我々が休んでいた4日間から年末にかけて、危惧していた世界情勢の変化はなかった。
だが、連邦情報部は、事実上ムンゾの衛星都市と化した月面グラナダ市に駐留するムンゾ軍部隊へ
の大規模な物資の搬入と集積が見られるとして、年明け1月1日付けで警戒情報を発していた。
連邦上層部は、この動きを月赤道上に点在するマスドライバー保有都市のいずれかに対する制圧作
戦の準備であると見て、同じく赤道上にある連邦二大拠点、ツォルコフグラードとゴダートシティ
ーの各駐留部隊に臨戦態勢への移行を命じた。
既に前年11月に、月面各都市宛てにムンゾへの恭順を促す声明が出されており、グラナダのある
ヘルツシュブリングに程近いコロリョフに鉱山を持つ、チャンゼイ、ルナ、マテリアル社はテザー
衛星のアンカー名目で巨大な鍛造鋼塊を多数グラナダに納入していた。
これらはマスドライバーによる質量弾攻撃の為の弾体と見なされて居るが、これを投射出来る規模
のドライバーはグラナダにはなかった。
因みに同社は、密閉型コロニーの太陽灯部品と称して、防弾鋼相当の超高張力鋼を大量にムンゾに
売却しており、重要監視対象の企業だ。
そして、グラナダ基地には1/6重力対応の月面陸軍とも言うべき機動戦闘群2個師団相当が、艦
隊とは別に駐留しているのだ。
もし戦争になる様なことが有れば、戦端は月で開かれる。
グラナダにドライバーの新規建設予定が無い以上、大規模ドライバーを持つ他都市の制圧が現実味
を帯びて来るのだ。
世界の注目は現在、グラナダ駐留軍の長にして、ムンゾの事実上の政治指導者ザビ家一党の長女、
キシリアの動向に集まっていた。
2日には、ザーン行政府と同、警護兵団、中央派遣軍の三者による防衛対策会議が開かれ、その席
上、中央派遣軍の月方面への戦力抽出が伝えられ、当該艦隊は同日中にザーンを出て行った。
現在、各サイドはムンゾを除き、40~50の都市筒で構成され、これを4つの行政区に分けて自
治運営を行っている。
3年前に中立宣言をしたリアを除く各サイドの防衛戦力としては、バンチナンバーを付された各都
市筒毎に1個連隊1,060人、通称バンチ連帯と呼ばれる守備隊が常駐し、首都に当たる中央行
政府長筒には予備兵力として機動展開2個連隊1,680人が、バンチ連帯とは別に配され、42
バンチ有るザーンでは、定数46,200人の地上戦兵力と、4つの行政区毎に巡航艦4隻から成
る警護艦隊一群が配され、これも中央行政筒に追加1個艦隊を加えた、計20隻の艦隊戦力を持つ
。
これに連邦中央からの派遣艦隊と、コロニー造成用に運ばれて来た岩塊に基地を構える通称衛星艦
隊、無重力戦に特化した低重量兵1個師団が加わるのだが、この衛星艦隊と低重量兵団がそっくり
月方面に引き抜かれた。
即日出撃したという事は、既に出撃準備を終えていたと言う事に他ならない。
彼らは一度、ルウムで陣営を整えてからツォルコフグラードかゴダートシティに向かうらしい、出
来レースも甚だしい決定だった。
私も、四方角名を付された行政区の西警護艦隊指揮官としてこの会議に出席したのだが、話題の中
心はやはり月情勢に終始したまま、他の話題が登ることはなかった。
それでも在ザーン全軍は、本会議終了後直ちに警戒即応待機に移行する事とされ、各艦隊にあって
は、翌3日朝には出航、筒外待機が求められた。
準備の時間は少ない、私は、隊に緊急出航準備を下令すると、急いで艦隊の母港であり住処でもあ
る西32バンチ、オーラフスビークシリンダーへの帰路に付く。
基本的に各守備隊員は地元出身者、艦隊員も当然地元宿舎で生活している。
これは遡る事地球連邦成立時、建前上国家間の戦争が無くなり、民族、宗教、地域紛争の解決が主
任務となった新生地球連邦軍にあって、各地の紛争は地元住民によって解決されるべき、つまりは
当事者の問題は当事者の血で賄えと言う基本ドクトリンを、そのまま宇宙に持ち込んだ物だ。
結果、ムンゾ守備隊全軍が独立国家を標榜する自称ジオン共和国の先兵として寝返り、建軍の礎と
成った事は衆知の事実で、以後監視役を兼ねる中央派遣兵力の増強を見るなどしたのだが、しかし
地元愛に支えられて、各サイド守備隊の士気は高く、結束は固い。
中央政府の思う壺と言ってしまえばそれまでなのだが…
会議の開催地である北1バンチ中央行政府長筒、カーナークシリンダーと我が都市筒とはいささか
の距離が有る為、今会議では内火艇では無く当番艦のタンルウィンに送迎に動いて貰っていた。
当番艦とは、宇宙船事故や都市筒に衝突の恐れの有る物体への即応待機の為、艦隊4隻中輪番で1隻
が就く警戒任務艦の事だ。
有事の際に支障を来さぬ為に、私だけなら当番艦など動かさないのだが、私の上司でも有る西軍司
令、因みにクリスマス休暇の発案者と32バンチ守備隊の連隊長も同行すると言うので、この様な
形となった。
お陰で本艦より緊急電を発報出来たし、この会議自体も緊急案件と言えるので適切な運用だとは思
っている。
「帰着予定時は判るかね?」
西軍統括司令(艦隊とバンチ連帯兼任指揮の為、正しくはこう呼ぶ。因みに各行政区艦隊は横並び
に連携しているが、それらを統べる命令系統はなく、地上兵力は連隊編成止まりで上位の組織はな
い。)ヘルマンニ少将が艦長のホー少佐に尋ねる。
「太陽側と主鏡側、どちらに入港するかで変わりますが、いかが致します?」
ホーは私に話しを投げて来た。
我が艦隊の母港は主鏡側だが、西軍総司令部は太陽側にある。
因みに相乗りは急に決まった為、出港時には客人に主鏡側までご足労願った。
非常時でも無い限り、入出港には順番待ちが必要となるからだ。
太陽側に着けるには、順番待ちに加わらなくてはならない、だが、緊急動員前なので二人にはなる
べく早く司令部に着いて貰いたい。
「内火艇でお送りするのが最も早い方法なのですが、その場合、安全の為御二人には船外作業服に
入って貰う必要が有ります、やはり太陽側に直着けしますか?」
ヘルマンニ司令が32バンチ連隊長に尋ねる。
「マドリーン大尉、船外服を着て貰っても良いかな?」
大尉は女性なので、一応気を遣ったのだろう。
「はい司令、問題ありません。」
当然の回答だ、「では、そのようにさせて頂きたいと思います。後10分程で内火艇を出したいと
思いますので、そろそろ御支度を願います。」
「ではマドリーン君、我々は着替えるとしよう。」
「ヘルマンニ司令、2号艇を使います、概ねで1245司令部連絡桟橋接舷と御心得下さい。」
「ん、艦長、宜しく頼む。」
二人は着替えの為、操舵艦橋を後にした。
「内火艇2番、発艦準備、離艦は8分後だ、厳守せよ。」ホー艦長の号令が飛ぶ。
「我々の帰着は1325位で合っているかな?」
「そうですね、司令の読みで正しいと思います。」司令が二人居て紛らわしいが無論私の事だ。
「艦長、本艦は既に臨戦態勢にあるので基地に接岸せずに、残りの3隻が出港して来るのを外で待つ
手も有るがどうする?」
「しかし、司令を基地に下ろさねばなりませんが…」
「私か、そうだな、何なら近傍を掠めてくれれば、私も船外服を着てパーソナルムーバーで泳い
で帰るぞ。」
「司令、それはご勘弁下さい、本艦が笑い物にされます。それと、何日出張るか判らないので、僅
かですが消耗品の補充も行うつもりですので。」
そこへ、副長が割り込んで来た。
「ゲストの準備が整ったそうです、案内役を立てて格納庫まで案内させようと思いますが、内火艇
のパイロットをそのまま案内役に当てて宜しいですか?」
いや、ここは私が出よう…
「私が二人を案内するので、パイロットに余計な仕事を押し付けなくて良い、二人にはお待ち頂く
様伝えてくれるか、パイロットは先に内火艇へ、着替えは隣でしたのだろう?」
「はい、一応左右別の待機室に案内してあります。」
「2番艇だったな、」私は操舵艦橋を出ると、既に二人は左右の待機室の扉を開けた状態で、通路に
は出ずに待ってくれていた。
艦内は狭い、細長い物置の様な待機室もそうだが、通路も船外服を着ると無重力と言えども行き違
いは狭くなる、二人の判断は妥当だ。
「お待たせしました、参りましょう。」
先導する私の後ろを、二人は何も言わずに付いて来る。
案内とは言った物の、操舵艦橋後方で一度フロアを下がると、格納庫までは中央通路一本道の突き
当たり最後方だ、距離にしておよそ60メートル位か。
距離は有るが、リフトグリップと呼ばれる移動補助装置があるので30秒と掛からない。
格納庫に着くと、二人は既に接続の済んでいる与圧通路を伝って2番艇へ、船外服未着用の私は連
絡艇発着管制室へと向かった。
パイロットは既に管制士官とやりとりをしている。
「司令、どうぞ、」
パイロットの操作でインカムマイクから外部マイクに集音が替わった様だ。
「世話を掛けたなワッケイン君、時間が許せば昼食でも一諸にとでも思ったんだが、また次の機会
だな。」
「では、離艦作業を開始します。」
パイロットの宣言で、内火艇は離艦シークエンスに入る、私は発艦作業を見送ると操舵艦橋に引き
返した。
入室すると、丁度艦長が内火艇と話している最中だった。
「誰が艇長だ?」
「私、ドナート少尉が本艇を預かって居ます。」
「ドナート少尉、本艦は貴艇を待たずに帰投する、貴艇はゲストを下ろした後、自力で帰投せよ、
ゲストを頼んだぞ。」
「了解、」
内火艇との交信を終えた艦長が後ろを振り向く、「司令、お戻りになられましたか、お手間を取ら
せました。」
「本艦はこのまま主鏡側大門から入港するのだな?」
「はい、丁度入港順に空きが有りましたのでそこにねじ込みました。後、15分できっちり接岸して
ご覧に入れます。」
「では、腕前を見せてもらうとするか。」なかなかに頼もしい部下だ。
「遠隔管制も曳舟も断ってあるからな、一発で自力接岸決めろよ、司令が見て居るぞ。」
対面侵入した為の減速噴射のタイミングと言い、旋回回頭の小回りぶりと言い、流石に言うだけの
事はある。
そしてミリ単位の接岸作業も、まるで吸い込まれる様にピタリと決めて見せた。
「司令、乗艦お疲れ様でした。1322,タンルウィン、基地に帰着です。」
「見事な操艦を見せて貰った、所で会議の内容なのだが艦隊の出港が決まった。先程打電した緊急
電の通りなのだが明0400出航を予定している、全軍的には8時位が目安なのだろうが、ヘルマ
ンニ少将の判断で西軍は前倒しと成った、それを目安に準備を進めてくれ。」
私はタンルウィンを降りると艦隊司令部へと向かった。
我がサイド1西行政区艦隊、通称西艦隊は、32バンチ、オーラフスビークシリンダー主鏡側大門
港を泊地としているが、実態は民間人の立ち入りを禁止しただけで、一般係留施設の一画を間借り
しているだけの、基地とは呼ぶ物の本格的な軍港とはほど遠い物だ。
そして艦隊司令部も、付随する港湾管理区画内に置かれ、実質司令室と呼んだ方が適切かも知れな
い、尤も、複数室を含む一定区画を占有しては居るのだが…
港湾管理区画は都市筒末端の鏡板中心部の無重力部に有るので、司令部施設は無重力、そこから都
市筒内に入り、鏡板斜面中腹に燃弾と各種資材の保管施設が置かれている。
ここは低重力域であり、重量物を扱うには都合が良く、一般利用も無いので、同じく太陽側はコロ
ニー公社がやはり資材置き場として利用している。
そこを更に下り、斜面麓の通常重力域に兵舎施設が置かれ、ここに艦隊乗組員、基地作業員、無論
普段は私も、そしてバンチ連帯の2個大隊が、太陽側の連隊本部駐屯地より分派され詰めている。
正式な呼び名では無いのだが、ここを主鏡側駐屯地と呼んだり、資材管理棟や艦隊司令部、艦の接
岸桟橋を含めて主鏡側基地などと巷では呼び習わされており、隊内でもこれで定着してしまった。
私が司令部の正に司令室に入ると、所属艦残り3隻の艦長が既に出頭していた。
「まだ乗艦前だったか、緊急電の通りだ。明0400に出るぞ、間に合わせろよ。」
「装備は如何程に?」
「燃弾は無論満載、糧食、水は5日分を見ておけ。」
「弾種はどうします?」
遠距離大型誘導弾、要するに対艦ミサイルの弾頭の種類を聞いて来ているのだ。
タンルウィンは核弾頭4本、残りは通常弾頭で出ていた筈である。
当番艦は都市筒に衝突する可能性の有る小天体を排除する為に、常に核弾頭を載せておく。
本来、その様な小天体やデブリに対処するのはコロニー公社の仕事で、彼らはその為の核装備もし
ている。
メテオキッカーやメテオブレーカーと呼ばれるそれらは、名前が示す通り目標の軌道変更や破砕に
使用される事実上の水爆なのだが、核兵器と異なるのは起爆に原爆を用いず、レーザーにより点火
を行っている点だ、この為サイズはかなり大型で、しかし誘爆の危険は無い、そしてこれが兵器で
は無いと言う証にもなっている。
我々の仕事は、観測網をすり抜けられたり、割切れ無かった彼らの撃ち洩らしへの対処だが、私が
この艦隊を率いた3年間で、幸いにして核弾頭の出番は一度もなかった。
「全艦当番間装備だ、有るだけ持って出る。」
基地に保管されている核装備弾は常時16発なので、4隻に振り分けると結局そう言う事になる。
「警戒出動に重装備過ぎませんか?」
私が乗る西艦隊旗艦、コルレーンの艦長、オクタヴィアン少佐だ。
「艦長の言う通りだが、何か有った時、取りに戻る訳にも行くまい?」
「そうですか、いや、運び上げる手間が有りましたので。」
当番艦用4本は使い回しているが、残り12本は下の保管施設から引っ張り出さねばならない。
「無駄な仕事を増やして済まんな、基地の兵には頑張って貰うしか無い、乗り手も積載間に合わせ
てくれよ、我々の仕事は無駄に終わるのが一番だ、他の二人も頼んだぞ。」
私は艦長らと話しながらも、司令室の隅の騒がしさが気になった。
緊急の案件ならば、直ぐ私に報告が来る筈なので大事は無い筈だが、気にはなったので声を掛けて
見る。
「何か問題でも起きたのか?」
大きな声で話していたのは通信オペレーターの一人だった。
「お騒がせして申し訳有りません、司令の耳に入れる様な事ではないのですが、タンルウィンのド
ナート少尉が直ぐには帰れないと…タンルゥインは既に入港してるではないですか。」
ああ、乗り合わせて居なかった者に経緯は解りづらいか…
「タンルウィンはゲストを送る為、内火艇を出してそのまま太陽側に捨てて来たのだ、ドナートは
その艇長だ。」
そこへ丁度ホー艦長が入って来た。
「うちのドナートがどうかしたのか?」
「帰りが遅くなるような事を言ってます。」
「一寸替われ。」
ホー少佐はオペレーターをどけると直接話し始めた。
「ゲストは無事送ったのだな?」
オペレーターが私にも聞こえる様、通話をスピーカーに出してくれた。
「はい、予定通り無事送り届ました。しかし足止めを食って出航出来んのです。」
「理由は?」
「大気運搬船が複数、緊急入港を要求して来て大門管制と揉めているらしいんです。それで今、出
入り共止められていて…」
「大気運搬船…ですか?」
サスケハナ艦長ベルナディット少佐だ、因みに我が艦隊唯一の女性艦長である。
「私の船が当番だった先月中旬、出動要請を貰い船を出す機会が有って、その時大気の補充作業を
行っているのを目にしたのですが…」
都市筒はその内外への様々な出入りにより、エアロックで回収はしてはいても少しずつ大気を失っ
てしまう。
この量は意外と馬鹿に出来ないので、定期的に補充作業が行われるのだ。
ほぼ2ヶ月に一度のペースで通常は行われているのだが、彼女は次の補充にはまだ早いのではと言
わんとしているのだ。
「大きな漏洩事故とか聞いているか?」
しかし、その様な事は誰も覚えがなかった。
「しかし、緊急で割り込みとは、公社権限の乱用ではないのか?」
これは、テージョ艦長カレルヴォ少佐。
「まあ、公社には逆らえんからな。」
そんな会話を余所に、ホー艦長はドナート少尉とやり取りを続ける。
「見通しは立たんのか?」
「はい、今の所全く。」
「ならば急がなくて良い、無理に間に合わせようとするな。お前は出航メンバー外にしておく、ゆ
っくり戻って来い。」
インカムマイクをオペレーターに返すと、個人端末で呼び出しを掛ける、恐らくはタンルウィンの
副長だろう。
「私だ、2号艇は戻らん、代わりの艇の積み込みを頼む。」
音声通話の切れた端末をしまうと、彼は私の方に向き直った。
「余計な仕事が一つ増えてしまいました。で、我が艦は核を4本載せていますが、降ろして出ます
か?」
彼は後から司令室に入って来たので、先程の話を知らないのだ。
「いや、そのままで良い。他艦も同じだ、全弾持って出る。」
「戦になるとお考えで?」
「月がきな臭いと言う話だが、ウチの司令は何か引っかかる物が有るらしい、装備は私が決めたが
余所より早い動員はヘルマンニ少将の判断だ、私には判らんよ。」
話しが枝道にそれてしまった、そろそろ艦長たちを自艦に戻さねば仕事が進まない。
「装備は先の通りだ、我が西艦隊は早く出るから時間に余裕は無いぞ、では、各自自艦の指揮に戻
ってくれ。」
各艦長は自分の仕事を始める、自艦に戻る者、司令部で打ち合わせをする者それぞれだ。
「資材管理棟のブルックナーに、核装備弾を急いで全数港まで上げる様伝えろ。」
地上のそれに比べれば扱いは軽いが、それでも私の命令が無ければ核は動かす事が出来ないのだ。
15時半を回り、取りあえず現在の隊の状況を確認し、最低限必要な指示は出したので、今の内に
私は一度駐屯地の宿舎に降りる事にした、着替え等の私物を運び上げる為だ。
「私は一度宿舎に寄る、1時間程で戻るが、何か有ったら個人端末で呼び出せ。」
司令室の皆に聞こえる様、大声で宣言すると、私は司令室を後にして地表連絡用のエレベーターに
向かった。