百合に挟まる訳ないだろ。(挟みに来た!?)   作:究極の闇に焼かれた男

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少しづつ体調が良くなってきたので更新します。

それとコメント内で指摘されていた原作の男性キャラについてですが、本作は基本原作に沿いつつも要所要所にオリジナル回を挟むので出番はもう暫くお待ちください。

追記.早ければオリジナル回で出す予定。


第9話/気が付いたらプールに居たってマジ!?

 

 

 

茜色に染まった夕暮れの景色が広がる街を一望出来る屋内のカフェ。 そこに置かれたふかふかのソファに腰掛けながら、奏汰は紅茶の入ったカップを片手に周囲を見回す。

 

夕陽を反射した水面が広がるプールと一庶民である自分とは縁遠いと感じるスイート感の溢れる屋内、そして完璧なプロポーションを誇る体躯がビキニタイプの水着を着ている事も相まって際立っている真唯と、見慣れた制服姿のれな子が隣の席に腰を下ろして紅茶を飲んでいた。

 

 

「ん? そんなにジッと見て、どうかしたのかい♪」

 

「っ!? いや、何でもない!」

 

 

視線を向けられている事に気付いた真唯が話し掛けると奏汰は慌てて視線を逸らすと、れな子に視線を向け話し掛ける。

 

 

「なぁ、れな子」

 

「う、うん」

 

「どうして、こんな事になったんだ?」

 

「さ、さあ?」

 

 

そう言うと2人は一庶民である自分達からすると余りにも場違い感の溢れるホテルの会員制プールに来る経緯を思い出し始めるのだった。

 

 

 

────────────────────────

 

 

 

 

 

時は遡ること数時間前、お昼休みに奏汰と紫陽花が談笑していた所にれな子達が教室に戻って来た場面へと戻る。

 

 

「ねえね、聞いて聞いて、マイってばこないだホテルの会員制プールに行ったんだって! すごくない? やばくない? いやー、いいなプール! プールプール!」

 

「一先ず落ち着け、途中から何を言ってるのか分からん」

 

「だってだって、ホテルの会員制プールだよ? ぜったいにすごいし、やばいよ!」

 

 

教室に戻って来るなり目をキラキラさせながら話し掛けてきた香穂に対し奏汰は「語彙力どこに行った」と、苦笑気味に言葉を零すと未だに興奮収まらない様子の香穂に紗月が話し掛ける。

 

 

「香穂、そんなにプール好きだったかしら。 真唯のことが羨ましいだけじゃないの」

 

「そりゃそうじゃんー! サーちゃんは羨ましくないんすか!? 豪華な温水プール! リクライニングチェア! バーカウンターに、マイの抜群の水着姿ー!」

 

「……妬ましいっていうか、純粋にムカつくわね。 似合いすぎて」

 

そう答える紗月と香穂に挟まれている真唯は、「そんなに似合うかな?」と微笑んでいる中、れな子が奏汰に小声で話し掛ける。

 

 

「ねぇ、奏汰…」

 

「ん? どうした」

 

「その、今日の放課後って空いてる」

 

「特に予定は無いけど、何かあるのか?」

 

「うん。 その……」

 

「だったら今日さ! 放課後、服見に行こうぜ! 夏服! 揃えたいんすよ!」

 

 

れな子が何か言いかけた直後、香穂が声をあげた。

 

 

「だめ。 忙しいわ」

 

「あらら。 紗月さん、なにか用事あるの?」

 

「自主勉」

 

 

紗月の言葉に紫陽花が「わー」と感心し、香穂は「うぇっ」という苦い顔をする。

 

 

「いいじゃんー! サーちゃん、高学歴大学生みたいな雰囲気出してるんだから、勉強しなくっても大丈夫すよ! いこうよおー、いこ〜よ〜!」

 

「うざ……」

 

「ひど!」

 

 

駄々をこねる子供のように言いはじめた香穂に対し、紗月は冷静に返していると真唯が目を細めて笑う。

 

 

「そんなに頑張ったところで、次のテストもまた私が勝つよ」

 

「お前……お前え……!」

 

「落ち着け紗月、それと真唯も変に煽るな」

 

 

奏汰は殺意の波動を撒き散らそうとする紗月を宥めつつ真唯を窘めるように言うと、「これは失礼」と微笑み返される。

 

 

「いいなー、私もお洋服見にいこっかなー。 ね、れなちゃんどうする? 奏汰くんは行くよね?」

 

「え? あ、わたしは」

 

「いや、何で俺だけ行くこと前提なんだよ」

 

 

紫陽花に話を振られたれな子は言い淀み、奏汰はツッコミを入れた。

 

 

「その、わたしは……」

 

 

未だにどう答えたものかと悩むれな子は奏汰に視線を向けると、れな子の様子を察した奏汰が答える。

 

 

「誘ってくれたところ悪いんだけど、今日は俺もれな子も用事があって行けそうにないかな」

 

「そうなの?」

 

「ああ、だから買い物に行くのは次の機会にさせてもらう。 れな子もそれで良いな?」

 

「っ、うん」

 

「そっかー。 じゃあしかたないね」

 

 

そう言って紫陽花は少し残念そうな顔をしていると、真唯が徐に口を開いた。

 

 

「うん、どうせならみんなで一緒に行こう。 ……と言いたいところだが、残念ながら今日は約束があるんだ。 だから、買い物はまた今度にしよう。 香穂も明日は小テストだぞ。 家に帰って勉強するといい。 紗月も頑張れ。 未来永劫、私には勝てないとしても、努力を続けるのは立派だよ」

 

「なんでこいつと仲良くしているんだろうか……」

 

「まあまあ……」

 

 

最後に余計な一言にイラッときた様子の紗月が真唯に向けて言っているのを紫陽花が間を取り持つ。

 

そうして話は終わった。 ……かに思われたが、それから暫く経ち放課後。 奏汰とれな子の2人は真唯に「少し時間をくれないだろうか」と言われついて行き、気が付いた時には何故か香穂の口から聞かされていた件の会員制プールに来ていたのであった。

 




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