デュエルアカデミア不合格列伝   作:交響魔人

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続編見たいな~、というコメントを頂いたので執筆。


IF ~まともな不合格組が入学出来て居たら~1年目の事件!

 デュエルアカデミア。孤島に建てられたこの学園は、外界と隔絶されているが、様々な理由で定期船が来航する。

 物資の補充、人員の交代。

 

 

 この日。アカデミアには客人が来ていた。

 

 

「紹介するわ。彼がボスよ。」

 

 

 アウトローの伝手でアカデミアに入学したロサーナが紹介した相手を見たブラック寮の面々は、一斉に黙り込む。

 オールバックに撫でつけられた黒髪。着こなした黒いスーツの上からでもわかる、鍛えられた肉体。

 サングラス越しにも関わらず左目には大きな切り傷がある中年男性。

 

「とりあえず、紹介不要な奴が居る…。五大院だな。」

「ああ、やっぱり。」

「裏ではだいぶ有名人だぜ。手元に置ければ金を稼げるからな。」

 

 にやりと笑う男に、ブラック寮生は色めき立つ。

 

「もしかして、今から五大院に手を出す気か?!」

「だから連れてきたのか、ロサーナ!」

 

 

「手を出すわけ無いだろうが。あの海馬瀬人と対立するのはお断りだ。」

 

 

 見るからに裏を取り仕切っているであろう男をして、敵対を避けると言わせしめる伝説の決闘者に一同はやや慄く。

 

 

「顔を出したのは、ちゃんとやっていけるのか?という不安があったからだ。」

「不安って。」

「デュエルアカデミアを卒業すれば、プロリーグへ挑戦、あるいは運営側に回れる。だから進学自体は別に良い、そう思っていた。少し前までは、な。」

「もしかして、このアカデミアに問題が?」

「ああ。アカデミア本校以外に分校が4つ。そこへ留学するケースが随分多い。だが、実際に留学している生徒の数にズレがある。」

 

 

 

「そ、そんなの一体どうやって調べたんですか!」

「…女、か。名前は?」

「如月、如月菫です。」

「女子はブルーに配属なのにここにいるって事は…。まぁ、いいか。訳アリはお互い様だろうしな。留学生が来ているはずなのに、実際には来ていない事を確認したら、後は世間話を交えて情報を流すだけだ。確かに留学したはずなのに、連絡が来ない。道中で何か事故にでもあったんじゃないか…とな?」

「でも、それだけでは。」

「世の中には、お節介な奴や正義感が強い奴が居る。その手の人種は当然調べる、そうすると人が居なくなった痕跡を発見してしまう。次にそいつはどう動くかというと…。警察だ。」

 

 如月の背筋に寒気が漂う。

 

「相談を受けた熱心な警官が調査に入ると、上からストップをかけられる。この手の警官は口が堅いのが相場だが、何も割らせる必要はない。情報を零れさせる方法はいくつかある。オーソドックスなら、酒の席という奴が」

 

 

「ま、待ってください!そんなに多いんですか?!行方不明の生徒が!」

 

 腕切が思わず声を出してしまうが、男はギロリと見た後、話を続ける。

 

 

「言っておくが、海馬瀬人に期待はするな。あの男はこの手の話に興味など無い。関与もしていない。弟が関われば話は別だろうがな。俺も、これ以上深入りはしたくない。」

「どうして!ロサーナが心配じゃあ無いんですか!」

 

 影堂の叫びに、男はため息をついて口を開く。

 

 

「いいか?小僧。ここまでの事をする以上、黒幕の計画は本腰を入れた長期的な物だ。何を企んでいるのかは知らんが、学園から行方不明者を何人も出してまで成し遂げたい事がある。そんな大物の計画を潰して、俺に何の利益がある?」

「それは…」

「だから、こうして警告に来た。俺はこの学園の上層部が怪しいと睨んでいる。留学の話が来たら、断れ。強制されそうになれば、逃げろ。その時は部下が迎えに行く。」

 

 

 

 男が扉を開けると、外には細身で眼鏡をかけた教員が立って居る。

 

 

「あれ?大徳寺先生?」

「…ここの寮長か?」

「オシリスレッド寮ですけど…。」

「そうか。」

 

 

「初めましてニャ。レッド寮長の大徳寺ですニャ~、そしてこの子は、ファラオ。」

 

 ニャア、と鳴くデブ猫を男は数秒見つめる。デブ猫に男は手を伸ばすもスッとそっぽを向かれたことで、手を下す。

 

「あー、先生さん。一応、俺はこの子の保護者でね。」

「お子さんですかニャ?」

「血は繋がっていないがな。オベリスクブルーへ配属と思ったら、ブラック寮という新設された寮に入れられたそうじゃないか。」

「今年の実技試験は大荒れだったのニャ~。従来の寮には収まらない、という事で新設されましたのニャ。」

 

 

 表向きはにこやかに話しているが、二人は互いに相手を探るような眼で見ている。

 

 

(この寮長、只者じゃないな…。てっきり学園の上層部、オベリスクブルーの寮長が怪しいと思ったが…。そもそもクロノスにそんな芸当は無理か。エリートの面倒を見つつ、有力な保護者と接する機会が多い立場だと隠蔽工作まで担当すると体が持たない。となれば、表向き落ちこぼれが入る寮長のコイツは時間を確保できる…)

 

(デュエルモンスターズの裏で勢力を確保している大物、ゲオルク。計画の邪魔になるなら排除を…。いや、ここで正体がばれると三幻魔の計画は破綻。ここはあえて見逃して…)

 

 

 

 ややあって、会話を切り上げてゲオルクは港へ向かう。

 その後姿を見送った後、大徳寺先生もレッド寮へ帰っていく。

 

 蓮壇がロサーナに対して口を開く。

 

 

「…あの人が、ロサーナの保護者か。」

「賭けデュエルを取り仕切っている人よ。」

「それって、どれぐらい稼げる?」

「そうね。数字を思い浮かべて」

「数十万ぐらい?」

「そこに、桁が1つつくわ。」

 

 

 途端に、男子生徒組が目の色を変える。

 

「れ、連絡先を教えて」

「この道にカタギを引き込むのをあの人は嫌うわ。」

「そうなのか?」

「入って3か月目の部下がカタギを連れてきた日、激怒したわ。あの怒りを向けられるのは、怖い。」

 

 

 あの時の荒れようは、ロサーナの記憶に新しい。本気で怯えている様子から、ブラック寮の面々は言及を避ける。

 

 

 

 

 

 その夜。ブラック寮の周辺に、複数の人影が蠢く。

 

「…あれがブラック寮か。」

「ターゲットは女、ただし二人居る。褐色の方だ。」

「道案内ご苦労、後はもう帰って」

「いや、俺も行く!ブラック・マジシャンを手に入れるチャンスだ」

 

 オベリスクブルーの不良を見ながら、ゲオルクと敵対しているマフィア、【ファイターズ・タルタロス】は小声で相談する。

 

「…連れて行くのか?」

「失敗した時には囮になるでしょ。行きなさぁい。」

 

 

 部下と手駒を送り込みながらマフィアのボス、妖艶な美女のエレナは考える。

 

(わざわざ学園に通わせる以上、ロサーナはゲオルクの隠し子か何か。その身柄を抑えれば…もう私達には逆らえない。お父様はゲオルクとは敵対するなと言っていたけどぉ、これからは私の時代よぉ!)

 

 プロリーグで挫折した元プロ、カードショップに寄生するストア・ブレーカー、カード強盗などの犯罪者達。

 アカデミアの学生など一ひねり。彼女はそう考えていた。

 

 

 

 

 数十分後。

 虫壁は、元プロと対決していた。

 

「伝説の爆炎使いの効果発動!鬱陶しいイナゴの軍勢とデス・ラクーダを破壊!」

「手札を1枚捨ててカウンター罠、天罰!」

「ば、馬鹿な?!」

 

 エースモンスターを処理され、元プロは慌てふためく。

 

 

 一方、蓮壇はストア・ブレーカーと対決していた。

 

「悪夢の拷問部屋と連弾の魔術師の効果発動だ!」

「ぎゃああああああ~!」

 

 倒した相手の弟が激昂する!

 

「よくもアニキを!だったらこのデッキで倒してやる!」

「おっと、次は俺が行くぜ!」

「ハッ!バーンカードによるワンターンキル狙いなんだろうが…。このアンチ・デッキには通用しない!俺の先攻、ドロー!こい、デス・ウォンバット!ハハハ、これで手も足も出ないだろう!ターンエンド」

「俺のターンだ、ドロー!ガトリング・オーガを召喚!魔導師の力を装備!カードを4枚伏せてバトルだ!」

「攻撃力3300だと!ま、まずい!」

 

 

 

 カード強盗と対決するのは、如月。

 

「ハハハハ!まさかデッキ破壊とはな。だが無駄だ!俺のデッキにウィジャ盤と死のメッセージカードは3枚ずつ入っている!」

「ニードルワームを反転召喚!リバース効果発動!」

「ちいっ、死のメッセージ「H」、不幸を呼ぶ黒猫、死のメッセージ「H」、王家の眠る谷ネクロバレー、死のメッセージ「H」…?の、ノ~!?」

 

 キーカードを墓地送りにされ、カード強盗は勝ち筋が消える。

 

 

 

「時の魔術師の効果成功!よってバスター・ブレイダーは破壊!」

「くそ、だが攻撃力500のダイレクトアタックを受けてもまだライフは」

「時の魔術師の効果が成功した事で、ブラック・マジシャンを生け贄に捧げることで、デッキから黒衣の大賢者を特殊召喚!効果発動、デッキから魔法カードを手札に加える!死者蘇生を手札に!」

「な、何~!」

 

 

 ブラック・マジシャンを狙ったオベリスクブルーの男子生徒は、思わぬカードに眼を見開く。

 

 

「冥界龍ドラゴネクロで、トライホーン・ドラゴンを攻撃!ソウルクランチ!」

「ぎゃあああ~!」

 

 

「神・スライムで神禽王アレクトールを攻撃!」

「ぐえええええ!」

「これで片付いたか?」

 

 五大院はロサーナに聞く。

 

「この規模を動かしたなら、指揮官が居るはず。おそらく…。」

「心当たりがあるんだな?」

 

 アウトローの保護下で雑用していた時、ボスの所に訪れた相手だ。

 父の跡を継いで契約について色々見直すと言っていたが、実態は安く買い叩こうとする物だった。結果として交渉は決裂、契約も終了したのだが…。

 

 

 

 

 

 エレナは、ブラック寮の生徒と対峙していた。

 

 

「はぁ?!た、たかがアカデミアの学生に全滅!」

「残るは貴女だけ。女性相手に手荒な真似はしたくない。おとなしく」

「フンッ、いっちょ前にフェミニスト気取り?そう言うのは、もっと大人になってからやりなさぁい!」

 

 

 青を基調とした軍服に、赤いズボン。ロングブーツと長い白手袋を嵌めたやや派手な服装をしている金髪の女性。

 影堂にとって、初めて目にする裏社会の住人。こんなデッキで挑んで良い相手では無いのだろう。

 だが、このデッキは入学してから仲間と共に切磋琢磨して練ったデッキ。その想いを賭けて、影堂はデュエルディスクにデッキをセットする。

 

 

『『決闘!』』

 

 

影堂 ライフ4000

手5 フィールド 

    魔法・罠 

エレナ ライフ4000

手5 フィールド 

    魔法・罠 

 

 

 

「先攻は私、ドロー!ライオウを召喚!ちなみに、このカードを墓地に送る事でモンスターの特殊召喚を無効にして破壊出来るわぁ。」

「という事は、ダーク・シンクロモンスターだろうと」

「そういう事よ。さらにカードを1枚伏せて、ターンエンド」

 

 

影堂 ライフ4000

手5 フィールド 

    魔法・罠 

エレナ ライフ4000

手4 フィールド ライオウ

    魔法・罠 伏せ1

 

 

「俺のターン、ドロー!魔法カード、古のルール!」

「古の、ルール?」

「知らないのか。これは手札の通常モンスターを特殊召喚する!」

「くっ、ライオウはカード効果による特殊召喚には対応できない…役立たずめ。」

「自分のカードにそんな事言うなよ!現れろ、シーホース!」

「…は?」

 

 攻撃力1350を攻撃表示で出してきたことに、エレナは呆れる。

 

「さらに速攻魔法、地獄の暴走召喚!デッキから現れろ、二体のシーホース!さぁ、デッキ、手札、墓地にライオウがいるなら特殊召喚してもらうぞ。」

「ああ、そう。デッキからライオウを二体、特殊召喚するわ。それで、そんな雑魚で何をするつもり?」

「魔法カード、右手に盾を左手に剣を!場のモンスターの攻撃力と守備力を入れ替える!これでシーホースは攻撃力1600になる!」

「ライオウの攻撃力が800に!」

「バトルだ、行け、シーホース達!」

 

 

 3体のシーホースが、それぞれライオウを撃破する!

 

「きゃあああっ!」ライフ4000から1600

「カードを1枚伏せて、ターンエンド。」

 

 

影堂 ライフ4000

手1 フィールド シーホース シーホース シーホース 

    魔法・罠 伏せ1

エレナ ライフ1600

手4 フィールド 

    魔法・罠 伏せ1

 

 

「いい気になるんじゃないわよぉ。私のターン、ドロー!来たわね…。これが私の切札!永続魔法、黒い旋風を発動!」

「な、なんだぁ?」

「相手の場にのみ、モンスターが存在する事でこのカードは生け贄無しで召喚出来る!来なさぁい!BF-暁のシロッコ!」

「攻撃力2000か!」

「ここで黒い旋風の効果発動!私の場にBFが召喚された時、そのBFの攻撃力より低い攻撃力を持つBF1体をデッキから手札に加える事ができるわぁ。つまり、デッキから攻撃力2000より低い、BF-黒槍のブラストをデッキサーチ!」

「後続をサーチする効果?!優秀だが、このターンは召喚権を使った。そのモンスターが出てくるのは次のターン以降。」

 

 

「アハッ、黒槍のブラストは、場に同名カード以外のBFが存在すれば、手札から特殊召喚出来るわぁ!」

「何?!」

「さらにぃ!もう一体特殊召喚!」

「な、何という展開力…」

 

 慄く影堂に、エレナは気分を良くする。

 

「これがブラックフェザーよぉ!一枚一枚が強力な上、組み合わせる事で荒れ狂う暴力となる!これからズタズタに壊した後で、あの小娘も壊してやるわぁ!」

「だけど、たとえ俺のシーホースを倒しても、ライフは残る!」

「馬鹿ね。暁のシロッコの効果発動!BF-と名のついたモンスターを選択、そのモンスターは場のBF-と名のついたモンスター全ての攻撃力を得る!さぁ、シロッコに全パワーを集中!」

「攻撃力5400?!」

「ただし、発動ターンは他のモンスターで攻撃出来ないけどぉ…。これで終わり!行け、暁のシロッコ!シーホースを攻撃!これで私の勝ちよぉ!!」

 

 

 迫り来るシロッコを前に、影堂は伏せカードを発動する。

 

 

「罠発動!ジャスティブレイク!」

「何それ。まぁ、この私でも知らないマイナーカードなら、どうせ大した効果じゃあな」

 

 

 エレナはセリフを最後まで言い終えることが出来なかった。

 彼女のBFモンスターが根こそぎ破壊されたから。

 

 

「は、はぁ?!攻撃宣言に反応する全体除去って、み、ミラーフォース?!」

「これは通常モンスター専用の罠。通常モンスターが攻撃された時、場の攻撃表示の通常モンスター以外のモンスターを全て破壊!」

 

 

 これはブラック寮の面々とデュエルする内に開発した話術。「たとえモンスターが全滅しようと、ライフは残る」と言う事で、相手の伏せカードへの警戒心を下げる狙いがある。

 なお、蓮壇と腕切には全く通用しない。

 

 

 やや呆然としていたが、エレナはデュエルを再開する。

 

「…バトルは終了。ここまでコケにされるとは思わなかったわぁ…。あのまま、暁のシロッコに負けていれば良かったのにねぇ…。」

「何?」

「私のダーク・シンクロモンスター対策は、ライオウだけじゃあないわぁ!闇オークションで高い金出して購入したこのカード!墓地から光属性のライオウと、闇属性のBF-黒槍のブラストを除外!来なさぁい!カオスソルジャー開闢の使者-!」

「っつ!」

 

 混沌の戦士。レアカードの登場に影堂は驚く。

 

「効果は知っているかしら?まぁ、知らなくてもやる事は変わらないけどぉ。1ターンに1度、相手モンスターを除外!シーホースを除外!」

「くっ…」

 

 効果は知っていたが、この効果で3000の攻撃力は破格の性能だ。

 

「魔法カード、原初の種を発動。開闢の使者が存在する時、ゲームから除外されているカードを2枚まで回収。戻ってきなさい、ライオウ、BF-黒槍のブラスト」

「また、BFを手札に…」

「ターンエンド。サレンダーは許さないわぁ。次のターンでズタズタにしてやるから、覚悟しなさぁい!」

 

 

 

影堂 ライフ4000

手1 フィールド シーホース シーホース  

    魔法・罠 

エレナ ライフ1600

手2 フィールド 開闢の使者

    魔法・罠 黒い旋風 伏せ1

 

 

「これが、デュエルモンスターズの裏の住人のデュエルか…俺のターン、ドロー!」

「どうせ打つ手は無いからぁ、さっさとターンエンドしなさぁい!」

「ターンエンドはしない。このまま押し切る!」

「はぁ?ここからどうやって勝つつもり?状況を理解しているの?」

「魔法カード、鹵獲装置。」

「また私の知らないマイナーカード…。待って、鹵獲とは戦場で相手の装備を奪うという意味、という事、は?」

 

 

 彼女の目の前で、開闢の使者が影堂の場に移動し、シーホースが来る。

 

「貴女が考えている通りだ。これは互いのモンスターを選択し、そのコントロールを入れ替える。最も俺は通常モンスターを選択しないといけないが。」

「…こ、これは夢よ…この私が、シーホースなんかに負けるわけが」

 

「済まない、シーホース。バトル!カオスソルジャー開闢の使者、シーホースを攻撃!」

「い、いやああああああっ!」ライフ0

 

 

 

 

 デュエルに勝った影堂は、足音を聞く。

 まだ部下が居たのか?と思った影堂だったが、現れたのは見知った顔。

 

 

「一体、何があったのニャ?」

「大徳寺先生!実は、デュエルマフィアが…」

「ふむ。後は私達教員が処理しますのニャ。」

「…お願いします。」

 

 

 大徳寺は、エレナのデュエルディスクを回収する。伏せカードが地面に落ちる。

 

「…奈落の落とし穴、か。」

 

 魔王龍ベエルゼには通用しないが、冥界龍ドラゴネクロには通用する。ライオウを掻い潜れる融合召喚への対策という事だろう。

 他のカードも調べてみると単体での性能が強力な、汎用性が高いカードばかり。

 セブンスターズ候補にしても良いが、これだけ騒ぎを起こしたとなると少々難しい。

 

 

「とりあえず、報告しないといけないのニャ。」

 

 

 余計な仕事が増えた。

 だがまぁ、やるしかない。

 

 

 

 その後、デュエルマフィアを助け、道案内したオベリスクブルーの男子は制裁デュエルに敗北し、退学。

 

 

 部下を通じて報告を受けたゲオルクは、腹を抱えて笑う。

 

「クッハハハハハ!あれだけ金に物を言わせて汎用レアカードを投入したブラック・フェザーデッキに、シーホースで勝ったのか!」

「ご機嫌ですね、ボス。父親の跡を継いだからにはさらに発展させる、と息巻いていましたが。」

「まぁ、無理だろう。9歳年下の小僧に負けたとあってはな。」

「しかし、何故自ら部下を率いて襲撃を…。リスクが高すぎるのに。」

「実績を作るためだろう。地道に成果を積み重ねるより、手っ取り早い。」

「アカデミアの学生に実績を与える結果に終わった訳ですか。」

「笑える話だ。さて、【ファイターズ・タルタロス】のシマを接収する。忙しくなるぞ。」




影丸理事長達はダークネスの実験で行方不明になった生徒を留学扱いしていましたが、噂は立つのでは?

ちなみに、ロサーナとエレナが直接対決したら、順当にエレナが勝っていました。

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