百合に挟まる訳ないだろ。(挟みに来た!?) 作:究極の闇に焼かれた男
奏汰side
事の発端を語る前に、一先ずは俺の交友関係から説明するとしよう。
俺こと立宮奏汰は芦ケ谷高校に通う1年生、趣味はゲームで現在1人暮らしの極々普通の男子である。
そんな俺にはクラスメイトにして友人でもある5人の少女が居る。
1人目は中学の頃からの付き合いで今年の春から高校デビューを果たした少女--【甘織 れな子】。 自分の事を陰キャだの平凡だのと言っているが、実際には男子からの人気は意外にも高く、恋人にしたい女子ランキングなるものでは上位を収めている事を本人は知らない。
2人目は現役モデルにして金髪碧眼のクォーターで、一国のお姫様と見紛う程の美少女--【王塚 真唯】。 母親が世界的に有名なデザイナーで、幼い頃からモデルとして日本国外で活躍している芸能人だが、気さくな性格と誰にでも分け隔てなく接する性格、常に学年1位の学業成績を誇り、運動神経も飛び抜けいて人望も厚いと言う、完璧超人の天才である。
3人目はふわふわとした雰囲気を持つ純粋培養と言って差し支えない美少女--【瀬名 紫陽花】。 学年10以内の成績を誇誇ると同時に、共働きの両親に変わって2人の弟の面倒をよく見ており、尚且つ料理も得意と言う女子力高めでクラスメイトから度々天使と称されている。
4人目は学業成績2位を誇る秀才にして、切れ長の目をした黒髪和風のクール系美少女--【琴 紗月】。 王塚とは小学5年生からの付き合いらしく、真唯に対して物恐れせずに接する事の出来る人物として知られている。 かなりの乱読家で、特に人間の感情が描かれている作品を好んでいるらしい。
5人目は明朗快活な性格をした小柄な美少女--【小柳 香穂】。 "芦ケ谷の妹"として男女問わず全校生徒に可愛がられており、真唯を推していることを公言していて、ヘアアクセサリーも彼女の金髪に因んだ黄色を好んでしている。 噂では王塚に告白した事があると、まことしやかに囁かれている。
以上5名が俺の現在までの友人であるが、聞いての通り俺には異性の友達は居るのだが、何故か同性の友達が居ない。
どうして男友達が居ないのかと言うと、残念な事にその理由は俺にも分からない。
挨拶すれば返事を返してくれる程度にはクラスメイトの男子とは良好な関係を築けているが、それだけなのが少し残念な所ではある。
人によっては「5人の美少女と友人関係を築いているのに贅沢過ぎる悩みだな」と言われても可笑しくない悩みを抱えている俺だが、最近になって新たな悩みが増えた。
その悩みとは────クラスメイト兼友人の女子5人の顔面偏差値が異様に高いと言うことである。
真唯は言わずもがな、紫陽花に紗月、れな子に香穂を加えた5人は【クインテット】と呼ばれるグループ(本人達は名付けに関与していない)として学内では有名で、ベクトルは違えど全員が美少女である事実に変わりない。
そんな美少女達と何の因果か友人関係を築いた俺だが、余りにも高過ぎる顔面偏差値に内心気後れしている(この面子を相手に気後れするなと言う方が酷な話だろうが…)。
まぁ、何を言いたいのかというと…
(嗚呼、男友達が欲しい…)
目の前で楽しげに談笑する彼女達を前にして内心そう呟くのだった。
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「はぁ〜」
時刻は12時代、1年A組の教室にて奏汰はれな子達一行と昼食を摂るべく席に着いていると不意に溜息を零した。
「かーくん、溜息なんて吐いてどーしたの?」
溜息を吐く奏汰に香穂が話し掛ける。
「いや、大した事じゃないんだ。 ただ、今更ながらだけど、入学してから2ヶ月も経つのに一向に男友達が出来てない気がしてな……」
「本当に今更だね?」
「女友達が出来たのは良い事だとは思うんだが、異性の友達が出来て同性の友達が出来ないってのはマズいんじゃないかと思ってな」
「そう言うものかな?」
「そう言うものなんだよ」
そう呟く奏汰だったが、不意に横から裾を摘まれている事に気付き視線を向けるとれな子が何か言いたげな表情でこちらを見つめていた。
「(この表情は、"いつもの"か…)そう言えば、今朝は少しバタついてて飲み物を買うの忘れてたんだった。 れな子、少し付き合ってくれないか?」
「え? あっ、ちょっと!?」
「そういう事だから、れな子借りてくぞ」
そう言って奏汰はれな子の手を引くと、残りの4人に告げてから教室を後にするのだった。
この後に起きた"ある出来事"が、奏汰が2人の女子に同時告白される事態へと繋がる切っ掛けになるとは知らずに…。
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