな。
つーわけで俺と来天は今日あった出来事をつらつらと話しながら無事帰路についたってわけよ。
朝。今日は休みだな。もう少し寝れそうか?
「ムニャムニャっと」
「おーきろーーーーーー!」
駄目だな。馬鹿でけー声で耳キンキンする。目ぇ覚めちったい。
「んだよ。朝っぱらから。今日は休みだぞ?」
「だからだよゆっきー!」
パンパンとベッドを叩いて来天は捲したてる。
「あん?」
「今から行くぜ! 異世界へ!」
「おいおい俺まだ起きたばっかだぞ?」
出かけんのにも準備ってもんがあるだろ。
「だいじょぶ! 向こうで粗方揃えられるからそのままでオッケーだよ!」
「はい? どういうこった?」
俺が起き抜けで頭ぽ~っとしていると、来天は俺の腕を両手でムンズと掴んできた。
「じゃ、行こっ!」
「お、おい!」
来天は俺をベッドから強引に立ち上がらせる。おいおいこんな寝グセパジャマ状態でお出かけってマジか!?
「ロンちゃ~ん! こっちは準備オッケーだよ!」
全然オッケーじゃねーけど!? つかロンちゃんって誰!?
俺がアタフタしている間に周りになんか魔法陣みてーなもんが浮かんできた。
「なんじゃこりゃあーー!」
『オッケーだロン! 転送開始だロン!』
なんかガキっぽい声が頭の中に流れてきた。ロンロン言ってるってことはてめーがロンちゃんか!
「レッツゴー!」
「ちょ、待っ」
来天の号令に俺は制止が間に合わず、来天と腕を組んだままシュン! と瞬間移動をした。
部活動が終わり、いざ異世界アミュストラへ~。次回に続きます~(*´▽`*)