捨てられ少女の壁作り ~聖女に捨てられ魔物があふれた国で、もふもふと一緒に結界を作ります~   作:龍翠

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 そうして話している間に、とっても広い部屋にたどり着いた。

 真っ赤な絨毯が敷かれた部屋。部屋の奥は段差になっていて、なんだか豪華な椅子が置かれてる。その椅子に座れば、部屋全体を見渡すことができそうだ。

 

「謁見のための部屋、かな?」

「えっけん」

「王様に会うための部屋ってこと」

「おお」

 

 ということはつまり、あの豪華な椅子に王様が座っていたのかもしれない。そう思うとこの部屋はとってもすごい部屋だ! 多分!

 

「ここにたくさんの人がいたのかも。王様がいて、兵士さんがたくさんいて……。そんな部屋、かな?」

「でも、いない」

「うん……。今はいないね……」

「にゃあ……」

 

 いっぱい人がいて、いろんな言葉が交わされていて……。そんな部屋、だったのかもしれない。いまいち謁見というものがよく分からないけど、きっと王様みたいに偉い人なら、みんなが和気藹々としていることを喜んでいたと思うから。

 そんな光景を見てみたかった。ちょっとだけ。

 せっかくだからと、段差を上って豪華な椅子に座ってみる。大人用の大きな椅子だから、リフィルたちにはちょっとサイズが合わない。でも……。

 

「すごい」

 

 部屋をしっかりと見渡せる。それがなんだか、不思議な感覚だ。

 

「リフィルちゃん、ここにいてね」

「うん?」

 

 アレシアが駆け足で段差を下りていって、部屋を出る……直前で振り返った。そのままゆっくりとリフィルの方へと歩いてくる。

 首を傾げるリフィルの前で、アレシアが膝をついた。。

 

「初めまして、リフィル姫。姫様にお目にかかることができて光栄です」

「おー……!」

 

 なんだろう。なんだか、すごく……それっぽい! かっこいい!

 

「えっと……。くるしゅうない?」

「あはは!」

 

 こういうのはよく分からないからそんな感じで言ってみたら、アレシアに笑われてしまった。

 次はもちろん交代して、アレシアが座ってリフィルがお客様役をやってみる。えっと……。

 

「アレシア、ひめさま? きた!」

「いろいろと足りないよリフィちゃん!」

 

 二人でおかしく笑い合う。なんだかとっても楽しい。レオンもにこにこしていた。

 そうしてちょっと遊んだ後は、また一階に戻る。途中で他の部屋も見てみたけど、あちこち荒らされていて大変なことになっていた。謁見の部屋が何もないからあまり壊れていないだけだったみたい。

 それでも比較的無事な部屋もあったけど……。そろそろ日も暮れそうだったので、探検はまた明日ということになった。

 晩ご飯にいつものお肉とお野菜を食べて、アレシアとぴったりくっついて就寝した。

 

 

 

 そうして、翌日。まずは探検だ!

 

「見て見て、リフィちゃん。これ、宝石だよ」

「おー。きれい」

「綺麗だね」

 

 比較的綺麗な部屋で、棚とかを調べてみたら……そんな装飾品がたくさんあった。偉い人、しかも女性の部屋かもしれない。ぴかぴかがいっぱいだ!

 

「リフィちゃん、つけてみる?」

「いらない。あるくのに、じゃま」

「光り物に興味なしだね」

「なし」

 

 大きな街とかでは、そういった装飾品を身につけている人を見かけることは確かにあった。けれど、リフィルはそれを羨ましいと思ったことはない。だって何の意味があるのか分からないから。

 そんなものより、お肉の方が大事だと思う。だってぴかぴかは食べられないから。

 

「レオンは……ほしいの?」

 

 レオンは、ちょっと高い場所にある引き出しを引っ張り出して、がさごそ漁っているところだった。どんな意味があるのか分からないけど、レオンが欲しいのならつけてあげてもいいかもしれない。レオンに似合うかは分からないけれど。

 しばらくレオンの様子を眺めていたら、ひときわ大きなブローチを探し出してきた。

 

「うにゃ!」

「えっと……。レオンにつけるの?」

「にゃあ!?」

 

 ブローチをぱっと置いて逃げてしまう。はて、つけてほしいわけじゃないみたい。じゃあ、なんだろう?

 

「うにゃにゃ! ふー! うに!」

「えっと……。うる?」

「にゃ!」

 

 つまり……どこかで売ろう、ということらしい。使うためにではなく、売るために持っていこう、ということ。

 

「旅の資金にはなるかも」

 

 そしてアレシアも賛成みたい。でも、いいのかな? 持っていってしまって、いいのかな?

 

「どうせもう、持ち主は誰もいないよ」

「そう?」

「うん。それなら……。この国を守る結界を作るために役立たせた方が有意義だと思う」

 

 そういうものらしい。リフィルにはよく分からないけど、別に反対する理由もないので持っていくことにした。

 リフィルにはどれに価値があるのか分からない。なのでアレシアにお任せ……。

 

「わたしも分からないよ……」

 

 なので! レオンに丸投げだ!

 レオンはなんだか苦笑いしたような雰囲気で、それでもたくさんの装飾品を選んでくれた。

 アイテム袋には全部入れることができるけど、半分ぐらいは残していく。だって、またここに来る人がいるかもしれないから。

 そういった人は、きっと生活に困ってやって来る人だ。これらの宝石を持って帰って、またがんばってほしいと思う。

 そうして部屋を見て、一階に戻ってのんびりして、就寝。翌日はまた違う部屋を見る。

 

「わあ! リフィちゃん! 見て! ドレスだよ!」

「どれす」

「子供の部屋かな? わたしたちと同じぐらいのサイズだね」

「ほうほう」

 

 ドレス。なんか、こう……。すごい服! 多分!

 せっかくなので着てみよう。そう思ったけれど、どうやって着るのか分からない。こればかりはレオンも分からないみたいで、はてと首を傾げていた。

 そうして悩んでいたら、

 

「そこにいるのは誰だ!」

 

 剣を持った人が部屋に入ってきた。

 




壁|w・)宝石<<<|超えられない絶壁|<<<お肉。
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