〜side蓮矢〜
千冬「さて、授業を始め━━━る前に、クラス代表を決めなくてはならない。まぁ、簡単に言えばクラス委員長と同じものだ。違う点で言えば、年2回のクラス対抗戦に出てもらう位だな。」
2限目の授業が始まるかというタイミングで、織斑センセーが思い出したかのように言い出す。
いや、重要なコトを忘れてんじゃねぇよ。
真耶「補足しますと、特別な理由でもない限りクラス代表は1年間は続けてもらう事になります。」
千冬「自薦他薦は問わん。なお、他薦されたものは辞退できんからな。誰かいないか?」
他薦されたら辞退できないとか、なんという鬼畜仕様・・・ゾッとするね。
あ、そうだ。一応オレからも伝えとかないと・・・。
蓮矢「山田先生、すみませんが━━━」
真耶「え?・・・あ、そうでした!
更識君ですが、生徒会長から役員に指名されてるので、クラス代表にはなれないので、候補から除外してくださいね。」
うぉい!?今さっきのコトを忘れないでくださいよ!?
しっかりしてくだせェ・・・山田先生!
千冬「なに?そうなのか?
アイツめ、抜け目ないことだ・・・。
分かった。そういうことなら仕方がない、更識以外で決めてもらうか。」
織斑センセーがそういうと、クラスメイトの一人が手を上げる。
クラスメイト「先生、何故更識君はクラス代表になれないのですか?役員と兼務することだってできるのでは?」
まぁ、尤もな質問だわな。
山田先生「残念ですが、IS学園の生徒会というのはかなり特殊なんですよ。各イベントで運営にかかりきりになりますから、それと並行してクラス代表も━━━となると忙しすぎて倒れちゃうんですよね・・・。」
千冬「実際、去年は兼任して倒れたヤツがいたからな。一個人に━━━生徒にそこまでの負担をかけるわけにはいかん。そこは理解してくれ。」
織斑センセーの言葉でほとんどの生徒が納得し、小さく頷いている。
クラスメイト「それなら織斑君を推薦します!」
クラスメイト「私も織斑君!」
クラスメイト「私も!」
次々と推薦票が織斑に集まる。
推薦されてる当人は理解してないのか
そんな状態の織斑に周りの女子は全く気づくことなく、次々と織斑推薦票が積み重なっていく。
ココで漸く自分のコトを言われていると気づいたのか、織斑がガバッと勢いよく立ち上がり━━━
一夏「ちょっ!?ちょっと待ってくれよ千冬姉!オレはクラス代表なんてやらないぞ!?」
━━━━スパァァァン!
一夏「イッッテェェェ!」
千冬「織斑先生だと何度言えばわかるのだ?
それに推薦されたものは辞退出来んと言ったハズだ。それとも何か?お前を推薦した者の意志を無碍にするつもりか?」
一夏「くっ・・・。そ、それなら━━━!」
殴られた頭を抑えつつ、周りをキョロキョロし始める織斑。
あ、今目が合った気が━━━━━
一夏「なら俺は蓮矢を推薦するぞ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・why?
余りにも馬鹿げたコトを言い出した織斑。
なんだ、そのしてやったと言わんばかりのドヤ顔は・・・〇すぞ?
千冬「━━━━織斑、お前は話を聞いていなかったのか?先程言っただろう、更識は生徒会に入ることになったからクラス代表にはなれないと。」
一夏「なんだよそれ!」
千冬「・・・とにかく、更識はクラス代表にはなれん、これは決定事項だ。いくらお前が喚こうが変わらん。」
この話は終いだと言わんばかりに話を切り上げようとする織斑センセー。
そんな強引に話を切り上げようとしたら反感買うだろうに・・・。
ほれ見ろ織斑のヤツ、オレのことを親の仇を見るような目で睨んで来てるぞ?
どうしてくれんだ?オレは平穏に過ごしたいだけなんだが?
そこへ━━━━━━
━━━━━バン!!
セシリア「待って下さい!納得出来ませんわ!!」
セシリアが机を叩いて立ち上がる。
これはアレだよな?暴言の雨あられになって結局バトル羽目になるヤツ。
は〜めんどくせぇ〜・・・。
蓮矢「(まぁ、いいや。とりあえず『保険』だけは掛けとこっと)」
セシリアが話始める前にポケットにしまっていた楯無から渡された『
セシリア「そのような選出は認められませんわ!イギリスの代表候補生であるこの私、セシリア・オルコットを差し置いて、珍しいだけの男がクラス代表だなんて、屈辱を1年間味わえと!?」
屈辱・・・ねぇ?
まあ、言わんとすることは分からんでもないけどさ?
代表候補生を差し置いて、別の誰かがクラス代表を務めてるなんて、傍から見れば、「え?あの代表候補生ってもしかして超弱い?」って勘ぐられる可能性があるからな。
セシリア「実力からいえば、私がクラス代表になるのは必然。それを物珍しいからという理由で極東の猿なんかにされては困ります!私はISの修練の為にこのような島国まで来たのであって、サーカスをする為にきたのではありませんわ!!」
おうおう、言いおるねぇ?
ところでオルコットさんや?この教室にその『極東』の生徒はどれほど居るかご存知?
ISを作った人は何処の生まれかご存知?
そこにいる
そろそろ止めとかないと、エライ事になるよ?
セシリア「大体、文化としても後進的な国で暮らさなければいけないこと自体私にとっては耐え難い苦痛で━━━」
一夏「イギリスだって対したお国自慢ないだろ。世界一マズい料理で何年覇者だよ」
おおっとぉ!ここで織斑一夏が反撃に出たァ!燃え盛る一軒家にガソリン缶を抱え込んでの突撃だァ!!
文字通り、火を見るより明らかなこの愚行!
オルコット嬢の反応は如何に━━━━!
セシリア「なっ!?あなた、私の祖国を侮辱しますの!?」
モエチャッカファイアーー!!
物の見事に引火したァ!
消防隊は、まだですか!?
早く消化しないと辺り全部火の海に━━━!
一夏「先に侮辱したのはそっちだろ!!」
セシリア「なんですってぇ!」
一夏「なんだよっ!」
織斑とオルコット嬢が互いに睨み合う。
は〜〜〜。
収集つかねぇわ、コレ・・・。
どうすんの?この空気・・・。
山田先生涙目でオロオロしてんじゃん。
織斑センセーは・・・あれ?どこ行った?
あ、教室の外に出てる・・・アレは・・・誰かと電話してんのか?
・・・・・・・・・この状況で!?
おいコラ担任!職務放棄してんじゃねぇ!!楯無姉経由で理事長にチクるぞ!?
セシリア「決闘ですわ!」
一夏「あぁ!いいぜ、受けて立ってやるよ!」
あぁ・・・織斑が公開処刑にダイナミックエントリーしました。
どんな内容の決闘なのかも決めてないのに受けるとか、〇して下さいって言ってるようなもんだろ。
オレだったらどうするかって?謹んでお断りするに決まってんだろ
セシリア「言っておきますが、わざと負けたりしたら私の小間使い・・・いえ、奴隷にしますわよ」
一夏「侮るなよ。真剣勝負で手を抜くほど腐っちゃいない。」
うわぁ・・・。オルコット嬢は織斑が勝てるわけないとタカをくくってるし、織斑はナゾに勝てる気満々だ。どっから来るの?その自信。
まぁ、何が言いたいかと言うと・・・どちらもバカじゃないかねぇ?
一夏「・・・で、ハンデはどれくらいつける?」
セシリア「あら、早速お願いかしら?大口を叩いた割に情けないですわね?」
一夏「いや、俺がどれくらいハンデをつけたらいいのかなって」
織斑から発せられた一言に少し間をおいて周りのクラスメイト達が笑い始める。
笑っていないのは完全スルーを決め込んでいるオレと隠れてお菓子を喰ってる本音、箒くらいだった。
クラスメイト「織斑君、それ本気で言ってるの?」
クラスメイト「男が女よりも強かったのって大昔の話だよ?」
クラスメイト「織斑君は確かにISを使えるかもしれないけどさ、それは流石に言い過ぎだよ」
クラスメイト「逆に織斑君かハンデを貰わなくちゃ」
おーおー囀るねえ?
アホみたいな発言も飛び交った気がするけど、気にしな〜い。
全ての発言の矛先は織斑に向いてるからね。わざわざタゲ取りなんかしないよ。
織斑「・・・なら、ハンデは要らない。」
織斑がムッとした顔で発言を撤回する。
うわっ、ダッセェ〜!
自分の方が強いって考えてハンデを付けるって言い出しておいて、
なんなの?オマエの手のひらドリルなの?大回転してるのぉ?
なんてコト考えてたら、織斑のヤツがこっちを見て来やがった。
こっち見んな、これ以上巻き込むんじゃねえ。
一夏「おい!蓮矢も黙ってないでなにか言えよ!言われっぱなしで悔しくないのかよ!」
セシリア「そういえば、もう1人居ましたわね?反論すらしない臆病者のようですが?」
話しかけないでもらえます?
同類だと思われたくないので。
自分たちの行動が周りにどんな影響を与えるのかも考えられない『クソガキ』共の相手なんて御免こうむる━━━━━━━
セシリア「それに、こんな男を事もあろうに役員に任命したという生徒会の方というのも見る目がないですわね。」
蓮矢「━━━━━━━あ”?」
今なんつった?このアマ?
セシリア「聞こえませんでしたの?どうやら耳だけでなく頭も悪いようですわね?
あなたを指名した生徒会の方も大したことないと言ったのです。聞き取れまして?」
━━━━━━ガタッ!
蓮矢「━━━!本音、抑えろ。ガマンだ、ゆっくり深呼吸して心を落ち着かせろ・・・。」
本音「━━━━━━━━━━━うん。」
オルコットの言葉を聞いた本音が立ち上がりかけるが、肩を掴んですんでのところで抑える事に成功する。
本音は怒りに震えているのか肩を震わせていたが、オレの言う通りに深呼吸を入れ始めた。
蓮矢「(さて・・・生憎だが、身内を貶されて黙って居られるほどオレはできた人間じゃないんでね。)」
ちょいとばかし━━━━━━━灸を据えるとしますか。
ジッとオルコットに視線を向ける。
何も言わずに見る。されど、ただ見るだけでなく、可哀想なモノを見るかのような、憐れみの色が濃く出た視線を向けて━━━
蓮矢「・・・・・・・・・・・。」
セシリア「な、なんですの?なんで、何も言わないんですの!?」
蓮矢「・・・・・・・・・・・。」
オルコットが喚くが一切聞く耳を持たない。
狙っているとある『ワード』が出るまでは━━━。
セシリア「その憐れむ様な目で見るのを止めなさい!━━━━穢らわしい男の分際で!!!」
━━━━━掛かった。
蓮矢「・・・はい、ご馳走さん。」
周りの人達「「「「━━━!?」」」」
突然オレが話し出した事に周りが驚いた様な反応をする。
別に無機物じゃないんだから話すことぐらいするだろ。何驚いてんだ?
そのままオルコットをスルーし、教壇の方へと歩いていく。
蓮矢「いやぁ〜、まさかここまでやるとは思ってなかったわ、うん。
セシリア・オルコット、アンタ━━━スゴいね。」(パチパチ)
セシリア「━━━━━そうでしょう、そうでしょう!何せ私、エリートですから!
オーッホッホッホ!!」
前に出てきて、そう言いながら拍手をする。
オルコットは一瞬呆けた表情になるが、何を勘違いしたのか、妙に気分良さそうに高笑いをし始める。
蓮矢「あぁ。確かに、アンタはスゲェよ。
何せ━━━━━━━━━━
セシリア「ホーッホッホッホ━━━━━━━━━なんですって?」
オルコットの高笑いの最中、オレの言葉が教室内に静かに響く。
セシリアがの高笑いがピタリと止まり、何のことかと懐疑的な視線を向けてくる。
蓮矢「だってそうでしょうよ?アンタ、自分の立場っての分かってる?」
セシリア「立場━━━ですって?
それはもちろん分かっていますわ。私はイギリスの代表候補生で━━━」
蓮矢「そう、それだ。
代表候補生━━━世界規模で希少なISコアを個人所有出来る者で、有事の際には軍の将校並の作戦指揮権を与えられることがある。超が2、3個付くほどのエリート様だ。」
セシリア「ええ、それが何か?」
蓮矢「そんな権限を持つ人がさぁ?『この』発言はヤバいんじゃないの?」
そう言ってポケットから取り出したのは、楯無から渡されたお守り━━━ボイスレコーダー。
レコーダーの音量を最大まで上げてから再生ボタンを押す。
━━━『それを物珍しいからという理由で極東の猿なんかにされては困ります!私はISの修練の為にこのような島国まで来たのであって、サーカスをする為にきたのではありませんわ!!
大体、文化としても後進的な国で暮らさなければいけないこと自体私にとっては耐え難い苦痛で━━━』
流れ出すセシリアのセリフ。
セシリアの顔が徐々に青くなっていく。
蓮矢「よくもまあ、これだけ日本に対する誹謗中傷が浮かぶもんだ。
世界一になった担任の生まれである日本を━━━ISを生み出した人の出身である日本を後進的と言うとはねぇ?
更には━━━」
もう一度、再生ボタンを押す。
━━━『こんな男を事もあろうに役員に任命したという生徒会の方というのも見る目がないですわね。聞こえませんでしたの?どうやら耳だけでなく頭も悪いようですわね?あなたを指名した生徒会の方も大したことないと言ったのです。』
蓮矢「この発言もいただけねぇなぁ?下調べもろくにしてない事がバレバレだ。」
セシリア「な、何が問題だと言うんです!?私は何も間違ったことなど━━━」
蓮矢「なら教えといてやる。
オレを生徒会役員に任命したのは他でもない、『生徒会長』だ。現IS学園生徒の中で1番強いとされている人で、ロシアの国家代表でもある。」
セシリア「こっ、国家代表!?候補生ではなく!?」
ギョッとした顔で驚いているセシリア。
まぁ無理もない、学生でありながら国家代表になるってのは前例がないからな。
史上最年少で国家代表になった人、それが姉たる『更識楯無』である。弟分として鼻が高い。
蓮矢「オルコット、アンタは国家代表にまで上り詰めた人を『見る目がない、大したことない』って侮辱したも同然なんだぜ?
この音声記録が外部に知れたら・・・どうなるんだろうな?」
セシリアの顔色が青から更に血の気が引いていき白くなっていく。
想像できたみたいだな、最悪の可能性ってヤツを。
そうなれば、次に取ってくる行動といえば━━━
セシリア「━━━い、今すぐそのレコーダーを渡しなさい!」
証拠の隠滅だよなァ?━━━━させねぇよ。
蓮矢「渡すわけないじゃん、何言ってんの?ってか、それが人に物を頼む態度ですかぁ?頭を下げる事もせず、上から目線で寄越せとか━━━何様のおつもりで?
あ、でも頭を下げるなんて無理な話だよなァ〜?
『極東の猿』なんかに向かって頭を下げるとか、『耐え難い苦痛』って言ってたもんなァ?」
所々にセシリアの言葉を引用しながら、煽りに煽る。
やがてセシリアの顔色は白から少しずつ赤くなり、肩をプルプルと震わせ始める。
━━━もう一押しか。
蓮矢「あれれ〜?まさかこの程度の煽りでオコなの?代表候補生ともあろうお方が?
まぁ、そうだよね〜?
単純、沸点が低い、感情制御も出来ず保守的・・・ハッキリ言って『論外』だね。」
セシリア「このっ!言わせておけば━━━━!!」
真っ赤な顔をしてこちらに向かって詰め寄ろうとするセシリアに向かって━━━
蓮矢「じゃあ、『ゲーム』で決めようか」
セシリア「・・・・・・・・・はい?」
とびっきりの笑顔でそう言った。
さぁ、ゲームを始めよう。
〜side蓮矢out〜
作者です。
ゲーム回のつもりでしたが、思いの外長くなりそうなので『導入』と『ゲーム本編』に分けることにしました。
この流れ・・・もうお分かりですね?
最初のゲームと言ったらやっぱりこれは外せないでしょう!
というワケで、次回をお楽しみに!
以上作者でした。