もう一度逢いたいぜ 作:ドカドカ
投稿者:変態糞親父 (△月〇□日(木)14時30分56秒
エリー都近辺で大規模なホロウが起きたらしいぜ
怖いねぇ
一ヶ月前の大規模ホロウ発生を機に音声だけになったニュースからはお決まりになった定型句が垂れ流される。
「申し訳ないがホロウに近付くのはNG」
1週間前に成立した『零号ホロウ対策特別措置法』のせいで、まったく報道番組以外の放送をすることが出来ないぜ。
耳にタコが出来る程聞いたホロウの情報を聞き流していると、今後の動きについてのアナウンスが始まったんや。
わしは煙草を灰皿にグリグリと押し付け火を消す、情報を一つ残らず頭の中に突うずるっ込んでやろうと、耳を傾けた。
『市民の皆さん、おはようございます。エリー都オカヤマ区の区長・壱岐杉が、今後の動きについてお知らせします。ホロウ災害の拡大に伴いオカヤマ区の住民は避難の準備をして下さい。避難ルートについては区北のオカヤマ線が臨時ダイヤで走っておりますのでそれに乗りシモキタザワ区を通過し中央区へ…ザザザ…続いて、防衛軍トラックの通過ルート・日時をお知らせし——』
ホロウ災害の影響か電波がひくひくしとる、そのせいかラジオが途中で途切れ大事な話を聞き損ねてしまったぜ
それに、避難とか言っとったが其処までホロウ災害が拡大してるのか?この分だと何時エーテリアスが雪崩込んで来るか怖くてひくひくしてしまう。
何より情報が足りねぇぜ。そのせいで巷だと既に中央がひくひくしとるだの、死者が1145141919人出てるだのデマがインターノットの中でぐるぐる回っとる。
混沌としたこの状況に、もう気が狂う。
53歳にもなって不安で、ああ^〜もう恐くて仕方ないんじゃといって歳不相応に枕を濡らしとる。
また肌を灼く陽の中、三人で汗水垂らし合いながら地下足袋だけで現場を歩き夜は兄ちゃ娘の話を肴に酒をしこたま飲むんで翌日、二日酔いの中働く日々は何時になったら再開出来るんや。
外出するには区の許可が必要、外出するにもそれに値する理由とある程度のエーテル耐性か対ホロウ侵食装備が必要じゃ
金の無いわしは対ホロウ侵食装備なんて買えんオマケにエーテル耐性皆無、満足に外で酒とつまみを買うことすら出来ない。
だから今はこうして家に篭っている。
勿論仕事もリモートで現場には出れん、友にも会えんし身体も動かせんし酒も飲めない、ストレス発散することが出来ないから、いろいろ溜まってイライラしているんや。
……ああ~~早く現場で汗まみれになりたいぜ。
苛立ちの余りワシの愚息がひくひく言っとる、以前同僚に事務仕事の一つや二つ出来なければ駄目だと言われた事を思い出し渋々パソコンを立ち上げる。
ワシは事務仕事より現場で身体を動かしたいんじゃ…
しょげた顔でパソコンとにらめっこしとると、わしのスマホがドバーッと音を立てる、メールが来たみたいじゃ
メールを見るためにスマホを見ると、わしと親友の3人で会社の前で撮った写真の待ち受け画面に親友の名前があった。
『ホルス:ドカちゃん後は頼む』