俺だけが彼女達の運命を知っている~陵辱世界でヒロインを救済する方法〜   作:Boston Ham

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今回は短めです!


転生者、ようやく貰ったチートの存在を知る

 

ゼーレを見つけた翌朝。

俺は少しでもこの世界に慣れるため、いつもより早く家を出た。通学路は、前世でよく見かけた日本の風景そのものだ。青い空に白い雲が浮かび、住宅街から立ち上る味噌汁の匂いが、なんとも現実離れした感覚をかき立てる。

 

「……このまま、何も起きないでくれ」

《でもここ、イッチが絶望するほどの世界だろ?何も起きないってことはゼロではないだろ。》

声がする。だが、周りには誰もいない。それもそうだ、この声は俺自身の脳内から響いているのだから。

《そうだぞ、イッチ。十分に注意して行動しろよー。油断するな、油断大敵だぞ。》

「……ゼーレ、便利だけど、てめぇらの声が脳内に響くのだけはゴミだなってか、暇なのかてめぇら?」

 

誰にともなくそう呟きながら、俺は歩く。昨晩から頭の中に住みついた、ゼーレのスレ民。まるで多重人格の人格のように、とめどなく俺に話しかけてくる。

やっぱり身内だったら、強く言ってしまうの良くないな。自戒を込めてそう思う。

その時だった。

 

カツン、と、乾いた靴音が響いた。

「わっ!」

曲がり角から飛び出した俺は、誰かと強くぶつかった。

「す、すいません!」

慌てて謝罪の言葉を口にしながら顔を上げると、ぶつかった相手はクラスメイトの春風陽菜だった。

「……松浦くん?」

彼女は尻もちをつき、その衝撃で持っていたバッグの中身が道路に散らばっている。教科書、筆記用具、そして…風に舞う一冊のノート。

 

「大丈夫!?陽菜ちゃん、どこか怪我してないか?」

「大丈夫だよ、ごめんね、私の方こそ前を見てなくて……」

彼女はそう言ったが、顔は強張っていた。

「全然大丈夫だ、俺こそごめん。俺の方が周りを見てなかったんだ」

俺はすぐに屈んで、散らばったものを拾い始める。

彼女の不安そうな視線が、俺の手元に注がれているのがわかる。

そして…俺がノートを拾い上げようとしたその時だった。

 

ドォンッ!

「あ、それはっ……!ダメッ!」

陽菜が悲鳴にも似た声を上げ、手を伸ばす。

けたたましい警笛と共に、一台のトラックが、そのノートを踏みつぶした。タイヤの下で、ノートは無残な音を立てて潰れる。

「あっ……」

陽菜の顔から、みるみるうちに血の気が引いていく。その表情は、まるで大切な宝物を目の前で破壊された幼子のように、絶望に満ちていた。

 

『フライト・ドリーム』

潰れたノートの表紙に、かろうじてその文字が読み取れた。それは、彼女が航空機のゲーム『ヴァンガード・ストライク』で世界チャンピオンになるまでの軌跡、そして未来の夢を描いた、大切なノートだった。それを、俺の不注意で台無しにしてしまった。

「ごめん!マジでごめん!本当に何やってるんだ、俺は…!」

 

俺は何度謝っても謝り足りない。

陽菜はただ、呆然とノートを見つめている。

《おい、イッチ。それは最低だぞ?》

その時、スレ民の声ではない、どこか冷たい声が頭の中に響いた。

――『巻き戻りますか?』

それは、まるでゲームの選択肢のような、無機質で、どこか不気味な声だった。

「は……?」

声の主を探すが見つからない。

――『…はい?』

『承認しました』

 

次の瞬間、俺の視界は白く染まり、まるで映像が早送りされるように、通学路の景色が逆再生し始めた。

世界が、まるでフィルムを逆回しするように、あっという間に巻き戻っていく。

そして、気づけば俺は、さっきぶつかった曲がり角を曲がる一歩手前で立ち止まっていた。

「……は?」

わけがわからない。状況を理解しようと、もう一度スマホを見る。

時間も、数分前に戻っている。

 

心臓が、ドクドクと警鐘のように鳴り響く。

その時、曲がり角から陽菜が出てきた。

「えっ...奇遇だね!松浦くん、今から学校?」

彼女は何も知らない、いつもの明るい笑顔を浮かべている。

「は?いや待て、どういうことだ?」

「どうかしたの、松浦くん?」

心配そうに顔を覗き込む陽菜に、俺は平静を装って答える。

 

「いや、なんでもない。ちょっと考え事をしてただけ……」

もし、この能力が本物なら……。

俺は、この世界の悲劇を回避できるかもしれない。

陽菜の最悪の最後を、なかったことにできるかもしれない。

そして、もう一度、頭の中に声が響いた。

 

――『目標達成までの使用回数残り:99回』

まるで、ゲームのスキル残量表示のように、唐突に現れた数字。

 

「……マジかよ」

 

俺は、この世界を救うための、ほんの一握りの希望を手にした。

だが、知らなかったその希望が、どれほど重い運命を背負うことになるのかも。




ようやく、主人公の能力発現しましたね。
これからどんどん頑張っていくので応援よろしくお願いします!

色々なキャラを登場させたいのですが。良かったら性癖を教えていただけると、そんなキャラが出るかも知れません。

  • 太もも
  • ダウナー
  • 俺っ子などの一人称が私じゃないキャラ
  • 年上、先生、未亡人など
  • その他(感想でお待ちしています)
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