百合に挟まる訳ないだろ。(挟みに来た!?) 作:究極の闇に焼かれた男
「──それで、また何時もの如く他の4人の会話に追い付けなかったのと余りにも強い陽キャオーラに呑まれそうになってMPが底を尽きかけてるから屋上に連れて来た訳だが……れな子、頑張り過ぎは肉体的にも精神的にも堪えるから無理はするなと前にも言ったろ?」
「ごめん…」
教室から出た後、奏汰はれな子を連れて自販機…では無く、屋上へと向かった。
屋上に着いたれな子は早々にフェンスへと凭れ掛かりながら項垂れており、そんなれな子に奏汰は呆れ顔で深い溜息を吐いていた。
「はぁー……せっかく高校デビューを果たして陽キャの仲間入りもしたってのに、相変わらず変に頑張りすぎてるよな」
「うううう…」
落ち込むれな子に奏汰は「やれやれ、仕方ないな…」と呟くと、そっと右手をれな子の頭に添えて優しく撫で始める。
「前にも言ったが、れな子が頑張ってるのは分かってる。 でも、頑張り過ぎて自分に無理を強いるのは良くないし、下手に周りに合わせようとしなくても自分のペースを疎かにする必要性はないんだ」
「奏汰……」
「とりあえず、いつもの様に屋上で暫くのんびりとMP回復に務めて、午後には無理をしない程度にまた頑張ろうな」
「うん」
そう言って奏汰とれな子の2人はフェンスに凭れ掛かりながら静かな時間を過ごす事にした。 ……その時だった。
ふと背後からドアが開く音がした。
その音に奏汰とれな子が視線を向けると、そこには長い金髪を靡かせた長身の美女--王塚真唯の姿があった。
真唯の姿にれな子が見蕩れている中、奏汰は何故か嫌な予感を感じていると真唯の表情が切迫したものとなり、屋上の床を蹴って駆け出した。
「2人とも、いけない!」
「「え?」」
突然こちら目掛けて駆け出して来る真唯の姿に2人が呆然とした表情を浮かべていると、両手を伸ばしながら近付いて来る真唯の姿に圧を感じてビビったれな子がバランスを崩すと、そのままフェンスを乗り越えかけた。
「あ」
「れな子!!」
フェンスを乗り越えかけた直後、すぐ隣りに居た奏汰が咄嗟にれな子の腕を掴んで引っ張り上げると入れ替わるようにして奏汰が落ちそうになる。
「っ、奏汰!?」
れな子と入れ替わるようにしてフェンスを乗り越えた奏汰だったが、空中で身を翻してフェンスに手を伸ばし掴むことで落ちずに済んだ。 ……ハズだった。
「は? おいおい、こっちに来るんじゃねー!?」
奏汰が視線を向けた先には真唯が迫ってくる姿があり、それを見て慌てて制止の声を掛けるも真唯が止まることは無く、気が付くと奏多は真唯に抱えられながら屋上から落ちる羽目になった。
「もう大丈夫だ、奏汰」
「どこがだよ!? 現在進行形で落ちてるでしょうが!? と言うか何で止まらなかった!? どうして踏み切ったんだ!?」
「心配するな」
「は?」
「この王塚真唯が一緒なら、助かるに決まっているだろう。 私は運がいいんだ」
「いやいやいや、運が良いとかそう言う問題じゃねー!? 」
奏汰の悲鳴混じりの叫びが虚しく木霊しながら、奏汰と真唯はガサガサと音を立てながら木の中へと落下すると途中で体が引っ掛かると同時に全身に強い衝撃が走るのだった。
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