IS〜転生者は楽しみたい〜   作:聖命蓮

8 / 23

地元にクマ出てるやんけ・・・。
怖っわ・・・。


10/31 文章少し変更しました。


やっちまったZE☆

 

 

〜side蓮矢〜

 

 

その後、泣き止んだ束と暫くの間歩き続けた。

 

別々になってからの事を色々話したし、色々聞いた。

 

俺からのビデオレターを見た束は、自身が生み出したISが世界にどのような影響を与えたのかを自分自身の目で確かめるために国を、地域を回って見てきたらしい。

 

 

 

━━━━━━かなり悲惨な現実を突きつけられた・・・らしい。

 

 

紛争地域に導入されたISは、既存の兵器ではまるで相手にならず、分厚い装甲を持つ戦車をまるで紙屑を裁断するかのように斬り裂き、銃弾は障子に指で穴を開けるかのように航空機を蜂の巣にして行く光景に、脳裏に『蹂躙』の2文字が浮かぶのにそう時間はかからなかったとか・・・。

 

 

そんな話を聞かされた。

 

 

 

お返しとは言わないが、俺も少しだけバラバラになった後のことを話した。

 

 

 

 

保護プログラム発令後(あの後)、施設に預けられたこと。

一時、現女性権利団体の元幹部に引き取られ(拉致され)、束の居場所を吐かせるために拷問紛いの扱いを受けていたこと。

先代更識(刀奈・簪父)に救出された後、更識家に引き取られ、今日に至ることを話した。

 

 

・・・・・・拉致→拷問の辺りで束がボソッと「━━━━そいつ●そっかな」って言った気がする・・・。

気の所為・・・じゃないよなぁ・・・。

まぁ、連中に関わっても百害あって一利なし、視界の外でひっそりくたばってくれるなら万々歳だ。

 

 

話に夢中になって、気付いた時には町一つ跨いで、隣町まで来ていた。

 

そして、今いるこの場所は━━━━━━━。

 

 

 

「・・・懐かしいね」

 

「・・・そうだね。四年ぶりかな・・・。篠ノ之家(ココ)に来るのは」

 

 

オレたちの目の前には━━━空き家となった旧篠ノ之家があった。

 

外観は最後に見た時とあまり変わっていないように見えるが、周りの草は生え放題になり、住んでいた頃に比べて明らかに荒れていた。

 

 

「━━━━━れーくんに見せたいものがあるんだ」

 

 

感慨に浸っていると、束はそう言って、道案内をするかのように少し前を歩き出す。

 

大人しく後ろをついて行くと、神社の裏手へ回り━━━山道に入って更に進んでいく。

 

 

歩き続けること5分、小さな広場のような開けた場所に出てきた。その広場の中央で束は立ち止まる。

というか・・・なんかこの場所、既視感があるような・・・?

 

 

なんだっけ?

 

・・・忘れるってことは、あんまり重要なことじゃなかったのかね?

 

 

「あちこちの国やら部隊やらがさ?捕まえようと躍起になってるんだよね〜?

うっかり変装せずに街に出ていったら、軍隊に囲まれたこともあったんだよね。宿にも泊まれなくてさぁ・・・。

 

━━━そこで思いついたのがコレっ!!

 

 

ポチッとな。」

 

 

束は懐から小さなリモコンを取り出し、ボタンを押す。

 

 

━━━━━━━━━━━━ジジッ。

 

 

すると、何も無かったハズの空間に僅かながらノイズが走ったかと思うと、下から徐々にノイズが広がって行き━━━━。

 

 

「光学迷彩搭載移動型ラボ!!

 

その名も━━━『吾輩は猫である(名前はまだ無い)』だよ!」

 

「いや、ネーミングセンスどーなってるの?」

 

 

先程のノイズは光学迷彩を解除した時のものだったらしい。

で、現れたのはものの見事な『TOUHU(豆腐)建築』。

クラフトゲームの代名詞のアレだ。

 

 

んで、なんだ『吾輩は猫である(名前はまだ無い)』って・・・。もう少しちゃんとした名前は無かったのか?

 

白騎士や紅椿みたいな名前を付けられるなら、もうちょい何とかなっただろうに・・・。

 

 

「さぁさぁ!れーくん入って入って!」

 

「無敵か?・・・無敵だったわ、この人」

 

 

オレのツッコミをものともしない束はいつの間にかオレの背後に回り込み、急かすように背中をグイグイ押して、ラボの中へと連れ込まれる。

 

 

 

「ではではそれでは〜・・・ご開帳〜〜!」

 

━━━━━パッ

 

 

 

ラボ内は真っ暗だったが、束の声に合わせて照明が付く。

 

あまりの光度に少し顔を顰めつつも、徐々に明るさに慣れていくと━━━。

 

 

「うっわ・・・。」

 

 

見事なまでの汚部屋と化した部屋が照明に照らされ露になる。

大半は機械の部品、時々カップ麺の残骸、脱ぎ散らかした衣服(主に下着等)といった感じで散乱しているものは様々。

足の踏み場は辛うじてあるが・・・。あくまで辛うじてである、ほぼ無いに等しい。

 

 

「━━━え、まさか見せたいのって『汚部屋(コレ)』?

束姉ちゃんさぁ・・・いくら掃除が苦手だって言っても限度が・・・。」

 

 

脱ぎ散らかされた下着を摘んで持ち上げながら、束をジト目で見やる。

 

 

「違うよ!?

見せたいのはコッチ!!」

 

 

腕を引かれ奥へと導かれる。

ジャングル(ゴミ山)をかき分け案内された先には白いISと、フレーム剥き出しの━━━作成途中と思われる機体があった。

 

そして、オレはこの白いISを知っている。

 

 

「━━━━━━━この『機体』は・・・」

 

「うん!れーくんが残した映像データ・・・に隠れる様に入っていた機体━━━『スターゲイザー』だよ!」

 

「そっか・・・気づいてくれてたんだ。」

 

 

 

あの映像、再生が終わってブラックアウトした後なにも操作せずに10分放置しておくと、この機体━━━『スターゲイザー』の設計図が表示されるように仕込んでおいたんだよね。

 

 

設計図と言っても、ラフ画みたいなものだし、搭載しようと思っていたシステムもザックリとこんな感じって言うふわっとした内容のものなんだけど

 

 

元々、束の夢を応援する為にデザインした機体だ。できることなら、自分の手で作ったのを贈りたかったが、制作の為の知識不足と資材不足で、ラフ画を書くので精一杯だった。

 

まぁ、素人が作るより専門家が作った方がいいわな?

 

 

「量子の膜を形成して『帆』を張って、太陽から発せられるエネルギーを受け止め推進エネルギーに変換する事で推進剤を一切積むことなく移動する、なんてシステム。よく思いついたよね〜?」

 

「だって、太陽光で電気が作れるんだよ?

なら、それ以外にも何かしらの力、エネルギーがあっても不思議じゃないでしょ?」

 

 

でっち上げである。

 

そもそも考えたのは俺じゃない。

スターゲイザーの作者だ。あくまでオレはそのアイディアを拝借しただけ、実用にまでこぎつけたのは束自身の努力あってこそだ。

 

 

━━━━━━━━で、いい加減気になってきた、『スターゲイザー』の隣にある内部フレームだけの機体(IS)は・・・。

 

 

「束姉ちゃん、こっちの機体は?」

 

 

指を差しながら束に聞く。

何となく想像は着くが、ある程度「先」のコトを知っているのは極力バレたくない。

俺が持ってるアドバンテージをむざむざ捨てる訳には行かないからな。

 

まぁそんな訳で、できる限り「初見」のフリをさせてもらおう。

 

 

気になる?気になるよね〜?ならば教えてしんぜよう!!

この「娘」はね━━━━━━『第四世代型のIS』だよ!」

 

「第四世代!?」

 

 

束の言葉に驚くオレ。

白々しいとは思うけど、一応ポーズは取っておかないとね。

 

束はというと、オレの反応が良かったからか、大層ご機嫌であった。

 

お菓子を買い与えられた子供のように満面の笑みを浮かべている。

良くも悪くも『悪意』が無いって言う意味では、『無垢』ではあるかもしれない。

 

・・・おいコラ、『無垢』じゃなくて、『考え無し』なだけとか言うんじゃあない。

その言葉は束に効く・・・かもしれない。

 

 

「名前は『紅椿』って言うんだけどね?

まだフレームのみだけど、装甲が着いたら赤いカラーリングにする予定なんだよ。

驚いた?驚いたよねぇ?

世間じゃあ、漸く第三世代の開発に取り掛かったばかりだもんね!

しかぁーし!!束さんを凡人共と同じだと思ってもらっちゃ困るんだなぁ〜コレが!!

束さんは凡人共の1歩も2歩も先にいるのだよ!!」

 

 

おぉ・・・喋る喋る。

 

テンション上がりすぎて、反省前の言葉遣いに戻ってるよ・・・。

 

・・・そろそろ、止めるか。

正直、黒ゆかりんは嫌いではないんだが、できるなら白ゆかりんが良い・・・

 

にぱー☆ってな?

 

 

「ストーップ、束姉ちゃん落ち着いて。

他人下げはいいから、この第四世代型IS(紅椿)について教えてよ」

 

「━━━━━━ハッ!そうだね。

れーくんは各世代についてどれくらい分かってる?」

 

「開発者から説明を求められるってどんな罰ゲーム?

・・・まぁいいや。

第一世代が・・・確か、宇宙(ソラ)に向かうはずだった白騎士を目標に『兵器』としてのISを目指した機体の総称

第二世代が、後付武装(イコライザ)によって、戦闘での用途の多様化に主眼が置かれた機体達、今のところ各国の大半が乗っている量産機に該当するのがこの第二世代型だね。

第三世代が、なんて言ってたっけかな・・・。

イメージ・インターフェイス?を使った特殊兵装の搭載を主眼においた機体・・・だっけ?世間じゃ漸く開発に着手し始めたって話じゃなかった?」

 

「お〜〜〜!大正解だよ!よ〜く勉強してたんだねぇ!」

 

 

開発者()からのお墨付きをもらい、ホッと安堵のため息をつく。

 

思ったよりスラスラ出てきて自分でも驚いている。

簪と本音の勉強を近くで見ていたし、進学の都合上ある程度の事は学んでいたが、こんな形で日頃の勉強成果を確認することになるとは思ってなかった。

 

 

「じゃあ、それを踏まえて、『第四世代』は何を目的として作られたものだと思う?」

 

 

━━━キラーパスにも程があるだろ・・・。

えぇ〜〜〜〜〜〜?原作だとなんて言ってたっけ・・・?

確か「紅椿」を持ってきた時にサラッと言ってたような気が・・・。

 

なんて言ってたっけなぁ〜?

 

・・・確か━━━━━

 

 

「━━━━装備の換装無しで、ありとあらゆる場面での運用を目指した機体?」

 

「おぉぉぉ!!コレも大正解!!

さてはれーくん、束さんの思考を読んでいるな!?」

 

 

んな訳なかろう。単純に消去法だ。

 

現在するISは、大半が第二世代、第三世代の開発に成功したと公開されているのはほんのひと握り、そのどれもが後付武装も、特殊兵装も容量をバカ食いする上に、状況に合わせて装備を換装できない。

発進前に用途ごとのパッケージに変えておかないといけないのだ。

 

具体例をあげるなら『キャノンボール・ファスト』ISを使った妨害アリの高速レース。

原作の出場選手の大半は一夏達専用機持ち、シャルロットが第二世代、箒は第四世代に乗っていたが、残りの人物全員が第三世代型だった。

で、箒を除く全員がレース前に高速飛行用の専用パッケージに換装していた。

・・・え?一夏の白式はパッケージ無かったろって?

あれは、ほら・・・。拡張領域あって無いようなもんだし、倉持技研が解析とか言ってパッケージの開発おざなりにしてたから・・・。

 

話を戻そうか・・・。

 

レースの時ですら、通常運用と異なるからと言ってパッケージの変更をしなければいけないのだ。パッケージそのものを拡張領域にぶち込んでおけばいいのでは?とも考えたが、それこそ莫大な容量の拡張領域がないと収められないのが現状だった。

 

それを実現するのが、この『第四世代』なのだろう。

 

 

束は俺から視線を外し、作りかけの第四世代型に近付き、そっとフレームを撫でながら真面目な表情をする。

 

 

「・・・おかしな話だよね。

ISは兵器になった━━━いや、自分の手で兵器にしてしまったのに・・・。

 

 

宇宙(ソラ)を飛びたいって夢だけは、どうしても叶えたかった。

その夢だけは・・・どうしても捨てられなかったんだ・・・。」

 

 

神妙な面持ちで紅椿を見上げる束。

その瞳には、後悔の念が浮かんでいるようだった。

 

 

━━━慰めにはならないかもしれないけど・・・。

 

 

 

「束姉ちゃん」

 

 

慰め・・・にはならないかもしれないが、落ち着かせる為にそばに近寄ろうと1歩踏み出した時━━━━━━

 

 

 

 

 

━━━━━━━ガッ!!

 

 

「・・・うぉっ!?」

 

 

 

足元に転がっていた何かの部品に引っかかり、転びそうになる。

 

体勢を立て直す為に何か支えにしようと手を伸ばしたのだが━━━━━それがいけなかった。

 

 

 

 

 

ピタッ━━━━━カッ!!

 

 

 

何かに触れたと思った次の瞬間、白い閃光がラボ内を照らし出す。だが、閃光はすぐに収まり、先程と変わらない光景に戻ったのだが━━━

 

 

「な、何が起こって・・・」

 

 

ガシャン━━━「へ?」

 

 

1歩踏み出すと共に足元から聞こえた機械音。その音を確認しようと自身の足元に目を向ける。

 

 

 

「━━━━━━━━マジで?」

 

 

 

目に飛び込んできたのは、膝下からアーマーに覆われた自身の脚。

まさかと思い、腕にも目線を送ると、これまた脚と同じように肘から先が大きな機械の腕となり、ガションガションと自らの意思で動かせるではないか。

 

 

「うぅ・・・何なの〜?閃光玉でも落とした〜?

 

れーくんは━━━━━━━━━嘘でしょ」

 

 

束が目を瞬かせながら、こちらを見て・・・・・・フリーズした。

 

転びかけたオレが手を伸ばして触れたモノ・・・

 

そう、オレは今━━━━━━

 

 

 

 

 

スターゲイザー(IS)を身に纏っていた。

 

 

 

よりにもよって篠ノ之束(IS開発者)の前で、アクシデントがあったとはいえ、動かしてしまった。

 

慌てて「展開解除」と念じて、スターゲイザーを元の状態に戻すも・・・

 

 

 

━━━時既にお寿司(遅し)

 

いつの間にか傍に立っている束に肩をガッと掴まれ

 

 

「━━━━━━━━━━━━検査」

 

「え、何━━━」

 

「今すぐ検査するよ!れーくんこっちに来て!!」

 

「ちょ!まッ━━━━━━」

 

 

束はすんごい形相で、オレをラボの奥へ奥へと引きずり込む。

 

一切の抵抗を許さない。

そんな気迫すら感じる程の圧にオレは為す術なく連れられたのだった。

 

 

 

 

それでも、一通の連絡だけは送信済みだった。

 

 

 

 

 

宛先:更識楯無 更識簪 布仏虚 布仏本音

 

件名:無題

 

緊急事態発生

4人で至急篠ノ之神社に来られたし

 

 

 

 

 

〜side蓮矢out〜

 

 

 

 






作者です。
ガチスランプに陥り、なかなか筆が進まない状態になってました。
気晴らしに他の題材の小説を書いていたレベルです。(投稿はしてませんが)

さて、漸く主人公がISを起動しましたね。
何処かで書いたかと思いますが、スターゲイザーは専用機にはなりません。別の機体を用意する予定です。

束のラボがあった場所ですが、アニメISのOVAにて、一夏と箒が花火を見ていた場所です。
最後にアニメを見たのは何年前だったかな?のレベルなので、追求はしないように・・・。

次回は、束と蓮矢の新家族が顔合わせする予定です。
乞うご期待。

以上作者でした

ゲーム要素入れるか否か

  • 入れる
  • 入れない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。