【未完・更新終了】ポケットモンスター 新たなる旅路 作:よっしい
今日はハロウィン!もう10月も終わりですね…。ZAが発売されたらあっという間でした、本当に…。そう言えば、みなさんはどこまで進みましたか?是非ともコメント欄に書いていただけると嬉しいです!できたらでいいですが、評価もしていただけると、より嬉しいです!
さて、今話は『幕間』の1話として、ホムラさんとユウリさんの関係性についてのお話を展開しようと思います。前話で何かに気がついたホムラさんでしたが、なにか引っかかることがあるようで、ユウリさんに相談するという内容になっています!
では、過去の謎に向き合っていく、悩めるティーンエイジャー達を描いた、今話の本編へ参りましょう!
第十四話 ホムラとユウリ 過去の秘密
《ユウリ視点》
PM 10時43分 2番道路ホテル前バトルコート
「いっけ〜!『かえんボール』!」
「『かえんほうしゃ』で相殺して!」
夜遅くの時間。今、あたし達は特訓をしている。
ズドン!と互いの攻撃がぶつかり、爆発が起こる。
「今!応用ワザ『ばくえんほう』を叩き込んでフィニッシュ‼︎」
「マズい、避け 」
「ほおおおっげえええええええ‼︎」
「バスッ⁉︎バァァァス‼︎」
文字通り、爆炎に呑まれたエースバーンは、炎が引くと、目を回して倒れていた。
「…勝負あり。エースバーン戦闘不能だよ。これで参ったかな?」
「ううっ…。ありがとう、エースバーン、ゆっくり休んでね…。……6体倒せなかったよぉ〜…。ホント、ホムラ強すぎるよぉ〜…。メガシンカあるのもズルいし…。むぅ〜っ‼︎」
そう、あたしは手持ちの中に、現在メガシンカ可能なポケモンが1匹もいないのだ。
「はいはい。そろそろ寝る時間ですよ〜。」
いくら駄々をこねてみても、ホムラは一切応じてくれない。ちぇ〜っ…。
…まぁ、これに関しては応じようがないんだけどね⭐︎
「…ユウリ。」
「うん、なぁに?」
珍しく彼から話しかけてきた。一体なんだろうと思ったが、少し言葉に詰まったのか、喉から声が出る寸前で止まっていた。…言おうとして喉に詰まっているのが小動物みたいでかわいい…。が、今大事なのは、彼の次のセリフだ。
「…、……、………僕らってさ…、」
「うん…。」
「どっかで前出会ったこと、ある?」
…なーんだ、そんな話か。ビックリした。なんかヤバい話でもされるのかと思った…。例えば、このホテル、ゴーストタイプのポケモンめっちゃ出るんだよね、とか。
…にしてはヤケに言葉に詰まってたけど…。まぁいいや。友人からの質問にはちゃんと答えないとだからね。
「…ホムラってアローラ出身だったよね?なら無かったと思うけど…。」
「…そ…そっか…。」
そう言い切った刹那、あたしの頭には昔の情景のようなものが流れ込んでくる。
…小さい頃、4歳ごろのあたしと…背丈が同じくらいの小さな男の子。恐らく同い年だろう。自分の意思で思い出したわけじゃないから、本能的に思い出したのだろう。…このタイミングで思い出したと言うことは、この少年がホムラだとでも本能は言っているのだろうか?
「…いや、前言撤回。やっぱり会ったと思う。」
「えっ?じゃあ、どこで?」
「…分からない。でも、ホムラみたいな雰囲気を纏っている人に、4歳ぐらいの頃に会った気がする…。」
「そういう覚えがあるんじゃなくて、気がするだけか…。なるほど、ありがとう。」
そう言って、ホムラはあたしから逃げるようにホテルの灯りの方へ向かっていく。
でも、彼は何故いきなりそんなことを言い出したんだろう…?
もしかして、あたしの今日の行動で何か思い出したことでもあったのかな…?
《ホムラ視点》
PM 10時48分 2番道路のホテルの一室
「…ヤベェ、あんなこと聴いちゃった…。」
ついつい、思っていたことが口に出てしまった。今日の昼、バトルカレーバイキングでヨウとミヅキのコンビに勝利したとき、突然蘇ってきた
「…しかも、今夜は部屋一つしか予約できなかったから、同じ部屋で寝るんだよなぁ…。」
これについては完全に僕の誤算だった。2番道路は、外にゴーストタイプのポケモンが結構生息していて、ユウリが怖がってしまうため、やむを得ずキャンプは取りやめになったのだ。
そんな話をしたのが、今日の夜7時半ぐらいの時。そこからホテルを予約したが、ブロックタウンからは結構な距離を歩いてきてしまったので戻る訳にもいかず。運良くホテルが近くにあったものの、道路沿いにあるためか結構お値段が高めのホテルで、予算的に考えた結果、一部屋しか借りれなかった。運良かったけど運悪いな…。
そしてそして、一番マズいのは、男女が一部屋で一緒に寝るという点。これは教育上ダメなやつだ。この世界では、未成年でも未成年だけで泊まることが可能なのに加えて、今回の様な状況も法律的に許されているのだが…。
(これはちょっとマズいかもしれん‼︎)
なんか知らないし、根拠はないけど、ユウリからの僕への視線が他の人とは違う見られ方をしている気がする…。加えて、結構スキンシップが激しい友だ。添い寝とかやりかねない…(まぁ絶対やらないだろうけどね)。
「…ホムラ。」
刹那、解錠される音が室内に響き、少し怒り気味の少女の声が聞こえる。
「!…な、なんでしょう…。」
「あんまり先に行かないでよ。カードキー持ってるのホムラなんだからさ…。」
カードキーを右手に持ち、こちらに見せてくるユウリ。
うん、マジでそれ考えてなかった…。
「ごめん、それはシンプルに考えてなかった…。」
「ホムラがそんなに考え無しに行動するなんて、珍しいよね。」
…確かに。なんか今日の僕は、端的に言ったら僕らしくない気がする…。自分で言うのもなんだけどね。
「…本当に、大丈夫?なんかあたし悪いことした?」
「…普段から心臓に悪いことをされているから大丈夫…。ちょっと今日は考え事が多い日だな…。パルデアで旅してた時も、たまにあったんだよ。なんだか喪失してる感覚を覚える日がさ。」
「…普段から心臓に悪いことしてる…?あたしそんな自覚ないんだけど、あたしって普段からそんなにヤバいことしてる…?」
ちなみにだが、喪失感を覚える日がたまにあるのは本当だ。
自分が何かを失っているような、忘れているような感覚がする。
頭が回らなくなり、呼吸も苦しくなる。主に1人でいる時になる症状だ。恐らく、何かの精神病だろう。
「…まぁいいや。でも、悩みはありそうだね。じゃあ、今日は寝るまでの間にあたしがその悩み、解決に導いてあげる!友達としてね!」
「…!ありがとう。…じゃあ、頼っちゃおっかな。」
「…ホントに。普段からもっと頼ってくれたっていいのに…。」
なにかユウリが小声で言っているが、天井の方を向いて喋ったため恐らく独り言だろうし、聞き取れなかったのでスルーすることにしよう。
「…それじゃあ始めよっか。多分、喪失感を覚えるのって、失われた記憶が関連してると思う。だから、その記憶を思い出すところから始めよっか。それじゃあ早速質問。今日のお昼時に見た記憶は、ホムラがいつぐらいの年齢の頃の記憶?」
「…え〜と、確か…6歳ぐらいの記憶だと思う。」
今日見たあの記憶に関しては、驚くほど鮮明に頭の中に残っている。内容的にも、間違いなく大切な記憶なのだろう。…ならなぜ忘れていたのか気になるが。
「フムフム。オッケー。じゃあ次ね。他に何か小さい頃の記憶とかない?」
「…ない、かな…。記憶の内容的にすっごく大事な記憶なのに忘れてたから、恐らく昔に全部封印しちゃったのかなと。」
「…奇遇だね。あたしもさっき思い出した4歳の頃の記憶以外抜け落ちてる。ホップと遊んでた8歳の頃あたりは覚えてるんだけど…。」
「…ホップねぇ…。相変わらずなんか感じるものがある名前だ…。」
いったいなぜかは分からないが、『ホップ』という人名に聞き覚えがある。…どこで聞いたかは知らないが。
「んじゃあ、次の質問。昔、ホムラはガラルに引っ越したことは?」
「記憶にない。…けど、父さんがマクロコスモスの現社長だから、もしかしたら行ったことあるかも。」
「…オッケー。分かった。それじゃあ次ね。ここからが本題。さっき言っていた、喪失感を覚える日っていつくらいから始まった?」
「え〜と、いつからだったかな…?10歳ぐらいだったかな…?」
いや、でも違った気もする。ここ最近はあまり多くなかったが、随分前から発症していた症状だからいつからかと訊かれると分からないな…。
僕が思い出していると、ユウリが僕の隣に腰掛けて、いつもとは少し違う、ほのかな甘い香りを漂わせてくる。…今日買っていた、新しい香水の香りだろうか?
「大丈夫、続けて。ゆっくり悩んでいいからね。これは、過去と向き合う上で本当に大事なことだから。むしろ、浅く考えちゃダメ。…それじゃあ、あたしは今からお風呂に入るから、上がってくるまで頑張って思い出しておいてね!」
そう言いながら、僕の隣に置かれていた自分のカバンから着替えを取り出し、とててっとお風呂場の扉に向かって
「…ヤバい全然思い出せない…。」
しかし、ファイトと言われたところで、僕の記憶にかかっている、霧の様なフィルターは消えない。こうして僕は、ユウリがお風呂から上がるまでの間、自分の過去の霧と戦い続けたのであった…。
《ユウリ視点》
PM 11時頃 2番道路のホテルの一室のお風呂場の中
「う〜〜〜〜っ///」
(ヤバい、あたしすっごく恥ずかしいこと言っちゃった⁉︎なんかキザっぽいこと言っちゃった⁉︎)
これは大事件だ。ゆっくり悩んでいいからね、とかなんとか…。なんか、ちょっとあたしにしてはカッコ良すぎるというか恥ずかしいというか…。
自分で言っててカッコよかったけど、こんなこと友達に言うのは恥ずかしい…かな。いつもだったらこんなこと平気で言えるのに、何故かホムラに聴かれちゃうと恥ずかしいんだよねぇ…。不思議だなぁ…?
(って違う違う!今あたしが考えたいのはそんなことじゃなくて!ホムラといつ会ったか思い出すんでしょ‼︎)
さて、切り替えて、シャワーの温かい水を浴びながら考える。
あたしが思い出した4歳の頃の記憶と、6歳の頃の記憶。そして、妙に何か感じるものがあると言っていた、『ホップ』という名前…。
そして、最後の手掛かりが、父がマクロコスモスの現社長で、その関係で来た可能性があるという情報。
(マクロコスモスの社長さんと言ったら、ローズさんに代わって台頭してきたフレイムさん…。にしても、親子揃って炎関連の名前か…。なるほど、2人が血縁関係なのも納得だ。)
しかし、フレイムさんは、あたしと初対面だった。もしガラルにホムラが来ていて、あたしと会っていたとするなら、あたしも一度はフレイムさんと会って挨拶をしていると考えるのが自然だ。
「…本当に来たのかな?でも、もし来ていないなら、ホップの名前に違和感は感じないはず…。」
トーナメントの時に聞いただけの名前で、違和感を感じる訳がない。
「…あ、あともうひとつ情報があったよね。それが…」
なんならこれが一番重要な情報で、それが、『あたしもホムラも、8歳頃までの大事な記憶が断片的にしかない』ことだ。
そして、思い出した大切な記憶には、どちらも少年と少女の仲睦まじい会話という内容…。
(…内容は同じだけど、それじゃあ本当に会ったことあるかと言われたら…どうだろう?)
内容が一緒なだけでは、本当に出会っていたとは言えない。
加えて、あたしの記憶の人物は、明らかにホムラとは違う雰囲気を纏っている。なんだか本当に楽しそうで、それでいて僕今幸せです、的なものを感じさせるオーラだ。
「…あんま難しく考えててもしょうがないよねぇ…。よし、そろそろあがろっと。」
そう言い、浴槽から出て、濡れた体をタオルで拭き、服を着て、首にタオルを掛け、扉を開ける。
「…さぁて、どう?何か思い出せた?」
遠目でホムラの表情を伺ってみると、彼はまだ難しそうな顔をしていた。
どうやらあまり良い情報は思い出せなかったみたいだ。
「…お察しの通りさ。顔に書いてあると思う。」
「…わかったんだね⁉︎」
「眼科予約してあげよっか…?」
「フフ、冗談冗談♪」
「全くもう……。なんて言ってるけど、ごめん。本当に一切合切思い出せないや…。なんか、記憶に鍵がかかってるみたいに思い出せない…。」
「…。」
うん、あたしと同じ状態だ。まるで、記憶自体が何かのカプセルに閉じ込められているかの様な感覚に陥っている。
でも、あたしは気づいた。この記憶の扉の解放方法を。
それはズバリ、昔の空気感を再現することだ。
先程、ホムラに前に会ったことがあるかを訊かれたとき、あたしとホムラの距離感はかなり近かった。そして、話し合っているとき、あたしの脳内に情景が流れ込んできたのだ。
さらにホムラは、あたしと彼の状況が、彼の記憶の奥底にいる少女との記憶と同じシチュエーションになったときに記憶から出てきている。
つまり、その頃の空気感を再現することこそが、記憶の復元に繋がるのだ。
「えいっ。」
「…んぇ⁉︎」
と、いうわけで、あたしはホムラの隣に座り、体を彼の方にすり寄せる。
恐らく、あれだけ仲がいいのだから、これぐらいのスキンシップはあっただろう(独断と偏見)。さぁ、これでどう⁉︎
「…これで思い出せそうかな?」
「…えっ?いや、あの、その………。」
めっちゃ気まずそうに視線をズラすホムラ。…え、違った?復元条件違うかんじ?
「…ちょっと距離が近すぎる、かな……。」
「離れろってこと?」
「いや、あの…えーと…。」
お、これはアタックチャンス!これで思い出すまで攻めちゃえ!
「…ちょっと、気持ち0.5人分ほどの席を空けて欲しいかなぁ…。」
お、正直に言えたね。偉い偉い。よし、じゃあサービスとして…
「う〜〜〜〜ん……やだ⭐︎」
もっと近づいてあげちゃうぞ⭐︎
「ちょっと…あの、その、え〜と…。なんかめっちゃ甘い香りするし…。」
「な〜あに?」
さぁ、思い出せ思い出せ〜!過去の記憶はあたしの香りでもひっかかりになるでしょ!
「……なんかドギマギするだけで全く思い出せないんですけど⁉︎」
「…う〜ん、意味なかったか…。」
意味あると思ったんだけどなぁ…。残念。
すると、ホムラの目が見開かれる。
「…なんか…きた…。」
「お?思い出せた感じ?」
「…うん。…部屋で戯れあってるところが…。」
「…何歳ぐらい?」
「…7歳ぐらいだと思う。感覚がそう言ってる。」
直感がそう言っているなら、そういうことなのだろう。
人の直感は、案外信じられる。
「……フフ。」
「何かあったの?」
「いや、本当に仲睦まじい関係と会話だなぁって…。将来結婚しますレベル。」
「へぇ…。……ん?」
なんだろう、何か記憶が流れ込んでくる。
5歳ぐらいのあたしがいて、1人の肌の白い黒髪の赤いメッシュが入った少年と、テレビ中継を観ていた。
『リザードン、強い!しかし、ガオガエンも負けじと攻撃!』
「頑張れ、ガオガエン!」
少年は、ガオガエンを応援していた。それに対して、何故かあたしは妙に納得がいった。…何故かは知らないけど。
『おおっと、ガオガエンの『DDラリアット』が直撃ィ!まさかのリザードンがダウン!ダンデ選手のリザードン、公式戦史上初のダウンです‼︎ダンデ選手、残るはドラパルトのみ!果たして勝ち切れるのでしょうか⁉︎』
「すご〜い‼︎さっすがガオガエン!…ねぇ、ユウリ。」
「ん?なぁに?」
「僕たちも、おっきくなったら、一緒に本気のバトル、しようね!その時はユウリがチャレンジャーだからね!」
「…フフ。いいや、違うよ!◼︎◼︎◼︎◼︎がチャレンジャーだよっ‼︎」
「いいや、ユウリがチャレンジャー!」
「◼︎◼︎◼︎◼︎がチャレンジャーだよぉ〜!」
どちらがチャレンジャーかで言い合うあたし達。そして、ふと彼と目が合う。
「「…フフッ…。ハハ、アッハハハハハハ‼︎」」
こんな言い争いをしているあたし達が面白おかしくて、たくさん笑っていた。
…あいにく、記憶はそこで途切れてしまっていた。
「……ッ…。」
「!うわわっ、どうしたいきなり⁉︎」
気がつくと、あたしはホムラにガッツリ抱きついていた。
「…なんか、寂しいから…。ごめん、もうちょっとこのままでいい?」
「…ハァ、仕方ないなぁ…。いいよ。ただしあと30秒。」
「え〜〜…。」
「え〜〜じゃありません。…にしても、『〜』が一個多いせいでなんかすごく残念そうに聞こえるのはなぜだろうか…?」
敢えて『〜』を一個多くして、残念そうな感じをより引き立ててみたが…効果抜群だったようだ。さて、そろそろ最後の質問に行かなければ。
「…ホムラ。いろいろ話したけど、最後の質問をするよ。……この件になにか関係ありそうなものって、持ってる?」
すると、彼は黙り込んでしまう。…反応的に恐らくあるのだろう。しかし、頑なにそのことを言おうとしない。
そして、あたしは、ほぼ間違いなく、あたしの知らないホムラの最初のメンバーなのだろうと思った。なぜなら、これに関しても頑なに話そうとはしてくれないから。他のことはなんでも喋ってくれるのに、これだけは話題を逸らされてしまう。
この他の理由の可能性もあるが、あたしは直感的にこれだと思う。まだここで会ってから2週間も経っていないし、彼のことは完全に理解できている自信はないけれど、直感的にそう思う。
「………。」
「…やっぱり、そのコが関係してるのかな?」
そう言いながらあたしは、7つのボールの中でも特に眩い輝きを放っている
「…はは、バレてたか…。」
「だって、それに関する話題は全部教えてくれなかったんだもん。…そのボールを開けれればって感じ?」
あたしがそういうと、ホムラは、夜でも輝くマスターボールに手を伸ばす。
「…ああ。ユウリの言う通り。…でも、怖くて開けられないんだ。」
「なんで?どうして怖いの?」
少し責めるような口調になってしまったが、ここで彼に言ってもらわなければ、もしかしたらあたしは、もうそれに関しては訊けないかもしれないから。だから、言ってもらう。
「昔、
ずっと、か…。
「僕がパルデアに引っ越す1週間前、僕はその子と、本当に些細な理由で言い争いになって、そこから関係に亀裂が入って…。お互いに頭を冷やそうってことで、その日は解散になった。
僕らは互いに信頼しあっているから、頭を冷やせばすぐに自分が悪かったってなって、次の日には仲直りできるんだけど、その次の日、僕は熱を出してしまった。それも結構ひどい熱で、1週間は寝込まないといけないもので…。そして、そのままフライトの日になってしまって。闘病の1週間で疲れていたからか、僕は出発時間まで寝過ごしちゃって。そしてそのまま目が覚めた時には、空港にいて、結局僕は彼女に謝れずに、しかもお別れの挨拶のひとつもできずに、ここまで来てしまったんだ…。」
「…で、そのことを想起させてしまうポケモンだから、そのボールを開けられない、と…。」
「…。」
無言でこくりと頷くホムラ。
そして、あたしが聴いてて感じたのが……
「…確かに、そればかりは仕方ないかな…。無理矢理開けてホムラの心を壊したくはないし…。じゃあ、ホムラの実質的な1匹目はお預けかぁ…。ちょっと見てみたかったんだけどなぁ…。ところで、そのマスターボールには誰が入ってるの?」
「…それはね…え〜と……たしか……の…え…で…。」
すると、ホムラの声がだんだん小さくなっていく。
そして、そのままベッドに寝転がって、眠ってしまった。
「ありゃ、疲れて力尽きちゃった?いいよ、寝てて。お風呂は明日の朝入ればいいし。おやすみ、ホムラ。」
さっきまでの難しい顔から一変し、気持ちよさそうな寝顔を見せるホムラ。そんな彼をみて、あたしも少し眠くなってきた。
「ふぁ〜あ。あたしもそろそろ寝よっかな…。」
…ホムラは、本当に寝てしまっただろうか?
「…ホムラ〜?起きてる?」
彼から反応はない。寝ていると考えてもいいだろう。
「…フフ、寝ちゃったか。相変わらず可愛い寝顔してるね…。」
そういい、彼の頭を優しく撫でるあたし。そして、ひとり真剣なことを独りごちる。
「…そういえばだけど、分かったよ。喪失感を感じる理由と、解消の条件が。」
そう、この問題の理由と解消法はズバリ…
「ひとりでいるから、だとあたしは思うよ。」
人はひとりの時、周りに人がいない時、孤独感を覚える。
それが、親友という存在を思い出させ、孤独感を増させて、それが喪失感を覚えさせるのだとあたしは思う。…あたしも、一時期そうだったから。
「…あたしも、ガラルにいたときは殆ど1人で冒険してたんだ。だからさ…」
「あたしに寂しい思い、させないでね?」
共に旅をする友として、あたしも感じたことのある虚無感を互いに感じさせないようにしたい。
だって、それが友への礼儀だと、あたしは思うから。
「…お願いね?フフッ…。今度こそ本当におやすみ。」
言いたいことを言い切り、部屋の電気を消して、暖かい布団の中に身を潜めるあたし。
…あたしがいることで、彼の心が温かくなって欲しい。あたしの隣で、気づかないうちに心を痛めていてほしくない。だからこそ、今夜はこんな話をした。
「…少しでも、あなたの助けになったかな?」
今日の会話が、ホムラのトラウマを解決する手助けになってくれたらいいな、とあたしは思った。
《フレイム視点》
未明 どこかの地方の社長室
「…なるほど、そうか。そうかいそうかい。分かったよ。うん、ありがとう。それじゃあ。」
ピッ…。
彼との会話を切り、フゥ、とコーヒーを飲んで一息つく。そして、独り言を呟いた。
「…ホムラ……。どう顔を合わせたらいいのだろうか…。親として、そして父として、本当に………すまない……。」
To be continued…
ホムラとユウリの過去
幕間で、これをテーマに書いてみました。…いま話せるのは、本編の内容のみですね。確定事項として、3章でこの話の深掘り及び完全解決編を描くので、それまでは予想を混じえながら読んでみてくださいね。
あとがき
幕間のお話は、今話だけです。ここまでこの小説を書いてきて、今すぐにでも書きたかった、ちょっと黒めの大人な内容を書いてみました。ここから先、彼らがどうなっていくのか…。楽しみにしていただけると嬉しいです。
さて、次回からは予告通りに2章を始めていこうと思います!
気になる2章のサブタイトルは……
『テラリウム事変編』です!
テラリウムを使った、グレン団による行動が本格的に開始!テラリウムによってポケモン達を暴走状態にし、町を制圧しようと試みるグレン団…。慈善活動を行なっていた団体から一変し、このような状況になってしまったグレン団との戦いが、今始まる ‼︎
そして次回は、ホテル内で、紫のオーラに包まれたポケモンが、泊まっている人々を襲撃する事件が発生!これを解決するため、ホムラとユウリは動き出しますが、事件にはグレン団の幹部も絡んでおり…!
物語が本格的に動き出す2章!
次回以降のお話も、乞うご期待ください!
それでは、また次回でお会いしましょう!バイバイ!
次回 十五話 グレン団襲撃!テラリウムポケモン大暴走‼︎
ホムラの最初の1匹は誰だと思う?
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伝説のポケモン
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御三家(最初の3匹)
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色違いの伝説のポケモン
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幻のポケモン
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色違い御三家
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色違い幻のポケモン
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